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効率よく仕事したいなら、朝のテレビは控えなさい

効率よく仕事したいなら、朝のテレビは控えなさい

効率良く仕事するために大切なことは。
ルーティンのように、毎日続く残業。週末になるとベッドから立ち上がるのにちょっと気合いがいる・・・。疲れも抜けなくなるはずだ。いくら若くても、私たちは人間なのだから。

仕事をテキパキとこなし、サッと決めた時間に会社を出る。その日の疲れを次の日に持ち越さない。

理想的な毎日を過ごすために大切なことがある。脳が働きやすい環境をつくってやることだ。気合いだけではどうにもならない。体力にも限界がある。95%の人が知らない脳生理学に基づいた科学的な根拠を、まず知ること。脳が集中できるようになる環境を作るだけで、毎晩遅くまで仕事を「こなして」いるあなたの毎日は一変する。

とりあえず、朝のテレビを観ないことからはじめよう。

睡眠中、脳内の情報は整理整頓される

トップアスリートは、10時間~12時間の睡眠をとっているという。
スタンフォード大学の研究では、バスケットボール部の選手たちに10時間睡眠を奨励したところ、以前よりフリースローやスリーポイントシュートの成功率が11ポイント以上も向上したという結果が出ている。選手といえども、シュートを成功させるにはある程度の集中力が必要で、それが改善されているということは、積極的な睡眠が人間のパフォーマンスに与える影響は大きいといえるのだ。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるのはご存じだろう。このレム睡眠時に人間は、前日にあった記憶や感情を整理して、固定あるいは消去をしていると推測されている。しっかりした睡眠をとらないと記憶の効率が落ちるので、受験生に深い眠りをとるようにアドバイスする先生が多いのもうなずける。

朝のテレビは脳内をカオス状態に

朝のテレビは脳内をカオス状態に

私たちの脳は、日中とてつもなく多くの情報をインプットされ、その整理に追われている。このオーバーフロー状態になった情報は、睡眠中に脳内で整理される。この時間がないと記憶の定着もないのだ。それほど情報整理にあっては、睡眠が重要な役割を果たしている。

睡眠中に脳が情報を整理し、起床する頃に私たちの脳はいわば「まっさら」な状態にリセットされているのだが、起きがけにテレビのスイッチを入れてしまうと、夏目三久の爽やかな笑顔とともに多様なニュースが流れ込んでくる。すると、どんどん「まっさら」だった脳内は多種多様な情報でカオス状態に陥ってしまうのだ。

これは、夕方近くになるとPCの動きが鈍くなってくるのと同様、あなたの脳の処理能力を一気に落としてしまっているのだ。

せっかく処理能力が高くなっている脳の、大切な朝の時間。集中力が必要な重要な仕事に振り向けるために、できるだけ余計な情報はインプットしないようにしたい。

濃い一日を過ごすためのテクニック

睡眠

濃い一日を過ごすためのテクニック

日本人の睡眠時間と死亡の危険率を調べたところ、6.5~7.5時間の人がもっとも危険率が低く、4時間以下や9時間以上寝ている人の危険率は6.5~7.5時間睡眠をとっている人の1.3~1.6倍高くなっているとの報告が2004年になされている。

ただ、先日亡くなられた聖路加国際病院の日野原重明先生は5時間弱、ナポレオンは3時間と短時間睡眠。かのアインシュタインは10時間寝ないと調子が悪かったそうだから、一概にどちらが良いとは言えない。ただ言えることは、あなたに合った睡眠時間を確保し、翌日調子がいいと思える時間帯で眠ることが大切だということは間違いない。

昼寝

脳の効率を高めるために、いわゆる昼寝は最高の手段だ。
脳は、休息のあとにパフォーマンスが上がることが知られているし、ごく短時間の睡眠は疲れた脳を癒やして、リセットするのに役立つ。昼食のあとはどうしても睡魔が襲ってくる。午前中集中したことで、脳に多少の疲れも出ている。

このような状態になっているのなら、サッと昼寝をすることを強くおすすめする。
NASAの研究によると、26分の仮眠で仕事効率が34%上がり、注意力は54%もアップしたという。当社では昼寝自由。効率が悪くなってきたなと感じたら、いつでも昼寝をして良いルールになっている。そんなことをしたら、ずっと寝てる社員が出てくるでしょう?と思うのは、浅薄な経営者の証し。個人のパフォーマンスを上げ、早く良い仕事を行うためなのだときちんと説明すれば社員たちも納得し、ルールを守って運用するようになってくれる。

ただ、前述したように昼寝は「ごく短時間」に限る。30分以上寝てしまうと、脳は深い睡眠モードに入ってしまい、ベストな状態に戻るまでに時間がかかってしまうからだ。15分程度の昼寝であれば夜の就寝にも影響を与えないし、起床後のパフォーマンスはアップする。

もちろん、ものすごい集中力で終日仕事に打ち込めることが理想の姿だ。しかし毎日そんなことが続くわけがない。人間だもの。体調の良い日もあれば冴えないときもある。前日に子どもの調子が悪くなって、しっかり眠れないこともある。そんなときにも、できるだけ効率良く仕事ができる環境にあることが一番なのだ。

運動

運動

運動は、たとえば海馬(記憶や空間学習能力を担当)の神経を増やし、長期記憶能力を高めてくれる。そのほかにも学習機能が高まるなど、多くの研究によって運動がわたしたちの脳に与える効能は立証されている。

かの村上春樹も、毎日1時間のランニングを欠かしたことがないという。ランニングをしないと、執筆できないとまで。
それほど運動をすることは、脳にとって良いことであるのだ。

ただ、息が切れてしまうような重い運動をする必要はない。たとえば3階までエレベーターを使わないで、階段を駆け上がるだけでも脳のリフレッシュには効果はある。
少し息をつこうと思うなら、少し顔を上げて小さく「よし」とつぶやいてみよう。はじめは、オフィスを出て1つ下の階まででいい。階段を駆け下り、駆け上がってくると、すがすがしい気分になれてしまうから。
たったそれだけで、集中できる脳がスタンバイし、集中力が高まる。毎日の退社が30分早まる(かもしれない)。同僚の誰も知らない、あなただけの一石二鳥リフレッシュ法だ。

休憩中のスマホ禁止

休憩中のスマホ禁止

たとえば集中した作業で疲れた体を休めるための休憩時間。ホッとひといき入れるために、あなたがスマホでFacebookをチェックしているとしたら・・・。脳は休めているのだろうか。

気のおけない友だちの流した情報に目をやり、ふっと笑顔になれることもある。たしかに気分転換には良いかもしれない。しかしその間、脳はフィードに流れてきた多様な情報を取捨選択し、チェックすべきもの、そうでないものなどに振り分け、しかるべきものをインプットするなど、最高速度で情報を処理している。

休憩は、脳を休める時間だと考えるべきだ。リラックスするのは、体のためだけではない。脳を休めてあげることこそが大切なのだ。何より、勤務時間中はベストな状態で仕事を処理し、1分1秒でも早く机から離れられるように努力する。スマホをいじるのは、オフィスを出たあとでいい。脳をベストな状態で使い、早く仕事を終えられれば、何よりあなたのプライベートが充実することになるのだから。

効率良く仕事をすることだけが正しくはない

効率良く仕事をすることだけが正しくはない

ときには、回り道をすることも必要だ。うまくいかず、思い悩み、その結果「絶対的」ともいえる考え方が身につくこともあるし、効率を無視してこそ得られるビジネス機会もある。
筆者は、効率を重視すべきことと、そうでないことで緩急をつけることこそ、私たちに求められていることなのではないかと感じている。自分が置かれている状況や競合他社の動き、社内の力学などなど。都度、対応の方法を変えればいい。それができるのは、あなたしかいないのだ。

しかし毎日「急」は押し寄せてくる。

「石の上にも三年という。しかし、三年を一年で習得する努力を怠ってはならない」

松下幸之助さんの言葉だ。

30秒のムダ話で仕事がうまくいく!雑談の絶大なチカラ

30秒のムダ話で仕事がうまくいく!雑談の絶大なチカラ

雑談というと、プライベートの詮索だとか、時間のムダだと考えている人が多いのではないだろうか。でも雑談についてネガティブにとらえている人は、とてももったいないことをしているかもしれない。雑談は仕事はもちろん、人生のあらゆる場面において絶大なチカラを発揮する重要なスキルなのだ。普段あまり意識することのない雑談が持つ潜在能力について、また雑談力をつけるコツについても書いてみたい。

インタビューにおける雑談のチカラ

インタビューにおける雑談のチカラ

先日、あるインタビューに同席したときのこと。筆者は普段、自分が直接インタビューすることはあまりないのだが、このときはその場の空気感なども知っておきたかったので、願い出て同席させてもらった。

事前に聞きたいことを考えてきているので、こっちはあれも聞こう、これも聞こうと気がはやっている。
ところがいざインタビューがはじまると、インタビュアーはほんとうに聞きたいことには一切触れない。まずは天気の話や出身地の話など、冗談を交えながら気軽な調子で話していく。いわゆる雑談を十分するのである。

インタビューを受けている人からしたら「こんなんでいいの?」という感じである。でもこの時間があるおかげで、インタビューされる人が身構えることなく、気負わず話せる雰囲気をつくることができたと思う。実際、雑談でひとしきり盛り上がったあとは、和やかな雰囲気のなか、興味深いお話をたっぷりお聞きすることができた。雑談が「本音で話せる空気」をつくったのである。

雑談の大切な役割は、その場の空気をつくること

雑談の大切な役割は、その場の空気をつくること

雑談とは、何ら目的や伝えるべき用件のない、言うなれば中身のない話だ。言ったそばから忘れてしまってもかまわないような内容の話である。そんな話を一生懸命しても何の意味もない、雑談なんて時間のムダだという人もいるだろう。
しかし、世の中の会話すべてが、用件を伝えるだけのものだったらどうだろうか。

たとえば、隣人に回覧板をまわすとき。
「こんにちは、回覧板です」
「はい、どうも」

そしてドアをガチャン。なんと殺伐としたご近所付き合いではないか。こんな町内には住みたくないというものである。ところがこれに雑談を加えてみるとどうだろうか。

「こんにちは、回覧板です。なんだか雨が降りそうな空模様ですね」
「あらほんとうですね。洗濯物をとりこまなくちゃ。部屋干しだとなかなか乾かないから嫌なんですけどね」
「うちもです。明日は晴れるってニュースで言ってましたよ。じゃあまた」
「ありがとう」

そしてドアをガチャン。時間にすれば30秒に満たないが、このほうがよほど後味が良く、心和むやりとりになった。洗濯物の話なんて2人ともどうでもいいのだが、雑談をはさむことで、お互いに打ち解けて話せる雰囲気ができたのである。

職場でも、家庭でも、ママ友付き合いでも、ご近所付き合いでも、人間関係をスムーズにするうえで雑談が絶大な威力を発揮する。まず雑談で地ならしをしてコミュニケーションの土台をつくるイメージだ。土台がないのにいきなりビルを建てようとしてもうまくいかないように、雑談なしでいきなり用件だけを伝えても、思うような結果にはつながりにくいのである。

雑談が人生を豊かにしてくれる

雑談が人生を豊かにしてくれる

ビジネスにおいて、雑談が果たす役割について考えてみよう。普段、用件をポンと伝えるだけで相手とまったく人間関係をつくれていなかったとしたら、ちょっとしたミスでも対応が違ってくる。普段から雑談を通してコミュニケーションしていれば「しょうがないなあ」で見逃してくれるようなことも、「どうしてくれるんだ!」ということになりがちだ。

ご近所付き合いでも、まったく知らない子供の弾くピアノはただの騒音でしかないが、いつも挨拶してくれるあの子、と顔が思い浮かぶ関係なら、「おお、うまくなってきたな」と寛大な捉え方ができる。ご近所との雑談が騒音クレームのセーフティ―ネットになり、子育てのストレスを減らしてくれる効果があるのだ。

家庭でも、もしもパートナーや家族が用件しか話さないような関係だったら・・・。想像しただけで心が冷え冷えとしてくる。どうでもいい話がワイワイガヤガヤ飛び交う家庭のほうが、幸福度はずっと高くなる。
このように、雑談はさまざまな場面で自分を助けてくれる。大げさに言うと、人生を豊かにしてくれる、縁の下の力持ちなのである。

雑談力をつけるコツ

雑談力をつけるコツ

「そうは言っても、雑談が苦手で・・・」筆者も同じなので、その気持ちはよくわかる。
まずは挨拶だけで終わらせず、プラスアルファのひと言を添えることを心がけたい。天気の話、季節の話などはテッパンである。また、パッと目についた服装や持ち物を褒めるというのもおすすめだ。

褒めるというと「おべんちゃらは言いたくない!」というへそ曲がりもいるかもしれないが、ムリに褒めなくても「そのキーホルダー何ですか?」とか「そのネクタイ、珍しい柄ですね」とか、気づいたことを口に出すだけでいいのだ。雑談においては、話の内容は重要ではなく、オチも結論も必要ない。肩の力を抜いて気軽にできる話が、一番適しているのである。

仕事のメールなども、ここぞのメールは用件だけで終わらせず、ひと言用件とは関係ないトピックを添えてみることをおすすめしたい。ぐっとメールの文章に人間味が出てくるし、読んだ人に良い印象を残す。何をしてもうまくいかなかった仕事が回り出すきっかけになるかもしれない。

相手を目の前にして、あれこれ考えているとうまくいかないというときには、「今日、何か1つ、相手を喜ばせることを言う」ことを自分に課してみるのもいい。こんな覚えやすくて実行しやすいシンプルなスローガンが、明日からの仕事の質を変えてくれるかもしれない。

オフィスのBGM、職場環境を格好よく+コスパ最高に

オフィスのBGM、仕事環境を格好よく+コスパ最高に

オフィスに心地よいBGMを流すことで、無味乾燥な空間は快適で仕事の効率を高められるものに生まれ変わる。

創業以来、オフィスにBGMを流し続けていることだけで、当社が最高の職場空間になっているとまでは言えないが、スタッフからも「居心地がいい」と評判だし、外部の方からも「いいですね」と言われることも多い。

このコラムでは、最近新しくしたBGMのしくみをご紹介することで、あなたがイメージする理想のオフィス環境創造のヒントになれば幸いだ。

オフィスで流すBGMの効用

オフィスで流すBGMの効用

有料のオフィスBGMサービスを行っているUSENやKOKUYO、ミュージックバードなどがうたう効果のなかで、なるほどと思えるのが「イメージ誘導効果」だ。

始業前に営業職なら今日の戦いに備える心づもりを、ショップなら顧客の気分が上がり商品の購入に至る雰囲気づくり、カフェなら落ち着きがあり、話しやすいイメージのBGMに。たしかに、その場で聞こえる音はメンタルに大きな影響を及ぼしている。
自分の記憶が当時よく聞いていた音楽と結びついているのも、このあたりが関係しているのではないだろうか。

購買行動がBGMに影響されるのなら、オフィスでも時間帯に合ったBGMを流すことで効率を良くすることができるかもしれない。ただ、当社はそこまでスタッフを外的要因でコントロールしようとは思わないし、そうしなければ効率が上がらないようなレベルの人間はいないので必要はないが。

BGMでプライバシーを守る、マスキング効果

BGMでプライバシーを守る、マスキング効果

軽いノイズしかないオフィスで問題なのが、スタッフ同士の会話が聞こえてしまうこと。業務の話であっても、どうしても会話は耳に入ってくる。いやおうなく意識してしまうのだ。他のスタッフに伝える必要のない内容だったとしても。

まずい対応を先輩社員から指摘されることも、本人にとっては周囲に聞かれたくないことだろう。そういったプライバシーをある程度守ってくれることもオフィスに流れるBGMの大きな効果。会話が100%聞こえないくらい大きな音量でBGMを流す必要はない。ある程度で十分だ。

BGMにふさわしくない音楽も

BGMにふさわしくない音楽も

当社は10年ほど、CDをMP3に変換してBGMとして流していた。CD1枚にMP3なら音楽CDが6-7枚分は入るので、交換の手間も少なくて済む。流すBGMはスタッフが選んだものだが、選ぶにあたってはひつとだけルールがあった。
日本語の歌モノは厳禁。前述の「会話が耳に入ってしまう」のと理由は同じ。どうしても意識が歌詞を追ってしまうからだ。

私は好きでゴンチチを選んでいたが、彼らのアルバムのなかで、「北海道は、どこにある?ここにある!」だけは大失敗だった。歌詞があるのだ。

女性ボーカルが「北海道、北海道、北海道はどこにある?」と延々繰り返す。気に入ったアルバムの1曲だし、長いわけでもないので放置していた。しかしある時、女性スタッフが「また北海道探してる。まだ見つからないのか~」と思ってしまう・・・と話していた。

そうなのだ。やはり、日本語の歌モノはオフィスのBGMには使えない。

ベストなオフィスのBGM選択

ベストなオフィスのBGM選択

これまでの経験や反省をもとに、当社が一新したBGMのしくみについてご紹介しよう。
使わなくなった古いタブレットにアプリをインストールし、ネットラジオでエンドレスにジャズを流す。どうだ。格好いいだろう?最先端な感じだ。
実は、セッティングしてBOSEのスピーカーから音が流れ出した瞬間、思わず「おぉ~」と唸ってしまったことを正直にカミングアウトしておく。

ネットラジオを使えば、世界各国の放送を聴取することができる。北海道の地方局だろうが、アジアの民族音楽専門チャンネルだろうが、地球の裏側の流行歌謡(言い方が古すぎるって?気にしない、気にしない)だろうが大阪のオフィスにいながら、現地の雰囲気を味わうことができるのだ。

そのなかで我々が選択したのがジャズ。クラシック、パリのカフェ風、ピアノソロ、トリオ、ボーカル、フュージョン、なんでもチョイスできる「JAZZ RADIO」というアプリ。ジャズはオシャレっぽくて、仕事の邪魔になることもなく、ゲストが来ても「ふ~ん」と感じてもらえるところが良いのである。
かくして、当社のBGM音源は決まった。

音楽はカラダ全体で感じるもの。BGMでも。

音楽はカラダ全体で感じるもの。BGMでも。

学生時代、軽音楽に打ち込んでいた私に世話になっていた練習スタジオのオーナーがいつも言っていたこと。
「音楽はダイナミクスだ。生の演奏とレコード(当時の音源の主流はまだレコードだった)の違いはこれだ」

人を感動させる演奏は、音量の大小、強弱があるかないかだということ。MP3の音源を小さなヘッドフォンでどれほど長く聞いていても、演奏は上達しないし、耳も肥えない。小学校で習ったpp(ピアニシモ)からff(フォルティシモ)までを使ったダイナミックな演奏があってこそ人は感動できるのだということを理解しないと、音楽を語る資格などない、というのである。

私はオフィスのBGMを一新しようと決めた時、なぜかこの教えを思い出した。

「そうだ。重低音も必要だ」
その瞬間、ヨドバシでYAMAHAのサブウーファースピーカーをポチっていた。

まったくの衝動買いではあったが、これもオフィス新BGM作戦の成功要因のひとつだ。アンプにつながれたサブウーファーから流れる重低音は、天井から吊り下げられたBOSEの小さなスピーカーを見事に補完してくれている。確実に音質に深みが増したし、当社で流れているジャズのベース部分がスタッフたちの体にリズムを刻むことになった。

最後に。意外と大切なスピーカーコード

最後に。意外と大切なスピーカーコード

音源、サブウーファー、オフィスの新BGM作戦で追加導入したもののなかで、決してないがしろにしてはいけないのだと実感したものがある。スピーカーコードだ。

スピーカーコード!?なんじゃそりゃ!と思うなかれ。大事な音源を出力するアンプやスピーカーは大切だが、その信号を運ぶスピーカーコードだって快適なBGMを流すためには重要なファクターなのだ。

それまでオフィスで使っていたのは、安物のステレオセットについていた、へなちょこのコード。見るからに細く貧弱だったが、あなたと同じように「電気信号が通ればいいんでしょ」ぐらいに考えていた。何もなければ、そのまま使い続けていたかもしれない。

しかしあるとき、片方のスピーカーから音が出なくなり、どこかでスピーカーコードが断線しているのかもしれないと気付いたことがきっかけで、そこそこのもの(スピーカーコードで音が変わるなどと考えていなかったので、そんなに高いものを買ったわけではない)に買い替えた。するとどうだ。これまでシャカシャカと薄っぺらい音を垂れ流していたBOSEから、ものすごくピュアな音がこぼれ出したのだ。

スピーカーコードによって音質が見違えるということが私のなかでは、「目からウロコ」賞トップ当選もの。色気づいた中学生の頃に買ってもらったステレオセットから数えて40年も経ってはじめてその重要性に気づいたのだから。

私の気の迷いで、一気に一新された当社のオフィスBGMは、オフィス環境を劇的に変えたと言っていい。少なくとも「また北海道探してる」と考えてしまうスタッフはいなくなったし、雰囲気だけはオシャレそのもの。少しの投資で心地よく職場環境の改善に貢献するBGMの効果を、あなたもぜひ実感してほしい。

面白くない仕事を面白くしてしまえる発想の転換術

面白くない仕事を面白くしてしまえる発想の転換術

「こんな退屈な仕事やってられっか!」と思わず投げ出したくなる、面白くない仕事。ひたすら同じことを繰り返す単純作業、やりたい仕事とは無関係のもの。
どうにかできないものか、このままいくとストレスは溜まる一方。終いには通勤の電車で見かける転職の広告を真剣に読んでしまう始末。

ちょっと待て、早まるな。
ストレスを無理に溜めこむ必要もなく、転職を考えるのもまだ早い。
そう教えてくれたのは、甲南大学マネジメント創造学部(愛称:CUBE西宮)の佐藤治正教授だ。

考え方を変えれば、面白くない仕事も面白くなる。佐藤教授の卒業生へのアドバイスから学ぶ、仕事を面白くする方法を紹介。

仕事の幅を広げて、面白く

仕事の幅を広げて、面白く

指示された仕事をそのままやるのではなく、自分で仕事の領域を広げることで、面白さは2倍にも、3倍にもなる。

佐藤教授のもとに、仕事が面白くないという卒業生が来たそうだ。

「クレームセンターで研修を受けているのですが、毎日毎日クレームを聞くだけで、つまらなくてしょうがないです」との相談に対して、佐藤教授は「つまらなかったら、面白くしたらいい」と即答。

「たとえば、私だったらこうする」と、卒業生にアドバイスする。
「まずクレームを4つか、5つのカテゴリーに分けて分析する。これはどうしても聞いてあげなければいけないクレーム、これはホームページに掲載している情報を変えたら減るクレーム、と分類していく。そして、改善すれば減らせるクレームがあるなら、上司に提案する」

つまり、クレームを受ける、ということだけを仕事にするのではなく、クレームを減らすことも仕事だと思えば、仕事はもっと面白くもなるし、学べることも増える、ということだ。

考え方ひとつで、つまらないを面白く

考え方ひとつで、つまらないを面白く

資料をコピーする仕事ひとつとっても同じ。コピーが終わるまでコピー機の前にぼーっと立って待つのではなく、コピーを頼まれた資料を読み込む、といった工夫をすれば、情報の再確認や、自分が関わっていないプロジェクトの把握ができる。繰り返していると、誰よりも会社全体について詳しくなれるかもしれない。

また、幅を広げず、工夫もしなくても、仕事を面白くする方法がある。
それは、考え方を変えることだ。

来客の際、何も考えずにお茶を出すのではなく、この温かいお茶をお客様に提供し、飲んでいただくことで身体の芯から温まってもらえる。私がお茶を出すことで、打ち合わせに集中してもらうことができているのだ、そう考えると、ささいな仕事にもやりがいを見いだせ、楽しくなってくる。

さらに、

温まってもらうためのお茶とは? 集中してもらうためには? と新たに取り組むべき課題も思い浮かぶ。

仕事に熱心に取り組んで

仕事に熱心に取り組んでいたら、だんだん面白くなってくる。我慢して続けていれば、責任ある仕事を任せてもらえるようになる。とアドバイスをする方もいる。しかし、仕事を面白くないと感じている当の本人からすれば、今すぐ面白くしたいのだ。そんな方に佐藤教授は手を差し伸べる。

何か一工夫するだけで、考え方を変えるだけで、同じ仕事でもまったく違うものに見えてくる。
「やらされている」と、どこかで感じているから面白くないだけの話。そこにあなたがいないのだ。

前向きに取り組もうと思った瞬間から、仕事は変わる。
1日の大半を費やしている時間を変えれば、仕事はあなたを大きく成長させる源となるだろう。

甲南大学マネジメント創造学部アーカイブサイト

甲南大学マネジメント創造学部

時間管理術のキモは、不要な情報を切り落とすこと

時間管理術のキモは、不要な情報を切り落とすこと

自分にしっくりきて、絶大な効果のある時間管理術がないものか。
ある時期になると、決まってムック本や雑誌で特集が組まれる「できる人の時間管理術」。

できる人が実践しながら熟成されてきたハウツーや、なるほどと思えるテクニックが興味深く載っている。

しかし目を通しているときは、「ふむふむ」と頷くのだが、どうもしっくり来ない。自分で実践しようとすると、なかなかできないものなのだ。

  • 飽きっぽいから?
  • あの人とは違うから?

違う。ある時、筆者は気付いた。
時間が足りないと感じてしまうのは、自分がやりたいこと、目標が明確になっていないから、押し寄せてくる物事や事象、情報に対して、毅然と立ち向かえていなかっただけのことなのだと。

「時間が足りない」30代以下

「時間が足りない」30代以下

時間管理術について興味深いアンケート結果がある。

日立ソリューションズが行ったもので、「(タスクを)時間内に終われていますか?」という問いに対し、55%の人が「いいえ」と答えている。さらに、「(時間管理に関して)何らかの管理をやっていますか?」という問いかけには、58%が「いいえ」と答えたのだ。

過半数の人たちが時間内にタスクを終えることができず、しかもなんら対策を打っていない。

「そんなことじゃ、タスクの達成なんて無理だろう」

批判的な上司の声が聞こえてきそうだ。さらに面白いアンケートを見つけた。
niftyは2015年1月に「目標を達成できなかった理由」を尋ねているが、「時間が足りなかったから」が6位にランキングされている。60代は10%しかそう答えていないのに、30代以下は27%と3倍近くが、時間のなさを目標を達成できなかった理由に挙げているのだ。

60代以上の人は人生経験が豊富で、時間管理術にも長けているのだろうか。

しかし考えてみて欲しい。
体力的にも30代以下とは比較にならないほどだし、ある程度ステータスもある。若い人の方が、目標に近づきたいと願う気持ちは強いはずなのに。
60代が時間内に目標を達成してしまう理由はどこにあるのだろう。

30代の多くが理由にした「時間が足りないから」は、目標を達成できない理由にはならないのではないか、とも感じてしまう。

これから、「時間のムダ」を排除するテクニックをいくつか紹介し、あなたに目標達成に近づいていただこうと考えている。

不要な情報を捨てる勇気を持とう

不要な情報を捨てる勇気を持とう

あなたは不要な情報に、限りある貴重な時間を奪われていないか。
たとえば、SNSで流れてくる情報。あなたはクセのように、スマホの画面を1日に何百回もスワイプしながらチェックしている。

SNSを全否定するつもりはない。
流れてくる情報のなかには、心を揺さぶるような事実もあるし、古い友人との再会や出会いまである。思わず身を乗り出してしまうほど有益なノウハウも見つけられる。
ただ、おそらく押し寄せてくる情報の95%は、あなたが「目標を完遂する」ということに照らし合わせれば不要な情報だ。

つまらない情報のなかに身をおくことほど、ムダなことはない。無為な時間を過ごしてしまう原因は、常にあなたにぴったりと寄り添っている。

夢見る目標に到達するために、流れてくる情報を制限する力をつけるべきだ。すべてに反応しない勇気を持とう。

オンタイムでテレビを観ない

オンタイムでテレビを観ない

テレビも貴重な時間を奪う原因のひとつだが、昭和生まれのテレビっ子である筆者は、視聴時間を削ることができない。
ただ貴重な時間も大切にしたい。そしていま実践しているのがこの方法だ。

テレビをオンタイムで観ない。

この方法でストレス発散のために国内外のドラマを週10本、経済系のプログラムを5本以上チェックしている。WOWOWで映画まで取り込む。
方法はかんたんだ。録画+倍速+CM飛ばしでチェックすればいい。

1時間枠のドラマは倍速+CM飛ばしで観れば、おおよそ22分ほどで完了だ。その日に1時間余裕があれば、3本もこなせる。
最初は台詞が聞き取りづらかったが、普通に再生すると遅く感じてしまうほどになっている。

スピード読了+記憶に残る「ピックアップ読書法」

スピード読了+記憶に残る「ピックアップ読書法」

時間管理術をしっかりこなすうえで、読書は時間食い虫だ。
本は、必要だから購入したもの。特にビジネス書はこの傾向が強い。しかし、すべてのページが今のあなたに必要なわけではない。吸収すべき箇所だけ読めばいいのだ。

もったいない?
猛烈に反論しよう。不要なページに目を通すあなたの時間のほうがもったいない。

まず読むのは、帯、著者の略歴、序章、あとがき。
あたりまえだが、この部分だけ読めば、その本が主張したいことがおおよそ把握できる。

しっかりチェックすべきは目次で、スピード読了のベース基地になる場所だ。
気になる見出しにはすべて、ラインを引いておく。

あなたが読むべきは、目次でラインを引いた見出しのページのみ。

おそらく1冊の本で、今のあなたに必要なページは50ページほど。これなら読み返したとしても、30分ほどで読了できる。
そこには、たくさんの宝の山が眠っているはずだから、マーカーでどんどんラインを引いていく。思いついたことも書き込んでおこう。折り目がつかないほど美しく読了するなどあり得ない。汚してこそ、本は元を取れるものだと肝に銘じておくべきだ。

「ピックアップ読書法」は、目次と本文を行ったりきたりするので、とても忙しい。純文学を楽しむようなことにはならない。
ただこの忙しさは、逆に集中力を生んでくれるから、短時間で読了に結びつくし、「だらだら読書」よりずっと内容が頭に残っている。

ほんとうに大切なのは、やり抜く強い意志を持つこと

ほんとうに大切なのは、やり抜く強い意志を持つこと

目標を完遂できない1番の原因は、これだ。

「強い意志を持てない」こと。

これはもしかすると、あなたが目指していた場所が、それほどたどり着きたかったところではなかったことの裏返しかもしれない。

ほんとうにやり抜きたいことであれば、常に頭の片隅にちらついているはずだし、万難を排してでも取り組むはずだから。
万難とは、不要な情報であり、あなた以外の誰かでもできる仕事を「こなす」ことであり、字を追うだけの読書をすることだ。

人生には回り道も必要だし、娯楽は人間だけが享受する愉しみだ。その時間まで削ってはつまらない。
ただ、持てる時間を上手く使うことを覚えれば、きっとあなたは目標をスケジュール通りに完遂できる時間管理術の達人になれるはず。

紹介したテクニックやあなたなりの方法を編み出せば、時間がないからダメだったなどと言い訳しない自分を創造できるはず。そして、どうしてもたどり着きたいと願う目標を持つことが、いちばんの近道だ。

地道に勝る魔法はない

宇宙兄弟

NHKのプロフェッショナルで採り上げられていたマンガ編集者、佐渡島庸平氏。講談社を辞め、独立プロダクション「cork(コルク)」を立ち上げマンガ家をサポートしている。

作家付きの編集者の仕事は、マンガ家が作品を描くための資料集めや作品の企画やキャラクターの方向付けなど多岐にわたります。
そのなかでも際だって見えたのは、プロモーションについて。

  • 通常は営業が行う書店へのプロモーションを積極的に行う。
  • 連載を持たない新人を発掘し、投資家を集めて出版のための投資を募る。
  • オンライン上で名もない作家の作品を読めるメディアを立ち上げる。

番組のなかで紹介されていたのはこの程度だったが、ネットで彼の活動を調べると、それだけにはとどまらないようだった。

クライアントのWEBサイトを立ち上げ、プロモーションの一端を担う私たちは、果たして、ここまで考えていただろうか・・・。と考えさせられるプログラムでした。

そして何より衝撃的だったのは、このひとこと。

「僕は、みんなが嫌がる地味なことを続けられていると思う。いつかそれが爆発するイメージができているから、それも楽しめる」

そして極めつけはこれ。

「地道に勝る魔法はない」

ごめんなさい。改めます。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年12月)

質問のコツを習得し、良い協力会社を探す3つのテクニック

質問のコツ

初対面の相手に漠然とした質問を投げても、相手から学ぶべき答えは返ってこない。自分が引き出したい本質的な回答を得るためには、周到な準備とコツが必要だ。漫然と相手の話を聞くだけでは、これまで以上の結果を望めるはずはない。
この記事では、近い将来ガッツリと良好なパートナーシップを築ける協力会社を探すための3つのテクニックを伝授したい。

ビジネスはより複雑になり、高度なバリューチェーンの構築が長期的な事業存続のためのポイントにもなっている。
現在付き合っている業者に不満を持つ上司から、早急に新たなパートナーを探すよう命じられた。あなたは最良のパートナーシップを築ける協力会社を探そうと時間をかけているが、せっかく初回のミーティングにこぎつけるも、有力候補と考えていた会社の担当者から引き出せたのは、概要的な情報のみ。
あなたがどれだけ思い入れていても、上司からはダメ出しがあるのみだ。

打ち合わせの席に現れた相手がフランクな性格で話が盛り上がったとしても、振り返ってみると本当にこの会社と付き合って大丈夫かは何となく疑問のまま。結局のところ、知るべき本質的なポイントがうやむやのままだったでは、時間を無為に過ごしたことにしかならない。
この記事は「話を盛り上げ、本音を引き出すテクニック」ではなく、ロジカルに「自分が得たい回答を確実に相手から引き出すコツ」集であり、上司からのダメ出しから逃れるテクニック集だ。

(1)採否の基準を明確にし、初回打ち合わせ前に質問しておく
(2)質問への回答と、描いていた理想とのギャップを確認
(3)細かなズレを避けるための質問を繰り返す

相手が用意する回答の精度を見るコツ

気の合う相手を探すのも大切なことではあるが、それだけに偏っていては自社にとってよろしくない。採用の基準が曖昧で、人(あなた)に属しているからだ。これを避けるためには、採否の基準を明確にしておくこと。
まず、あたりまえのことではあるが、アポイントをとるときに前もって打ち合わせの主旨を伝えておきたい。また、必ず得ておきたい情報の内容を伝え、回答を打ち合わせ時に説明してもらうようにする。その精度や力の入れ方で相手の本気度を測ることもできるからだ。
その回答があなたの予想を超えたものであるうえに、背伸びをしなくても付き合っていけそうであれば採用の可能性も一気に高まる。打ち合わせ後に追加でされた提案は熱意が感じられるし、クライアントと「寄り添おう」という気持ちの表れでもあるので評価ポイントを高く考えるべきだ。

自社が必要とする理想型を描いておく

あなたの会社にも「最良のパートナーには、こうあって欲しい」という理想があるはずだ。
だから最初にあなたがすべきなのは、自社が付き合うに値する会社かどうかを見極めるための質問と、模範解答(理想型)を用意すること。

たとえば、リスク時にもしっかりサポートをしてくれるWEBサイトの管理会社を探しているとしよう。この要望を伝えるための質問は、

「営業日外に突発的な事故が当社にあった場合、それをサポートする体制はどのようなものですか?」

そして、あなたが思い描いたパートナーの理想型は次のようなものだ。

思い描いた理想のパートナーの働きの図

話を聞くために招いたパートナー候補が提示してくると思われる回答にもバリエーションを持たせておく。

(1)24時間体制でサポートセンターが稼働しているので、問題はない。
(2)年末年始以外は誰かが出勤しているので、問題はない。
(3)時と場合によるが、携帯に連絡をもらえれば必要なスタッフを招集する。
(4)営業日外は対応できないので、翌営業日での対応となる。
(5)その他、予想できなかったもの。

引き出せそうな回答を前もって考えておくことは、すでにお伝えした。では、なぜそれが必要なのだろうか。
それは、招いたパートナー候補のランク付けをするためと、理想に近い回答を提示した者が、表面的にではなく、ほんとうに自分たちの理想に近いかどうかを見極めるための次の質問を浴びせるためだ。

事前に提示した質問に対する回答は、優等生なものが多くなるはず。金太郎飴のように感じる似たような回答ばかりを引き出してしまい、最終的には鉛筆を転がして新たなパートナーを決めるといったことは避けなければいけない。そのためには、微妙な考え方のギャップも見逃してはならないのだ。

心地よい言葉の裏をチェックするコツ

質問のコツ

24時間体制やほとんどが営業日なので問題はないといった回答は理想に近く、安心できそうに感じてしまう。しかし、ほんとうにあなたが望んでいることを担ってくれる体制といえるのだろうか。出勤している「誰か」やサポートスタッフは緊急時の対応に長けているか、そうでなければ高度な対応ができるスタッフをどのような方法で招集するのか?

「もし、うちの工場から出火すれば、広報スタッフは緊急招集されます」

受け答えとして予想されるのは、
(1)「ははぁ、夜中でも?たいへんですね」
(2)「サポートセンターと私にもご連絡ください」
(3)「そのような場合も、とりあえずサポートセンターにご一報ください」
(1)は論外として、(2)は緊急時なのに、なぜ2件も連絡しなければいけないのか。サポートセンターから自動的に伝わるようになっていることがふつうだろう。

あなたはこう続ける。

「すぐに状況を把握して、早い段階でリリースを出すルールになっています」

(1)「レベルの高い緊急時なので、とにかく早い第一報が必要ですね。断片的な情報でもいただければ、当社でまとめてリリースを出すこともできます」
(2)「リリース原稿をいただければ、サポートスタッフが公開します」

「緊急時なので、リリースの作成までサポートしていただきたいのですが」 と突っ込むと、(2)の回答はこうなるだろう。

(1)「リ、リリースの作成までは難しいかと」
(2)「専門のスタッフが到着してからではダメでしょうか」

「一刻を争う緊急時なので、外部のお力も借りるべきではないかと考えているんです」

(1)「社内で検討してから回答します」
(2)「専門スタッフの常駐が必要になると、平常時にも高いコストがかかります。レアケースのために高いコストを永続的に払うよりも、御社内から情報を更新できるようにCMSを導入するのはどうでしょう。断りを入れておけば、緊急時の第一報はあとで訂正も効くはずです」

多少の推測が入っているものの、(2)の回答はロジカルだし、新たな提案も入っている。次の質問を繰り出そう。

「リスクマネジメントに対する知見は、社内に蓄積されていますか?」

ここで即答できる会社は、ほぼ専門サービスと言っていい。一般的には、持ち帰って後日の回答となるだろう。

まとめ

今までみてきた質問のコツは、パターンを変えれば協力会社を探すためだけではなく、他の仕事にも応用できるはずだ。要するに、質問する前にあらかじめ自分のなかに理想型を描いておき、回答が理想型からどの程度の距離にあるかをチェックするのが一次チェック。理想型との距離が近くても、細かなところで考え方に相違があってはいけないので、用意しておいた「ツッコミ」質問をぶつけてみる。その回答次第で、さらに深い質問を続けていけば、不安は払拭され、新たな学びも得られる可能性もあるのだ。
これは、問いつめるための武器を持つということではない。対応する相手に公平に機会を与えるためであり、敬意を払うことにもなる。ぜひ何かの機会に、「質問のコツ」を実践してほしい。

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平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

かわいい子には、旅をさせよ

つい先日、若者を業務関連のセミナーに参加させました。
我々の業界、同業者と接触する機会があまりなく、ふだんは狭い世界で生きています。今回のセミナーは、同業者が主催する実践セミナーでしたので、若人たちは大いに刺激されたようで、帰社後さっそく内容を熱く語ってくれました。

数ヵ月前から、当社では「明文化ミーティング」と題して、業務をマニュアル化する試みを始めました。業務の効率化を図るとともに、その質を均一化できるようにするためです。
セミナーに参加した彼らは、

「今日勉強したことは、まさに明文化しようとしていたことなんです」
「うちの業務に採り入れようと思います」

などと、前向きな発言が飛び出すほど。
同業者が何を考え、行動しているか垣間見ることができたこと、業務に役立つテクニックを吸収できたこと。いろんな意味で、かわいい子に旅をさせたのは成功だったなと思います。

何に対しても刺激にならなくなってくると、歳をとった証拠です。
私も、いつまでも「へぇ~!」「なるほど!」「すごい!」と言えるようにしようと誓ったのでした。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年4月)

仕事を超える仕事

先日、甲南大学のマネジメント創造学部に取材で伺った際、佐藤学部長と学舎の設計にあたった日本設計の小泉さんとの会話に印象的なことがありました。

設計にあたって、日本設計のチームは佐藤学部長のリクエストに応え続けるのはもちろん、期待以上のクリエイティブ、提案を行われたそうです。その当時を振り返り、学部長は

「彼らは、仕事を超えることをやろうとしていた」

と語っておられました。

それを聞いた瞬間、私は「やられた!」と感じました。

クライアントからの感謝の気持ちを伝える言葉で、これ以上のものはありません。
自分は、そのような仕事をクライアントに提供できているだろうか。すべての仕事に、それだけ注力し切れているのだろうかと。
同席していた当社の幹部も、同じことを考えていたそうです。
いつか、いつかこの最上級の褒め言葉をもらえるようになろう。彼女とそう話しながら帰路についたのでありました。

みなさま、もう少しお待ちください…。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年3月)