作成者別アーカイブ: 平田 弘幸

何度も見たくなるCMと、キャッチコピーの蜜月な関係

何度も見たくなるCMと、キャッチコピーの蜜月な関係

名作CMには、実は映像を凌ぐほどのキャッチコピーがその世界観を伝えるために存在しているという事実。
思わずテレビに見入ってしまうCMに出会うと、ものすごく得をした気分になれる。

筆者がコピーライティングを生業とする者だからということではなく、あなたも何気なく観ていたテレビで流れる珠玉の1本のCMに、心を揺さぶられたことが一度ならずあるはずだ。

風呂あがりのドライヤーまで止めさせられたCMに秘められたものは何だったのだろう。
目にする映像を越えて、頭のなかに勝手に膨れ上がるストーリーなのか。単に出演者に興味を持っただけなのか。それともやはり「今」を的確に反映した時代性だろうか。

ときに企業の壮大な世界観を見せつけ、視聴者に未来を感じさせる。また、出演者のユーモアたっぷりな演技で商品の親しみやすいイメージを印象付ける。さらには、今まで思いもしなかった事実にハッとさせられる。

チラシでは届けられないメッセージとブランディング。WEBサイトでは「あなた」との距離が近すぎる。

やはりCMは、企業PRの花のような存在。時代を映す鏡だ。

この記事では、CMを愛してやまない筆者が「う~ん」とうなった作品のなかから、キャッチコピーも輝きを放つ名作を独断で紹介していきたい。

CMの映像をキャッチコピーが的確に支える

CMの映像をキャッチコピーが的確に支える

心に残るCMは、概念的なことを伝える企業CMが多くなる。商品、サービスの宣伝は、商品名を連呼したり、スペックを並べ立てたりと、どうしても実弾的な意味合いをクライアント側から求められるからだ。

ただし、企業CMとはいえ、「私たちはこんな企業でありたいと思っています」的に、超概念的なことをアピールしても、直接事業とは結びつかないので、視聴者の記憶にはほぼ残らない。正直なところ、宣伝費の無駄遣いだ。

そのあたりを上手くやっていると感心してしまったのが、損害保険会社の東京海上日動。
「人生にはチャレンジがある」というキャッチコピーが生きるこのシリーズは、6編公開されていた。そのなかでも特に秀逸と感じたのが、遠くに愛車を停めすぎて、駐車場の料金支払機にチケットを入れようとしても届かなくなってしまった男性が焦る姿をコミカルに描いた作品。

損害保険のお世話にならざるを得ない状況というのは、突然のエンジントラブルや交通事故など「自分ひとりの力では、かんたんに解決できない状態」だ。
その切迫した状況を駐車場の男性をコミカルに描くことで、損保からイメージする「トラブル」の悲壮感もなくしてしまっている。

そしてナレーションが伝えるのが 「そのとき、あなたの力になりたい」

「そのとき」は、観ている人それぞれの「そのとき」だ。
「万一のとき」ではない。「事故の際に」でもない。
少しだけ視点を変えて視聴者に強いメッセージを届けるCMの販促効果は100点満点。ダイレクトに言わないことの妙ともいえる東京海上日動の企業CMに、「いいね!」300回くらい差し上げたい。

CM動画、YouTubeでの公開終了

心あたたまるCMの映像に、魅了され続ける90秒

心あたたまるCMの映像に、魅了され続ける90秒

これも企業CMで、YKK APの長く続くシリーズのひとつ。「似たものどうし篇」と名づけられた作品は、飼い主の男性とネコちゃんが暮らしのなかで同じ行動をしてしまっているというシーンをいくつも紹介していくもの。
ネコ好きでなくても、思わずクスッと笑ってしまう暖かい世界観を持った映像が積み重なる。

男性が暮らすアパートの一室で、一緒に雑誌を読んだり、風呂に入ったり、ケーキで何かの祝いごとを楽しんだり。
ある日、男性が窓辺でコーヒーを楽しんでいると、通りを歩く美しい女性の姿を見つける。思わず手を振る男性だったが、女性はプイッとそっぽを向いて行ってしまう。

残念そうに肩をすくめる男性の横で、ネコちゃんもじっと窓外を見つめている。手を振っているような、いないような。窓の外には、かわいいメスねこの姿が。今までの映像から想像すると、ネコちゃんもあっさり振られるのかと思いきや、メスねこが喜び勇んで寄ってくるという、どんでん返し。

最後のシーンでは、幸せそうに窓辺で戯れるネコちゃんたちの姿をほほえましく見ている男性の表情。
締めのナレーションは、「窓があると、物語が生まれる」というキャッチコピーで締められる。

窓から見る眺めは、ダイレクトに見る視界とはたしかに違う気がする。窓という枠があることで、普通の風景も何か特別な世界になるのかもと感じさせてくれる作品だ。

YKK AP「似たものどうし」篇

音楽を流さない。映像とコピーだけのCM

音楽を流さない。映像とコピーだけのCM

ターゲットに合わせた昔懐かしい歌、商品名をジングル化して連呼するもの。とにかくCMと音楽はセットになっていて、視聴者の記憶に残すために必須にしていることがほとんどだ。

しかしこのマツダのCMは、音楽が一切入らない。
デミオ特別仕様車の内外装の美しいデザインと静かに語るナレーションだけで構成されているのだ。

美しい映像を見ていると、ベンツ?と感じてしまうほど落ち着いたデザインとなっている。
女性の落ち着いた声で読み上げられるコピーが、完成した特別仕様車がどれほど完成度の高いデザインを持っているかを自信ありげに語っている。

「美しいものでなければ、人の心を打つことはできない」
「情熱を込めて作られたものでなければ、感動を呼ぶことはできない」
「人間の手が生み出すさまざまな形をまとって、我々のクルマたちは単なる道具であることを超える」
「これがマツダデザイン」
「特別なデミオ、登場」

マツダが一貫して使用しているキャッチコピーが浮き上がる。このキャッチコピーはスーパーのみでの登場だ。

「Be a driver」

マツダの開発陣は「人馬一体」にこだわり、ドライバーの意のままにクルマを操れてこそ運転することが楽しくなる乗用車なのだと主張している。デミオの特別仕様車は、デザインでユーザーを魅了し、車体そのものでドライブすることの楽しさが生まれる本物の乗用車なのだと主張している。

「This is Mazda Design×デミオ特別仕様車登場」篇(CM動画、YouTubeでの公開終了)

人生訓にもなるキャッチコピーが中心のCM

人生訓にもなるキャッチコピーが中心のCM

クレジットカードは、ぜひうちのを使ってねと、安直すぎてストレートには言いづらい。
このジレンマを企業CMで上手く切り抜けている例がこれだ。

若い人だけではなく、オジサンだってCMのキャッチコピーに心打たれることがあるというもの。
ジャックスクレジットカードがテニスの錦織選手を起用した企業CMは、自分の今までの行動を考えさせられてしまうものだ。もうテレビで次に流れるCMを見えなくしてしまうほどのインパクトがあるキャッチコピーである。

まばゆいばかりの光の朝に、テニスコートに一人で立つ錦織選手。
サーブの練習をしている。

彼が読み上げるコピーは短いが、重い。
「未来から逆算して動く」
「いつもの手付かずの朝は未来を変える朝になる」
「もし君がそれに気づけば」

最後の台詞をさわやかに言う錦織選手に、思わず「すみません」と謝ってしまったほど猛省した。この原稿を朝4時半に起きて書いている筆者は非常に単純な視聴者である。

最後に大写しになるキャッチコピーは、ジャックスカードがキャンペーンで使用しているもの。

「未来にタネをまこう」

未来にタネをまく=その買い物は、あなたの未来のためになるでしょ。支払いはジャックスカードでね。という図式だ。
日本中がその一挙手一投足に注目する錦織選手を起用し、なぜ彼が今の地位を築けたかを映像で語りながら、クレジットカードの商品性とシンクロさせる。企業イメージを上げながら、上手く商品を主張できているすばらしい企画だ。

JACCSカード「未来を変える朝」篇(CM動画、YouTubeでの公開終了)

良いCMには、良いキャッチコピーがある

良いCMには、良いキャッチコピーがある

心にしみる映像、気持ちがアガる音楽、納得するストーリーすべてが上手く絡み合って名作と評価されるCMはでき上がる。
しかしそれを支えているのは、コンセプトとイコールともいえるキャッチコピーだ。

商品名を連呼するだけのつまらないCMはどんどんスルーすればいい。良いCMは、何度も観たくなる映画のように何回目の前に現れても邪魔にならない。そしてそのたびに私たちは心新たに「そうだった」「そうしようと思ってたんだ」と気づくのだ。

良いCMを支える秀逸なキャッチコピーは、決して奇をてらったものではないし、妙な言葉の組み合わせでもない。私たちの心のどこかにある「気づいていないもの」をそっと教えてくれるだけのものだ。

効率よく仕事したいなら、朝のテレビは控えなさい

効率よく仕事したいなら、朝のテレビは控えなさい

効率良く仕事するために大切なことは。
ルーティンのように、毎日続く残業。週末になるとベッドから立ち上がるのにちょっと気合いがいる・・・。疲れも抜けなくなるはずだ。いくら若くても、私たちは人間なのだから。

仕事をテキパキとこなし、サッと決めた時間に会社を出る。その日の疲れを次の日に持ち越さない。

理想的な毎日を過ごすために大切なことがある。脳が働きやすい環境をつくってやることだ。気合いだけではどうにもならない。体力にも限界がある。95%の人が知らない脳生理学に基づいた科学的な根拠を、まず知ること。脳が集中できるようになる環境を作るだけで、毎晩遅くまで仕事を「こなして」いるあなたの毎日は一変する。

とりあえず、朝のテレビを観ないことからはじめよう。

睡眠中、脳内の情報は整理整頓される

トップアスリートは、10時間~12時間の睡眠をとっているという。
スタンフォード大学の研究では、バスケットボール部の選手たちに10時間睡眠を奨励したところ、以前よりフリースローやスリーポイントシュートの成功率が11ポイント以上も向上したという結果が出ている。選手といえども、シュートを成功させるにはある程度の集中力が必要で、それが改善されているということは、積極的な睡眠が人間のパフォーマンスに与える影響は大きいといえるのだ。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるのはご存じだろう。このレム睡眠時に人間は、前日にあった記憶や感情を整理して、固定あるいは消去をしていると推測されている。しっかりした睡眠をとらないと記憶の効率が落ちるので、受験生に深い眠りをとるようにアドバイスする先生が多いのもうなずける。

朝のテレビは脳内をカオス状態に

朝のテレビは脳内をカオス状態に

私たちの脳は、日中とてつもなく多くの情報をインプットされ、その整理に追われている。このオーバーフロー状態になった情報は、睡眠中に脳内で整理される。この時間がないと記憶の定着もないのだ。それほど情報整理にあっては、睡眠が重要な役割を果たしている。

睡眠中に脳が情報を整理し、起床する頃に私たちの脳はいわば「まっさら」な状態にリセットされているのだが、起きがけにテレビのスイッチを入れてしまうと、夏目三久の爽やかな笑顔とともに多様なニュースが流れ込んでくる。すると、どんどん「まっさら」だった脳内は多種多様な情報でカオス状態に陥ってしまうのだ。

これは、夕方近くになるとPCの動きが鈍くなってくるのと同様、あなたの脳の処理能力を一気に落としてしまっているのだ。

せっかく処理能力が高くなっている脳の、大切な朝の時間。集中力が必要な重要な仕事に振り向けるために、できるだけ余計な情報はインプットしないようにしたい。

濃い一日を過ごすためのテクニック

睡眠

濃い一日を過ごすためのテクニック

日本人の睡眠時間と死亡の危険率を調べたところ、6.5~7.5時間の人がもっとも危険率が低く、4時間以下や9時間以上寝ている人の危険率は6.5~7.5時間睡眠をとっている人の1.3~1.6倍高くなっているとの報告が2004年になされている。

ただ、先日亡くなられた聖路加国際病院の日野原重明先生は5時間弱、ナポレオンは3時間と短時間睡眠。かのアインシュタインは10時間寝ないと調子が悪かったそうだから、一概にどちらが良いとは言えない。ただ言えることは、あなたに合った睡眠時間を確保し、翌日調子がいいと思える時間帯で眠ることが大切だということは間違いない。

昼寝

脳の効率を高めるために、いわゆる昼寝は最高の手段だ。
脳は、休息のあとにパフォーマンスが上がることが知られているし、ごく短時間の睡眠は疲れた脳を癒やして、リセットするのに役立つ。昼食のあとはどうしても睡魔が襲ってくる。午前中集中したことで、脳に多少の疲れも出ている。

このような状態になっているのなら、サッと昼寝をすることを強くおすすめする。
NASAの研究によると、26分の仮眠で仕事効率が34%上がり、注意力は54%もアップしたという。当社では昼寝自由。効率が悪くなってきたなと感じたら、いつでも昼寝をして良いルールになっている。そんなことをしたら、ずっと寝てる社員が出てくるでしょう?と思うのは、浅薄な経営者の証し。個人のパフォーマンスを上げ、早く良い仕事を行うためなのだときちんと説明すれば社員たちも納得し、ルールを守って運用するようになってくれる。

ただ、前述したように昼寝は「ごく短時間」に限る。30分以上寝てしまうと、脳は深い睡眠モードに入ってしまい、ベストな状態に戻るまでに時間がかかってしまうからだ。15分程度の昼寝であれば夜の就寝にも影響を与えないし、起床後のパフォーマンスはアップする。

もちろん、ものすごい集中力で終日仕事に打ち込めることが理想の姿だ。しかし毎日そんなことが続くわけがない。人間だもの。体調の良い日もあれば冴えないときもある。前日に子どもの調子が悪くなって、しっかり眠れないこともある。そんなときにも、できるだけ効率良く仕事ができる環境にあることが一番なのだ。

運動

運動

運動は、たとえば海馬(記憶や空間学習能力を担当)の神経を増やし、長期記憶能力を高めてくれる。そのほかにも学習機能が高まるなど、多くの研究によって運動がわたしたちの脳に与える効能は立証されている。

かの村上春樹も、毎日1時間のランニングを欠かしたことがないという。ランニングをしないと、執筆できないとまで。
それほど運動をすることは、脳にとって良いことであるのだ。

ただ、息が切れてしまうような重い運動をする必要はない。たとえば3階までエレベーターを使わないで、階段を駆け上がるだけでも脳のリフレッシュには効果はある。
少し息をつこうと思うなら、少し顔を上げて小さく「よし」とつぶやいてみよう。はじめは、オフィスを出て1つ下の階まででいい。階段を駆け下り、駆け上がってくると、すがすがしい気分になれてしまうから。
たったそれだけで、集中できる脳がスタンバイし、集中力が高まる。毎日の退社が30分早まる(かもしれない)。同僚の誰も知らない、あなただけの一石二鳥リフレッシュ法だ。

休憩中のスマホ禁止

休憩中のスマホ禁止

たとえば集中した作業で疲れた体を休めるための休憩時間。ホッとひといき入れるために、あなたがスマホでFacebookをチェックしているとしたら・・・。脳は休めているのだろうか。

気のおけない友だちの流した情報に目をやり、ふっと笑顔になれることもある。たしかに気分転換には良いかもしれない。しかしその間、脳はフィードに流れてきた多様な情報を取捨選択し、チェックすべきもの、そうでないものなどに振り分け、しかるべきものをインプットするなど、最高速度で情報を処理している。

休憩は、脳を休める時間だと考えるべきだ。リラックスするのは、体のためだけではない。脳を休めてあげることこそが大切なのだ。何より、勤務時間中はベストな状態で仕事を処理し、1分1秒でも早く机から離れられるように努力する。スマホをいじるのは、オフィスを出たあとでいい。脳をベストな状態で使い、早く仕事を終えられれば、何よりあなたのプライベートが充実することになるのだから。

効率良く仕事をすることだけが正しくはない

効率良く仕事をすることだけが正しくはない

ときには、回り道をすることも必要だ。うまくいかず、思い悩み、その結果「絶対的」ともいえる考え方が身につくこともあるし、効率を無視してこそ得られるビジネス機会もある。
筆者は、効率を重視すべきことと、そうでないことで緩急をつけることこそ、私たちに求められていることなのではないかと感じている。自分が置かれている状況や競合他社の動き、社内の力学などなど。都度、対応の方法を変えればいい。それができるのは、あなたしかいないのだ。

しかし毎日「急」は押し寄せてくる。

「石の上にも三年という。しかし、三年を一年で習得する努力を怠ってはならない」

松下幸之助さんの言葉だ。

コーポレートサイト「先輩の声」で応募を増やす3施策

コーポレートサイト「先輩の声」で応募を増やす3施策

コーポレートサイトの採用情報でキラーコンテンツとなるのが「先輩の声」「先輩インタビュー」だ。就活者は、先輩たちと自分の姿を重ね合わせ、あなたの企業で働く姿をイメージする。このコンテンツがエントリー数を左右すると断言してもいいほど重要なものなのだ。

就活者たちが「入社したい!」と感じてくれる、はつらつとした先輩たちの姿を描くための3つのポイントを洗い出した。ぜひ、次回の採用活動に合せて「先輩の声」コンテンツを見直してほしい。

1.質問票による「先輩の声」は響かない

質問票による「先輩の声」は響かない

採用市場が売り手市場となり、コーポレートサイトは採用活動においてますます重要度を増している。
さらに、求職者は企業の事業内容よりも福利厚生を真っ先にチェックするという時代になってしまった。就活者たちは、自分たちがその企業で楽しく働けるか、居場所があるのか、充実したプライベートを過ごせるのかが最大の関心事なのだ。

とすれば、企業側は社員たちがはつらつと働く姿をアピールすれば、就活者に良い印象を抱いてもらえるかもしれないと考える。しかし現実はどうだ。おざなりの先輩インタビューの多いこと。人事総務から回ってきた質問票に、業務の合間を見て面倒くさそうに書き込む社員。結果回収したアンケートは金太郎飴のようなコンテンツになってしまう。顔写真と部署名を間違えても、誰も気づかない。

そんな価値のないコンテンツを公開している企業に、就活者は「入社したい!」と感じてくれるだろうか。あちこちの企業を落ちて、どこでもいいからと応募してきた就活者と、あなたは面接してはいないだろうか。

1-2.質問(見出し)はそれぞれ異なるものでもいい

質問(見出し)はそれぞれ異なるものでもいい

先輩の声でありがちなのは、どの先輩も同じ質問が並べられていることだ。
「一日のスケジュールを教えてください」といった質問は、それぞれ部署が違うし、担当も異なるので質問に対する回答もそれぞれ違うものになる。

しかし、「部署の雰囲気はどうですか」「なぜこの会社を選んだのですか」などという質問は、ほぼステレオタイプの優等生な回答に落ち着いてしまう。人事部や上司の目があるにも関わらず、「のんびりした雰囲気です」「どうにでもなれと思って受験したのですが、何とか入れたので」などという答えができるはずがない。本来の業務ではないタスクでマイナス評価になりたいなどと誰も思わないからだ。

人事部が期待し、就活者誰もが「ほぉ~」と感じる立派な回答は残してもいいが、「とりあえず」感が匂う回答は割愛した方がいい。

1-3.先輩のキャラクターに重きを置くと会社が見えてくる

先輩のキャラクターに重きを置くと会社が見えてくる

就活者は先輩の声を通して、自分が入社したあと、どのような仕事をするか、どのような精神状態になるのかを感じようとしている。
先輩社員は担当の異なる社員であるはずで、それぞれの個性が生きる部署で働いているはずだ。であれば、先輩のコメントは、そのキャラクターが感じられるものにすべきなのだ。

こうしてしまうと、社員それぞれに異なる視点でコメントがなされ、質問も異なってくるので、統一性がないように感じるかもしれない。しかしもういちど、コンテンツをつくる意味を思い返してみよう。それは、先輩のはつらつとした働きぶりを就活者に伝えるためであったはずだ。それなら、彼らが生き生きしている姿を見せるための手段は個性を表現してあげることが最善策であることが理解できるだろう。

さらに、異なるキャラクターの集まりが会社だ。しかしそこには、ある統一性がある。「社風」だ。
どうあがいても、社風は異なるキャラクターが集まっても、かんたんに変わるものではない。異なるキャラクター、異なるコメントで「先輩の声」が構成されていたとしても、全体を俯瞰すれば、あなたの会社の個性がより強烈に感じられるようになってくる。

2.生き生きとした表情の写真を使う

生き生きとした表情の写真を使う

就活者は、基本的に先輩の声も企業の「作りごと」なのではないかと疑いながらコンテンツをチェックしている。そのような彼らの目に映る先輩の写真が、緊張した証明写真のようなものだったら、どうだろう。瞬間的に「このコメントは、言わされたものではないか?」とさらなる疑念を抱かせてしまうことになる。

せっかく良いコメントがとれたのにも関わらず、写真でミソをつけてしまってはもったいない。

カメラマンに依頼する予算もないのに、どうするんだ?
ビジュアル系の社員ではないのに、見栄えなんてしないだろう。

すぐに「できない理由」を並べるのは、今すぐやめよう。素人にでもいい表情をおさえることができるし、ビジュアル系でなくても、いい表情はしてくれるものだからだ。
必ずできる。筆者は採用コンテンツで多くのビジュアル系ではない社員さんたち(これまでに撮影させてもらった方、失礼!)を撮影しているが、100%その人のいい表情をおさえられていると自負している。

では、素人でも「いい表情を切り取るためのテクニック」をお話していこう。

2-2.先輩たちのいい表情を切り取るコツ

先輩たちのいい表情を切り取るコツ

アングル

どんな角度で、どの程度の見え方で撮影するかだ。
トリミング(写真の切り取り範囲)は、あとで加工ツールを使えばどうにでもなるが、角度や見える範囲はあらかじめ決めておかないと、どうにもならない。

まず、「先輩社員 メッセージ」などと画像検索してみよう。格好いい社員たちの写真が表示されるはずだ。その中から、あなたが気に入った写真をストックしておき、どんな角度で撮ればそうなるのかをシミュレーションしておく。あとは現場で試行錯誤するだけだ。

会話しながら撮影する

次に大切なことは、撮影は先輩社員と話をする人と撮影者の2人セットで臨むこと。1対1だと相手は緊張が解けない。話をする役割の人は、先輩社員と仕事以外の話をしよう。近くにできたイタリアンレストランの話でもいいし、昨日のテレビドラマの話でもいい。必ず仕事以外の雑談に限る。
仕事の話になると、今抱えている案件の心配ごとだったり今月の売り上げが達成するかどうかを考えはじめてしまい、表情が曇ってしまう。

100枚撮ろう

もっとも大切なこと。
1人につき、100枚くらいはシャッターを切ろう。相手もモデルではない。こちらも素人カメラマンなのだから、いい表情をおさえるためには、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」という考え方が必要なのだ。

3.先輩たちが活躍する、現場を伝えよう

先輩たちが活躍する、現場を伝えよう

冒頭でも書いた通り、就活者は「この会社に入ったら、自分はどんな環境でどんな仕事をするのか」を先輩の声を通して見ようとしている。

就活者のニーズに応え、一人でも多くの優秀な人材を採用したいと考えるならば、先輩たちが働く現場に足を運ぶべきだ。そこで彼らが見せる表情をとらえ、働く姿を写真としておさめ、コンテンツに反映させるのだ。
もしその現実の姿を見て、こういう仕事は無理だと考える就活者なら、こちらから願い下げればいい。どうせ入社したところで長く続くはずはないのだから。

むしろ、こういう仕事をしたい、と感じてくれる就活者が現れてくれることを待とうではないか。もしそういった人がいるならば、その人はしっかりした意志を持っているはずだから、あなたにとっても会社にとっても良い出会いになるに違いない。

DIYでオフィスをこまめに修繕。すぐできる10のポイント

DIYでオフィスをこまめに修繕。すぐできる10のポイント

なんだか寒い。街宣車がうるさい。湯沸かしの混合水栓の蛇口が2つだとちょうど良い温度に設定するのが面倒だ。テーブルタップが床に転がっているのはは美しくない・・・オフィスでちょっとした不満を挙げはじめると、枚挙にいとまがない。しかしそれを放置しておくのも問題だ。

だとしたら、気づいたときにサッと改善してしまえばいいのである。ほんの少し手間をかけることで、劇的に改善できることはいくらでもある。このコラムでは、私たちがふだんから実践している、あるいはすでに実施した改善ポイントを紹介したい。今日、今からでもスルッと手が付けられるものもあるので参考にしてほしい。

【オフィスDIY】1.ちょっとした飾りがホッとできる空間に

ちょっとした飾りがホッとできる空間に

コーヒー、紅茶を淹れ、冷たい飲み物を取り出すスペースは、仕事から解放されてほんの一瞬でも気を抜けることが必要だ。当社のオフィスには、食器棚と冷蔵庫を設置したスペースがある。

廊下の突き当たりにある、折りたたみドアを開けると癒やしの空間が現れる。今まではクロスを貼った何の変哲もない壁だったが、アマゾンで壁に貼れるデザインシールを購入。ドアを開けた瞬間、突き当たりの壁にコーヒーカップやコーヒー豆のイラストを配した。

ちょっとしたことで、癒やしは生まれるのだという見本だ。

【オフィスDIY】2.オフィスの気温を平準化し、冷暖房コストを低減する扇風機

オフィスの気温を平準化し、冷暖房コストを低減する扇風機

家庭で実践されている方も多いのではないだろうか。
エアコンで冷暖房しても、室内の空気は天井部分とフロア部分で温度差を生じる。これを解消するためには室内の空気をかき混ぜてやらないといけない。その役を果たしてくれるのが扇風機。フロア型のものでは邪魔になるので、壁掛け型を設置した。
安物を買ってしまったので、扇風機の羽根が柔らかく、風量を強くすると稼働音がうるさいので、固い羽根に交換した。扇風機を設置するだけで、感覚的に冷暖房費は20%程度はダウンしたように思う。もちろん、体感温度も格段に変わった。

【オフィスDIY】3.見苦しい電源コードをなくす。モールの威力

見苦しい電源コードをなくす。モールの威力

私は、電気のコードが床を這っているのが許せない。見苦しいことこのうえないし、引っかけてつまづいてしまう危険だって潜んでいる。固定して問題ないコードはサッと隠して固定してしまえばいいのだ。

利用するのはモールという電線コードを中に隠してしまうアイテム。グレーのものが多い。床を這わせるのならそれでいいが、壁の下部に貼り付けるのであれば、壁の色と近いものを用意したい。

カーペット(当社はタイルカーペットを使用)の上にモールを這わせてしまうと、経年変化でカーペットにべっとり糊がついてしまい、あとで面倒なことになるし、つまづいてしまうリスクもある。できれば内装を傷めないことに注意しながら壁紙の上を這わせたい。

内部にしまうコードの太さによって、モールは0号から2号まで使い分けられるようになっている。コードの太さに合ったぴったりのモールを選び、すっきりさせるようにも配慮しよう。

【オフィスDIY】4.傷つきやすい壁の角を守る、コーナーアングル

傷つきやすい壁の角を守る、コーナーアングル

非常に細かな配慮といってもいい。こんなこと、職人しか使わないワザだろう。

壁のコーナーの下部分は、掃除機のコードで擦れたり、ベランダに水をまく際に使うホースで痛みやすくなる。ひどくなると、削れてボロボロになったりもする。内装を傷つけず、美しいオフィススペースを保つために、ぜひとも導入しておきたいアイテムだ。

内装の痛みを防いだり、壁紙の剥がれを避けるためにプラスチック製のアングル(90度に曲がった建築部材。ホームセンターの資材売り場で手に入る)に両面テープ(安物ははがれるので強力タイプが望ましい)を貼り付け、びっちりと固定する。壁と近い色のアングルを選べば、見た目にも美しく壁の補強が完了する。

【オフィスDIY】5.照度が低いスペースがあるなら、ダウンライト埋め込み

照度が低いスペースがあるなら、ダウンライト埋め込み

レイアウト変更などで、どうしても照度が低くなるスペースが出てくることがある。そういう部分があると、何となくどんよりした空間で仕事をしているような印象になる。オフィスは明るく、常にはつらつとした雰囲気のある「仕事場」にしておきたい。

意外と簡単に設置でき、照度アップさせられるのがレール式の照明。レールを長いものに交換したり、継ぎ足すだけで延長することもできるので、照度不足のスペースを明るく照らすことができる。
もう少しすっきりさせたいのなら、埋め込み式のダウンライトがおすすめだ。60Wから100W相当のLED式でも3,000円程度で手に入る。設置には少々手をいれなければいけないが。まず、ダウンライトの埋め込み径に合った「ホールソー」というツールを購入。電動ドリルに付け、壁に丸い穴を開ける強力な武器だ。穴を開ける際には、天井板を支えている金具に当たらないように配慮することも必要だ。

穴が空いたら、近くにある照明から電源コードを延長して設置するダウンライトにつなぐだけ。電気配線には電気工事士の資格が必要なので、自分でやろうと考えている人は、自己責任でお願いしたい。
ダウンライトにも電球色(黄)、昼光色(白)があるので、他の照明とのバランスを考えて購入しよう。

【オフィスDIY】6.ふとした瞬間に癒やされる、ベランダのプランター

ふとした瞬間に癒やされる、ベランダのプランター

当社には、幅の広いベランダがある。7-8mある、結構長いスペースだ。3階なので、ベランダの向こうには街路樹も目にすることができ、借景で目を癒やすこともできる。しかしそれではもったいない。無味乾燥になりがちなオフィスをいくらかでも癒やしの空間にするために、ベランダの柵(コンクリート)部分にプランターを設置。長く咲いてくれるサフィニア、ペチュニア系の花を植えている。

春から夏にかけては満開に色とりどりの花が咲き乱れ、心地よい風景が広がる。外から見上げても、ベランダの外側に垂れながら咲き乱れているので、美しい光景になっており、通りを行き交う方々のなかには、当社の花でホッとしていただいている方もおられるかもしれない。

なかなかいいアイデアが出ず、どんよりした空気が立ち込める会議。クライアントから無茶なリクエストを告げられた電話を切ったあと・・・。
どうにかして気分を変えたいとき、筆者はベランダに咲き誇る花たちを眺めることにしている。

【オフィスDIY】7.心地よいBGMは仕事をスピードアップさせる

心地よいBGMは仕事をスピードアップさせる

DIYではないが、心地よい空間づくりという意味で紹介したいのがBGMに使用するオーディオ機器。

安っぽいパコパコのスピーカーは、薄っぺらい音がなる。瞬間的には音がなってさえいれば十分と思う方もおられるかもしれないが、人間の体はそんな単純なものではない。心地よい音をならしてくれるきちんとしたアンプ、スピーカーは初期投資が少しかかっても、ある程度のレベルはクリアしたいところだ。
スピーカーは小ぶりのBOSEにし、邪魔にならないように天吊りにした。

【オフィスDIY】8.時間の区切りを付けることは大人として必須。タイマー

時間の区切りを付けることは大人として必須。タイマー

フレイバーズでは、10:00(午前中が集中タイム)、12:00(昼休憩)、13:00(午後スタート)、18:00(終業)、20:45(最終退社時間)を音楽で知らせるようにしている。小規模オフィスでは、何の合図もなければ時間の区切りがつかないことも多い。それではメリハリのある仕事にはならないのだ。
これについては、メインマシンにはならなくなったスペックの低いPCにソフトウェアを組み込んで対応した。

【オフィスDIY】9.毎時を知ることで、作業のペースをチェックできる、掛け時計

毎時を知ることで、作業のペースをチェックできる、掛け時計

先ほどの区切りを知らせるタイマーだけでは、午後時間が長すぎてダラッとしてしまうのではないかと感じた方がおられたかもしれない。しかし心配ご無用だ。当社の掛け時計には、毎時を知らせてくれる機能がついている。学校で聞き慣れた、あの音だ。
毎時ジャストを知らせてくれるので、気になれば掛け時計で時間を確認することになる。

「おぉ、もうこんな時間か。ピッチを上げないと」
「打ち合わせに出かけるまでに、あと15分ある。もう一本電話をかけておこう」

といった行動を起こすきっかけになるのだ。

【オフィスDIY】10.オフィスの気温と外からの騒音を劇的に改善する内窓

オフィスの気温と外からの騒音を劇的に改善する内窓

西向きのせいか、なぜかフレイバーズのオフィスは気温が低い。さらに築30年のビルについているアルミサッシは二重ガラスであるわけもなく、窓際は冬の冷気に悩まされ、夏の猛烈な暖気に汗がにじむ。

これを解消してくれるのが内窓だ。そもそも日本のサッシの素材が熱伝導性が高いアルミなのは、諸外国からは考えられない。外部から伝わった熱が冷気暖気となって室内に悪影響を及ぼすのは当たり前なのだ。行政がメーカーに対して指導を行ってこなかったツケを私たちが払っているのである。

最新式の窓枠は、プラスチックで戸外の熱が室内に伝わりにくくなっている。さらに二重ガラスを選択することで、遮熱とともに遮音効果も絶大だ。新たに付けた内窓を閉めた状態では、戸外の騒音はほとんど気にならないレベルにまでになった。時々やって来る街宣車のけたたましい音楽やシュプレヒコールも気にならない。それぞれの作業に集中できる環境になった。
外部の音が遮断されると、常に流れているBGMの音もクリアになり、以前より心地よい空間が生まれたことも付け加えておきたい。

オフィスの環境を整えることは、仕事の質と量を上げる

製造の現場では、整理整頓、作業のしやすさが重視される。それは作業環境をすぐれたものにすることで、生産性が高まるからだ。しかし事務系のオフィスではそういったことに無頓着な企業が多い。書類の山、在庫の段ボールが積み上げられ、暑い寒いの不満が聞こえる。ほんの少しの不快感や不満を感じる瞬間が生じるだけでも集中力を欠き、生産性が低くなる。何よりそこで働く喜びなど感じないだろう。

仕事の内容だけではなく、仕事の質を高めるために何ができるか、どうすればより良い集中が維持できるかを考え、実行することも会社全体を底上げすることにつながるはずだ。

質問力を向上させる、たった4つのテクニック(基礎編)

質問力を向上させる、たった4つのテクニック

質問力をつけることは、あなたの生きる力、仕事力を伸ばすことに等しい。
なぜなら、質問をすることで知識は増え、あなたが疑問に感じていたこと、こうではないかなと漠然と考えていたことが明瞭になり、自信を持てるようになる。自信が持てるようになると楽しくなる、質問によって疑問は次々と確信に昇華させることができる。実際に経験していないことでも、容易に理解できるようになっていくのだ。

「重要なことは、質問するのをやめないことだ」

アルベルト・アインシュタインが述べた言葉は、彼が成し遂げた偉業が質問によって為されたものであることを証明しているかのようだ。
社内で、営業先で、パートナーとのコミュニケーションにおいて、質問力を高めることは、あなたの伸びしろを最大限にすることは間違いないだろう。

質問力を向上させる下準備:相手を気持ち良くする

相手を気持ち良くする

有名人であれば、純粋に会えたことを喜んでいることを伝える。
おべっかでもいい。

「○○さんにお会いできて、いますごくドキドキしています。上手くお話を聞けるかどうか」

あなたのキャラクターに合わせ、相手に対する最大の賛辞を述べるのだ。有名人は「いやいや、そんなたいした者ではないですから」と言いながらも、決して悪い気にはならない。むしろ、あなたの小さな心遣いに、話すことへのスイッチが入るはずだ。

また、著作があれば、必ず一読しておく。ブログを書いているのなら、ざっと目を通しておこう。
このアクションは、取材する人への敬意でもあるし、あなたがこの仕事に臨む際の心構えでもある。取材相手の著作物を読むことは相手の思想に触れることになり、たとえ今回のテーマと異なるものであったとしても、根底に流れる思想は同じなのであり、必ず何らかの参考になるからだ。

もっとも機会の多いであろう会社役員の場合。
事業内容を細かくチェックしておく。細かくといっても、本流の事業に限ったらいい。傍流の事業については「とりあえずやっている」「昔からの流れ」で、ということも多いので、役員自信が良く思っていないこともあるからだ。
さらに、最近の業界の状況やそれを踏まえての業績もチェックできれば済ませておきたい。

相手は会社の役員であり、四六時中事業のことを考えている人種であり、話のなかで100%に近い確率で事業の話題に話が飛ぶ。そんなときに、話題についていけないようでは、相手がスッとあなたから離れて行ってしまうことになるからだ。

質問力を向上させる心構え:賢そうに見せない

賢そうに見せない

前項と併せて、必ず守ってほしいことだ。そもそも取材は、相手に「教えを乞う」行為だ。なのに相手の言葉じりをとらえて、あなたの頭の良さをひけらかしても意味はない。むしろ、相手を委縮させてしまったり、立腹させてしまうことになるかもしれない。そうなっては質問力を鍛えても、もったいないだけになる。取材する相手があなたのいる業界人だったり、取材相手が学生で、あなたよりスキルも知識も足りていなかったとしても、だ。

取材前に仕込んできた情報や持ち前の見識をいったんしまっておき、まずは「私は初心者なので教えてください」「今日はあなたのすぐれた面を吸収しようと思います」という姿勢を前面に出す。取材を進めるあいだに相手の話すことを深掘りしたり、大きく頷く際にちらっと見せるだけにしておこう。
相手は、あなたのリアクションに何かを感じ、「いい加減なことは話せない」と感じ、より言葉に力がやどるようになってくるはずだ。

質問力を向上させる、たった4つのテクニック(技術編)

コピーライティングの実践テクニック、鉄の7カ条(後編)

4.納得を得られるポイントを具体的に書く

知らなかった事実、比較物との差を示され、思わず「へぇ~!」と大きく頷いた経験は誰にもあるはずだ。
私たちは予想外なことに遭遇すると、動揺してしまう。明らかに直前とは異なった気持ちになっているのだ。今まで常識と考えていたこととのギャップが大きければ大きいほど、その揺れ幅は大きくなる。

この「揺れ」が衝動買いを誘ってくれる。
あなたが用意した、従来品との差を示すデータや、予想もしなかった便利ポイント、価格、それによって得られるベネフィットが、ターゲットの納得できるものであれば、説得はできる。

予想を裏切るポイントが小さくても、従来品の不満を解消したり、軽減したりするものであれば、必ず共感を呼ぶ。WEBサイトを訪れるターゲットのなかには、もう購入することが決まっていて、ほんの少し背中を押して欲しいだけの人も多くいるのだ。あなたのひとことが購入を決定的にさせるのだ。

5.失敗しない(事実)ことを伝える

失敗しない(事実)ことを伝える

あなたのWEBサイトに訪問したターゲットが、あちこちのWEBサイトで商品をチェックしている理由は、失敗したくないからだ。
失敗したくないポイントは人それぞれ。価格であったり、商品スペックだったり、納期だったり。

2時間かけてネットで調べまわった結果、300円安く商品をゲット。しかし自分の時給を考慮したら5,000円の赤字。最初に見つけたショップで買えばよかった・・・。

しかし人は、自分が納得するための時間を惜しまない。
あなたは、ターゲットが買うべき商品が失敗しようのない、間違いのないものであることを伝えるのだ。心配など不要で、先に買ってくれた○○さん、○○さんも満足していることをコピーライティングに盛り込もう。ターゲットが時間をかけてネットを見て回った結果、この商品を見つけたことは、時間を惜しまず努力したご褒美でもあるのだと、背中を押してあげよう。

6.ターゲットに「あなた」と呼びかけてみよう

ターゲットに「あなた」と呼びかけてみよう

コピーライティングの心得として、明確なターゲットを思い浮かべろといわれる。たとえば、あなたのターゲットが「30代半ばのサラリーマン男性」なら、ネットでそれっぽい人の写真をダウンロードして、コピーライティングする際に、モニターの横に貼っておくのだ。
そうすると、頭のなかだけで考えるより、もしこういう言い回しをしたら、この人はどう反応するだろうとイメージしやすくなる。

それをもう少し進めて、具体的なターゲットをイメージしながら、コピーで「あなた」と呼びかけてみる。そう呼びかけると、目の前の人に伝えている感覚が強くなるので、我々の脳は自動的にイメージ像から離れた言葉や言い回しを使わなくなる。
筆者が思うに、我々の脳はGoogleの自動運転システムより賢い。ターゲットを「あなた」と呼ぶだけで、あなたが試行錯誤しながら書き綴るコピーライティングをコントロールしようとするのだから。

馴れないうちは、コピーの随所に「あなた」を連発させればいい。そうすれば、あなたの主張は細やかな配慮あるものになっていく。あちこちに散在する「あなた」は、最終的に削ってしまえばいいだけの話だ。

7.何をすべきかを伝える

何をすべきかを伝える

売れるコピーライティングでもっとも大切なのは、ターゲットの行動を促すことだ。
一生懸命推敲を重ねたコピーライティングに心を動かされたターゲットが、「この商品を買うには、何をしたらいいの?」と質問をしたという笑い話がある。ターゲットが何をすべきかを質問する前に、「このすばらしいサービスを手に入れるために、あなたは○○をするしかない」と訴えかけよう。

アメリカ大統領の典型的なスピーチには、決まった流れがある。自分の体験、身近な人のことを取り上げ、問題となっている現状を伝え、最後の下りで「国民は○○してほしい」と訴えるのだ。明確な行動を促すのは、リーダーの大きな役割なのである。

商品の販促を行うためにコピーライティングを行っているのなら、アメリカ大統領と同じようにターゲットに行動を促すパラグラフを加えよう。

とにかく書く。冷静になる。の繰り返し

とにかく書く。冷静になる。の繰り返し

筆者は、コピーライティングは書く、反省する、の繰り返しをどれだけ続けられるかで出来が決まると考えている。
盛り込まないといけない情報、ターゲットの分析結果を踏まえ、思いのたけをぶつけてみる。とにかく、初稿は荒削りなまま、まさに書きなぐるのだ。書いているうちに、異なる視点が思い浮かんだりもする。
書きあがったコピーは、きっと熱い思いが詰まったものであるはずだ。

しかし大切なのは、ヒートアップした気持ちをアイシングして冷静な状態に戻すことなのだ。
時として一気に書き上げたコピーは、思いが先走りすぎて、伝わらないものになっている可能性がある。PCの電源をいったん落とし、24時間後にもういちど読み返そう。もしくはだれかほかの人に読んでもらおう。
きっと昨日気付かなかったポイントが見えてくる。

たくさんの守るべきポイントに気をつけながら進めていくコピーライティングは、地味な作業に見えるかもしれない。しかし世の中の仕事で、地味でないものなどない。売れるコピーを書くために、コツコツと他社がやっていない努力を積み重ねてほしい。

「コピーライティングの実践テクニック、鉄の7カ条」前編

コピーライティングの実践テクニック、鉄の7カ条(前編)

コピーライティングの実践テクニック、鉄の7カ条

コピーライティングは、テクニックさえつかんでしまえば決して難しいものではない。
ただし、イメージ広告を生業とするようなプロのライティングと比べているのではなく、ネットであなたの会社の扱う商品やサービスを売るためのコピー、という意味でのことだ。

あなたはプロのライターではないのだから、誰もが感心する美文にまでコピーライティングを極める必要はない。商品を紹介するコピーが洗練されていなくたって、言い回しがこなれていなくたって、要は商品が売れればいいのだから。
まずはそのレベルでOKなら、これから紹介するテクニック、心構えを習得すれば、実戦で成果を出せるようになるだろう。

エッセンスだけをまとめるつもりが、思いのほか長文になってしまった。
しかし、サラッとポイントを説明するだけでは、せっかくこのコラムを見つけてくれたあなたに申し訳ない。読み切れる長さに分割し、前後編でお届けしようと思う。

1.情報を整理整頓しておく

コピーライティングの基本は、書きだす前に情報を整理しておくこと。具体的には、

  • 1-1.ターゲットの具体像を細かく描いておく
  • 1-2.商品がターゲットにもたらす利点を挙げる
  • 1-3.話の組み立てを行う
  • 1-4.これらを結び付けるアイデアを考えながら構成を進める

情報が整理できていないと、コピーライティングは散漫なものとなってしまい、読み手の頭のなかには次々と疑問符がわいてくる。結果、商品紹介のコピーに集中できなくなってしまうので、説得するに至らずWEBサイトから誰もいなくなってしまうのだ。
このようなことにならないために、情報をきちんと整理することからはじめたい。言葉を選ぶまえに行うことはまず準備だ。

1-1.ターゲットの具体像を細かく描いておく

ターゲットの具体像を細かく描いておく

いわゆる「ペルソナ(象徴的なターゲット像)」を設定しておこう、というものだ。ターゲットはできるだけ具体的なほうがいい。イメージが合っているなら、隣席の同僚でいい。そのほうが想像しやすい。こう伝えたら、彼は興味持つよな・・・といったことをイメージするための手段だ。

たとえば今朝、当社の若手スタッフが持ち込んだコラムのタイトルは「○○○(映画のタイトル)に学ぶプロの交渉術」。彼は、メジャーではない映画の主人公である弁護士の交渉術にスポットを当てたコラムを書こうとしていた。
しかし、粗書きの原稿には映画のシーンが紹介されている。

筆者には、すぐに「読み手は誰?」という疑問がわいてきた。

映画評であれば理解できるが、タイトルから推測するに彼の意図はそこにはないはずだ。キーワード「プロの交渉術」を調べたいと思う人が偶然にコラムを見つけ、そこからプロフェッショナルな交渉とはどういうものかを学ぼうということを想定したものである。

ならば想定できるターゲットは、このような人物か。
営業職についたばかりの新卒社員。男性が多いはず。交渉術などというキーワードで検索するぐらいだから、交渉の結果次第で利益額が上下するようなタフな事業の会社にいる。B2Bだろうな。新卒なら、そんなタフな毎日に多少疲れているかもしれない・・・。

当社の若手スタッフが書くべき内容は、ターゲットを想定しないときよりも鮮明になり、あてもなく推敲することはなくなるので、格段に筆が進むようになるのだ。

1-2.商品がターゲットにもたらす利点を挙げる

商品がターゲットにもたらす利点を挙げる

ここでいう利点とは、商品スペックに挙げるような特性のことではない。業界用語で「ベネフィット」と呼んでいるものだ。ベネフィットとは、商品を使うことによって、得られる理想の状態のこと。
たとえばカメラを買うとき、私たちは1,200万画素のスペックを買うのではなく、そのカメラで撮った家族旅行の写真を夕食を食べたあとで、ワイワイ言いながら楽しむためにお金を払う。

コピーライティングは、その商品を持つことによってもたらされる具体的な状態を伝えるためのものだ。あるときは、ターゲットが想像すらしていなかった理想を伝え、またあるときは彼らの悩みをズバリ言い当て解決する術を授ける。
あなたが選んだ言葉に、もしかすると思わず涙してしまう読み手が出てくる可能性さえあるものだ。

1-3.話の組み立てを行う

話がうまいなと感じる人の話術は、話す内容をうまく組み立てている。立て板に水を流すようになめらかに話す人でも、内容がなければ感心するまでには至らない。初めは引きつけられるが、途中で内容がないことに気づいてしまうと、スッと素の自分に戻ってしまう。

話の組み立てをうまく行えば、あなたの言いたいことが読み手の頭にスムーズに入っていく。読み手にスッと素の自分に戻るスキを与えないようにすることだ。

WEBサイトで使う基本は、結論 → 理由 → 説得の順番だ。
とにかくネットのユーザーは、せっかちだ。自分のためになる情報を探し回っているのだから、WEBページの冒頭数行を読んだだけですべてを判断してしまう。だから、あなたがターゲットをWEBサイトにとどめておくためには、とにかく結論を先に差し出すことが重要となってくる。

あなたの差し出した結論に興味を持ったターゲットは、「なぜそんなことになるんだ?」と理由を尋ねてくる。もっともな理由をさらに示せば、またさらに・・・といった具合に、彼らはあなたの思い描いたストーリーにはまり込んでいくわけだ。

1-4.これらを結び付けるアイデアを考えながら構成を進める

話の組み立てはできていても、大きなベネフィットのアイデアを思い付いても、これらをピタッと結び付けられなければ、読み手は違和感を覚えてしまう。

余計なことを考える暇を与えないほどスムーズに次のパラグラフに進めるような「流れ」になるよう、あなたの素晴らしいアイデアを結び付けておこう。
といっても、まったくバラバラの内容をむりやり結びつけるのは骨が折れる。それぞれのアイデアを結びつける作業は、前述1~3の作業を進めながら行う方が効率的だ。

2.あなたのコピーに格好良さは必要ない

あなたのコピーに格好良さは必要ない

良いコピーライティングとは何かと尋ねられれば、筆者は「商品が売れるコピー」と即答する。極論ではあるものの、コピーライティングに格好良さは必要ない。
書き始めたばかりの人が間違いがちなのは、有名なコピーライターが書いた名文に心酔してしまい、良いコピーとはこういうものだと思い込んでしまうことだ。
世の中で名文と紹介されているコピーすべてが結果を出しているわけではない。コピーライティングとしては名文かもしれないが、商品が売れない「駄作」も存在することを知っておいてほしい。

名文=商品が売れるコピーと思い込んでしまっている人が陥るのは、意味のない美辞麗句を並べ立てただけのコピーを書いてしまうこと。

究極のトマト。口にする誰もを別世界へ誘う。

たいそうなトマトなのだなとは感じるが、薄っぺらいこと、このうえない。
そもそもこのコピーでは、「トマト」であることしか分からないし、「考えるの、面倒くさかったのか?」とツッコミを入れたくなってしまうほど、ひどいものだ。

ターゲットが知りたいことは、

  • おいしいトマトとは、どういうものなのか?
  • 食感は?
  • なぜおいしくなるのか?
  • 安全なのか?
  • どう食べればよりうまくなるのか?

であって、あなたが知っているありったけの美辞麗句で商品を飾りたてても、買ってほしい人にはノイズにしか聞こえない。甘さに特徴があるのなら、「糖度」という絶対基準があるし、食感を伝えるなら、イメージしやすいものに例えてはじめて商品の良さが伝わるようになるのだ。

ターゲットが知りたがっていることにていねいに対応し、彼らが望んでいる商品であることを上手く伝えれば、今朝農協に500円で卸したトマトも、5,000円で直販できるようになるかもしれない。

3.やさしい言葉で書く

やさしい言葉で書く

難解な言いまわしやキーワード、専門用語が並ぶコピーは、読んでいて肩がこる。ネットの醍醐味である「情報のザッピング」速度も極端に落ちてしまう。ターゲットが、あなたの書いたコピーを一言一句漏らさず読んでくれるなどと思わないでほしい。「ちゃんと読んでくれ!」とTVCMで訴えても、新党を立ち上げ国会で過半数の議席を獲得したとしても、ネットユーザーの斜め読みは変えようがない。

だから、斜め読みしても、おおよその意味がつかめるやさしい言葉を使ってコピーライティングしよう。
アウトドアブランド・モンベルの創業者である辰野勇氏は、「誰にでも最初の一歩がある。商品を紹介するときには、その一歩を踏み出した人にも分かるように伝えるべきだ」と語っている。

「コピーライティングの実践テクニック、鉄の7カ条」後編(近日公開予定)

SEOの間違い:業者による有料リンクはリスクしかない

SEOの間違い:業者による有料リンクはリスクしかない

連日のようにWEB担当者にかかってくる営業電話。

「SEOを行えば、ホームページへのアクセスが何倍にもなります」

以前に「手を出してはいけない」と説明をしたはずのクライアントからも、相談を受けることがある。
仕方ない。人間は楽して結果を得たいと考える生き物なのだから。

しかし、SEO業者が行う外部からの有料リンクにによって掲載順位を上げようとする行為は、スポーツでいうドーピング、違反行為でしかないのだ。一時的には順位が上がりアクセスが増えたとしても、必ず「しっぺ返し」を食らうことになる。
「しっぺ返し」と柔らかく書いたのは、当社のクライアントへの配慮だ。配慮をしないでいいのなら、明確にドーピングレベルの違反行為だと断言したいほど、WEB担当者として「やってはいけない行為」なのだ。

Googleは有料リンクを認めておらず、そのようなリンクが張られているWEBサイトを検索データベースから排除するペナルティを課しているほどのことなのだ。

有料外部リンクを排除するとしたGoogleのアナウンスから久しく経つものの、いまだにクライアントから相談を受けるということは、まだ一般的な認識としては極めて低いステータスにあるということだ。このコラムでは、有料リンクがいけない理由、Googleを含めたすべての人が受け入れ、あなたのWEBサイトのためになるプロモーションについて言及する。

GoogleがSEO業者の有料リンクを認めない理由

SEO業者による有料リンクをGoogleが排除していることはすでに伝えた。ではなぜそのようなことを行うのだろうか。それはGoogleがコンテンツメーカーではないことによるものだ。

Googleは検索エンジンであって、独自のコンテンツを持たない。
世の中にあふれる途方もない数のコンテンツから、「あなたが探しているものは、これではないですか?」と候補を差し出すだけだ。

ということは、Googleがあなたに候補として差し出したコンテンツが使い物にならないものであったなら、あなたはSNSで「Google 使えねぇ」とつぶやく。そのつぶやきは瞬く間にネットを駆け巡り、使えない検索エンジンとしてネットから追放されかねない。

一方、SEO業者による有料リンクは、外部から多くリンクを張ることで検索順位を上げようというもの。
あなたは困りごとを解決しようとした際に、有料リンクによって順位が上がったWEBサイトで満足するだろうか。純粋に高評価を得て上位に掲示されたのではなく、たいした内容でもないのに金で買った評価で上位表示を得たサイトに。
あなたはおそらく何の解決策も見い出せず、何の感想も持たないまま別のリンクをたどるだけ。しかし、もし次々と使えないWEBサイトが出てきたらどうだろう?

苛立ちを覚えたあなたは、
「Google 使えねぇ」とTwitterでつぶやきたくなるに決まっている。

そうなのだ。
外部からのリンクだけによって掲載順位が上がったWEBサイトなど、あなたに何の解決策ももたらさないし、Googleの評価を下げるだけの「悪」なのだ。だからGoogleは検索エンジンとして有料リンクを認めず、徹底的に排除したいと考えているわけだ。

Googleが出したSEOに関する指針

GoogleはPageRankという思想をもとに、ページの評価(検索順位を決定するための指標)を行ってきた。PageRankとは、WEBサイトのページに対してランク付けしたようなもので、ランクの高いページは検索順位も高い。さらに、PageRankの高いページからリンクを張られているページも評価は高くなる。
簡単にいうと、「美人が推薦する美人」をたどっていくと、究極の美人に会えるのではないかという「美人数珠つなぎ(1983年から1985年まで関西ローカルのみで放送された深夜番組「TV-JACK」のコーナー。桂小枝が担当)」理論だ。

これを悪用するのが、SEO業者の有料リンクというわけである。
PageRankの高いWEBサイトを用意し、契約した客のWEBサイトにリンクを張る。するとGoogleは「○○サイトさんがリンクを張るぐらいだから、ここも優秀なサイトなんだろう」と評価を上げるため、検索順位が上がってしまう。
しかしこれを野放しにしておくと、Googleが行うページ評価が正当なものではなくなり、金を持っている者が勝つことになってしまう。これに対し、Googleは2009年有料リンクに関する公式なコメントをリリースしている。今ではリンクを張った側、受けた側のPageRankを下げることにしているのだ。


ウェブマスター向け公式ブログ「有料リンクについて(2009年2月18日)」


前述のように、Googleは自社が行うページの評価を正確なものとするために、あらゆるスパム行為を排除している。有料リンクもそのひとつで、SEO業者から買った有料リンクは何の意味も持たないし、逆にWEBサイトの評価を下げてしまう可能性さえある。

そうはいっても、天文学的数字のページが存在するネットの世界なのだから、Googleが見逃したり、何か抜け道があるんじゃないのか?

あなたはそう思うかもしれない。
しかし一般人が考えるような抜け道も、Googleはお見通しだ。相手はIQ200を超える頭脳の集まり。かなうわけがない。諦めるほうが得策だ。

悪徳SEO業者の巧みなやり口

「外部のWEBサイトからリンクが多く張られれば、それだけ支持を得られているとGoogleが判断するんです」
「運用実績のある確実な方法ですよ」

上手い話には裏があると考えてほしい。
そもそも金で買った1位など、あなたのWEBサイトに何の利益ももたらさない。課題を解決しようとする人は、あなたのWEBサイトに解決策がないことをすぐに見抜くからだ。

悪質なSEO業者は、あなたの想像以上に狡猾(こうかつ)だ。
結果が伴わなければ、お代はいただきませんと、「成功報酬」で契約する。
しかし彼らは契約後、何もしない。ただ検索順位をチェックするだけだ。

Googleのアルゴリズムの組み合わせで、それまで下位にあったWEBサイトが偶然上位に顔を出すことがある。彼らはそれを見逃さない。
「やりましたよ、○○で3位になりました!」

Googleのアルゴリズムの変化が偶然引き起こした検索上位の結果に対して、あなたは成功報酬をだまし取られることになるわけだ。ほとんど「オレオレ詐欺」の世界。多くのWEBマスターがまだ成功報酬型の悪質業者に騙され続けているのが現実だ。

正攻法のSEOとは

Googleは検索エンジンとしての生き残りをかけ、良質なコンテンツを検索者に差し出せるよう、上位表示アルゴリズムを日々進化させている。

正直なところ、少し前は検索結果に「なんじゃこれ?」というコンテンツが含まれていた。
しかし、外部の有料リンクが張られたコンテンツがGoogleのデータベースから消えつつあるいま、上位に表示されるWEBサイトは、ためになるものが多い。助けられた経験も数えきれない。以上から、ひとつの事実が分かる。

検索者にとって有意義なコンテンツだけが上位に表示され、アクセスを独占できる

筆者は、ネットを愛する者としてすべてのWEB担当者に伝えたい。
いいコンテンツを作ることが、アクセスを伸ばす近道であり、大きな利益をもたらす。

では、何がいいコンテンツなのか・・・。
そんなことは知らない。

それを知るには、思い浮かんだキーワードで検索した結果をチェックすることだ。それぞれのWEBサイトには、異なる視点で構成したコンテンツが存在している。上位に表示されているすべてのWEBサイトが、「なるほど」と感じられるコンテンツとなっているはずだ。

だから、
あなたがWEBサイトを上位表示するために行うべきは、あなたのコンテンツに

  • 上位のコンテンツの内容を凌駕するほどの内容を盛り込むこと
  • 下位とは異なる視点が備わっていること

正攻法のSEOが長く効果を得られる理由

すべての効果が長く続くわけではない。それは、検索順位は市場原理が働くからだ。
つまり実際の市場でも、あなたの会社が画期的な新商品をリリースしても、数カ月後には競合他社が似たような商品をぶつけてくる。独占的に売れていた新商品市場は、プレイヤーに魅力的な市場であればあるほど、混とんとした状態になるものだ。

検索順位も、競合他社があなたのコンテンツよりも検索者が有益と感じるコンテンツに改良すれば、表示順位が入れ替わる可能性はある。リアルでもバーチャルでも、しのぎを削る必要があるということだ。

ただ、リアルの市場で競合する他社すべてがネット戦略に注力しているわけではない。あなたが先陣を切って優れたコンテンツをリリースすれば、状況によっては長い間ネット上で業界の「リーディングエッジ」となれる可能性がある。
現在のマーケティングでは、「ネットで検索することから購買はスタートする」ことが認知されている。いちはやく優れたコンテンツでリードし、ユーザー候補の共感を得ることは、あなたの会社に大きな利益をもたらすことにつながるのだ。

プレゼンのコツ。話し方次第で確実に勝てる、3つのポイント

プレゼンのコツ。話し方次第で確実に勝てる、3つのポイント

コンペの勝者は、競合他社との比較でのみ決定される。
誤解を恐れずに言ってしまうと、あなたの企画が大したことはなくても、他社よりほんの少しでも抜きんでていれば、勝てるのだ。しかも残酷なことに、勝者以外には何の救済措置もない。1位の会社の補佐としてプロジェクトを任されることなどあり得ない。つまり、決して2位ではいけないのだ。

もうひとつ残酷なことを加えておこう。
あなたは、コンペのために関係各部門で調整を行い、それなりの時間を費やしてきたはずだ。なのに負けてしまったとしたら、会社からすれば敗者であるあなたは、会社に損害を与えた「できない君」でしかない。

もしあなたが忘れていたプレゼンの基本中の基本をこのコラムを読むことで思い出してくれたなら、状況は一変する。あとは競合他社より少しだけ抜きんでる方法を身につけるために、あなたはほんの少し努力するだけで済むはずだ。

プレゼンのコツ1. 自信は信頼につながる

自信は信頼につながる

自信を見せる、は精神論的に感じる人がいるかもしれない。しかし考えてみてほしい。おもしろい、楽しい、ためになることを提案してくるプレゼンターは、ことごとく自信ありげに話している。テレビショッピングの売り手、セールスマン、やり手の営業部長、あなたがこれまで出会った名プレゼンター誰もが、その言葉に自信をみなぎらせていたはずだ。

自信が感じられない言葉は、相手に伝わらない。相手の心を揺さぶることは決してない。

大きな声は自信の表れ

大きな声は自信の表れ

プレゼンは相手に自分の企画を伝えないと意味はない。あたりまえのことだが、自信がないからか、普段からはっきり話すことをしていないからなのか、プレゼンのときにも、ボソボソと話している人がいる。

最初は提案を受ける側も、いい提案ならと積極的に採り入れたいと考えているので、なんとか聞き漏らさないようにしようと、積極的に耳を傾けてくれるもの。しかしそのうち我慢も限界に達してくる。

  • 自信がないなら、提案するな。
  • あのボソボソと長く付き合うのは面倒だ。

とまで感じ始め、後半は前のめりだった姿勢も、いつのまにかふんぞりかえって目はうつろ、「早く終わってくれ」と顔の前に手を合わせて懇願ポーズをとる人まで出る始末。これでコンペを勝ち抜けるわけがない。ボソボソ話すのを改めない限り、競走馬「ハルウララ」のように連敗記録を一生更新することになる。

「思う」ではなく、「です」

「思う」ではなく、「です」

不確定な時代を反映してのことなのか、相手を説得しかかっているはずなのに「~と思うんですね」と口グセのように繰り返す人が多い。提案を受ける人は、説得されてもいいと、気持ちの準備をしているのに、提案者から肝心なところで「思う」と言われると、スッと気持ちが離れて行ってしまう。大きな責任を負い成功させたいと願うプロジェクトなのに、そんな自信がないように聞こえる人の提案など聞く時間はないと感じてしまうのだ。

相手はプロとしてのあなたの言葉を待っているのだ。
たとえ内心は自信がなくても、「思う」などという「逃げ」ととられかねない言葉は口にせず、堂々と「です」と締めくくろう。

プレゼンのコツ2. ストーリーで話す

ストーリーで話す

ストーリーでプレゼンするというのは、何も「おはなし」を作れというわけではない。
提案全体の組み立てをロジカルにしなさいということだ。

突然デザイン案が出てきたり、システム案を持ち出しても、提案を受ける方は「彼が言っていたコンセプトを踏まえると、このデザインになるのだな」と咀嚼(そしゃく)してくれることはない。むしろ、コンセプトとデザインが分離した状態になるだけ。記憶のなかに、あなたがじっくり煮詰めた珠玉のコンセプトが焼き付くことはないのである。

御社のWEBにはココが足りない、しかしこのコンセプトでいけば、もっと良くなる、そのためにはこのデザインが効いてくる、このシステムが必要なのだ、とロジカルに伝えれば、あなたの思いはクライアントの記憶に鮮明に残るはずだ。

プレゼンのコツ3. 聴衆を巻き込む

聴衆を巻き込む

関西では、プレゼンの冒頭で笑いを取るのは必須条件だ。最終審査に残れるかどうかが決まると言ってもいい。厳しい世界である。
笑いをとれるとなぜ最終段階まで一気にのし上がれるか。提案を受ける側は、長期間にわたって付き合えるかどうか、そりが合うかどうかも重要な指標にしているということだ。いくら提案が良くても、「この人と付き合うのは骨が折れそうだな」と感じると、同レベルの提案が他社から出されていたなら、間違いなく付き合いやすいプレゼンターに勝利は流れる。

要は、自分たちとフィーリングが合っていると感じさせること、フランクに付き合えるかどうかをアピールすることが大切だということだ。

だから、無理して笑いを取る必要はない。
何かのアクションをしてもらい、それがおもしろかった、楽しかったと感じさせるだけでも、「長く付き合う」ことにおいては、競合他社より優位に立てることになるのだ。聴衆をあなたのペースに引き込んで、「なるほど」と感じさせることが重要だということだ。

プレゼンで、もっとも大切なこと:時間内におさめ、勝つための練習を

時間内におさめ、勝つための練習を

プレゼンは、緩急をつけよう。
けっこうな量の提案をしなければいけない場合には、ひとつずつ丁寧に説明すると、時間は足りなくなる。制限時が設けられていることがほとんどであるコンペでは、必ず制限時間内にすべての提案を終えられるように組み立てておく。

プレゼンを時間内に終わらせるには、まずひと通り練習を行うことをおすすめしたい。
一人で練習すると、どうしても早口になるので、わざとゆっくりめに話してみる。もしくは同僚にチェックしてもらおう。
そこで気づくことが必ずある。時間配分、組み立てだ。話していて、何か違和感を感じたら、おそらくクライアントも同じように違和感を覚えるはず。そのときは、提案書の内容やプレゼンの組み立てを躊躇せず改善しよう。

最後にすすめしたいのは、鏡の前で練習を行うことだ。あなたの上半身が映るような、できるだけ大きな鏡の前で。
鏡に映っているのはあなたなのだから、恥ずかしがる必要はない。自分の目を見ながら、態度や表情をチェックする。きっと変なクセや改善点が見つかる。

提案内容をキレるものにするテクニックはマッキンゼーあたりのコンサルティングファームに任せると考え、プレゼンに際しての心構えについてお話しした。
最後に、「コンペの勝者は提案の内容だけで決まるものではない」ということを伝えておきたい。すべてのコンペがビジネスライクに企画内容や見積もり、ロードマップの妥当性で評価されるなら、下手くそなプレゼンなど求めず、提案書の提出だけで決めればいい。世の中のコンペがプレゼンの場を設けているのは、提案者であるあなたの処理能力、準備にかけた努力、そして何よりあなたの人間力を評価しようとしているからだ。

企画内容のアイデアのキレ具合を磨くために苦心するより、プレゼンの場を盛り上げる方法にもアイデアを注いでみよう。きっとあなたの勝率が格段にアップすることは間違いない。