コラム(WEB制作のポイント)
キャッチコピー 2016年6月27日
残念なキャッチコピーと名作の例、決定的な7つの差
名作キャッチコピーは、短くシンプル
キャッチコピーには、サッと読めて苦もなく理解できることが必要だ。広告のコピーが難解なとき、理解しようと努力するほど親切な(あるいはヒマな)人は多くない。短くシンプルであることは、キャッチコピーにとって大きなメリットだ。
名作といわれるキャッチコピーには、幼稚園児でも分かる言葉でシンプルに言い切った例が多い。以下にいくつか例を紹介する。
- フジテレビが、いるよ。(フジテレビ)
- それにつけてもおやつはカール。(明治製菓)
- 芸能人は歯が命(サンギ)
- コメ粒からパン(三洋電機「GOPAN」)
キャッチコピーは視点を変えてたくさん作る
キャッチコピーに悩んでいるときは、視点が凝り固まっていることも多い。誰の目線でものごとをとらえるか、視点を変えてみるのも有効だ。
たとえばウェディング関連のキャッチコピーなら、花嫁の視点だけでなく、花嫁の父の視点でも書いてみよう。他にも花嫁の周囲にはたくさんの人がいる。花嫁の母、新郎、新郎の父や母、結婚式に来てくれた上司、同僚、先輩、友達、かわいがっているペット…このようにどんどん視点を変えてコピーを書いていけば、それほど苦労せずいくつかのコピー候補を生み出すことができる。
下記に挙げた名作キャッチコピーの例をみてほしい。
- おしりだって、洗ってほしい。(TOTO)
- 紙クズはもう一泊します。(帝国ホテル)
- よちよち歩きの子供が床をなめてしまっても平気なようにしよう。(ディズニーランド)
おしりやゴミ箱に残された紙くず、床をなめてしまう赤ちゃん…。意外な視点から、伝えたい核心が急にリアリティをもって迫ってくることがある。ひとつできたといって満足せずに、視点を変えていくつも考えてみよう。
優れたキャッチコピーの作り方
実はたくさんのコピー候補を作ることは、いいコピーを作るうえでとても大切な作業だ。頭のなかに、散布図(=X軸とY軸にたくさんの点が散りばめられたグラフ)をイメージしてほしい。候補がたくさんあると、キャッチコピーの散布図ができる。もっとも点が集まっている箇所に、あなたが語るべきコピーの核心が眠っている。初心者がそこを的確に探り当てようと思うなら、数を打つ、という作戦が有効かつ確実だ。
優れたキャッチコピーが偶然生まれることはない。名作といわれるキャッチコピーは、たいてい途方もなく地道な作業のうえに作られている。
広告は『他人の自慢』と認識すべし
現代はあふれる広告の洪水だ。そんなところで生きるため、現代人は入ってくる情報を瞬時に「自分にとって役に立つか、立たないか」で判断し、役に立たないと判断された情報(=単なる売り込み)は無意識のうちにスルーしている。
ところが「何だろう?」「へえ、そんな視点があるんだ」「なるほど、面白いな」と思わせるコピーはスルーされずに意識の上にひっかかる。広告であっても受け入れられるのだ。知らないことを知ったり刺激を受けたりすることが、単純に人の脳を喜ばせるからである。
現代人は情報過多のなかにいて、実は情報に飢えていると思う。役立つ情報、面白い情報が欲しいのに、周りにころがっているのは広告、つまり自分には関係ない「他人の自慢話」ばかり。そんな状況に辟易しているのが現代人ではないだろうか。
彼らに自社商品の良さを知ってほしいなら、まずは鉄の防御を破らなければならない。この情報は「他人の自慢話」ではありませんよ、あなたに有益な情報ですよと、鉄の扉をノックする。そして扉を少し、開けてもらう。キャッチコピーの役割とは結局、それに尽きるのではないだろうか。
キャッチコピーを作ったら、そのコピーが心の扉をノックしているかどうか、扉を開けてもらえそうかどうかという視点で、一度チェックしてみるといいかもしれない。
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