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中小製造業のブランディング、何から始めるか|選ばれる会社になる4ステップ

中小製造業の工場を見下ろす経営者中小企業、とくに製造業では「良いモノを作れば売れる」という考えが根強く残っています。製品の品質やスペックを高めることに全力を注ぐ一方で、「自社の製品が顧客にとって何をもたらすのか」という視点を持つことを忘れてしまいがちです。
しかし、どれだけ高性能な製品でも、顧客がその価値を実感できなければ、選ばれることはありません。本コラムでは中小企業の製品ブランディングをテーマに、なぜ自社製品の「意味」や「価値」を明確に伝えることが重要なのか、そしてそれをどう実践するかについて具体的に解説していきます。製造業の中小企業だからこそできる、本質的なブランディングの方法をお伝えしていきます。

平田弘幸

執筆した人:平田弘幸

株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。


本記事で分かること

本記事では、中小製造業が「品質がいいのに選ばれない」という壁を超え、顧客に“あの会社に頼みたい”と思われるためのブランディング手法を4つ紹介します。価格やスペックではなく、自社の価値をしっかり伝え、指名されるブランドになるための考え方と実践例をわかりやすく解説。差別化が難しいと感じている方こそ読んでほしい内容です。


 

なぜ中小企業に製品ブランディングが必要なのか

大企業とは異なり、中小企業は宣伝費や知名度において不利な立場にあります。こうした状況であっても他社製品との差別化を図り、永続的に事業を発展させていかねばなりません。そのためには、製品そのものに「ストーリー」や「信念」を乗せて発信する必要があるのです。
つまり、「何を作っているのか」ではなく、「なぜそれを作るのか」「どんな価値を届けたいのか」という部分を伝えるのが、製品ブランディングの本質です。
製品ブランディングを強化することで、価格競争に巻き込まれるリスクも減らせ、顧客は単なる「モノ」としてではなく、「このブランドだから買いたい」と感じるように。これは中小企業にとって非常に大きな武器となることでしょう。

 

中小企業が陥りがちなブランディングの誤解

ロゴマークのVIを作るデザイナーの手元「ブランディング=おしゃれなロゴやパッケージデザイン」と誤解しているケースが少なくありません。もちろんビジュアル面も重要ですが、それはあくまで表層部分。根本は「自社製品が誰にとってどんな意味を持つのか」を明確にし、それを一貫して伝えることにあります。
また、すべてを完璧に整えようとしてスタートが遅れるのもよくある問題です。中小企業に求められるのは、まず自分たちの強みや思いを素直に言葉にし、それを市場にぶつけてみる行動力です。
短いサイクルでトライ&エラーを繰り返せるのが中小企業の強み。経営者が陣頭指揮をとり、新たな局面を模索することを始めましょう。

 

中小企業が製品ブランディングを始めるためのステップ

ここからは具体的なステップについて見ていきましょう。

 

1.ターゲットを明確にする

訴求するターゲットを誰にするか考える担当者誰に向けて製品を届けたいのかをはっきりさせます。どのような人が自社製品の導入を検討してくれそうか。
年齢、性別、ライフスタイル、価値観など、できるだけ具体的にイメージします。ここでのポイントは、狭くても良いのでターゲットを明確に絞り込むこと。ターゲットを絞り込んだとしても、自社の売上は大企業ほど大きなものでなくても十分なはず。中小企業だからこそ、広く浅くではなく、狭く深くターゲットを絞り込むことが結果的に効果的なものになります。

 

2.自社の「強み」と「想い」を言語化する

他社と比べて自社製品は何が違うのか、なぜそれを作っているのか、なぜ顧客に届けたいのか。これらをシンプルな言葉でまとめることが大切です。特別な表現はいりません。素直な言葉こそが中小企業の強みになります。
また、長く購買してくれている現在の顧客に、「なぜ自社から買ってくれているのか」を聞いてみましょう。その理由がわかれば、まだ見ぬ顧客にも刺さるポイントが浮かび上がってきます。

 

3.ブランドメッセージを設計する

ターゲットに対して、自社製品がどんな価値を提供できるのかを一言で表せるメッセージを作りましょう。このメッセージは、コンタクトポイント(自社が顧客と接する場所、ツール)WEBサイト、SNS、パンフレット、名刺、事務所などすべての発信活動の軸になります。

 

4.一貫した発信を続ける

ブランドメッセージに沿った情報発信を地道に続けることが重要です。SNSなら、製品開発の裏話、スタッフの想い、お客様の声など、できる限りリアルな情報を発信しましょう。事例は、導入を検討している顧客候補の背中を強く押してくれます。すぐに大きな反響を期待してはいけません。粘り強く発信を積み重ねていくと、ある地点から乗数的に影響力を持つことに気づくでしょう。

製造業のブランディング手法、今日から始める5ステップ

 

中小企業ならではの製品ブランディング事例

例えば、地元の素材にこだわった食品メーカーが「地元の美味しさを全国に届けたい」というメッセージを掲げ、農家との共同開発ストーリーを発信し続けた結果、地域ブランドとしての地位を確立した例があります。
また、小さな工房が「一つひとつ手作業で仕上げる丁寧なモノづくり」を前面に出し、量産品との差別化に成功したケースもあります。
いずれも、特別な広告費をかけたわけではなく、「ほかにはない自分たちの強みを正直に伝え続けた」ことが成功要因です。

 

製品ブランディングを継続するために

ブランディングの計画について、社内で検討中製品ブランディングは一度作って終わりではありません。市場や顧客の変化に合わせて、伝え方を見直したり、新たな価値を提案したりする柔軟さも必要です。小回りが利くのは中小企業の大きな強み。大企業にできないスピード感で変化に対応していきましょう。
また、社員全員がブランドの考え方を共有することも大切です。経営者だけが意識しても、現場がバラバラではブランドイメージは伝わりません。社内ミーティングや勉強会を通じて、製品ブランディングに対する共通認識を持つことをおすすめします。

 

中小企業だからこそできる、強力な製品ブランディングを

製品ブランディングは単なるマーケティングテクニックではなく、企業の存在意義そのものを市場に伝える行為です。限られたリソースでも、強いブランドを築くことは可能です。自社の強みと想いを明確にし、それを一貫して発信し続けることで、価格競争に巻き込まれず、ファンを増やすことができます。
今日からできる小さな一歩として、自社の製品について「誰に、どんな価値を、どう伝えたいのか」を整理してみてください。中小企業だからこそできる製品ブランディングで、未来を切り開いていきましょう。

 

 

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求職者が集まらない中小企業。採用ブランディングで定着率まで改善できる

「求人を出しても応募がこない」
「ようやく面接まで進んでも辞退される」・・・

そんな悩みを抱える中小企業が急増しています。人手不足が深刻化するなか、新規事業の立ち上げすら見送らざるを得ないケースも少なくありません。

この状況を打開するカギが、「採用ブランディング」です。
これからの採用は、「人を集める」のではなく、「選ばれる企業になる」ことが本質。そのためには、自社の魅力を明確にし、言葉と形で伝える準備が必要です。

ただし、ここでいうブランディングは、ロゴやデザインを整えることではありません。
たいせつなのは、「なぜ、今いる社員たちはこの会社を選んだのか?」という問いに向き合い、その答えを採用のメッセージに変えていくことです。

平田弘幸

執筆した人:平田弘幸

株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。


本記事で分かること

採用に悩む中小企業が「人が集まらない・すぐ辞める」状態から抜け出すには、採用ブランディングが有効です。本記事では、そもそも採用ブランディングとは何か、自社に合った人材を惹きつけるためにどんな工夫が必要なのかを、事例や実践的な視点から解説します。応募数の改善はもちろん、定着率の向上にもつながる“採用の考え方”が身につきます。


 

中小企業の採用ブランディングは“現場の声”から始まる

採用ブランディングで最も信頼できる材料は、すでに会社の中にあります。それは、今働いている社員たちが感じている「この会社の良いところ」です。これを掘り起こし、言語化し、求職者に伝える。それが中小企業にとって最も効果的で、再現性のあるブランディングのやり方です。

重要なのは「再現性」です。いま在籍している社員たちは、何らかの理由でこの会社に定着しています。その理由には、これから入社する人にも響く「共感の種」があるはず。だからこそ、それをうまく言葉に変えて伝えることで、「この会社、なんかいいかも」と感じる人が現れてくれます。

ただし、ここにひとつ大きな課題があります。
それは、経営者が社員に直接ヒアリングしても、本音を引き出すのは難しいということ。どれだけオープンな社風でも、社員はどうしても忖度してしまいます。「ここが良い」「ここは微妙」という本音を引き出すには、第三者の視点やファシリテーションが欠かせません。


 

採用ブランディングは「社内インタビュー」が要だが、外部の聞き手だからこそ引き出せる声も

社員のリアルな声を引き出すには、第三者の存在が欠かせません。社内の人間関係が影響しない「外の人」が話を聞くことで、社員は忖度なしで本音を話しやすくなります。

たとえば、採用ブランディングの一環として外部にヒアリングやインタビューを依頼すれば、社員の言葉から会社の“本当の魅力”が見えてきます。経験ある聞き手であれば、単なる印象論ではなく、言語化されていない価値観や空気感を言葉にしていくことも可能です。

実際、私たちがインタビューを行った中小企業では、こんな声が出てきました。

「正直、最初は待遇よりも人の良さで決めた」
「決め手は社長が面接で家族の話を聞いてくれたこと」
「大企業では味わえない“自分ごと感”があるのが魅力」

こうした言葉は、社長の前ではなかなか出てこないものですが、まさにその企業らしさがにじみ出た「選ばれる理由」です。求職者にとっても強く響くメッセージになります。


 

強みを発見するだけで終わらせない。採用ブランディングは経営者の手で育てるもの

採用ブランディングの図採用ブランディングの図社員の声から見えてくる自社の魅力。
それは、他社にはない「選ばれる理由」の原石です。

たとえば、

「小さい会社だけど、一人ひとりが主役になれる」
「上下関係がフラットで話しやすい雰囲気がある」
「社長が現場に顔を出してくれるのが安心感につながっている」

こうした声は、単なる満足度ではありません。むしろ、「ブランドの種」です。そして、その種をどう育て、どう磨いていくかは、まさに経営者の役割です。

たとえば「距離の近さ」が強みなら、雑談やミニミーティングを制度化して文化として根づかせる。「挑戦できる風土」が評価されているなら、小さなトライを応援する仕組みをつくる。
こうして“良さ”を仕組みに変えることで、社内に根づき、外からも見えるようになっていきます。

採用ブランディングとは、表面的なアピールではなく、内側からにじみ出る魅力を整えて、伝わる形にすること。だからこそ、社員の声を聞くだけでは終わりません。その声に応え、未来につなげていく行動こそが、採用力を本物に変えていくのです。


 

中小企業の採用ブランディング成功事例とその後の課題対応

当社クライアントの中堅企業が採用ブランディングを実施、それまで少なかった応募者数が増加し、採用サイトをリニューアルした翌年には求人枠をすべて充足できるまでになりました。加えて、応募者の質も向上することにもつながり、社風に憧れを持ち、より高いスキルを持った人材を採用できるようになった点も大きな成果でした。こうした実績は、採用ブランディングによって企業の魅力が適切に伝わり、求職者とのマッチングが改善された結果といえます。

成果として見られた変化:

・応募者数の大幅な増加
・採用目標の早期達成
・応募者の質の向上(スキル・志向の両面)

一方で、採用活動の競争が年々厳しくなるなか、新たな課題も浮かび上がります。とくに、大手企業から内定を受けた学生による内定辞退が相次ぐようになり、せっかく確保した優秀な人材の取りこぼしが増えてしまったのです。これは知名度の差や安定志向が背景にあり、中堅企業にとっては乗り越えるべき大きなハードルです。

新たに直面した課題:

・内定辞退の増加(特に大手内定者)
・企業の知名度や安定性への懸念
・入社意思決定への影響

この課題に対応するため、採用サイトの再リニューアルではブランディングをさらに強化。「大手よりも活躍の舞台が大きい」「若手が早くから裁量を持てる」といったメッセージを前面に打ち出し、企業としての価値や成長機会を明確に伝える工夫を施しました。

再リニューアル時に行った施策:

・メッセージ性を強化(活躍機会・裁量の早期付与を訴求)
・求職者視点でのコンテンツ設計
・ブランディング要素の再整理

その結果、内定辞退の割合は減少し一定数の質の高い応募者を安定して確保できる状況に改善しています。このように、採用ブランディングは一度きりではなく、市場環境に合わせて柔軟に進化させていくことが、採用活動を成功に導くカギとなります。

地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集(厚生労働省)


 

「続けるブランディング」が、中小企業の採用の質を底上げする

採用ブランディングは、1回やって終わりの「施策」ではありません。
むしろ、“企業文化の育成そのもの”です。日々の仕事と同じように、継続して取り組んでこそ、本当の効果が見えてきます。

せっかく社員の声から「うちの良さ」が見えてきても、それを放置していては意味がありません。まずは、年に1〜2回でもいいので、定期的に社員インタビューや価値観の棚卸しを行う仕組みを作りましょう。
外部のパートナーと一緒に行えば、より客観的な視点で社内の変化を捉えられます。

そして見えてきた魅力は、採用コンテンツに反映していきます。
ホームページや採用ページ、SNS、会社説明会など、あらゆる接点で一貫性を持って伝えることが、「なんとなく応募」ではなく「ここで働きたい」という共感に変わっていきます。

さらに見逃せないのは、ブランディングの効果が“社外”だけにとどまらないこと。
社員が「うちの会社って、意外といいな」と再確認する機会にもなり、エンゲージメントが高まります。結果として離職も防げ、自然と友人や知人にも勧めたくなる。そうしてリファラル採用が生まれ、また新しい“共感できる仲間”が集まってくる。

継続的な採用ブランディングは、単なる採用活動ではありません。
人が集まり、育ち、定着し、つながっていく——中小企業の人材戦略そのものの土台になるのです。


 

「見つけた強み」を育て続ける中小企業が、人から選ばれる

採用に悩む中小企業は少なくありません。でも、その答えは外にはありません。
今いる社員たちが日々感じている「うちの会社、けっこういいじゃん」という実感こそ、最大の武器です。

その声を、外部の視点も借りながら丁寧にすくい上げ、言葉にして伝えていく。
そして経営者がその強みを信じ、育てる姿勢を持ち続けることで、会社は着実に変わっていきます。

「この会社に入れたらいいな」ではなく、
「ここで働きたい」と心から思ってもらえる場所へ。

採用ブランディングは、派手な施策ではなく、日々の積み重ねです。
これまで御社が培ってきた事業と同様、細やかな改善と工夫は、必ず成果を導き出してくれます。
そしてそれは、確実に「選ばれる企業」への道をつくっていく力に。

今、手の中にある小さな強みに気づき、育てていくこと。
そこから、採用も組織も、きっと変わっていきます。

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中小企業の業績を上向かせる、ブランディングの力

中小企業を対象とした景況調査の結果、値上げができている会社は業績が上向き傾向にあるとのこと(大阪府中小企業家同友会調べ)。わかってはいるものの、顧客が離れてしまうのではといった怖れも含め、値上げに踏み切ることをかんたんに決断できるものではありません。
値上げは、顧客に受け入れざるを得ないなと感じさせるだけの、他社にはない優位性やブランド力を持つ企業にのみ許されるものです。それが中小企業でも持てるのか。そこが経営者すべてが憂慮するポイントでしょう。
今回のコラムは、賃上げや原料費の高騰、燃料費の上昇などによる環境の変化を乗り切るためには、自社の優位性を振り返り、ブランド力を高めなければいけないという主旨になります。うちには目立った優位性などないから・・・と感じた方でも、大丈夫です。業績を改善させ、中長期的に胸を張って事業を進められる体制を作っていきましょう。

平田弘幸

執筆した人:平田弘幸

株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。

ブランド力が価格決定権を生む

中小といえども、ブランド力がある企業は単に商品やサービスを提供するだけでなく、「この会社だから買いたい」「このブランドなら信頼できる」 という付加価値を顧客に感じさせることができます。これは、価格決定権を企業側が握ることにつながり、値上げをしても顧客が納得しやすくなる要因となります。

では、中小企業がブランド力を高め、「値上げしても選ばれる企業」になるためには、どのような取り組みを行うべきでしょうか?

 

1. 自社の強みを明確に

ブランディングの第一歩は、「自社の強みは何か?」を明確にすること。例えば、以下のような視点で考えてみましょう。

  • 技術力・専門性:他社にはない独自の技術やノウハウ
  • 品質・こだわり:素材や製造工程での工夫
  • 顧客対応:御社が顧客に提供している価値
  • 評価:顧客が他社ではなく、御社から購入している理由
  • ストーリー性:創業の背景や理念、社長・社員の想い

「うちは〇〇だから選ばれている」と言えるポイント。それがブランドの核となります。

 

2. 価格競争からの脱却:付加価値の提供

値上げが難しいのは、「価格以外の差別化ポイントが伝わっていない」からかもしれません。単なる機能やスペックではなく、「顧客にとってのメリット」 を強く打ち出すことで、価格以上の価値を感じてもらえる可能性があります。

例えば、以下のような付加価値を提供できるか検討しましょう。

  • 長期保証やアフターサービスの充実
  • 特定の業界・顧客に特化した専門性の高さ
  • 環境に配慮したエコな製品やSDGsへの取り組み
  • 地域密着型のサポートや関係性の深さ

価格だけでなく、「この会社だからお願いしたい」と感じさせる付加価値を持つことで、値上げを受け入れてもらいやすくなります。

 

3. 一貫性のあるブランドイメージに

ブランドは、一貫したメッセージとビジュアルによって形成されます。マーケティングやブランディングにおいて、最も注意しなければいけないのがこの一貫性です。もし、社内のあちこちで一貫性のないコミュニケーションが社外とやりとりされれば、それだけで発しているメッセージとのさが目につき、信頼は薄らいでしまいます。
一貫性の維持を担うのは経営者。常に社内に対して、ブランドメッセージを伝え、啓蒙していくことが必須条件です。
具体的には、企業ロゴ、Webサイト、SNS、パンフレット、メール対応から発せられるメッセージのすべてが統一されたブランドイメージを持つことです。

  • 視覚的統一:ロゴ、カラー、フォント、デザインの統一
  • メッセージの統一:「何を大切にしている会社か?」が一目で伝わる発信
  • トーン&マナーの統一:顧客対応の言葉遣いや雰囲気の一貫性
  • 社員から発するメッセージ、サービスでの一貫性

「なんとなく安定感がある」「なんとなく安心できる」と思われる企業は、ブランド力がある企業。この「なんとなく」を意図的に作り出すことが重要なのです。

 

4. 顧客との信頼関係を強化する

ブランド力の本質は、顧客との信頼関係にあります。顧客の声に耳を傾け、誠実な対応を続けることで、自然とファンが増え、口コミやリピート購入につながります。

  • 購入後のフォローを徹底する(アフターフォローの連絡やサポート)
  • 顧客の声を活かす(レビューを収集し、改善に活用)
  • リピーターを大切にする(特典やイベントで関係を強化)

「この会社の商品なら間違いない」と思われるようになれば、多少の値上げがあっても顧客は離れません。

 

5. 専門性の高さを訴求する

ブランドの信頼性を確立するために、高い専門性があることは競合他社との差別化ポイントとして重要な要素です。

専門知識や業界の最新情報を発信することによって、顧客候補に「この分野のプロフェッショナル」と認識されやすくなります。

方法は業界によって異なりますが、専門コラムやセミナー、SNSなどを使った情報提供を継続すると、少しずつ注目されるようになります。たとえば加工業、メーカーなどであれば、保有する工作機械の紹介は技術者同士の共通言語であり、その会社にどの程度のレベルがあるかよくわかる指標にもなるでしょう。

ペルソナを設定し、理想的な顧客の分析を行う

ブランディングの成功は、適切なターゲットに向けた訴求が不可欠になります。そのために重要なのが「ペルソナ設定」と「ターゲット分析」。ペルソナとは、理想的な(今まで取引しているなかで、多数を占めるモデルでも可)顧客像を具体的に描いた架空の人物モデルのことで、年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観(自社の事業領域に関する)などを詳細に設定します。

あえてペルソナという「個」に絞り込み、明確にすることで、顧客層のニーズや課題を深く理解し、それに沿ったマーケティング戦略を立てることができるようになります。例えば、ターゲットが忙しいビジネスパーソンであれば、自社製品やサービスを短時間で理解できるコンテンツになど、効果的なアプローチにつながります。

また、ターゲット分析を行うことによって、どの市場に強いニーズがあるのか、どのチャンネルを活用すればリーチしやすいのかも把握できます。SNSの使用傾向や購買行動データを分析し、ターゲットに合わせたメッセージを届けることで、ブランドの認知度と信頼度が向上します。

ペルソナ設定とターゲット分析を適切に行うことで、より効果的なブランディングが可能となり、競争の激しい市場でも差別化されたポジションを築くことができるのです。

ブランド力が中小企業の未来を左右する

値上げを成功させるためには、単に価格を上げるのではなく、顧客に納得感を持たせるブランド力を磨くことが不可欠。これまでお伝えしてきたことをもういちどまとめておきます。

  • 自社の強みを明確にし、付加価値を提供する
  • 一貫性のあるブランドイメージを作る
  • 顧客との信頼関係を深める

このブランディング、大企業ほど実施は容易ではありません。なぜなら、組織が大きい分社内に浸透させるのに時間と手間がかかるから。ただ、現状を考えると値上げに踏み切れているのは、ほとんどが大企業です。彼らはブランディングを意識している、いないに関わらず、これまでに蓄積してきた資産(=顧客からの信頼)があるので値上げができています。

こんどは中小企業でも価格転嫁を含めた値上げを実施するために、価格競争に巻き込まれない戦略に切り替えるために、自社の優位点を振り返ることからはじめる。ブランディングは長期的な投資です。すぐに売上が向上するわけではありませんが、中長期的な視点、つまり自社を継続させようと考えた場合に非常に重要な取り組みになります。少し取り組んで効果が現れないからといって、やめてしまったり、路線を変更してしまったりすることは厳禁です。つねに訴求に一貫性を保ちながら、少しずつ大きな負担にならないような取り組みを積み上げていくイメージを心がけてください。

優位点の見つけ方、ブランディングの進め方については、社内だけで進めるのは自社を知りすぎているために、難しいことがあります。あえて業界に詳しくない外部の目を入れることが課題解決の近道になりますので、お気軽にご相談いただければ、アドバイスをさしあげます。

ブランディングについて

WEB担当者必見。書けないを書けるに変える5つの方法

WEB担当者必見。書けないを書けるに変える5つの方法

プロとしてライティングに携わるライターも書けない(気が向かない)ことはあります。
なぜそうなるのだろうと整理してみると、いくつかのポイントが存在するのです。それはおそらくWEB担当として職務をこなしておられるあなたにも共通するものがあるかもしれません。このコラムでは、私が気づいたいくつかのポイントを挙げながら、解決策が提示していこうと考えています。

コーポレートサイト、ブランドサイトなど自社のオウンドメディアで、成果をあげるためにはコンテンツの充実やコラムの更新がたいせつなのは分かっているが、日々の業務に追われて手付かずの状態が続いてしまう。ターゲットに刺さる良質なコンテンツを書かなければ・・・、などと本で読んだ。そんなことを考えると、よけいに気が重くなりやはり書きたくなくなる。

しかし、なにかきっかけがあると、一気に筆が進むといった経験は誰にもあるはず。
書けない、書きたくない、との差はどこにあるのか。冷静に状況を整理すると、いくつかのポイントがあることに気づきます。止まっていた筆を嘘のように走らせるために、一つずつ状況を整理していきましょう。

平田弘幸

執筆した人:平田弘幸

株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。

1.ライティング業務を分解して、それぞれに締め切りを設けよう

ライティング業務を分解して、それぞれに締め切りを設けよう

そもそも人は、目標がないと動くのはむずかしい。サボるわけではないが、そのときに優先順位が高いと判断した案件を優先してしまい、ライティングを「先延ばし」してしまうから。ライティングの完成に明確な期限を設ければ、気になり様は少し変わってくるはずです。

もちろん、ライティングの業務も行う必要があるということが前提ですが、必須となっているのなら、やはり計画立てて進めるべきでしょう。サイトの更新をメインの業務が空いたときでいいと考えておられるのであれば、締め切りはないに等しい。漠然と設定した期限は、簡単に延びる結果に。いくら自分で飴や鞭を準備しても同じことを繰り返すだけでしょう。

書き上げるためには、明確な期限を設けましょう。
明確であることがたいせつで、「~頃」や「月はじめ」といった漠然とした時期はダメです。その期限を守るためには、計画的に進めることが必須になります。終日ライティングに集中できる時間など取れることはないはずですから、①方向性のアイデア出し・決定、②情報・資料収集、③粗構成、④執筆といったステップごとに、目標期限を設けるのです。

設定した日程と項目に、チェックがついていくと少しだけ「やった」感を味わえ、気分も軽くなってきます。
ただ、ひとつ注意点が。
ときに計画通りにものごとは進まないことも多いはず。だからといって、上手くできなかったなどと思わないことです。もちろん、急な仕事で横槍が入ったとしても、目標の計画のことを気にしつつ、どうすればオンタイムに修正できるかを考えるにとどめましょう。あくまで自分にかけるストレスは適度なものに。

2.周りを巻き込んで、書く動機をつくる

周りを巻き込んで、書く動機をつくる

前述したライティング業務の分解のなかで、①方向性のアイデア出し・決定がありました。
おすすめしたいのは、アイデアの段階で同僚や友人などに意見を求めること。もしかすると、「ふ~ん、いいんじゃない」ぐらいの反応しかないかもしれません。でももしかすると、「こっちのほうが良くない?」「これ、加えたらどう?」なんていう、軌道修正やプラスアルファのアイデアをもらえるかもしれません。

それはあなたのアイデアの是非を確認するアクションではなく、共同して良いものを作りあげるために動いているのだという意識をもつこと。そう、意図的にライティングをあなただけの業務ではなく、周りを巻き込んだコンテンツにしてしまうのです。

巻き込まれた仲間は、コンテンツの進捗や出来が気になるし、さらなるアイデアをもらえるかもしれません。そうしてブラッシュアップされていったコンテンツは、きっとターゲットの心をつかむことになるでしょう。
担当のあなたも、周りに意見を求めた経緯から、良い意味でモチベーションも上がらないわけはありません。一人コツコツ、黙々と業務を進めるのではなく、みんなでつくるコンテンツは力強いものになるでしょう。

3.ライティングのためのネタを十分に準備しよう

ライティングのためのネタを十分に準備しよう

アウトプットには、10倍のインプット量が必要だと言われています。
足りない情報をもとに、コンテンツを膨らませるのはむずかしいものです。できないことはないのですが、具体的な表現に至らなかったり、抽象的な表現に終始してしまったりということになりがちです。

どちらかといえば、多くの情報を集めた後に絞り込んでいったほうが、濃密なコンテンツができる可能性は高まります。
たとえば、当社が行っている採用コンテンツの「先輩社員の声」では、つねに1時間強の取材時間をいただきます。決められた質問を繰り返すだけではなく、その先輩がどうすれば輝いて見えるか、就活生たちに格好良く映るかを探りながら、取材を進めていくと、軽く1時間は必要になるのです。
ときに脱線することもありますが、それがきっかけで興味深くなる内容につながったりすることもしばしばで、とにかく先輩に多くを話してもらうことに集中しています。

そこまでネタを集められれば、どう料理するかがシェフの腕の見せどころ。結論へのルートはいくつもありますが、引きが強くなる見せ方を模索することはライティングの醍醐味です。良い素材(ネタ)を集めて、ライティングの面白みを味わってください。

4.何を伝えたいかをイメージしよう

何を伝えたいかをイメージしよう

カメラマンは撮影するときに、写真を通じて何を伝えたいかを考えてから仕事に入ります。おそらく、この点がアマチュアとプロの大きな違いかもしれません。スマホが高機能化したことで、見たものをカンタンに撮れるようになりました。しかも、美しい結果も伴って。ただ、それが人に伝えたいことがあるから撮っているわけではないのです。

ライティングもまったく同じ。
そのコンテンツを通じて、何を読者に伝えたいか。あなたの意思をコンテンツのコンセプト、方向性に据えてください。その意図が読者に伝われば、ターゲットの心を動かすことができるし、伝えたいことが明確にした写真はSNSで共有されることになるでしょう。

いちばんいけないのは、なんとなく。
はっきりとした意図を持てば、相手を動かすことができるし、それを目指すあなたのモチベーションもあがることになります。伝えたいことが定まれば、そのためのデータ、情報も自ずと見えてくるはず。ライティングのスピードも上がるのではないでしょうか。

5.完璧なコンテンツを目指さない

完璧なコンテンツを目指さない

初稿から完璧なコンテンツを目指すことをやめましょう。
WEBのコンテンツは印刷物と違い、修正ができます。完璧なものを目指すがゆえに、気が重くなり、書けなくなってしまう。この悪循環を断ち切ることこそ、書けないあなたを克服するための考え方です。

何を隠そう、このコンテンツもリライトしています。リリースから数年後、読み返してみると、「響かないかもな」と感じる部分があり、大幅に書き換えました。

社内の手続きが面倒・・・ということがあるかもしれませんが、その点はぜひ社内を説得していただきたい。ブラッシュアップした、より良いコンテンツ案を提示すれば、きっと賛同は得られるはずです。
あなたが作り上げたコンテンツをより愛着のあるものにし、かわいがってあげると、それは読者にも伝わります。①完璧主義をやめること、②リリースしたコンテンツを見直すこと、③躊躇なくリライトすること。この3点をしつこく繰り返してみましょう。読者の反応が良くなれば、書くための動機が生まれてきます。

書けないを克服すると、文章の質もアップする

書けない状態を抜け出せれば、文章の質が向上する

30年前までは、多くの人にものごとを伝えようとすると、印刷物や映像メディアしかなかった。自前で製作した印刷物など、影響の及ぶ範囲などたかが知れていました。TVに取り上げられるなど、宝くじに当たるようなものです。しかし、ネットが普及することで誰も知らなかった企業が脚光を浴びることが起きるようになってきたのです。

あなたの所属する企業も、その可能性があるのですから、ぜひ一攫千金(笑)をねらっていただきたい。どの企業にも可能性はありますので、競争は激しくなってきています。しかし筋トレと同じように、ネットはあなたの努力を裏切らない。

私の尊敬する社長は、「毎日少しずつでも改善を重ねられるかどうかが、上手くいくかどうかの分かれ目だ」と言われています。ほんの少しずつでも、工夫をすることがあなたの「書けない」を克服するカギであり、文章のクオリティをアップさせる根源になるはずです。ぜひ、今回ご紹介した5つのヒントを試してみてください。

コラム「コピーライティング」

オウンドメディアで始める、ブランディング戦略

専門家としての知見を掲示すれば、オウンドメディアは成功する

オウンドメディアとは、企業が企画運営を担当する広報メディアのことであり、ウェブサイトはもちろん、ブログ、SNSなどを指します。ネット上ではユーザーにとって有意義なコンテンツが勝利するので、中小企業も大企業を凌駕することも十分にあり得ます。顧客層を拡大したい、狙ったターゲットにメッセージを伝えたいなら、すぐにでも始めるべきツールです。

当社もこのコラムのコンテンツを通じて、何社も新規顧客を獲得してきました。
顧客候補にとって、信頼を得るに足りる内容があれば、製品、サービスに対して引き合いが入ってくることを経験しているからこその考え方、方法論をお伝えしていきます。

オウンドメディアを運営するメリット

1.自社の考え方(価値観)を伝えられる

オウンドメディアを通じてコンテンツを追加していくことで、自社の価値観やストーリー、その分野に対する知見の広さ、実績などを伝えることができます。

たとえば、価値観。オウンドメディアを通じて、ダイレクトに製品・サービスの売り込みをしないほうがいい。ただし、その事業が生まれた背景、実現したい意義(価値観)を伝えることはやっておきたい。あなたの会社の価値観に共感してくれる顧客候補は、コーポレートサイトにある製品・サービスのコンテンツに興味を持ってくれるかもしれない。
その場合、次のようなステップを踏んで語っていくことをおすすめします。これは経営コンサルタントのサイモン・シネックがTEDのなかで提唱した理論で、人はWHY、HOW、WHATの順で話をすると説得されやすいというもの。

A.なぜ、その事業は生まれたのか(WHY)
B.ミッションを実現するために、どのような方法を採っているか(HOW)
C.結果生まれた製品・サービスは顧客にどのような価値をもたらすのか(WHAT)

ゴールデン・サークル理論(YouTube)


 

2.知見の広さを披露し、新規客を集める

その道の専門家集団である企業には、事業に関する幅広く深い知見が集まっています。その情報を知りたい人に向けて、ていねいに説明してあげることで、御社のステータスは上がります。しかも専門家集団ですから、いくらでも説くネタはあるはあずです。
とはいえ、オウンドメディア担当の悩みは、「何を取り上げたらいいか」でしょう。なぜ方向が定まらないか、なぜ筆が進まないのかといえば、聞きたいと考えている人に尋ねていないから。これまでの顧客とのコミュニケーションのなかで交わしたはずの話題を忘れているから。
当社のクライアントに製品サービスの説明文を求めても、興味をそそられる文面は出てこないのに、取材をするといくらでもネタを引き出せるのと同じです。ごく些細なことでもいいのです。必ずそれを求めている人はいるし、それによって御社の専門家としてのステータスは上がるのですから。


 

3.自社ならではの実績を伝え、共感を呼ぶ

たとえば、顧客との程よい距離感を大切にする接客業の場合。
店舗で日々起こる顧客とのコミュニケーションやエピソードを自社の理念に基づいたアレンジで伝えましょう。
サービス業にとって、顧客とのコミュニケーションの質は、生命線ともいうべきものであり、顧客側にも心地よいもてなしをしてくれる店を探しているセグメントが一定数存在します。この関係を取り持ってくれるのが自社運営の嘘偽りのないオウンドメディア。そのサービスを経験したいと思う顧客候補が店のドアを開いてくれるようになります。


 

4.顧客を選べるようになる

自社が得意とする分野に興味を持ってくれる顧客を開拓したいと考えているなら、その分野に関するコンテンツを深く発信していくべきです。これまで見てきたように、業界の一般的な話題ではなく、狭くても自社の得意な部分のコンテンツを発信していくことで、そこに興味を持つ顧客候補がオウンドメディアに集まります。

つまり、オウンドメディアは新規客を選別する集客装置でもあるのです。

当社であれば、ブランデイング、SEO、コピーライティング、WordPressを用いたシステム構築といった分野のコラムを数多く発信していますので、この分野に対する引き合いが集まります。WEB企画制作が主たる事業となっていますが、オウンドメディアで発信している分野を集中させているので、そうなるわけです。それでも、その戦略は成功していると考えています。それが当社の得意分野ですから、受注率も高くなります。


 

5.SEO効果も絶大

Googleは、検索結果の上位表示の条件として「検索者のためになる」こと、「スペシャリストとしての知見」を挙げています。これまで述べてきたように、自社の専門知識や実績をオウンドメディアに蓄積していけば、Googleの評価は必ず上がります。それは自社サイトへの集客へとつながり、まだ見ぬ顧客へのアプローチに強力に貢献してくれるようになります。


 

オウンドメデイアでブランディングを推進

コーポレートサイトのリニューアルを検討されている担当者で、「それならフレイバーズだ」と思ってくれる方は残念ながら一人もいません(既存のクライアントは別)。世の中の同業者も同じ状況にあります。ではなぜ、当社は生き残れているのでしょうか。

コンペで偶然気に入ってもらえた、見積もりが安かった、担当者の食い合わせが悪かった・・・

そんなはずはありません。
自社の優位性をきちんと説明し、そのポイントが担当者の望むものと合致していたからです。ブランディングで策定するブランドアイデンティティを打ち出し、コンペの要件にフィットさせてきたことが理由だと考えています。

知名度の低い中小企業であっても、ブランディング戦略に即したオウンドメディアを運営することで、自社の独自性や魅力を振り返り、伝えることができます。顧客からの共感を集め、ロイヤルティを高める。ブランディング戦略の中核に、オウンドメディアを活用することで、顧客とのコミュニケーションを強化、また顧客候補とのコミュニケーションを行うことになります。コラムやSNSを通じて、顧客との対話を行うことで、顧客のニーズや要望を把握しやすくもなります。より顧客中心のサービス提供にもつながるでしょう。

これらの結果を社内で共有すれば、社員レベルでも顧客への理解が深まることもオウンドメディアを運営するメリットのひとつです。社内外でブランディングの効果を発揮するオウンドメディアは、会社の規模を問わず活用できるツール。ぜひ、社内でも導入の検討、運営の改善を行ってください。

コラム「オウンドメディア」

中小・中堅企業のブランディングとは?成功させる5つのメリットと実践方法

中小・中堅企業の経営者

コラムの冒頭ではありますが、中小・中堅企業こそブランディングの成果が出やすい ── このことを、経営者の方に強く伝えたいと思います。実は「中小企業 ブランディング」の成功は、大企業よりも早く、そして深く実感できるのです。

なぜかといえば、ブランディングは、ロゴや広告のような“外向き”ではなく、社員の意識や行動を変える「内向きの取り組み」が核。この「人を動かす力」が問われる活動こそ、中小・中堅企業の規模感に最も適しているのです。
具体的に言うと、ブランディングを進める過程で、ブランドアイデンティティやミッション、理念などを社内に浸透させようとするとき、社内を変えていかないとそれは成功しない。しかし、それをスムーズに進められないのは「人を動かす」ことが容易ではないからです。

中小・中堅企業なら、数人~百人ほどの「人を動かす」だけで済みますが、大企業となると千人~数万人規模で浸透させなければなりません。どれほどの労力、時間が必要でしょうか。さらに中小・中堅企業であれば、経営者の目の届く範囲に社員はいますが、大企業になると経営者が名前を知らない社員がほとんど。この環境下で、全社員に同じ方向を向かせるのは簡単ではないわけです。

中小・中堅企業の経営者であるあなたに、もうひとつ伝えたいことがあります。
御社にも、まだ気づいていない、言葉に落とし込めていないだけで、すでにしっかりした「ブランド」があります。それをフレームワークなどを使って、ていねいに内省し、社内の合意を得ていくプロセスがブランディング。このプロセスを経ることが、次に挙げるメリットを生むのです。

中小・中堅企業がブランディングを実施するメリット

1. 認知度の向上

ブランディングは、企業や製品の認知度を向上させるための手段でもあります。正しいブランディング戦略を持つことで、顧客は企業や製品を認識しやすくなり、購買意欲が高まります。とくに中小・中堅企業の場合、知名度を上げることは新規顧客を獲得するうえで非常に重要なポイントとなります。

星野リゾートの星野佳路社長が、まだまだ今のような規模でなかったとき、リピーターを徹底的に調査しました。なぜこの旅館に繰り返し来てくれるのか。そこには確固たる理由があるはずで、その理由が分かれば、まだ見ぬ同じ価値観を持つ顧客にも訴求すれば、新規客が増えるはずだと。
星野社長は、経営学の権威が主張する理論を徹底的に実践することで有名なので、おそらくブランディングの理論にどこかで触れられたのだと思います。その結果は、あなたもご存知のとおり。まだ中小・中堅企業だった星野リゾートが成長する源泉にもなったのです。


 

2. 競合他社との差別化

競争が激しい市場では、自社の製品やサービスを差別化することが生き残る条件です。ブランディングのプロセスで最初に行うフレームワークはクロス3C。顧客が求める購買条件のひとつを自社だけが持つ優位性で賄えるかを確認する作業(ブルー・オーシャンを見つける)です。他社も同様の優位性を持っているなら、それはレッドオーシャン。血の雨が降る海ですから、消耗戦になってしまいます。体力のない中小・中堅企業は、ここで戦ってはいけません。

ブランディングを通じて、企業は独自の優位性に基づく価値提案や個性を表現し、競合他社との差別化を図ることができるようになります。また、顧客にとっても、製品を選ぶ理由が明確になるのです。


 

3. 信頼とロイヤルティの構築

正しいブランディングは、顧客との信頼関係を築く基盤となり得ます。企業が一貫したメッセージや価値観を伝えることで、顧客は安心し、継続的な購買や応援をしてくれるようになります。もちろん、つまみ食いはするかもしれませんが、結局あなたの会社で得ていた満足感を消し去ることはできず、再度顧客として戻ってくるようになります。

ブランディングは、LTV(顧客生涯価値)を多く生み出してくれる顧客が多く現れる可能性を秘めています。言い換えれば、自社を長く継続させるための施策とも言えるのです。


 

4. 成長と展開の支援

あなたは融資を受ける際、金融機関の担当者に自社の強みを胸を張って語っているでしょうか。金融庁は、中小・中堅企業への融資について、現状だけを見るのではなく、将来性も含めて勘案するように通達を出しています。
ブランディングを行うことにより、自社の優位性、自社を端的に表現することができるようになり、金融機関の担当者の記憶にも残りやすくなるでしょう。

ブランディングは、企業の成長や発展をサポートする重要な施策。正しいブランディングを推進する企業は、新しい市場や顧客層に訴求しやすくなるのです。


 

5. 社員が考えはじめる社風をつくるきっかけに

フレイバーズがコンサルティングするブランディングは、プロジェクトチームを導きますが、決して答えを教えることはしません。すべてのプロセスでプロジェクトメンバーは、悩み、考え、ときに言い合いをしながら、自ら答えを導き出していきます。

中小・中堅企業にありがちなのは、トップの指示を実行するだけになってしまっている組織。経営者であれば、自走してくれる組織に変革しないと、社長が本来やるべき仕事がいつまでたってもできない事態に陥ってしまいます。ブランディングを実行することで得られる副産物として大きいのは、社員が自ら考え動く経験ができることと、視座を高く持てるようになること。
ブランディングは、通常の業務では果たせない社員教育にも寄与してくれるのです。

インターナルブランディングの進め方

中小・中堅企業が輝く存在であるために

日本の全労働人口の70%を占める中小・中堅企業。日本にとって、この大きな存在である中小・中堅企業が元気で輝いていないと、この国の将来は危ういものになってしまいます。
これまでみてきたように、ブランディングは中小・中堅企業にとって厳しい市場で成功するために欠かせない要素であり、十分に検討する価値がある施策です。経営者は、今だけを見るのではなく、20年後この会社をどうしたいかを考えるのがほんとうの仕事。今いる社員のために、ぜひブランディングの導入をご検討ください。

中小企業庁「中小企業白書」:第1節 ブランドの構築・維持に向けた取組

ブランディングが失敗に終わる理由とは?

リブランドは、顧客との約束

ブランディングとは、企業や商品、サービスの特長や価値を顧客にわかりやすく伝えることで、認知度や好感度を高めていく活動。「売れ続けるしくみ」を創ることと言ってもいいものです。ただ、ブランディングには推進の方法によっては効果が出ないこともあります。
経営陣の大きな期待を背負って始めた活動であるにもかかわらず、労力と費用をかけた割には思い描いた効果が出ない。広告代理店や制作プロダクションが口を開けば「ブランディング」と言いはじめる時代になったのに、失敗も数知れず・・・。

本コラムでは、ブランディングの失敗例やその原因、対策を紹介することで、これからブランディングを始めようとする企業に、成功に近づいてもらおうという意図でお伝えしていきます。

平田弘幸

執筆した人:平田弘幸

株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。


本記事で分かること

ブランディングが成功しない原因は、大きく3つ。まず、ブランドメッセージが一貫していないこと。社内統一ができず、担当者や地域によって伝え方にムラがあり、顧客に混乱や不信を招きます。次に、メッセージが時代や顧客ニーズに合っていないこと。自社視点の思い込みだけで進めると、対象顧客からズレた発信になりがちです。そして、進め方・人・方法論・改善の欠如というプロジェクト運営の課題も深刻です。社内浸透や外部視点、市場や理想とのギャップ分析が不足していると、ゴールに届かない。こうした要因を理解し、対策を立てれば、ブランディングは成功に近づくでしょう。

ブランディングの落とし穴

市場調査や分析、クリエイティブにいたるまで、多くの労力をかけたのに失敗するブランディング。活動が上手くいかないポイントとしては、以下のようなものがあります。

ブランドのメッセージが一貫していない

社内にブランドメッセージが周知されておらず、担当者によって顧客への伝え方、行動が異なる場合。同じ商品でも、国や地域によって、ブランディング活動によって得た結果とはニュアンスが異なってしまっていて、顧客を混乱させるばかりか、不信を招いてしまう。

インターナル(社内)ブランディングができていないことによるものです。ブランディングといえども、最後は社員一人ひとりが媒体となって社外にメッセージを伝えていくことになります。社内の体制が構築できていなければ、外向けの活動も上手くはいきません。

ブランドのメッセージが時代に合わない

SDGsの考えが浸透しはじめているなかで、男女を分けてしまうような採用活動をしたり。そういう社員を経営陣が望んでいるからといって、モーレツに働く先輩社員の姿を伝えたり。Z世代から反発を受けるのは容易に想像できますね。

ブランドのメッセージが顧客のニーズに応えない

ひと時代前の家電製品は、ひとつまえのモデルより機能をひとつ加えて販売価格を維持する製品開発が主流でした。そうするとたくさんのボタンが並んだリモコンが生まれ、一回も使われずに寿命を終えるといったことに。売上を上げる、維持するための製品開発なので、顧客のニーズなどとは無縁なのです。

前項の時代に合わないメッセージも同じで、綿密な市場調査を行わず、ブランドホルダー側の身勝手な思い込みが強すぎると、このような結果となってしまいます。

ブランディング失敗の原因と対策

ブランディングの失敗は、いくつかの原因に集約されます。進め方の問題、組織(=人)の問題、知識(=方法論)の問題、社内浸透に関する不徹底の問題などです。

進め方の問題

社内だけでブランディングを進めようとすると、とくに市場分析などの場面で社内の至らない点が数多く挙げられる「グチ大会」に陥り、やっぱりウチはだめだ・・・ということになりがちです。中小企業に多く見られる傾向ですが、今まで生き残ってこられたのには顧客側から意味のある理由があるからです。
会社に対するリスペクトをベースに社外のナビゲーターが導くと、逆に「うちも案外いい会社なのかも」とプロジェクトメンバーが思い直す場面も出てきます。

組織(=人)の問題

ブランディングした結果を社内に浸透させようとすると、必ず人の問題が出てきます。インターナル(社内)ブランディングは、人の問題と言い切っても差し支えないほどです。
この大きな壁をどう乗り越えるかがブランディングを成功に導くかどうかの分岐点ともいえます。この障壁を取り除かなければ、冒頭でお話したような部門、地域によって、人によってブランドメッセージの伝わり方に差が出ることとなります。

知識(=方法論)の問題

ブランデイングに関するそもそもの知識が不足していることによる失敗があります。ブランディングは市場における自社のステータスやターゲット顧客、社風などを絡めて、独自のポジショニングを行っていくプロセスです。これに加えて理想の姿とのギャップを埋めていく作業も含まれます。
こういった各プロセスにおける調査、分析の仕方やまとめ方、経験などが社内だけでは決定的に不足しています。

改善活動をしない

多くの難解なプロセスを経たからといって、必ず正解を導き出しているわけではありません。ブランディングによるクリエイティブがターゲット顧客と上手くコミュニケーションできていないのであれば、調整が必要です。
ターゲット顧客に伝わらない=ブランディングの失敗なわけですから、できるだけスピーディに調査を行い、改善を進めていきたいところです。

ブランディングを失敗させないために

ブランディングが成功するか失敗してしまうかにフォーカスすると、テクニック的な議論になってしまうかもしれません。それより、ブランディングを行うことによって、得られる未来を思い描くことに重きをおいたほうが推進力は生まれるのではないかと感じています。

ブランディングは自社の足元(理念やパーパス、社風をはじめとする各種リソース)を分析することから始め、競合他社との関係性、ターゲット顧客の絞り込みを行うことにより、自社独自のポジションを確立することです。しかしそれだけでは、理想の未来とのギャップが大きすぎて、いつになったら理想に近づけるのかわからない・・・という状況を生むので、中期計画などを立案し、そのギャプをどうやって埋めていくかを行うことが必須なのです。

もしかすると、ブランディングの失敗は、まだ道半ばなだけなのかもしれません。いまいちどこれまでのプロセスを顧みて、自社がどこにいるのかを確認してみることも必要でしょう。

ブランドの構築・維持に向けた取組(中小企業庁「中小企業白書2022年版」)

ブランディングを正しく進めるための基本は、BtoBブランディング入門でまとめています。

中小企業のブランディング成功への鍵
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リブランディングとは?その意味と具体例

リブランドは、顧客との約束

リブランディングとは、企業や製品が新たなアイデンティティを構築し、市場において競争優位性を確立する手法のこと。企業が長期的に成功するために必要な戦略のひとつといえます。
リブランディングにおいて成功するためには、市場調査と顧客の理解が不可欠。自社ブランドの本質的な価値を強調し、それを視覚的にわかりやすく伝えるデザインやコミュニケーション戦略を推進することを実施することもリブランディングを推進するうえでは、重要な要素です。

顧客の理解を深めるために

市場調査と分析
顧客のニーズや嗜好を理解するために、しっかりとした市場調査が必要です。競合分析やトレンドの把握も併せておこなってください。

顧客インタビューやフィードバック
顧客と直接対話し、意見を収集することで、彼らの期待や要求をより具体的に把握できます。

データ分析
ウェブやSNSの分析を通じて、顧客の行動パターンや好みを把握しましょう。

ペルソナの作成
代表的な顧客像であるペルソナを作成し、そのペルソナに基づいてブランド戦略を構築します。

社会文化の理解
顧客が生活する社会や文化を理解することで、彼らの価値観や行動に対する深い洞察が得られます。

これらの調査、分析を行うとともに、継続的に顧客の変化を注視していくことを行います。

ブランドの本質的な価値を事例で紹介

ブランドの本質的な価値は、そのブランドが提供する独自のメリットや特長を示しており、顧客がまさに望む価値をその企業でしか満足させられない方法で提供することです。

信頼性と品質
トヨタは「信頼性と耐久性」を強調し、高品質で信頼性のある自動車を提供しています。データ偽装などの問題により、この信頼性は揺らぐことになるが、従来はこれにより、顧客は安心してトヨタの製品を選択できるのです。

創造性とイノベーション
アップルはデザインと革新性に焦点を当てながら、顧客に最新のテクノロジーと洗練された製品を提供し続けています。これにより、顧客にとってアップルは「先進的でスタイリッシュなテクノロジー」の象徴となっています。

社会的責任と持続可能性
パタゴニアは環境への取り組みや社会的な責任を重視。サステナビリティに焦点を当てています。顧客はパタゴニアの製品を購入することで、環境に配慮した選択をしていると自身の選択に誇りさえ感じるのです。

カスタマーエクスペリエンス
ネスプレッソは高品質なコーヒー体験を提供。顧客が簡単ながらも贅沢な方法でコーヒーを楽しむことを可能にしています。ブランドの本質的な価値は、上質なカフェ体験を提供することにあります。

これらの例は、それぞれ異なる本質的な価値を示していますが、共通しているのは顧客に独自かつ魅力的な価値を提供しているということです。

リブランディングは、顧客と新しい約束を結ぶこと

ブランドホルダーがリブランディングにおいて、もっとも重視すべきは顧客にどのような体験を約束するかということ。さらにそれが競合他社が秀でていない価値で実施できるということ。顧客はその本質的な価値に触れることで、その選択に誇りを持ち、間違っていないと確信できることがたいせつなのです。

マイナスブランディングとは?デザインを変えるだけでは伝わらない理由

ブランドは、事業活動そのもの

あなたは、ブランディング=かっこいいキャッチコピーやデザイン、という勘違いをしていないでしょうか?もしそうだとすれば、それは会社にとってもマイナスな状態。この機会にブランディングがほんとうに機能する考え方を理解して、あなたの会社のブランドを理想のかたちにしていきましょう。

世のなかで目にするブランドメッセージは、それぞれたしかにかっこいい。けれど、ああなりたいと、見た目やイメージだけに偏ってしまうのは非常に危険。なぜなら、いくら社外向けに華やかなスローガンを打ち出しても、ブランドを体現している社内の人たちがそれを意識していなければ、ただの絵空ごとになってしまうから。
ニュースで世間を騒がす偽装事件などは、それが空回りしてしまった悪い例の最たるものです。

今回は、ブランディングとは一体どういうことなのか、ブランディングを進めるうえで忘れてはいけないこと、勘違いしてはいけないことについてご紹介します。

ブランド価値を下げてしまうのは、つねに「人」

「信頼できる商品だと思っていたのに」「ずっと使ってきたのに、もう買わない」
せっかくのユーザーをがっかりさせてしまう事件が、後を絶ちません。なぜ、そんなことが起きてしまうのでしょう?

わたしたちブランディングの専門家からすると、企業が常に大切にすべきブランド(=提供する製品・サービスの真の価値。お客さまとの約束でもある)を認識できていないから。
たとえば、ブランドアイデンティティとして「安全な車社会を・・・」を掲げている企業。TV-CMでは家族みんながニコニコと車で出かけるシーンが映し出されているのに、ある日「安全評価基準の結果を偽装していた」というニュースが流れて、ブランドを信じてファミリーカーに選んだユーザーはがっかりどころか憤慨することになってしまうでしょう。

そのような不正が起こってしまうのは、関係者たちが「社内の目標納期に間に合わせるために、評価テストにパスすること」が第一優先になってしまっていたから。そこにお客様の姿はありません。本当なら、第一優先はブランドアイデンティティで掲げている「安全な車社会を・・・」のために「安全な車をつくる」であるはずなのに。
それはすなわち、ブランディングが機能していない、ということを意味します。

変わらない真実。ブランドの価値をおとしめてしまうのは、必ず「人」です。思っていたより、サービスが低くてがっかりするのも、梱包がおおざっぱで運ばれた商品が壊れていたのも、データを偽装して製品の品質がカタログデータに満たないのも、すべて「人」がやっているのです。
このようにブランド価値が下がっている状態のことを、ブランディングでは「ブランドマイナス」と呼んでいます。

なぜ、ブランドマイナスの原因は人なのか?

では、なぜ原因はいつも「人」なのか?
答えは、ブランドを守り支えているのが「人」だから。世のなかのほぼすべてのビジネスは、人が関わっています。
接客業はもちろんのこと、メーカーでいくら機械化が進んでもコントロールするのは人。オンラインショップでもサイトを運営したり商品を発送するのも人です。
そのうちに、100%がAIというビジネスも出てくるかもしれませんが、今のところはあり得ないでしょう。
とにかく、ブランドを実際に動かしているのが「人」である以上、関係者一人ひとりがブランドをどのように捉えて行動するかによって、ブランドマイナスにもブランドプラスにもなり得る。
ブランディングという言葉は、マーケティングの手法のひとつだと捉えられている風潮があるけれど、ブランドってそんなに薄っぺらいものではないのです。

本当のブランディングって何?

それなら、ブランディングでやるべきことは何なのか?
ここまでご紹介したとおり、おしゃれなロゴマークやスローガンを作ることではないことは、おわかりいただけたと思います。外向けへの刺激として、広告表現はもちろん外せないものではありますが、もしあなたの会社のブランディングがそれだけにとどまっているとしたら、そのブランディングは間違いなく失敗に終わります。

ブランディングでもっとも大切なことは、あなたの会社が顧客から支持されているほんとうの理由を見つけ出すこと。競合他社にはない優位性を再認識し、それをより強くできるよう磨いていくことです。さらに、思い描いた理想のかたちとのギャップを将来に向けてどうやって埋めていくかを考えていく作業を怠らないこと。

これらをやってはじめて、ブランディングは機能するのです。

なぜ、ブランディングの勘違いは起きる?

ここは、はっきりと言わせてもらいましょう。
勘違いが起きる原因は、ブランディングの本質を理解していない広告代理店や制作会社が多く存在するからです。
ブランディングのスタート地点で、軽いヒアリングだけを終えて、今までと違うテイストのロゴデザインやキャッチコピー提案から始めようとするなら、そのプロダクションとのお付き合いはお断りするべきです。

彼らがなぜブランディングのプロセスを経ないでそのような提案をしてくるかというと、制作でしか料金を請求しようと考えていないから。早く売り上げを上げたいから、流行りのブランディングという言葉をネタに、制作物を収めようとしているだけなのです。

本当にブランディングという概念を理解しているなら、まずは今あるブランド価値を見つける作業をおこなってから、その価値を反映できるアウトプット手法を考えるはずです。
その背景には、ブランディングという概念がまだ浸透していないことがあるのかもしれませんが、ブランディングの勘違いが大手を振って歩いているように思います。

それと同時に、ブランディングの勘違いについて、今まで大きな声で批判をしてこなかった私たちを含めたブランディングを行っている者の力不足も反省すべきだと感じています。

正しくブランディングしよう

ブランディングは、手間はかかるけれどていねいに実施すれば、あなたの会社の魅力を引き出し、競合他社との差別化に寄与することはもちろん、長く売れ続けるしくみをつくってくれる武器になります。
さらには、社内の風土改革にも確実に貢献してくれる強い味方でもあります。
まずはブランディングに対する理解を深めるために、評価の高い書籍を一冊読み進めましょう。それでも、はっきりわからない・・・という方は①とにかく本通りに自力で進めてみる、②外部の力を借りて、ナビゲートしてもらうのがいいと思います。

アメリカの起業家、マイケル・マスターソンが言っています。
構え!撃て!狙え!
そう。狙いを定める前に、まず撃ってみる。ブランディングも実行あるのみです。

 

 

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