タグ別アーカイブ: ライティング

オノマトペとは?文章がガラリと変わる、とっておきテク

オノマトペとは?文章がガラリと変わる、とっておきテク

オノマトペとは、「滝がごうごうと流れる」「雨がざあざあ降る」といった、状況をそのまま音で表現した「擬音語」と、「ギクリとする」「シーンとなる」など、ある状態をその音の持つイメージで表現した「擬態語」をひとまとめに指す言葉である。
オノマトペという言葉を聞いたことがない人も、「ぐんぐん」「ぴかぴか」「ふっくら」「きらり」など例を挙げられれば「ああ、あれのことか」とすぐ分かるだろう。それほどオノマトペは私たちの生活になじみ深く浸透しているのだ。

文章を書くときには知らず知らずのうちに使っていることが多いが、そのしくみと効果を知って使えば、より文章がイキイキとしたものになる。ぜひ意識的にオノマトペを使いこなしてみてほしい。

オノマトペの法則

オノマトペの法則

一見無秩序に日本語の世界に散らばっているように思えるオノマトペだが、実はある法則をもとにして体系立ててとらえることができる。

例として、柔らかさや軽さを表現する「ふわ」についてとりあげてみよう。
「ふわ」に「り」をつけると「ふわり」、また「—」を付け加えて「ふわーり」とすると、目の前で物体が動いているような臨場感が出てくる。

「ふわ」を繰り返すと「ふわふわ」→柔らかさが連続して繰り返される感じ。
「っ」をつけて「ふわっ」→瞬間的な軽さを感じ、その印象を深く残す。
「濁点」をつけて「ぶわ」にすると、「ふわ」にあった軽さがなくなり、ごわついてふくらんでいる感じに。「きら」→「ぎら」や「とろ」→「どろ」でも分かるように、濁点がつくと、強さや重さ、悪いイメージ等に結びつくことが分かる。
さらに、ひらがなで書くかカタカナで書くかも、イメージを微妙に左右する。

このように、ひとつの「オノマトペのもと」から、いくつものバリエーションが生み出される。オノマトペを使うとき、「キラリ」がいいのか「キラッ」がいいのか、はたまた「ギラリ」が合うのか「ギラギラ」が合うのか・・・適当に書くのではなく、表現したい状況にピタリとハマるもの、より状況を印象深くする表現に、ぜひこだわって選んでみよう。

オノマトペのある文章、ない文章

オノマトペのある文章、ない文章

オノマトペは状態を感覚的に表す言葉なので、これを使うことで「読む人の感覚に訴える文章」になる。正確性や客観性が求められるような論文やレポートには、あまり向かないと言えるだろう。
逆に、商品やサービスのセールスコピーには向いていると思われる。これを使ったらどんなメリットがあるかを消費者に感覚的に訴えることができれば、強力な武器になるからだ。
たとえば、クレームブリュレを紹介するこんな文章を例に、オノマトペの効果について検証してみよう。

A.オノマトペあり

とろりなめらかなカスタードクリームの上に、ザラメを散らしてこんがり焦がしたクレームブリュレ。表面をスプーンで叩くとコツコツといい音が。カラメルの層をパリリと割ると、ふわふわのクリームとザクザクのカラメルが舌の上でとろけます。

B.オノマトペなし

なめらかなカスタードクリームの上に、ザラメを散らしてきつね色に焦がしたクレームブリュレ。表面をスプーンで叩くと小気味よい硬音がします。カラメルの層にヒビを入れて割ると、軽い口溶けのクリームと硬い食感のカラメルが舌の上でとろけます。

Bでも間違いはないのだが、読みやすさといい、イメージのしやすさといい、食べたくなるのは圧倒的にAではないだろうか。

オノマトペとは?文章がガラリと変わる、とっておきテク、後半は

次ページ「オノマトペの効果」へ

コーポレートサイト「先輩の声」で応募を増やす3施策

コーポレートサイト「先輩の声」で応募を増やす3施策

コーポレートサイトの採用情報でキラーコンテンツとなるのが「先輩の声」「先輩インタビュー」だ。就活者は、先輩たちと自分の姿を重ね合わせ、あなたの企業で働く姿をイメージする。このコンテンツがエントリー数を左右すると断言してもいいほど重要なものなのだ。

就活者たちが「入社したい!」と感じてくれる、はつらつとした先輩たちの姿を描くための3つのポイントを洗い出した。ぜひ、次回の採用活動に合せて「先輩の声」コンテンツを見直してほしい。

1.質問票による「先輩の声」は響かない

質問票による「先輩の声」は響かない

採用市場が売り手市場となり、コーポレートサイトは採用活動においてますます重要度を増している。
さらに、求職者は企業の事業内容よりも福利厚生を真っ先にチェックするという時代になってしまった。就活者たちは、自分たちがその企業で楽しく働けるか、居場所があるのか、充実したプライベートを過ごせるのかが最大の関心事なのだ。

とすれば、企業側は社員たちがはつらつと働く姿をアピールすれば、就活者に良い印象を抱いてもらえるかもしれないと考える。しかし現実はどうだ。おざなりの先輩インタビューの多いこと。人事総務から回ってきた質問票に、業務の合間を見て面倒くさそうに書き込む社員。結果回収したアンケートは金太郎飴のようなコンテンツになってしまう。顔写真と部署名を間違えても、誰も気づかない。

そんな価値のないコンテンツを公開している企業に、就活者は「入社したい!」と感じてくれるだろうか。あちこちの企業を落ちて、どこでもいいからと応募してきた就活者と、あなたは面接してはいないだろうか。

1-2.質問(見出し)はそれぞれ異なるものでもいい

質問(見出し)はそれぞれ異なるものでもいい

先輩の声でありがちなのは、どの先輩も同じ質問が並べられていることだ。
「一日のスケジュールを教えてください」といった質問は、それぞれ部署が違うし、担当も異なるので質問に対する回答もそれぞれ違うものになる。

しかし、「部署の雰囲気はどうですか」「なぜこの会社を選んだのですか」などという質問は、ほぼステレオタイプの優等生な回答に落ち着いてしまう。人事部や上司の目があるにも関わらず、「のんびりした雰囲気です」「どうにでもなれと思って受験したのですが、何とか入れたので」などという答えができるはずがない。本来の業務ではないタスクでマイナス評価になりたいなどと誰も思わないからだ。

人事部が期待し、就活者誰もが「ほぉ~」と感じる立派な回答は残してもいいが、「とりあえず」感が匂う回答は割愛した方がいい。

1-3.先輩のキャラクターに重きを置くと会社が見えてくる

先輩のキャラクターに重きを置くと会社が見えてくる

就活者は先輩の声を通して、自分が入社したあと、どのような仕事をするか、どのような精神状態になるのかを感じようとしている。
先輩社員は担当の異なる社員であるはずで、それぞれの個性が生きる部署で働いているはずだ。であれば、先輩のコメントは、そのキャラクターが感じられるものにすべきなのだ。

こうしてしまうと、社員それぞれに異なる視点でコメントがなされ、質問も異なってくるので、統一性がないように感じるかもしれない。しかしもういちど、コンテンツをつくる意味を思い返してみよう。それは、先輩のはつらつとした働きぶりを就活者に伝えるためであったはずだ。それなら、彼らが生き生きしている姿を見せるための手段は個性を表現してあげることが最善策であることが理解できるだろう。

さらに、異なるキャラクターの集まりが会社だ。しかしそこには、ある統一性がある。「社風」だ。
どうあがいても、社風は異なるキャラクターが集まっても、かんたんに変わるものではない。異なるキャラクター、異なるコメントで「先輩の声」が構成されていたとしても、全体を俯瞰すれば、あなたの会社の個性がより強烈に感じられるようになってくる。

2.生き生きとした表情の写真を使う

生き生きとした表情の写真を使う

就活者は、基本的に先輩の声も企業の「作りごと」なのではないかと疑いながらコンテンツをチェックしている。そのような彼らの目に映る先輩の写真が、緊張した証明写真のようなものだったら、どうだろう。瞬間的に「このコメントは、言わされたものではないか?」とさらなる疑念を抱かせてしまうことになる。

せっかく良いコメントがとれたのにも関わらず、写真でミソをつけてしまってはもったいない。

カメラマンに依頼する予算もないのに、どうするんだ?
ビジュアル系の社員ではないのに、見栄えなんてしないだろう。

すぐに「できない理由」を並べるのは、今すぐやめよう。素人にでもいい表情をおさえることができるし、ビジュアル系でなくても、いい表情はしてくれるものだからだ。
必ずできる。筆者は採用コンテンツで多くのビジュアル系ではない社員さんたち(これまでに撮影させてもらった方、失礼!)を撮影しているが、100%その人のいい表情をおさえられていると自負している。

では、素人でも「いい表情を切り取るためのテクニック」をお話していこう。

2-2.先輩たちのいい表情を切り取るコツ

先輩たちのいい表情を切り取るコツ

アングル

どんな角度で、どの程度の見え方で撮影するかだ。
トリミング(写真の切り取り範囲)は、あとで加工ツールを使えばどうにでもなるが、角度や見える範囲はあらかじめ決めておかないと、どうにもならない。

まず、「先輩社員 メッセージ」などと画像検索してみよう。格好いい社員たちの写真が表示されるはずだ。その中から、あなたが気に入った写真をストックしておき、どんな角度で撮ればそうなるのかをシミュレーションしておく。あとは現場で試行錯誤するだけだ。

会話しながら撮影する

次に大切なことは、撮影は先輩社員と話をする人と撮影者の2人セットで臨むこと。1対1だと相手は緊張が解けない。話をする役割の人は、先輩社員と仕事以外の話をしよう。近くにできたイタリアンレストランの話でもいいし、昨日のテレビドラマの話でもいい。必ず仕事以外の雑談に限る。
仕事の話になると、今抱えている案件の心配ごとだったり今月の売り上げが達成するかどうかを考えはじめてしまい、表情が曇ってしまう。

100枚撮ろう

もっとも大切なこと。
1人につき、100枚くらいはシャッターを切ろう。相手もモデルではない。こちらも素人カメラマンなのだから、いい表情をおさえるためには、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」という考え方が必要なのだ。

3.先輩たちが活躍する、現場を伝えよう

先輩たちが活躍する、現場を伝えよう

冒頭でも書いた通り、就活者は「この会社に入ったら、自分はどんな環境でどんな仕事をするのか」を先輩の声を通して見ようとしている。

就活者のニーズに応え、一人でも多くの優秀な人材を採用したいと考えるならば、先輩たちが働く現場に足を運ぶべきだ。そこで彼らが見せる表情をとらえ、働く姿を写真としておさめ、コンテンツに反映させるのだ。
もしその現実の姿を見て、こういう仕事は無理だと考える就活者なら、こちらから願い下げればいい。どうせ入社したところで長く続くはずはないのだから。

むしろ、こういう仕事をしたい、と感じてくれる就活者が現れてくれることを待とうではないか。もしそういった人がいるならば、その人はしっかりした意志を持っているはずだから、あなたにとっても会社にとっても良い出会いになるに違いない。

自社サイトのファンを増やすWEBコンテンツの作り方

自社サイトのファンを増やすWEBコンテンツの作り方

良質なWEBコンテンツを蓄積することで、自社サイトへの訪問数がアップし、自社のPRにつなげることができる。しかし、ツボを押さえていないWEBコンテンツだと、どれだけコンテンツを蓄積したところで、自社サイトの検索順位はいっこうに上がらないのが現実だ。

いくつかのツボを押さえることで、良質なWEBコンテンツを提供しているとGoogleが評価すれば、自社サイトの検索順位が上がり、多くの人の目に触れるようになる。
良質なWEBコンテンツの条件について、ライティングの視点からできるだけシンプルに解説してみたい。

そもそもWEBコンテンツとは

そもそもWEBコンテンツとは

「コンテンツ」は英語で「中身、内容」を表す「content」の複数形である。つまりWEBコンテンツとは、WEB上で公開されている文章、動画、音楽など、さまざまな情報の内容・中身のこと。
古くからなじみのある紙媒体を使った情報と、WEBコンテンツのあいだには決定的な違いがある。メリットとデメリットで見てみよう。

WEBコンテンツが紙媒体に勝るメリットは、何といっても「利便性」だ。
WEB上では、書店に行ってお金を払わなくても、図書館に行かなくても、すぐに情報が手に入る。さらに、読者はサイトを訪れてもそのコンテンツに満足できなければ、別のサイトを訪れればよい。そこには同じような情報を提供するサイト同士のシビアな「競争」がある。

逆に紙媒体に比べてデメリットと言えるのは、「読みにくさ」ではないだろうか。表示できる画面の大きさには制限があるため、複数ページにわたるコンテンツや長い文章は読みづらい。大量の情報を体系立てて理解するときには、紙媒体に軍配が上がるだろう。

良質なWEBコンテンツの条件1:役に立つこと

良質なWEBコンテンツの条件1:役に立つこと

良質で魅力的なWEBコンテンツ作りで、何よりも優先しなくてはならないことは「読者の役に立つこと」である。
上で述べたように、読者はいつでもあなたのサイトを離脱できるし、同じように魅力的なサイトはいくらでもある。だからこそWEBコンテンツは、徹底的に読者ファーストでなければならない。

自社のPRは大切だが、それだけを並べていても検索上位には表示されない。自社製品のターゲット層を分析・リサーチし、彼らが求めている情報を的確に提供することが求められる。

良質なWEBコンテンツの条件2:読みやすいこと

良質なWEBコンテンツの条件2:読みやすいこと

上で述べたように、WEBのデメリットは「読みにくさ」である。よほどWEBに慣れた手練でもないかぎり、クリックやスクロールを駆使してWEBコンテンツを細部まで読み込むのは大変だ。
だからこそ、紙媒体以上に大切なのが「読者への思いやり」なのである。WEBコンテンツを書くときには、「読みやすさ」「伝わりやすさ」に徹底的にこだわりたい。

ライティングで気をつけるべきポイントを4つ挙げてみよう。

  1. こまめに段落を分け、適度に行間をあける
  2. 段落ごとに最適な見出しをつけて分かりやすくする
  3. 箇条書き、図解を使って分かりやすくする
  4. 難しい言葉は簡単に言い換えられないか、常に考える

さらに、文字と背景のコントラストや、文字の太さ、大きさも大切な要素。これらのポイントを押さえるだけで、訪問者のサイト滞在時間は大幅に改善するだろう。

良質なWEBコンテンツの条件3:タイトルと中身の一致

良質なWEBコンテンツの条件3:タイトルと中身の一致

検索エンジンから流入してくる読者は、検索結果に表示されたタイトルとディスクリプション(検索結果でタイトルの下に表示されることが多い3行程度の説明文)をざっと見て、自分の探している情報が載っていそうなページを選んでいる。
だからこそ誰もが、タイトルを魅力的にして訪問者数を増やそうと考えるのだが、そこに落とし穴がある。

読者の目を引くためにタイトルを内容以上に大げさにしてしまうと、コンテンツの中身と一致しなくなり、訪問した読者をがっかりさせてしまうのだ。読者の役に立ち、満足させることによってサイトの評価を上げようとしているのに、これは満足度をマイナスにする愚行といえる。

こうした失敗を避けるためには、コンテンツ作りの最初のステップが肝心になる。初心者におすすめなのは、初めにタイトルを設定してしまう書き方。最初に対策キーワードをたっぷり盛り込んだタイトルを書き、それからそれに見合った内容を書き始めれば、タイトルと中身にズレが生じることはないはずだ。

タイトルを後回しにして自分の書きたい部分から書き始めてしまうと、読み手が求める情報ではなく、書き手が発信したい情報になりがちだ。いくら頑張って書いても、独りよがりのWEBコンテンツでは誰も見つけてくれず、サイト訪問にはつながらないことを覚えておこう。

役立つ情報が詰まったWEBコンテンツ作り

役立つ情報が詰まったWEBコンテンツ作り

読者はWEBコンテンツをお金を出して読みに来ているのではない。少しでも読みにくさを感じれば、1秒後には離脱してもっと分かりやすいサイトはないか探し始める。
そのシビアな競争に勝つためには、読者の視点を大切にライティングすることが必要だ。

WEBコンテンツづくりの担当者になったあなた、○本書くということをノルマにしていないだろうか。1本書いたところで、誰にも読んでもらえなかったら書いていないのと同じである。もしもそれが、やっつけ仕事で中身のない内容だったら、書かない方がマシなくらいである。
どうせ書くなら読み手から感謝されるような、貴重なノウハウの詰まったコンテンツを書こうではないか。

そんなノウハウ持ってないよ!という場合は、落ち着いて周囲を見渡してみよう。社内にはさまざまな分野のプロフェッショナルがいるはず。専門家から話を引き出して分かりやすくまとめれば、必ず読者が「ほお〜」と、うなってしまうほどのWEBコンテンツになるはずだ。

以上、ライティングの面から、読者に支持されるWEBコンテンツの作り方を解説した。加えて、SEOのノウハウも詳しく知りたい方は、こちらの↓コラムをどうぞ。

熱いインタビュー記事はどう書くか

熱いインタビュー記事はどう書くか

その分野で名を馳せるプロフェッショナルに話を聞くことができるインタビュー。じかに熱い話を聞くことができるのは、ライティングの仕事をしている者ならではの特権だ。

ただ、いくらいい話を聞いてきても、それを文章にすることができなければ、せっかくの熱い思いを読者に伝えることはできない。インタビュー記事を書くときに筆者が心がけていることをいくつか紹介してみたい。

取材現場の熱量が、最初にして最大

1.	取材現場の熱量が、最初にして最大

インタビュー記事では、取材対象が語ってくれたことがすべてのネタの元になる。

ライターはそのネタを元にして書くわけなので、取材現場では、もらえる一言ひとことが宝物である。取材現場の熱量を100とするならば、その熱が100%読者に伝えられるか、それとも80%になるか、はたまた30%になるかは、ライターの力量次第ともいえる。

ただし、100を超えることは書けないし、書いたとしたらねつ造になってしまうので、あとは取材現場でいかに120、150を語ってもらうかが勝負になる。そのあたりの詳しい方法については「質問の仕方。話の核心に触れるための6つの方法」を参照されたい。

文章にするときの3つのポイント

文章にするときの3つのポイント

語ってもらったネタを熱いまま文章という形に料理したいのだが、これがなかなか難しい。
語り言葉をそのまま文章にすると、重複などの不要な部分があったり、どうしても必要なバックグラウンドがそっくり抜けていたりするからだ。たいていの場合、順番も順不同になっているため、内容ごとに精査して、読者が混乱なくストーリーに入り込めるよう、適切な順番に並べ直さなければならない。

(1)同じ内容はばっさり切る
(2)大胆に順番を並べ替える
(3)バックグラウンドを補足する

この3つが適切にできていれば、まず80点はとれるのではないだろうか。

誰でも分かるように、素直に書く

誰でも分かるように、素直に書く

ではあとの20点は何なのかというと、それは「誰にでも分かるように、素直に書く」ということ。
ライティングとか、ライターとかいうと、なぜかクリエイティブなことを書かねばならないとか、個性を出さねばならないと思っている人が意外に多い。しかし、小説家を目指しているならともかく、たいていの場合変なクセのついた文章は、読み手の理解を邪魔するだけである。

特にインタビュー記事においては、書き手の個性なんて誰も必要としていないことを知っておこう。
専門用語が頻出しがちな分野であっても、なるべく素人にも通じる言葉を選ぶこと。話の意図を的確に表現するためには、語られた言葉をそのまま使うことが適さない場合も多い。
小学生でも分かるように、シンプルに、単刀直入に。変に気取らず、素直に、まっすぐに。言葉選びには慎重を期したい。取材対象が発してくれた熱を、逃がさずそのまま文章にするのである。

よいインタビュー記事は、魔法瓶のようなもの

よいインタビュー記事は、魔法瓶のようなもの

取材現場の熱をそのままインタビュー記事に閉じ込めることができたら、その記事はいつまでも熱を逃さず保存してくれる、高性能な魔法瓶のようなもの。

日々の仕事ですり減ってしまい、モチベーションが上がらないとき。失敗から立ちなおれず、自分に自信が持てずにいるとき・・・。心が冷えきっているときその記事を読み返せば、いつでもプロフェッショナルの熱を、また自分に取り込むことができる。自分のなかにも忘れかけていた熱があることを、もう一度感じることができる。
そんなきっかけになる文章を書くこと、それこそがインタビュー記事をライティングする醍醐味ではないだろうか。

ビジネスマンのための評価が上がるレポートの書き方

ビジネスマンのための評価が上がるレポートの書き方

メールにレポート、さまざまな種類の報告書…ビジネスマンなら誰しもが毎日なにがしかの文章を書いている。形式的な文書の書き方については他に親切なサイトがいくつもあるのでそちらに譲るとして、ここではもう少し突っ込んだ内容が求められるレポートや報告書の書き方について、ライティングの視点から考えてみたい。
評価されるビジネスレポートに必要なポイントは、以下の2点に集約することができる。

(1)オリジナリティのある内容か。
(2)読む人が苦労せずに理解でき、正確に内容が伝わるか。

この2つがきちんと満たすためにすべきことを、以下で紹介していきたい。

1.評価されるレポートの書き方、3ステップ

評価されるレポートの書き方

当たり前のことだが、研修レポート、視察レポートで重要なことはまず内容=「役立つことが書いてあるか」である。
読み手である上司の心情を想像してみよう。長々と読まされたあげく中身が空っぽだった場合、読み終わったときに書いた人間を思わずはりたおしたくなっていたとしても不思議はない。
内容が充実している、読んで良かったと評価されるレポートを書くために、意識したい3ステップを紹介しよう。

A.現状の把握と問題点の整理
B.分析
C.問題解決への提案

1-A.現状の把握と問題点の整理

現状の把握

まず現状を把握し、今抱えている問題を整理すること。
研修レポートや視察レポートの場合は、ほとんどが自らを対象としたものとなるだろう。自分や自社が今どんな問題を抱えているのか、社会や市場の動向はどうなっているのか。そして研修・視察先ではその問題はどうなっているのか、そこで自分は何を得てきたいのか。
ここで問題・目的を浮き彫りにし、レポートの冒頭でしっかりと宣言することで読み手と問題意識・目的意識を共有してほしい。これが的確で共感できる、または興味をひくものであればあるほど、読み手はぐっとあなたのレポートに引き込まれるはずだ。

1-B.分析

よいレポートには『分析』が不可欠だ。
ただ漫然と見ているだけでは分からないことがある。表面を流し見するのではなく、ひとつひとつの事象を深く掘り下げ、それによってどんなことが起こっているかを観察し、そこに自分なりの解釈を加える。これが『分析する』ということだ。
分析作業なくして突然結論を突きつけられても、読み手の納得は得られない。自分の書いたレポートに『分析』はあるか、常に意識しよう。

1-C.問題解決への提案

問題解決への提案

AとBを踏まえて、問題解決への提案で締めくくる。これがなければレポートを書く意味がないと言ってもいいほど重要だ。
ありがちな失敗例として「とても勉強になりました」「よい経験になりました」で締めくくられているレポートがある。読んだとき上司の心に余裕があれば、「よかったね」とホンワカしてもらえるかもしれないが、余裕のないときに読んだ場合は心のなかで「だから何なんだー!」と叫ばせてしまうことになるだろう。
心配しなくてもそれほど身構えることはない。なぜならAとBがしっかりと書けていれば、Cは自ずと導かれるはずだから。逆にCで手が止まってどうしても書けないというときは、AとBに問題がないか見返してみると良いだろう。

2.論理的に書くコツ。言いたいことを整理する

論理的に書く

レポートに何を書くかは頭のなかにある場合、あとはそれを文章にするだけなのだが、実際に書き出す前にまずしておかなければならないことがある。
それは「言いたいことを整理すること」。特にビジネス文書ではこの行程がとても大切だ。頭に浮かぶまま本流と関係の浅い枝葉の部分を書いてしまうと、言いたいことが伝わらないうえ、読む人の混乱を招きストレスを与えることになるからだ。
まずは書き出す前にトピックごとに整理して、レポートの設計図を頭のなかに描いてから書き始めよう。具体的な手順は下記の通りだ。

1.言いたいことを一行ほどに要約してひとつずつ箇条書きにする。
2.1をどんな順番で書くのかを考える。
このとき、基本的には時系列に並べること。そして同じような内容はまとめること。上記のA、B、Cの流れに添えているかもチェックしながら進めよう。パソコンを使うと簡単だし、アナログ派ならメモ紙を数枚用意して1行ずつ書き、机の上で入れ替えてもよい。

ビジネスマンのための評価が上がるレポートの書き方、後半は

次ページ「3.スラスラ読めて高評価が得られるレポートのポイント」へ

WEBライティングの基本:読んでもらうための9つの技法

WEBライティングの基本:読んでもらうための9つの技法

読まれる文章を書くためには、WEBライティングの基本を身につけるのが近道だ。
ニュースリリース、FacebookなどのSNSやコラムと、WEBが普及したことで、プロのライターでなくとも文章を書く機会が格段に増えたが、あなたが執筆した文章はほんとうに読まれているだろうか。

WEB上で書いた文章を読んでもらうためには、WEBの特性を理解した上でライティングする必要がある。
20年、30年と紙媒体で文章を書いてきたベテランライターであっても、それは同じ。
WEBの特性を理解しないまま書かれた文章は、どれだけ優れたコンテンツであっても、読まれることはないに等しい。

そもそも紙とWEBでは、読者の読み方が違うのだ。たとえ普段から雑誌や書籍などの長文を読んでいる、活字に抵抗のない方であっても同様。WEBでは、はじめから腰を据えて読まれることはほとんどない。通勤や打ち合わせの待ち時間に、スマホで情報収集する際、あなたが内容をさっとチェックすることを省みれば、理解できるはずだ。

そこで、WEBに合わせたライティングが必要となってくるのだ。

WEBでは文字の判読性が低く長時間読みにくいため、短時間でも理解できるように文章を読みやすくする。そして、スクロールが前提のページだと一目見ただけでは、全体の流れがわからないので、中身をわかりやすく整理してあげればいい。WEBの特性を理解して書くだけで、あなたの文章は一気に読者に近くなる。

今回は、WEBならではの書き方に絞って、すぐに実践できる読まれる文章の書き方を紹介していく。

1.読者を引き寄せるWEBライティングの鉄則、最初に結論

読者を引き寄せるWEBライティングの鉄則、最初に結論

訪れたユーザーを逃さないためにも、最初に知りたいことが書いてあることを伝えよう。
WEBの読者は、すぐに答えが知りたい。なぜなら、あなたの記事以外にも参考になりそうな記事が大量にあることを知っているから。

あなたがまず取り組むべきことは、読者が知りたい情報が載っていることを冒頭で伝えること。そうすることで、即離脱を回避できるのだ。

さらに、結論から書くことによって、ライティングするあなたにもメリットがある。横道にそれて文章が冗長になることを防げるのだ。

2.一文を短くするか、読点を多く入れて、理解しやすく

一文を短くするか、読点を多く入れて、理解しやすく

文章をわかりやすくする方法は、短い文章を心がけることに尽きる。
ただし、リズムのこともあるので、すべて短くすればいいというわけではない。長くなる場合は、読点を多めに入れて、意味を理解しやすくしてあげよう。

他にも文章を短くする方法として、「~することができる」、「~が可能となる」を、「~できる」に言い換えて冗長な表現を省略するといった方法も考えられる。

WEBライティングで心がけるのは、常に読みやすく書くこと。ユーザーは、読解力を鍛えに訪れてくれたわけではないのだ。

3.読まれる文章は、小見出しで内容がわかる

読まれる文章は、小見出しで内容がわかる

小見出しには、もったいぶらずに要点を書こう。知りたい情報が小見出しを拾い読みすることで、把握できるぐらいまで落とし込む必要がある。読む価値があると思ってもらうためには、出し惜しみをしてはいけない。

書く側の心情としては、すべてを読んでもらいたいが、何度も言うようにWEBの読者は時間の無駄を省きたい。読む価値があるかどうかをすぐに判断したいのだ。
小見出しを読んで、役に立ちそうだと伝えられれば、本文も読んでもらえる。もっとも避けたいのは、すぐに離脱されることだ。

4.指示代名詞の多用を避けて、悩ませない

指示代名詞の多用を避けて、悩ませない

あれ、それ、これといった指示代名詞の多用はしないようにする。WEBの読者は飛ばし読みしがちだ。興味がわいた部分だけを読む。文章を読みやすくつなぐためや、同じ言葉を繰り返すことで冗長になる場合を除いて、指示代名詞の使用を避け、どこから読んでも意味のわかる一文を心がけよう。

また、SEO的にも指示代名詞の多用を避けるメリットがある。文章が不自然になるほどキーワードを多用する必要はないが、WEBの場合は無理に抑える必要もない。検索エンジンは、指示代名詞を変換して理解してくれるほど完璧ではないのだから。

5.説得力をアップさせるために、具体的に書く

説得力をアップさせるために、具体的に書く

文章のわかりやすさ、説得力をアップさせる近道は、具体的にすること。文章がわかりやすいと思ってもらうためには、簡単にイメージできる必要があるのだ。

「打ち合わせに使う資料用意しておいて」
「明日、11時からA社との打ち合わせがあるから、前回のプレゼンで使った資料を5部用意しておいて。綴るのはクリップで頼む」

あなたが指示を出されるなら、どちらが用意しやすいだろう。答えは明白だ。あなたが秘書のように上司のスケジュールを細かく把握していない限り、より具体的な方がわかりやすいに違いない。

わかりやすくするには、大きく分けて3つのポイントがある。

  • 数字
  • 具体例
  • 根拠、理由

を示すことだ。
まず結論を述べ、それを補足するように結論に至った理由を具体的に補足してあげれば、説得力のある文章が書ける。

6.画面の前の「あなた」に向かって語りかける

画面の前の「あなた」に向かって語りかける

あなたに読んでもらいたい記事だと、手っ取り早く伝えるためには、素直に“あなた”と呼びかけてみればいいのだ。
極論を言うと、人は自分に関わることにしか興味がない。だが、自分に関係することだと気づいてもらえたなら、前のめりになって真剣に読んでくれる。

「あなた」と呼びかける手法は、人気のブログや、わかりやすさを売りにしている書籍には必ずと言っていいほど取り入れられている。簡単だが、効果の高さは折り紙つきなのだ。
たとえば、町中でのチラシ配り。ただ漠然と配るより、受け取ってほしい人に呼びかけてみよう。「赤いコートをきた、そこのあなた」。きっと振り向いてくれる。

7.適度に空白行を入れ、即離脱を回避

適度に空白行を入れ、即離脱を回避

3行~5行ごとに空白行を入れることで、ユーザーの読むストレスを減らせる。
画面いっぱいに空白なく、文字で埋め尽くされた記事。誰が読んでくれるのだろうか。「内容が凝縮されている良い記事だ」、とはならない。むしろ最初から読む気をうばっている。

たとえ、同じ文字数であっても、一見して文字の多さが目につくサイトと、最後までスクロールして読んでいった結果、多さがわかるサイト。読まれるのは、後者だ。

空白行を入れることがふさわしくない記事であっても、文字を大きくする、行間をあける、などの工夫は必要である。
WEBの読者は、文章の中身より先に、読みやすそうかという点で判断するのだ。

ライティングの技術を磨く以外で、アクセス数をアップさせる方法が知りたい人は、こちらの記事を参考にしてほしい。

今日からできる、アクセス数がアップする9のテクニック

8.簡単な表現に言い換え

簡単な表現に言い換え

スラスラ読める文章を意識して、言葉を選ぼう。WEBの読者は、流れるように文章を読み、早く理解したいのだ。
専門用語や堅い口調がむしろ好ましいという人が、サイトのメインターゲットでないのなら、わかりやすく表現をしておいて損はない。

難しい表現が出てくるとスラスラ読めないだけでなく、頭にも入ってこない。さらに、登場した難しい言葉が記事を理解するうえで、重要な単語であれば致命的だ。読者は辞書片手に読むわけではない。調べずとも理解できる文章を目指そう。

9.検索エンジン対策として、キーワードを前方に入れる

検索エンジン対策として、キーワードを前方に入れる

SEO施策としては、記事に含まれるキーワードの量よりも、コンテンツの質が重要視されるが、それでも特に狙いたいキーワードは、タイトル、見出し、といった目立つ箇所に入れる必要がある。その際、結論を先に述べることと同様、キーワードもなるべく前方にいれるとより効果的だ。Googleに対して、キーワードに関する記事であることを伝えられる。

ただ、不自然さが出るほど入れ込む必要はない。そもそも、キーワードを含むテーマに関することを書いていれば、自然とキーワードは使うものである。

WEBライティングを鍛えれば、ビジネススキルも向上する

WEBライティングを鍛えれば、ビジネススキルも向上する

WEBの文章は、とても実用的であるといえる。簡潔で、わかりやすく、役に立つ文章でなければならないからだ。これは、端的に内容を伝える必要があるビジネスに欠かせないスキルにもつながることでもある。
つまり、WEBライティングを鍛えれば、自ずとあなたのビジネススキルも向上するのである。

WEBのライティング技術を極めていけば、相手が知りたい情報を、わかりやすく伝えられるようになる。応用範囲はかなり広く、企画書、議事録作成に役立つだけでなく、プレゼンテーションなど人前で話す技術の向上にもつながるのだ。

正しい日本語、豊かな表現力を身につけ、読者をぐいぐい引き込む文章力は一朝一夕で身につくものではない。しかし、今回紹介したWEBライティングのテクニックを試すことは、それに比べれば簡単だ。意識して取り組めば、あなたにも必ずや読まれる文章が書ける。ぜひ今日から取り入れてほしい。