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熱いインタビュー記事はどう書くか

熱いインタビュー記事はどう書くか

その分野で名を馳せるプロフェッショナルに話を聞くことができるインタビュー。じかに熱い話を聞くことができるのは、ライティングの仕事をしている者ならではの特権だ。

ただ、いくらいい話を聞いてきても、それを文章にすることができなければ、せっかくの熱い思いを読者に伝えることはできない。インタビュー記事を書くときに筆者が心がけていることをいくつか紹介してみたい。

取材現場の熱量が、最初にして最大

1.	取材現場の熱量が、最初にして最大

インタビュー記事では、取材対象が語ってくれたことがすべてのネタの元になる。

ライターはそのネタを元にして書くわけなので、取材現場では、もらえる一言ひとことが宝物である。取材現場の熱量を100とするならば、その熱が100%読者に伝えられるか、それとも80%になるか、はたまた30%になるかは、ライターの力量次第ともいえる。

ただし、100を超えることは書けないし、書いたとしたらねつ造になってしまうので、あとは取材現場でいかに120、150を語ってもらうかが勝負になる。そのあたりの詳しい方法については「質問の仕方。話の核心に触れるための6つの方法」を参照されたい。

文章にするときの3つのポイント

文章にするときの3つのポイント

語ってもらったネタを熱いまま文章という形に料理したいのだが、これがなかなか難しい。
語り言葉をそのまま文章にすると、重複などの不要な部分があったり、どうしても必要なバックグラウンドがそっくり抜けていたりするからだ。たいていの場合、順番も順不同になっているため、内容ごとに精査して、読者が混乱なくストーリーに入り込めるよう、適切な順番に並べ直さなければならない。

(1)同じ内容はばっさり切る
(2)大胆に順番を並べ替える
(3)バックグラウンドを補足する

この3つが適切にできていれば、まず80点はとれるのではないだろうか。

誰でも分かるように、素直に書く

誰でも分かるように、素直に書く

ではあとの20点は何なのかというと、それは「誰にでも分かるように、素直に書く」ということ。
ライティングとか、ライターとかいうと、なぜかクリエイティブなことを書かねばならないとか、個性を出さねばならないと思っている人が意外に多い。しかし、小説家を目指しているならともかく、たいていの場合変なクセのついた文章は、読み手の理解を邪魔するだけである。

特にインタビュー記事においては、書き手の個性なんて誰も必要としていないことを知っておこう。
専門用語が頻出しがちな分野であっても、なるべく素人にも通じる言葉を選ぶこと。話の意図を的確に表現するためには、語られた言葉をそのまま使うことが適さない場合も多い。
小学生でも分かるように、シンプルに、単刀直入に。変に気取らず、素直に、まっすぐに。言葉選びには慎重を期したい。取材対象が発してくれた熱を、逃がさずそのまま文章にするのである。

よいインタビュー記事は、魔法瓶のようなもの

よいインタビュー記事は、魔法瓶のようなもの

取材現場の熱をそのままインタビュー記事に閉じ込めることができたら、その記事はいつまでも熱を逃さず保存してくれる、高性能な魔法瓶のようなもの。

日々の仕事ですり減ってしまい、モチベーションが上がらないとき。失敗から立ちなおれず、自分に自信が持てずにいるとき・・・。心が冷えきっているときその記事を読み返せば、いつでもプロフェッショナルの熱を、また自分に取り込むことができる。自分のなかにも忘れかけていた熱があることを、もう一度感じることができる。
そんなきっかけになる文章を書くこと、それこそがインタビュー記事をライティングする醍醐味ではないだろうか。

言葉は人を動かす~偉人・企業のキャッチコピーに学ぶ~

言葉は人を動かす~偉人・企業のキャッチコピーに学ぶ~

自分の体は自分の意志で動かせるが、決して他人を動かすことはできない。
自分におきかえて考えれば、誰かにムリヤリやりたくもないことをさせられるなんて、たとえそれが良いことであっても、やはり苦痛でしかない。
他人を動かすためにできることはただひとつ、「自ら動きたくなる空気をつくる」こと。
今回は、それを可能にする言葉の力について、企業のキャッチコピーや偉人の名言を例に挙げながら考えてみたい。

人を動かしたければ、動きたくなる空気を作れ

人を動かしたければ、動きたくなる空気を作れ

子育てをしていると、つくづく思うこと。それは、「自分以外の人間は、自分の思い通りにはならない」という事実。机にムリヤリ座らせてエンピツを握らせることはできても、本人の意志がなければ一滴たりとも何かを学ばせることはできない。
じゃあどうすればいいのかというと、周囲の人間にできることはただひとつ。「学びたくなる空気を作ること」それに尽きる。

経済活動でも同じことが言える。どれだけすばらしい商品でも、本人が欲しいと思っていないものを売りつけることはできないし、部下をどれだけ叱責したところで、本人の「やるぞ!」という意志がなければパフォーマンスはあがらない。
解決策は「買いたくなる空気」、「頑張りたくなる空気」をつくること、それしかない。

何かをしたくなる空気をつくるのはほんとうに難しいのだけれど、それができる強力な方法の1つが「言葉」だと思っている。

人を動かすために考え抜かれた企業のキャッチコピーとは

人を動かすために考え抜かれた企業のキャッチコピーとは

たとえばCMなどでよく目にする、企業のキャッチコピー。
消費者向けに自社のメリットをアピールするばかりではなく、会社の方針を社員一人ひとりの心に刻み込み、社風をつくりだす役割もある。自社の目指すところに向かって、人を動かす空気をつくるために、一言一句考え抜かれている。
下記にいくつか例を挙げてみたい。

お、ねだん以上。ニトリ(株式会社ニトリ)

消費者が思わず「おっ?」と驚くような価値を提供しよう、というシンプルな目標。「この商品でこの値段だったら、「おっ?」と驚くだろうか」・・・そう考えれば、誰もがカンタンに、社の方針に沿って正しい判断ができる。単に「より安く提供しよう」と呼びかけるよりも、ずっと分かりやすい。

あしたのために、いまやろう(トヨタ自動車)

地球温暖化問題への取り組みのキャッチコピーだが、仕事に対する姿勢についても当てはまる部分が多いのではないだろうか。いま、すべきことをしようというメッセージには、いつ実現するか分からない遠くの目標に向かって、何となく進んでいけばいいというあいまいさはない。

わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい(丸大食品)

社の姿勢として、「たくましく」と具体的に言い切ったところが迷いがなくていい。これを食べて子供が力強く育つだろうか?常にそんな問いかけをしながら作られた商品なら、良質な栄養がたっぷり含まれているに違いない。

これらに共通して言えることは、短くて分かりやすいこと。難しい言葉は使っていないので、考えなくても頭に入ってくる。そういうセンテンスが心に残り、行動指針となって、社として正しい方向へ導いてくれる。つまり、言葉が人を動かしていくのだ。

多くの人を導いた偉人の名言とは

多くの人を導いた偉人の名言とは

紹介したいのはマハトマ・ガンディーの名言。非暴力と不服従を信念として、イギリスの植民地だったインドをついに独立へと導いた偉人である。

明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。

具体的な生死をイメージさせることで、「一日一日を大切に生きなさい、いつも謙虚に学ぶ姿勢を忘れないように・・・」そう口酸っぱく言われるより、ずっと実感を持って味わうことができる。

My life is my message. (私の生涯が私のメッセージです)

ガンディーは、自分の行動、言葉、生き様すべてがメッセージだと言う。言うこととやることが一致していない人が多い(私も人のことは言えませんが・・・)なかで、彼は生涯をかけてひとつのメッセージを伝えようとした、だから人々の心に届いたのではないだろうか。

独立運動を止めさせようと暴力を振るってくる兵士に対して、反撃もせず、逃げもしないためには、相当な恐怖に打ち勝たなければならない。けれど、多くの人がガンディーのメッセージに賛同してこの運動に加わった。これは強制してできることではない。ひとりひとりが自ら、やりたいという強い意志を持たなければできない。人々を「やりたい気持ち」にさせたのは、パワーにあふれたガンディーの言葉たちだったのではないだろうか。

言葉には、行動を変える力がある

言葉には、行動を変える力がある

人を導き、行動を変えるキャッチコピーとは、明確に断言した「迷いのない言葉」である。
どこへ進めばいいのかがよくわかり、短くてすぐに覚えられ、いつでも思い出せる。
そんなパワーのある言葉は、ほんとうに人の行動を変えていく力を持っている。

日常生活で、上に紹介したような考え抜かれた言葉を発することは少ないが、「なんか良さそう、やってみたい」と思わせる、空気をつくる言葉選びならできそうな気がする。
「勉強しなさい!」ではなく「うわ〜、この本、おもしろい!」だったり、「片付けなさい!」ではなく「片付いたら気持ちいいなあ!」だったり・・・。
ふだん何気なく発している言葉だけれど、「この言葉、良い空気つくるかな?」と考えてから口に出せば、職場でも家庭でも思い通りに人が動いてくれる、といいな(笑)。

30秒のムダ話で仕事がうまくいく!雑談の絶大なチカラ

30秒のムダ話で仕事がうまくいく!雑談の絶大なチカラ

雑談というと、プライベートの詮索だとか、時間のムダだと考えている人が多いのではないだろうか。でも雑談についてネガティブにとらえている人は、とてももったいないことをしているかもしれない。雑談は仕事はもちろん、人生のあらゆる場面において絶大なチカラを発揮する重要なスキルなのだ。普段あまり意識することのない雑談が持つ潜在能力について、また雑談力をつけるコツについても書いてみたい。

インタビューにおける雑談のチカラ

インタビューにおける雑談のチカラ

先日、あるインタビューに同席したときのこと。筆者は普段、自分が直接インタビューすることはあまりないのだが、このときはその場の空気感なども知っておきたかったので、願い出て同席させてもらった。

事前に聞きたいことを考えてきているので、こっちはあれも聞こう、これも聞こうと気がはやっている。
ところがいざインタビューがはじまると、インタビュアーはほんとうに聞きたいことには一切触れない。まずは天気の話や出身地の話など、冗談を交えながら気軽な調子で話していく。いわゆる雑談を十分するのである。

インタビューを受けている人からしたら「こんなんでいいの?」という感じである。でもこの時間があるおかげで、インタビューされる人が身構えることなく、気負わず話せる雰囲気をつくることができたと思う。実際、雑談でひとしきり盛り上がったあとは、和やかな雰囲気のなか、興味深いお話をたっぷりお聞きすることができた。雑談が「本音で話せる空気」をつくったのである。

雑談の大切な役割は、その場の空気をつくること

雑談の大切な役割は、その場の空気をつくること

雑談とは、何ら目的や伝えるべき用件のない、言うなれば中身のない話だ。言ったそばから忘れてしまってもかまわないような内容の話である。そんな話を一生懸命しても何の意味もない、雑談なんて時間のムダだという人もいるだろう。
しかし、世の中の会話すべてが、用件を伝えるだけのものだったらどうだろうか。

たとえば、隣人に回覧板をまわすとき。
「こんにちは、回覧板です」
「はい、どうも」

そしてドアをガチャン。なんと殺伐としたご近所付き合いではないか。こんな町内には住みたくないというものである。ところがこれに雑談を加えてみるとどうだろうか。

「こんにちは、回覧板です。なんだか雨が降りそうな空模様ですね」
「あらほんとうですね。洗濯物をとりこまなくちゃ。部屋干しだとなかなか乾かないから嫌なんですけどね」
「うちもです。明日は晴れるってニュースで言ってましたよ。じゃあまた」
「ありがとう」

そしてドアをガチャン。時間にすれば30秒に満たないが、このほうがよほど後味が良く、心和むやりとりになった。洗濯物の話なんて2人ともどうでもいいのだが、雑談をはさむことで、お互いに打ち解けて話せる雰囲気ができたのである。

職場でも、家庭でも、ママ友付き合いでも、ご近所付き合いでも、人間関係をスムーズにするうえで雑談が絶大な威力を発揮する。まず雑談で地ならしをしてコミュニケーションの土台をつくるイメージだ。土台がないのにいきなりビルを建てようとしてもうまくいかないように、雑談なしでいきなり用件だけを伝えても、思うような結果にはつながりにくいのである。

雑談が人生を豊かにしてくれる

雑談が人生を豊かにしてくれる

ビジネスにおいて、雑談が果たす役割について考えてみよう。普段、用件をポンと伝えるだけで相手とまったく人間関係をつくれていなかったとしたら、ちょっとしたミスでも対応が違ってくる。普段から雑談を通してコミュニケーションしていれば「しょうがないなあ」で見逃してくれるようなことも、「どうしてくれるんだ!」ということになりがちだ。

ご近所付き合いでも、まったく知らない子供の弾くピアノはただの騒音でしかないが、いつも挨拶してくれるあの子、と顔が思い浮かぶ関係なら、「おお、うまくなってきたな」と寛大な捉え方ができる。ご近所との雑談が騒音クレームのセーフティ―ネットになり、子育てのストレスを減らしてくれる効果があるのだ。

家庭でも、もしもパートナーや家族が用件しか話さないような関係だったら・・・。想像しただけで心が冷え冷えとしてくる。どうでもいい話がワイワイガヤガヤ飛び交う家庭のほうが、幸福度はずっと高くなる。
このように、雑談はさまざまな場面で自分を助けてくれる。大げさに言うと、人生を豊かにしてくれる、縁の下の力持ちなのである。

雑談力をつけるコツ

雑談力をつけるコツ

「そうは言っても、雑談が苦手で・・・」筆者も同じなので、その気持ちはよくわかる。
まずは挨拶だけで終わらせず、プラスアルファのひと言を添えることを心がけたい。天気の話、季節の話などはテッパンである。また、パッと目についた服装や持ち物を褒めるというのもおすすめだ。

褒めるというと「おべんちゃらは言いたくない!」というへそ曲がりもいるかもしれないが、ムリに褒めなくても「そのキーホルダー何ですか?」とか「そのネクタイ、珍しい柄ですね」とか、気づいたことを口に出すだけでいいのだ。雑談においては、話の内容は重要ではなく、オチも結論も必要ない。肩の力を抜いて気軽にできる話が、一番適しているのである。

仕事のメールなども、ここぞのメールは用件だけで終わらせず、ひと言用件とは関係ないトピックを添えてみることをおすすめしたい。ぐっとメールの文章に人間味が出てくるし、読んだ人に良い印象を残す。何をしてもうまくいかなかった仕事が回り出すきっかけになるかもしれない。

相手を目の前にして、あれこれ考えているとうまくいかないというときには、「今日、何か1つ、相手を喜ばせることを言う」ことを自分に課してみるのもいい。こんな覚えやすくて実行しやすいシンプルなスローガンが、明日からの仕事の質を変えてくれるかもしれない。

ビジネスマンのための評価が上がるレポートの書き方

ビジネスマンのための評価が上がるレポートの書き方

メールにレポート、さまざまな種類の報告書…ビジネスマンなら誰しもが毎日なにがしかの文章を書いている。形式的な文書の書き方については他に親切なサイトがいくつもあるのでそちらに譲るとして、ここではもう少し突っ込んだ内容が求められるレポートや報告書の書き方について、ライティングの視点から考えてみたい。
評価されるビジネスレポートに必要なポイントは、以下の2点に集約することができる。

(1)オリジナリティのある内容か。
(2)読む人が苦労せずに理解でき、正確に内容が伝わるか。

この2つがきちんと満たすためにすべきことを、以下で紹介していきたい。

1.評価されるレポートの書き方、3ステップ

評価されるレポートの書き方

当たり前のことだが、研修レポート、視察レポートで重要なことはまず内容=「役立つことが書いてあるか」である。
読み手である上司の心情を想像してみよう。長々と読まされたあげく中身が空っぽだった場合、読み終わったときに書いた人間を思わずはりたおしたくなっていたとしても不思議はない。
内容が充実している、読んで良かったと評価されるレポートを書くために、意識したい3ステップを紹介しよう。

A.現状の把握と問題点の整理
B.分析
C.問題解決への提案

1-A.現状の把握と問題点の整理

現状の把握

まず現状を把握し、今抱えている問題を整理すること。
研修レポートや視察レポートの場合は、ほとんどが自らを対象としたものとなるだろう。自分や自社が今どんな問題を抱えているのか、社会や市場の動向はどうなっているのか。そして研修・視察先ではその問題はどうなっているのか、そこで自分は何を得てきたいのか。
ここで問題・目的を浮き彫りにし、レポートの冒頭でしっかりと宣言することで読み手と問題意識・目的意識を共有してほしい。これが的確で共感できる、または興味をひくものであればあるほど、読み手はぐっとあなたのレポートに引き込まれるはずだ。

1-B.分析

よいレポートには『分析』が不可欠だ。
ただ漫然と見ているだけでは分からないことがある。表面を流し見するのではなく、ひとつひとつの事象を深く掘り下げ、それによってどんなことが起こっているかを観察し、そこに自分なりの解釈を加える。これが『分析する』ということだ。
分析作業なくして突然結論を突きつけられても、読み手の納得は得られない。自分の書いたレポートに『分析』はあるか、常に意識しよう。

1-C.問題解決への提案

問題解決への提案

AとBを踏まえて、問題解決への提案で締めくくる。これがなければレポートを書く意味がないと言ってもいいほど重要だ。
ありがちな失敗例として「とても勉強になりました」「よい経験になりました」で締めくくられているレポートがある。読んだとき上司の心に余裕があれば、「よかったね」とホンワカしてもらえるかもしれないが、余裕のないときに読んだ場合は心のなかで「だから何なんだー!」と叫ばせてしまうことになるだろう。
心配しなくてもそれほど身構えることはない。なぜならAとBがしっかりと書けていれば、Cは自ずと導かれるはずだから。逆にCで手が止まってどうしても書けないというときは、AとBに問題がないか見返してみると良いだろう。

2.論理的に書くコツ。言いたいことを整理する

論理的に書く

レポートに何を書くかは頭のなかにある場合、あとはそれを文章にするだけなのだが、実際に書き出す前にまずしておかなければならないことがある。
それは「言いたいことを整理すること」。特にビジネス文書ではこの行程がとても大切だ。頭に浮かぶまま本流と関係の浅い枝葉の部分を書いてしまうと、言いたいことが伝わらないうえ、読む人の混乱を招きストレスを与えることになるからだ。
まずは書き出す前にトピックごとに整理して、レポートの設計図を頭のなかに描いてから書き始めよう。具体的な手順は下記の通りだ。

1.言いたいことを一行ほどに要約してひとつずつ箇条書きにする。
2.1をどんな順番で書くのかを考える。
このとき、基本的には時系列に並べること。そして同じような内容はまとめること。上記のA、B、Cの流れに添えているかもチェックしながら進めよう。パソコンを使うと簡単だし、アナログ派ならメモ紙を数枚用意して1行ずつ書き、机の上で入れ替えてもよい。

ビジネスマンのための評価が上がるレポートの書き方、後半は

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残念なキャッチコピーと名作の例、決定的な7つの差

残念なキャッチコピーと名作の例、決定的な7つの差

どんなキャッチコピーが人々の意識にとまり、購買や来店など実際のアクションにつながるのだろう。

残念ながら正解はコレだ、とひとくくりに断定することはできない。あるときは正解でも、また別のシーンでは不正解になることもあるからだ。ただ、他を押しのけて目立とうとするだけのキャッチコピーや、単に商品のメリットを並べ立てるだけのキャッチコピーは、確実に不正解だと言い切ることができる。

このコラムでは、街で見かけた残念なキャッチコピーからダメな部分を学びつつ、名作と言われるキャッチコピーを例に挙げ、心にとどくコピーたちの共通点を探していきたい。
あなたがもし自社製品を売り込むためのコピー作りに頭を悩ませているのであれば、残念なキャッチコピーたちと同じ轍を踏まないよう、参考にしていただければ幸いだ。

飾りすぎたコピーは、信用できない

飾りすぎたコピーは、信用できない

次のコピーを読んでみてほしい。街で見かけたブライダル関連のコピーだ。

『みんなが驚くくらいに輝いて、生涯忘れられない最高に幸せな瞬間を迎えるために。』

一見きれいにまとまっているように思えるが、率直に言って、このコピーが結婚を控えた女性の心に響く可能性は少ないだろう。
分かりやすい問題点は、形容詞や副詞などの「修飾語」が多すぎること。
短い1文の中に、「みんなが驚くくらいに」「生涯忘れられない」「最高に」と、最上級を表す修飾が3つも出てくる。すると、すごすぎて真実味が薄れてしまった。書き手のハイテンションに置いてけぼりにされてしまった受け手は、せっかくのコピーも「そんなわけないでしょ」と聞き流してしまう。

このコピーから形容詞を省いてみると、「輝いて、幸せな瞬間を迎える」。抽象的でありきたりな内容だけが残った。乏しい中身に大げさな形容詞…残念だがそんな売り文句に反応してくれるほど、消費者は甘くはない。

飾っていないけれど心に届く、名作キャッチコピーの例

ではどうしたらよいのか。ポイントは、あいまいになんとなくぼかすのではなく、ハッキリと言い切ること。具体的に言い表す。そういう意味で、キャッチコピーにまず使いたいのは、大げさな修飾語ではなく「動詞」や「名詞」である。動詞や名詞を使うことで、もやもやしていたイメージが具体的に動き出す。自信を持って言い切ったフレーズに、人は「よくぞ言ってくれた」と爽快感さえ感じることがある。

飾っていないけれど心にまっすぐ届く、有名キャッチコピーの例を下記に挙げてみた。どれも動詞できっぱりと言い切ることで力強さが伝わり、背中をどんと押されるような名作だ。

  • あしたのために、いまやろう。(トヨタ)
  • タイは、若いうちに行け。(タイ国際航空)
  • 働いて、強くなる。(リクルート)
  • 諸君。学校を出たら勉強しよう(日本経済新聞)

カタカナ語や難解な言葉は注意が必要

次は電車の吊り広告で見つけたキャッチコピーだ。

『クールにキメるビジネススタイル モテる大人のカジュアルスタイル』

ビジネス服もカジュアル服も両方良いのがありますよ、と言いたいところなのだが、残念ながら今ひとつ頭に入ってこない。カタカナ言葉が多すぎて、読むのが面倒になってしまうのだ。
元々カタカナ語は日本人の概念にないものを表すために便宜的に使用されてきたもの。読解にワンクッションが必要なのは当然だ。ピンポイントで使うのは良いが、使いすぎれば元も子もないことになる。
同じ理由で、何かしらの意図がない限り一般に通用しないような専門用語や難しい漢語などは避けた方が無難だ。

名作キャッチコピーは、短くシンプル

芸能人は歯が命

キャッチコピーには、サッと読めて苦もなく理解できることが必要だ。広告のコピーが難解なとき、理解しようと努力するほど親切な(あるいはヒマな)人は多くない。短くシンプルであることは、キャッチコピーにとって大きなメリットだ。

名作といわれるキャッチコピーには、幼稚園児でも分かる言葉でシンプルに言い切った例が多い。以下にいくつか例を紹介する。

  • フジテレビが、いるよ。(フジテレビ)
  • それにつけてもおやつはカール。(明治製菓)
  • 芸能人は歯が命(サンギ)
  • コメ粒からパン(三洋電機「GOPAN」)

キャッチコピーは視点を変えてたくさん作る

紙クズはもう一泊します

キャッチコピーに悩んでいるときは、視点が凝り固まっていることも多い。誰の目線でものごとをとらえるか、視点を変えてみるのも有効だ。

たとえばウェディング関連のキャッチコピーなら、花嫁の視点だけでなく、花嫁の父の視点でも書いてみよう。他にも花嫁の周囲にはたくさんの人がいる。花嫁の母、新郎、新郎の父や母、結婚式に来てくれた上司、同僚、先輩、友達、かわいがっているペット…このようにどんどん視点を変えてコピーを書いていけば、それほど苦労せずいくつかのコピー候補を生み出すことができる。
下記に挙げた名作キャッチコピーの例をみてほしい。

  • おしりだって、洗ってほしい。(TOTO)
  • 紙クズはもう一泊します。(帝国ホテル)
  • よちよち歩きの子供が床をなめてしまっても平気なようにしよう。(ディズニーランド)

おしりやゴミ箱に残された紙くず、床をなめてしまう赤ちゃん…。意外な視点から、伝えたい核心が急にリアリティをもって迫ってくることがある。ひとつできたといって満足せずに、視点を変えていくつも考えてみよう。

優れたキャッチコピーの作り方

実はたくさんのコピー候補を作ることは、いいコピーを作るうえでとても大切な作業だ。頭のなかに、散布図(=X軸とY軸にたくさんの点が散りばめられたグラフ)をイメージしてほしい。候補がたくさんあると、キャッチコピーの散布図ができる。もっとも点が集まっている箇所に、あなたが語るべきコピーの核心が眠っている。初心者がそこを的確に探り当てようと思うなら、数を打つ、という作戦が有効かつ確実だ。
優れたキャッチコピーが偶然生まれることはない。名作といわれるキャッチコピーは、たいてい途方もなく地道な作業のうえに作られている。

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広告は『他人の自慢』と認識すべし

優れたキャッチコピーの作り方

現代はあふれる広告の洪水だ。そんなところで生きるため、現代人は入ってくる情報を瞬時に「自分にとって役に立つか、立たないか」で判断し、役に立たないと判断された情報(=単なる売り込み)は無意識のうちにスルーしている。

ところが「何だろう?」「へえ、そんな視点があるんだ」「なるほど、面白いな」と思わせるコピーはスルーされずに意識の上にひっかかる。広告であっても受け入れられるのだ。知らないことを知ったり刺激を受けたりすることが、単純に人の脳を喜ばせるからである。

現代人は情報過多のなかにいて、実は情報に飢えていると思う。役立つ情報、面白い情報が欲しいのに、周りにころがっているのは広告、つまり自分には関係ない「他人の自慢話」ばかり。そんな状況に辟易しているのが現代人ではないだろうか。

彼らに自社商品の良さを知ってほしいなら、まずは鉄の防御を破らなければならない。この情報は「他人の自慢話」ではありませんよ、あなたに有益な情報ですよと、鉄の扉をノックする。そして扉を少し、開けてもらう。キャッチコピーの役割とは結局、それに尽きるのではないだろうか。
キャッチコピーを作ったら、そのコピーが心の扉をノックしているかどうか、扉を開けてもらえそうかどうかという視点で、一度チェックしてみるといいかもしれない。

 

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言葉の感度を高めるヒントvol.2「リズムをつかむ」

言葉の感度を高めるヒント

よい文章とわるい文章の違いはいろいろとあるけれど、読んでみて「心地よいリズムが感じられるかどうか」という点も、ひとつの大きなキーポイントだろうと思う。
よい文章は読み手をひとつの確かな流れに乗せて、目的地まで連れて行ってくれる。途中に緩やかな場所、急流が出てくることもあるが、流れが止まったり途中で途切れたりすることはない。流れに乗って読み進むうちに、自然に内容に引き込まれ、難なく書き手の用意したゴールまでたどり着いてしまう。

文章に心地よいリズムが感じられるかどうか。それだけでよい文章ができあがるわけではないが、必要条件ではあるだろう。
このコラムでは、リズムのある文章とはどんなものか具体的に例を挙げながら、どうしたら読み手を引き込むリズムを生み出せるのかについて考えてみたい。

リズムが自然に浮かび上がる文章とは

リズムが自然に浮かび上がる文章とは

言葉のリズムと聞くと、なんとなく「繰り返し」とか「五七調」などを思い浮かべるかもしれない。確かに、繰り返しや五七調はリズムが良い。では文章中にそういった言葉を折り込めば良いのかというと、決してそんな安易な話ではない。
読者に心地よいリズムを感じてもらうためには、まず大前提として、「折り込んだリズムが浮かび上がる文章」でなくてはならない。あっちこっちで文章につまづき、理解するのに頭をひねりながらでは、リズムを味わう余裕などできっこない。つまり、「リズムが浮かび上がる文章」とは、趣旨が明快で分かりやすく、流れるようにスムーズに理解できる文章のことなのだ。
読者がスイスイ理解できる文章、まずこれをクリアすることが第一関門。
…と簡単に言うけれど、第一関門にして難易度の高さは最大級であることも確か。まずは手始めに、下記4点から徹底してみてほしい。

  • 難しい専門用語は使わない
  • 核心をぼやかさない
  • 大切なキーワードは早めに出す
  • 一晩置いて第三者の視点で読み返す

秀逸キャッチコピーに学ぶ言葉のリズム

テンポよく本質を突いた一言は、ふと口ずさんでしまったり、なぜか心に残って忘れない。
リズムを味方につけたキャッチコピーはそういうものだ。
世に優れたキャッチコピーは星の数ほどあるが、そのなかで筆者の好きなものを少し紹介してみたい。

「やがて、いのちに変わるもの」

やがて、いのちに変わるもの

(ミツカン グループビジョン・スローガン 2004年)
この言葉の背景には、人のいのちをつくる食品を扱う企業としての、並々ならぬ決意と責任がはっきりと見えている。それでいて決して押し付けがましくなく、強くやさしく心に響いてくる。「やがて、いのち、かわる、もの…」難しい漢語やカタカナ語は使わず、すべて丸みのある和語でまとめているせいだろうか。
この言葉を五七調という日本人のDNAに刻み込まれたリズムに乗せることによって、老若男女の心にまっすぐ届くキャッチコピーに仕上げた。お見事というほかない。

「恋を何年休んでますか」

恋を何年休んでますか

(伊勢丹 キャンペーン広告キャッチコピー(1989年)、TVドラマタイトル(2001年))
元々は伊勢丹の広告キャッチコピーだったが、後に連続TVドラマのタイトルにもなり、こちらのほうが記憶している人も多いかもしれない。
毎日仕事や家事、育児に奔走している女性たちへ向けて、ストレートな質問を投げかけたキャッチコピー。問いかけられた方は一瞬ギクリ。鏡を見ればボサボサの髪に疲れた表情…ああ、私恋を休んじゃってる!!と身悶えし、伊勢丹に駆け込む(もしくはドラマに感情移入)というわけだ。
このコピーは7文字の繰り返しになっている。五七調の変形というべきか。

どちらのコピーにしても、最短距離でズバリ本質をついている。それでいて平易で誰にでも分かる。それを五七調にまとめたというだけのことなのだ。

古典文学に学ぶ文章のリズム

古典文学に学ぶ文章のリズム

高校生のときに、源氏物語の書き出し部分を暗唱させられたという人は多いのではないだろうか。何度も同じ部分を音読する作業は、当時憂鬱以外の何ものでもなかったが、今思うと言葉の流れの美しさを教えられた貴重な体験だったと思う。今さら耳にタコかとは思うが以下に冒頭部分を抜粋する。

いづれの御時(おほんとき)にか。
女御(にようご)、更衣(かうい)
あまたさぶらひ給ひけるなかに、
いとやんごとなき際(きは)にはあらぬが
すぐれて時めき給ふありけり。

現代語訳
いつの帝の御世でしたでしょうか。
女御や更衣が
大勢お仕えしていらっしゃるなかに
それほどご身分が高いわけではありませんが
ひときわ帝のご寵愛を受けていらっしゃる方がいました。

読めば読むほど、この2文のなかには1音の無駄もないことがわかる。磨き抜かれた美しい日本語は、心地良いリズムで読者を導きながら、頭の中に瞬時に映像を立ちあがらせていく。そのような文章を、自分も書いてみたいものだと思う。

リズムを感じる文章のために、天才じゃなくてもできること

リズムを感じる文章のために、天才じゃなくてもできること

文章を書きあげたら、削れる所はないか探してみよう。削って削って、これ以上1文字も削れないところまで削り込む。それができたら仕上げに、「音読すること」によってさらに文章を磨き上げたい。完璧だと思っても、音読することでリズムの悪いところ、引っかかるところに気がつくことがある。そこは十中八九、文章に過不足があるところだ。
天賦の才を持ち合わせない我々は、そんな地道な努力を怠らないようにしたい。触れれば手が切れるほどに磨き上げることができたら、自ずとそこに読み手を引き込むリズムが生まれてくるのだ。

言葉のリズム感を育てる、絵本の読みきかせ

言葉のリズム感を育てる、絵本の読みきかせ

筆者は息子に絵本を読んでやることを毎晩の日課にしている。
ひと口に絵本といっても、ストーリー性に優れたもの、図鑑もの、仕掛け絵本、キャラクターもの、絵が素晴らしいけれどテキストは正直言って“?”なもの…実にさまざまだ。なかには文章のリズムが受け入れ難い、という絵本がかなりの確率で存在し、それがまたかなりの確率で彼のお気に入りなのだ。トホホ、である。
そういったトホホな絵本はこっそり本棚の奥の方に隠したりしているが、なぜか彼は定期的に探し出してきて持ってくる。タイトルを見た瞬間、筆者のストレス値は通常の2倍程度に跳ね上がる。
しかたがないのでそのつど即興で不要な部分をカットし、順序を入れ替え、言葉を足して読み上げるのだが、意外にこれがよい頭のエクササイズになるのである。
「この一行は絶対に不要だな」「ここには一言説明が必要だろう」…何十回も繰り返して音読するからこそ見えてくる、リズムを狂わせる落とし穴というのがある。それを「落ちるもんか」とかわしつつ、自分も日頃同じような失敗をしていないか省みるのである。
そして読み終えたらそっと奥に隠し、言葉が丁寧に選ばれた絵本を、彼の目につく場所にさりげなく並べている…。

子供を見ていると、ふとしたときに絵本の一節を口ずさんだり、難しい言葉を知っているなと思ったら絵本に出てきた言葉だったり、ということがよくある。子供にとっては絵本も立派な語学の教科書なのだ。
大人も繰り返し音読することで、言葉のリズム感を磨き感度を高める修練になる。
親と子の双方にさまざまなメリットがある絵本の読みきかせ。「もうイイよ!」と迷惑がられるまで、できるだけ多くの絵本を読んでやりたいと思っている。

言葉の感度を高めるヒントvol.1「似合いの服を探せ!」

言葉の感度を高めるヒント

『どうすればもっと伝わるか、ぐっと深く読み手の心に刺さる言葉は何なのか?』
ビジネスであれ趣味であれ、文章に真剣に携わる人ならいつだって頭の片隅にある命題だ。

文章を書く、とは「頭の中にぼんやりと存在しているメッセージにきちんとした形を与え、誰の目にもハッキリと見えるようにする」行為だ。妥協して似合わない服を着せてしまえば、メッセージがきちんと伝わらないどころか、間違って伝わってしまうこともある。読む人には服しか見えていないのだから当然だ。

「イマイチ似合わないけれど、間違ってはないから、まあいいか」
 → 奥歯にモノが挟まったような、伝わりづらい残念な文章に。
「この子にはこの服しかない!完璧なコーディネートだ!!」
 → 言いたいことの本質がはっきりと描き出された、読み手のこころに届く文章に。

ではどうしたらぴったりの服を見つけてあげられるか?それには、たくさんの言葉を自分の引き出しにしまうこと、頭のなかにたくさんの引き出しを持っておくことだ。
このコラムでは、あなたも引き出しにしまっておきたくなる、言葉に関する小ネタを提供していきたい。

伝えたい思いにぴったりの服(言葉)を着せるということ

伝えたい思いにぴったりの服(言葉)を着せる

まずは「言葉が似合う、似合わないってどういうこと?」という人のために、少し解説してみたい。
たとえば、次の2文を比べてみよう。

A「次々にいろんなことが起こって、まるでジェットコースターみたいだった」
B「次々にいろんなことが起こって、まるでメリーゴーランドみたいだった」

両方とも遊園地の遊具に例えた同じような内容に思えるが、Aは、ジェットコースターのスピード感やスリリングな感じが連想される。Bは楽しそうな感じや浮遊感、次に何が起こるかワクワクして、はしゃいでいるようなイメージが浮かんでくる。
文章力を磨きたいなら、この違いに鈍感ではいけない。Aを使うか、Bを使うかによって読み手に与えるイメージは大きく異なってくる。

言葉の持つニュアンスの違いに敏感になろう

言葉の持つニュアンスの違いに敏感に

このように、同じような言葉でもニュアンスが異なる言葉は山のようにある。
基本的な動詞を例に挙げれば、
「見る」→見つめる、見据える、眺める、見入る、のぞき込む、睨む、一瞥する…
「話す」→語る、言う、述べる、喋る、口に出す、ブツブツ、ペラペラ、トークする…
等々、数え上げればきりがない。

これら一つひとつの言葉が持つバックグラウンドや、醸し出す佇まいが全体の文章を下支えすることによって、文章の質の高さがつくられる。
ひとつ言葉を選んだら、本当にその言葉がこの場面に最もふさわしいのかをもう一度問いかけてみてほしい。もっとふさわしい言葉があるんじゃないか?そんな視点でいつも検証する姿勢を忘れないことだ。
たくさんの候補の中から、「これだ!!」と思える言葉を見つけられたら大成功だ。そんな推敲を経てできあがった文章は、もとの文章に比べ完成度、オリジナリティ、何よりも伝わり方が飛躍的にアップしていることだろう。

言葉をグルーピングすると規則性が見えてくる

言葉をグルーピングする

突然ニュアンスに敏感になれと言われても、今まで気にしたこともなかった人にはハードルが高いかもしれない。
実は言葉が醸し出すニュアンスには、ある程度の規則性がある。ざっくりとではあるが知っておくと、言葉の引き出しを増やすときのよい目印になるかもしれない。

和語(日本古来のことば)
→やさしいイメージ、やわらかいイメージ
例:いきる、いのち、こころ、むすぶ、おもう、あやしい、うつくしい、いわう

漢語(中国から伝わった言葉)
→難しいイメージ、かたいイメージ
例:生命、精神、締結、概念、認識、懐疑、華美、祝福

外来語(カタカナ言葉)
→軽いイメージ、オシャレなイメージ、最先端なイメージ
例:グローバル、ストーリー、ストレス、ルール、ケース

たとえば気軽に読んでほしいカジュアルな文章に、漢字熟語を入れすぎると堅苦しくなってしまう。ファッションに関する内容ならカタカナ語を適度に入れることで、より華やかな世界観を膨らませることができる。

言葉はそれぞれ世界観を持っていて、それはその言葉がどのようにしてでき上がったかによって異なる。それが言葉のバックグラウンドだ。言葉はその背後に、驚くほど広い世界を連れているのだと思う。気になる言葉があれば語源や成り立ちなど調べてみると面白い。

言葉のバックグラウンドまで見据えながら、適切な場所に適切な言葉が選択できると、自由自在に文章のイメージを操れるようになる。いつの間にか、文章を考えるのが楽しくて仕方なくなっているはずだ。

辞書は大切な友達、文章を書くときはいつも傍らに

辞書は大切な友達

文章を書くとき、傍らに辞書を置いている人はどのくらいいるだろうか。
名文家として知られた井上ひさしは、作文教室に辞書を持ってこなかった人に対して、「関ヶ原の合戦に刀や槍をおいて丸腰で駆けつけるようなものだ」と説いたという。

複雑で繊細な日本語を正確に操ろうと思えば、どうしても辞書は欠かせない。迷ったときや行き詰まったとき、暗い道に灯りを掲げ、あなたの手を引いて「こっちだよ」と教えてくれる。とても博学で、何でも教えてくれる親切な友達なのだ。ぜひいつも傍らにおいて、親友になろう。

辞書ならwebでいくらでも引けるよ、とあなたは反論するかもしれない。しかし、webと紙媒体では調べるプロセスに決定的な違いがある。
Webの場合は、入力した言葉に関する情報だけが画面に表示される。調べようとしている言葉以外の情報は意識しなければ入ってこない。対して紙媒体の場合は、調べたい言葉に行き着くまでにページを何ページかめくり、前後の言葉にも目を走らせている。このとき、音が似ている言葉や意味が似ている言葉も自然に目に入ってくるのだ。
欲しい情報にダイレクトに行き着けるというのは、便利な反面味気ないもの。一見関連がなさそうな言葉が、行き詰まっていた文章に活路を開いてくれることもある。似た言葉をできるだけ多く自分の引き出しに収集する修練にもなり、一石二鳥なのだ。

読めばハマる辞書の世界

読めばハマる辞書の世界

時間が許せば、辞書をまるごと読んでみることをおすすめする。広辞苑や国語辞典のような基本的な辞書以外に、世の中にはさまざまな分野の辞書が存在する。古語辞典、類語辞典やことわざ辞典、大歳時記などはまだ普通の部類で、ファッション辞典、鉱物辞典やキノコ辞典、恐竜辞典等々、専門的なものも星の数ほど。書店や図書館で辞典の書棚をチェックしてみれば、きっと「これ、読んでみたい!」と思える辞書があるはずだ。
興味のある分野や地力を付けたい分野の辞書をまるっと読むことで、自分のなかの知識やボキャブラリーが驚くほど底上げされる。実際、その効能を知った筆者は時々チャレンジしている。

「そんな暇なことできるかー!」というあなた。言っておくが、筆者だって決して暇ではない。正直に言うと途中で寝てしまうこと数回……、それでも効果はしっかり実感できる。
全体的には視線を走らせるだけで十分。アンテナに引っかかった言葉だけしっかり読めばOKなので、気になる辞書があるなら一度トライしてみることをおすすめする。

乱読上等!ジャンルにこだわらず読みまくろう

乱読上等!

言葉の引き出しを増やすために、最低限必要なことがインプットだ。結局読書量を増やすしかないんでしょ、とあなたはふてくされ気味に言うかもしれない。
答えはイエスでもあり、ノーでもある。本を読むことは有効だが、ただ読めば良いわけでもないからだ。
この本に書いてある情報が「欲しい!」と思いながら読まないと、底に大穴が開いた器に水を注ぐのと同じで、入れたそばからダダ漏れなのだ。時間だけかけて読み終わったとき、何も残っていないのでは目も当てられない。

本を読むときには自分が「その情報、欲しい!」と心から思える本を選ぶこと。だから小説だろうが雑誌だろうが実用書だろうが、ジャンルは何だって構わない。
心から欲しがっている情報を自分に与えてやることで、砂漠に水が染みこむように文章が頭に入ってくる。
そのようにして楽しみながら文章に親しむなかで、自然と自分のなかの言葉の引き出しが育ってくる。読みたい気持ち、知りたい気持ちに素直になることが、効率よくインプットを増やして引き出しを豊かに育てる、一番の方法ではないだろうか。

筆者おすすめ:あなたの言葉力を強化しよう!「語感辞典」

ライティング初心者のための、想いが伝わる文章の書き方

ライティング初心者のための、想いが伝わる文章の書き方

心に響く文章は、読み手の行動を変える力を持っている。たった一行の文章で、読み手に商品を買わせることも、自社に対して良いイメージを持たせることも可能になる。

そんなことできるのは、ほんの一握りのプロくらいでしょ、とあなたは思っているかもしれない。しかし文章の素人でも、やり方しだいで言葉の力を引き出すことは可能なのだ。

ただし、それにはコツがある。言葉を通じて想いを伝え、読み手のアクションを引き出すためには、どんなことに気をつければよいのか。ライティング初心者の視点に立ってひとつずつ解説していこう。

想いが伝わる文章のための大前提

想いが伝わる文章のための大前提

伝わる文章を書くために最も大切なこと―それは、「伝えたい想い」をどれだけ強く、明確に持っているか。
想いが強ければ強いほど、良い文章になる可能性を秘めている。逆にそこがあやふやであったり、そもそもない、そんな状態ではどんな優れた書き手でも良いものは書けない。

文章を書くということは、想いを言葉化して表現するということ。表現すべき元の何かがなければ、書けるわけがないのだ。まずはしっかりと、自分が発信したいメッセージを確認してほしい。

文章は現場から生まれる

文章は現場から生まれる

何が語りたいのかわからない、語りたいことがないという人は、まずはそれを探すことから始めよう。
はじめにすべきことは、パソコンの前から一度離れ、現場へ行ってみることだ。文章は「想い」から生まれる。そしてその「想い」を生み出しているのは人間だ。ならば人間がいる現場へ行くのが、「想い」を見つける一番手っ取り早い方法、というわけだ。

たとえば、自社商品のよさを語りたいならば、その商品を使ってみよう。食べ物ならば食べ、着るものなら着てみよう。商品が生まれた現場へ行き、商品を生み出した人たちの顔を見、声を聞くのもいい。現物を手に取り、においをかぎ、あらゆる角度からじっくりと観察すること。五感を総動員して、気づいたことを書き留めれば、それが語りたいことの種となる。

伝えたいこと、語りたいことさえ見つかれば、ほぼ8割は書けたようなもの。だからこのプロセスは時間をかけて、自分が本当に語りたいと思えるネタを見つけてほしい。

自分の言葉で語る

自分の言葉で語る

「想い」が見つかったら、いよいよ文章にしていこう。このとき、気をつけるべきことは「自分の言葉で語る」こと。どこかで見つけた小洒落たフレーズや、何にでもあてはまりそうな抽象的な言葉を使ってはいけない。

安易に使えば、文章の鮮度がぐっと下がってしまう。あなたが自分の目で見、心で感じたことをできるだけ具体的に…そんなもぎたての言葉だけが、人の心を動かすことができる鮮度を持っている。

スマートじゃなくても、つたなくても、想いが真っすぐに表現された文章に人は好感を持つもの。自信を持ってオリジナルの言葉で語ってほしい。

読み手への思いやりを忘れない

読み手への思いやりを忘れない

もうひとつ、気をつけてほしいことが読み手を思いやること、“おいてけぼり”にしない、ということだ。具体的に4つ、ポイントをあげてみよう。

  • 話はぼやかさず、核心から入る
  • 重複しているところ、無駄なところをチェックし、削れるところは徹底的に削る
  • まわりくどい表現、分かりにくい比喩などはしない
  • 自分の気持ちを押し付けない

読者に共感を持って読み進めてもらうには、分かりやすさが第一だ。自分の文章に分かりにくいところがないか、くどいところはないか、チェックしてみよう。

忙しい現代人は、早く情報を得たいと思っている。ビジネス文書でもSNSでも、明快で分かりやすいほうが喜ばれるもの。逆に言わなくてもいいことをいちいちくどくどと書いていては共感は得られない。

また、自分の感情を押し付けるような文章は嫌われる。感動を伝えたければ、事実や具体的なエピソードに語らせることで、読者の自然な感動を引き出そう。「とても」や「本当に」などの強調する言葉も使いすぎれば逆効果。極力控えめに使うようにしよう。

書き終えたら間をあけて読み返す

書き終えたら間をあけて読み返す

文章力に自信がない、という人は、ぜひこの点を徹底してほしい。当然すぎるほど当然のことなのだが、できていない人が多い。言うまでもないことだが、誤字脱字は読み手の信頼を損なうのでしっかりチェックを。

そして、できれば一晩ねかせてから、もう一度読み返すことをお勧めする。少し間を空けることで、第三者の視点で読むことができるからだ。書いていた時は見えなかった重複や回りくどさ、分かりにくさを見つけられるかもしれない。粗削りだったところをシャープに研ぎすますイメージだ。このひと手間で、文章がワンランクアップすることを請け合おう。

今すぐ使える、まとまりのない文章をサクッとまとめる技

今すぐ使える、まとまりのない文章をサクッとまとめる技

書きたいことがありすぎて、ぜんぜんまとまらない!そんなライティング初心者にお勧めしたい現実的な方法がある。

まず、小さめのメモ紙を10~20枚ほど用意し、1枚に1文、言いたいことを書く。あくまで1枚に1文、このルールは守ってほしい。
これを机の上に並べてグループ分けをする。似たようなことを言っているメモ紙や、内容がつながっているメモ紙は同じグループに。違う内容のメモ紙は違うグループに。机の上にはいくつかのグループができるだろう。
そのグループを、起承転結の順に並べ変える。あとはつなげてひとつの文章にするだけだ。

この作業をすると、結局同じことを言っているだけのメモ紙が数枚重複していたり、起承転結の「結」にあたるグループがない、などという問題が一目瞭然になる。重複しているメモ紙は、一番大事な1枚を残してあとはポイしてしまおう。そして「結」にあたる一行を書いたメモ紙を1枚作ればよいのだ。

まとまらない、というときは、たいてい同じようなことを何度も繰り返していたり、起承転結のどれにもあてはまらない、脱線したトピックが混じっていたりするものだ。もちろん、脱線トピックは、クシャクシャポイしてほしい。
その想いは、また別の機会に語ろう。余計な飾りをばっさりと切り捨てることで大切な一文に力が集中し、ズドンと伝わることもあるのだから。

ビジネスチャンスをつかむ、成功者の読書法

ビジネスチャンスをつかむ、成功者の読書法

毎日が輝き、より充実した人生を送るために、あなたの考えた企画がスルスル通り、「異例の昇進」を果たすための源として、読書は欠かせない。
本を読むことで、あなたは多角的な視点を得ることができ、創造性が育まれるからだ。

読書の楽しみ方と、読書を人生に活かす方法を、自身も読書によって人生を切り開いてきたという、甲南大学マネジメント創造学部(愛称:CUBE西宮)の佐藤治正教授に学ぶ。スポーツ少年から一変、専門書を読み漁れる学者の脳に変えた読書法から、学者への第一歩を踏み出した一分野を極める読書法までご紹介。

まず100冊!専門書を読める脳に変わる多読のすすめ

まず100冊!専門書を読める脳に変わる多読のすすめ

読書を続けていくと、比例して読める本が増えてくる。初めて手にしたときは、理解できなかった難しい専門書や古典、未知の分野の本も読めるように脳は発達していく。

佐藤教授は身を持ってその体験をしたという。「100冊、150冊と本を読んでいくと、専門書を読める脳みそになりました」と語る。
読書の習慣がこれまでにほとんどなかった人であれば、はじめは読むのに苦労することもあるだろう。しかし、読むたびに語彙が増え、先の展開も読めるようになってくる。そうなれば、読書スピードも理解度も格段に上がり、読める本の数が増え、幅も広がるのだ。

たとえば、今の自分には理解しづらい本があったとする。それは手放さずに手元に残しておく。そして、その間に関連した別の本を20冊読んでみる。
その後、苦戦していた本を読んでみると、以前に比べて読めるようになっているあなたがいるはずだ。

一分野を極めるために、タテとヨコに読む

一分野を極めるために、タテとヨコに読む

専門家のように一分野のプロフェッショナルと呼ばれるための知識を身につけるには、本をタテとヨコに読むのだという。
少年時代から四六時中サッカーにのめり込んでいた佐藤教授が一転、大学院に進み、学者の道へ踏み出せたのがこの読書法。

「たとえば経済学の場合、売れている人気の経済学の本をタテに読みます。言い換えれば、ストーリーとして全部読むということ。内容が多少わからなくとも、とにかく最後まで読んで、ストーリーとして経済の概念を知るんです」と教えてくださった。
ポイントは、すべてを理解できなくても最後まで読み切るというところ。
専門性が高い本であれば、一回の通読で一言一句理解することよりも、まずは大枠を掴むために読んでいるのだ、と割りきって読み切ることが大事だ。

賢いという先生を2人見つけます

「次は、ヨコに読みます。消費なら、消費についてさまざまな先生が書かれた文章を読み、この人たちは賢いという先生を2人見つけます。その2人が書いた本を徹底的に比べながら読むというのが、ヨコに読むということ」
この読み方をすることで、意見の偏りを防ぐことや理解を深めることが可能になる。
1人の著者の意見が絶対に正しいと思うことは避けたい。また、複数の筆者の意見を知ることであなたの視野が広がり、柔軟な考え方ができるようにもなる。

読書で得られるのは、単純な知識だけではない。先人やその道のプロフェッショナルの考え方をなぞることで、新たな目を持てるようになるのだ。世界が違って見え、これまでの自分では考えもつかなかった問題解決の方法が次々と思い浮かぶことは間違いない。
あなたの人生をより豊かに、ビジネスで成功を手にするために、紹介した読書法を大いに役立ててほしい。

佐藤教授に学ぶ1:面白くない仕事を面白くしてしまえる発想の転換術
佐藤教授に学ぶ2:うまくいかない上司でも、幸せに働ける方法