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WordPressで改行や段落を挿入するには

WordPressで改行や段落を挿入するには

当社が制作するWEBサイトには、ニュースやトピックスのコンテンツ管理にWordPressを導入するケースが多い。本公開後、クライアントがニュースを掲載しようとするときによくある質問が「改行すると、行間が広くあいてしまうんだけど・・・」というもの。
WordPress初心者が感じる疑問のひとつだ。ふだん、業務で使い慣れているMS-Wordとは挙動が違うので戸惑ってしまうわけだ。

慣れてしまえばどうってことはないが、質問を受けることが多いので、今回は、WordPressの投稿画面で改行や段落を挿入するときのコツを紹介しておこう。

「CMSで改行すると、行間が広くあいてしまうんだけど・・・」

この質問の「改行」、おそらくこのクライアントは文章の途中で次の行にカーソルを移したくて「Enter」キーを打ち込んでいると思われるが、この操作は「改行」ではなく「改段落」の操作をしてしまっていることをご存じだろうか?
では、改行はどうするのか?
「Shift+Enter」キーを打ち込むことで「改行」させることができる。実は、この考え方はMS-Wordでも同じなのだ。MS-Wordの例を下に示しておく。

WordPressでの改行位置

ここでは話が混乱するので、もっと詳しく知りたい方は以下のページなどを参考にしてほしい。

「改行=Enter」じゃないって知ってた? 皆が知らないWordとPowerPointの罠!

WordPressでは、改行にならない「Enter」キーの正体

WordPressの投稿画面では、「Enter」キーを打ち込むとその前のテキストの塊をひとつの段落としてまとめ「pタグ」で括るようにHTMLが自動展開されている。下の画像では、赤ラインの部分にカーソルを位置させ「Enter」キーを打ち込んだ場合の見え方と自動展開されるHTMLを示している。

WordPressでは、改行にならない「Enter」キーの正体

「Enter」キーを打ち込むと、カーソル位置で「改段落」され、次の段落との間に規定された余白が作られる。

改行

改行

HTMLは、以下のように生成されている。

改行したあと

WordPressで改行したければ「Shift+Enter」キーを打ち込むべし

先に触れたように文章中で次の行に「改行」したければ、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを打てば、不意な余白が発生することなく改行することができる。下の画像では、その状態を示す。

WordPressでは、改行にならない「Enter」キーの正体

改行させたいところにカーソルを位置させ、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを打つ。

余白はない

HTMLは、pタグではなく改行を指示する「brタグ」が追加されている。

「brタグ」が追加されている

以上が、「Enter」キーだけを打ち込んだ場合と「Shift+Enter」キーを打ち込んだ場合のWordPressの挙動の違いだ。「挙動を逆にすればいいのに」と思ったりもするが、こればっかりは慣れてもらうしかない。

段落と段落の間を調整したい

見た目に凝りだすと段落と段落の間を「もう少し広く」などと調整したくなると思うが、残念ながらWordPressの管理画面上にはその部分を簡単に修正できる機能を備えていない。この場合は、先ほど説明した「Enter」キーを打ち込んで自動展開される「pタグ」に対してスタイルシート(css)の「マージン(margin)」を調整する必要があるが、これは、制作会社に依頼するかスタイルシートに詳しい方に作業してもらう方がいいだろう。

読みやすいページは余白がきれい

読みやすいWEBサイトは、文章自体の読みやすさはもちろんだが、ページ全体の余白の使い方が上手い。筆者は、技術情報を求めて日に何十回と検索をかけ、何十とページを読むが、そのさい行間が詰まっていて段落が取られていないページだと読む気がせず、次の検索結果から違うページに進むことがよくある。

上記のことは、訪問者が読むニュースやトピックスについても同じことがいえる。このコラムの読者には、改行と段落を上手く使いこなしてもらい、読みやすいページ作りを心がけてほしい。

文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと

文章校正のコツ

WEBサイト制作のなかで、重要なプロセスである文章校正。日々の作業でありながら、思わぬ場面でチェックミスが発生してしまいがっくりと肩を落とした経験がある方も多いはず。
今回は私たちが実践している、たった6つのコツをおさえるだけで、文章校正の精度を限りなく100%に近づけるポイントをご紹介しよう。

それでは、作業を進めるための準備(心構えに近い)に関するポイントからミスをなくす実践的な文章校正のコツをていねいに挙げていこう。

[準備段階のポイント]

1.モニターでなく、プリントアウトで必ずチェック。

文章校正の精度を上げるためには、これ外してはいけないほどの鉄則。モニターでの校正は、視認率が約25%下がるため、必ずプリントアウトしたものを用意すること。
同時に、モノクロでプリントアウトすることで、文字の色や背景色とのコントラストなどから視認性も確認することができる。モノクロで見てコントラストが低いと感じたら、視覚障害者や高齢者にとっては読みにくいデザインといえる。

2.チェックのベースとなる原稿を再確認。

当たり前のようで意外に多いミスが、照らし合わせる元原稿が最終原稿でないということ。制作段階で何度も文章チェックが入り、書き直される途中で、どの原稿を頼りにすればよいのかが分からなくなることがある。念には念を入れて、自分の手もとにある原稿が最終版であることを確認し、確信をもって作業に取りかかれる準備をしよう。

[文章校正6つのコツ]

1.チェック項目を切り分ける

プリントアウトでチェック

一回の文章校正だけですべてを完璧にしようとすると、どうしても注意散漫になってチェックもれが生じてしまう。校正のクオリティを上げるコツは、同じ要素だけを何回かに分けてチェックしていくことだ。
たとえば、最初は数字だけをチェックして、次はカタカナ言葉だけ見ていく、といった具合。
また、文章内容についての校正は別手順と考えること。文章を意味として捉えてしまうと、どうしても文字表記の校正はおろそかになる。内容チェックとは切り離して、文字を記号と捉えて校正するべきだ。

2.音読しながら校正する

脳というのは、同時に複数のことを行うと活性化されるらしい。文章校正の際にも「読む」という行為だけでなく、複数のチャンネルを駆使することで精度はさらに向上する。
「声に出して」読みながら「読む」。さらに注意が必要な箇所であれば、手で文字を「書く」マネをしながらチェックする。これであなたの文章校正クオリティは数段パワーアップする。

3.自分がミスしやすい傾向と対策を知る

過去に自分が見落とした部分を思い出してみよう。テストと同じように、誰にでも苦手な傾向があるものだ。自分がミスしやすいポイント、自分の文章ならキーボードの打ち間違い癖を書き出してみる。
そして、そのポイントに来たら入念にチェックすること。たとえば、「3」と「8」、「制作」と「製作」など。そういった傾向を書き出すことで、失敗しやすいポイントも見えてくるだろう。

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文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと、後半は

「4.違う目、違うタイミングでダブルチェック」へ

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ビデオ通話で出張費約30万円を削減し、顧客と密になる方法

ビデオ通話をイベントっぽく演出。しかも出張費削減

ビデオ通話で出張費約30万円を削減し、顧客と密になる方法

まだまだビジネスの現場で普及していないビデオ通話。SF映画では、いろいろなシーンで活躍しているというのに。
顧客とほんの少し目的を共有するだけで、出張費を削減し「三方良し」となるコミュニケーション方法がある。遠方でも十分に打ち合わせの目的を果たすことができ、思わぬメリットさえ生み出すスペシャルなメソッドを伝授しよう。

出張費削減を優先してしまったが

出張費削減

あるクライアントの東京支社でWEBサイトのリニューアル案件が持ち上がった。しかし潤沢な予算があるわけではなかったため、大事な局面で大阪から東京に出張してコミュニケーションを図るわけにもいかない。しかし多くの場合において、プロジェクトの正否を決めるのは密なコミュニケーションだったりする。この課題をどう解決するかが私たちに投げられた大きな問題だった。
最小限の打ち合わせに抑えたとしても、5回ほどの打ち合わせが必要だ。ということは、

削減できる出張費の内訳

  • 往復旅費25,000円×5回=12.5万円
  • 往復6時間×5回=30時間分の人件費

制作費とは別に、おおよそ30万円近いコストが発生してしまうことになる。ただし、何の工夫もしなければ、だ。

とにかく、ビデオ通話を試してみた

ビデオ通話

以前から、試してみたいと考えていた「ビデオ通話」。外部ブレインのデザイナーとの打ち合わせに使ったことはあったが、クライアントとは初めてだ。おそるおそる「どうでしょう?」と切り出すと、「いいですよ、やりましょう」。心配していた割には、拍子抜けのお返事。そうだ、彼らは東京~大阪の距離を以前から自社内のテレビ会議で乗り切っているのだ。
とは言うものの、彼らが使っているテレビ会議システムは、専用回線を使った高価なインフラ。ほぼ無料のビデオ通話とはレベルが違う。
とりあえず持てる知識を総動員し、Google先生に師事しながらベストな可能性を探ることに。当社で出した結論は、「SIMセットアップ済みタブレット」。これをフル活用することで「ビデオ通話」によるプロジェクト会議を実施、出張費を約30万円削減することに成功した。

ビデオ通話ミーティングで得られたメリット

ビデオ通話のメリット

ひざをつき合わせた会議で有益なのは、その場の空気感を共有できることだ。張りつめた緊張感をほぐすために、本題から少しそれたトピックに熱中したり、たとえ無言の時間ができてもそこに相手がいることで、それがどういう状況なのかを判断することができ、どちらかが何かを切り出すべきか否かも判断できる。
しかしビデオ通話で行う会議では、その空気感は伝わりづらい。それゆえビデオ通話会議では、それぞれが持ち寄ったアジェンダに集中して取り組むことができ、出張費の削減にとどまらず、会議時間も極めて短時間で終えることができるのだ。

ただ、それではクライアントに申し訳ないと感じてしまうのが、大阪人としてのプライドだ。

せっかく会った(ビデオ通話を通してでも)のに、大笑いのひとつ取れなくてどうするのか。これが初回の打ち合わせを終えた後の率直な印象だったが、これは私の杞憂だった。2回目以降のミーティングでは、習わし通りとりあえずのツカミから始まり、途中休憩代わりの息抜きアジェンダも盛りだくさん。きっと我がクライアントもビデオ通話会議を楽しんでもらえたはずだ。

結局のところ、今どきのプロジェクトでは、ビデオ通話による会議はアリである。あなたも思い切って出張費の大幅削減も得られるこの方法にトライしてみてはいかがだろうか。

ビデオ通話は、それ以外にも効果あり

クライアントとの関係が密に

ビデオ通話による会議は、前述したような時間の削減効果以外にも、大きなメリットがもたらされた。
ひとつに、密度の高い会議を行おうとするので、より早い段階で資料を準備し送付しておくことになったこと。しかも、指さしながら説明しなくても済むよう、分かりやすい資料作成に苦心するようになった。
ひざを付き合わせた会議とは異なり、ビデオ通話では相手の資料に指をあてて説明することは難しい。従って、見るだけで理解できる資料が必須なのだ。こういった資料が届くと説明してもらわなくてもある程度理解できるので、クライアントも積極的に事前に目を通してくれるようになる。これが短時間で会議が済むようになるポイントでもあるわけだ。

もうひとつ、「分かりやすさ」を極めるために、次のタスクの分担、期限を明確に設定するようになったこと。
プロジェクトを期限内に完遂させるには、このポイントは非常に重要だ。とくに受託側の我々が納期を守らないことはほぼないが、クライアント側にもその意識が芽生えるのは大きな意味がある。両者がお互いをリスペクトし合いながら、コストを削減することにおいても目標を持つということが、これだけのメリットを生んでいくのだ。

さらに、距離を越えクライアントとの距離が短くなる

ビデオ通話万歳!

ビデオ通話による会議は、いくつかのメリットをもたらしてくれた。ここで私たちが強調したいのは、「無料」だからなのか会議の回数が増えたことだ。近隣のクライアントとの会議でも、交通費、拘束時間など経費はかかる。しかしビデオ通話は、イニシャルコストさえ負担すれば、若干の通信費が発生するだけなのだ。
この「ほぼ無料」による心理的な経費削減効果は大きい。クライアント側も、わざわざ来てもらって・・・という気持ちもある。その心理的な障壁が取り除かれたことで、会議を終える頃には、「じゃぁ今度はいつにしましょう?」という流れになるのだ。
これによりクライアントとの接触回数は増え、コミュニケーションが密になることでプロジェクトはスムーズに動く。まさに顧客との距離が縮まるポイントになってくれている。

実践編は、別記事で

ビデオ通話による会議の準備についてもお伝えしようと考えたが、もたらされるメリットが出張費の削減にとどまらない。そのメリットがあまりにも多く、熱く語ってしまった。概論が長くなりすぎたので、ビデオ通話による会議を始めるための実践編は、別記事で紹介することにしよう。

経営陣にWEBの価値を正当に評価させ、あなたの価値を高める方法

経営陣にWEBの価値を正当に評価させる

WEBサイトへの理解を得て、予算を増やすにはITが苦手な役員にも分かりやすく、納得しやすいプレゼンが必要だ。この記事では、WEBサイトの現在価値の測定方法、将来の可能性について説くための手段とロジカルなストーリーを伝授する。みごと追加予算の承認が得られた暁には、ぜひ当社にも声をかけていただきたい。あなたのサイトに新たな展開を提供できるはずだ。

経営陣のなかにWEBサイトの役割について、明確な方針を持っている方がおられるのであれば、あなたは非常にラッキーだ。しかしほとんどの企業がリアルの営業活動で売上実績を挙げているために、経営陣はWEBサイトを「大きな名刺」程度にしか捉えていない。そのような認識のもとでWEBサイトを担当するのは、宮仕えしている者としてやるせない気持ちだろう。今こそアピールする手段を持ち、あなたの職務に陽をあてるべきなのだ。

経営陣が共感できる言葉を持とう

役員

PV、直帰率、セッション、滞在時間などなど。あなたが月例レポートにこのような数字を並べているとしたら、すぐにでも改めよう。経営陣はそのような言葉の意味を覚えようともしないし、関心もない。WEBサイトが事業に確実に貢献していると知ることが大切なのだ。彼らにとって、おそらくそれは「意外なこと」だし、意外性があるから与えることのできるインパクトも大きい。だから上手くやれば、「それはすぐ注力しなければ」と行動を起こしてもらうことができるのだ。

従って、あなたが報告すべきはズバリ「売上への貢献度」、「リード情報の獲得件数」だ。それでは、3つのポイントをおさえながら、これらの数字を経営陣に伝える術を学んでいこう。

1.自社サイトの貢献度を金額換算してみよう

レポート

WEBサイト経由での顧客候補とのコンタクト数は、自社ビジネスの拡大に直結する。たとえば資料請求は、入力された個人情報や請求された資料の製品名を営業スタッフに渡すだけで顧客候補リストだ。資料請求者がどの程度の意気込みでカタログを取り寄せているかによって、ビジネスにつながる可能性は様々ではあるが、この数が増えれば増えるほどビジネスにつながる可能性は高まってくる。
さらにお問い合わせ、デモ依頼、サンプル請求など。リード情報と呼ばれるこれらの情報は、外部にアウトソーシングすれば、1件につきおおよそ2万円ほどの価値がある。毎月50件顧客からのコンタクトがあるなら、100件×2万円=200万円の価値をWEBサイトが生んでいるということだ。

この顧客とのコンタクト数が毎月何件あるかを月ごとにまとめ、WEBサイトへの訪問者数との相関関係をエクセルにまとめるだけで、平均的に500人集客すれば1件の顧客候補とのコンタクトが図れると算出できる。

数値を入力すればいいだけのエクセルシートを作成しておいたので、活用してほしい。
訪問者数とコンタクト数の推移表

2.経営陣が慌てる、競合他社サイトとの比較方法

alexa

もし競合他社のWEBサイトがどのくらい集客できているのかを調べることができれば、社内で「自社は優位に立っている」「もっと頑張らねばならない」などといったレポートができるとともに、何らかの施策を打つための指標になるのに、と考えたことはないだろうか。
競合他社のにぎわい度合いを測ることは、できるのである。

Alexaで、競合他社を丸裸にする

アメリカに、「Alexa web search」というサービスがある。amazonの傘下にあるこの企業は、世界中のサイトのアクセス数やPV数、滞在時間などのデータを収集しており、ある程度までは無料でそのデータを垣間見ることができるのだ。たとえそれが競合他社のサイトであっても、100%の数字ではないにしろ、おおよその数字が予測できる。

下記のURLにアクセスしたあと、競合他社のURLを入力すると、「Global Rank」と「Rank in Japan」の数値が表示される。これがそのサイトの「世界順位」と「日本国内での順位」だ。ちなみにYAHOO!は世界順位で17位、日本では1位だ。日本国内の順位は10万位以下は表示されない。 自社と競合他社の順位が分かれば、自社のアクセス数は分かっているはずだから、「競合のA社は、おおよそこのくらいのアクセスだろう」ということが推測できる。
さらに、競合他社のサイトの訪問者のプロフィールや直近1年の推移、どのようなキーワードで集客しているかも教えてくれる。月々数十ドル払って有料会員になれば、調べられるデータの数も増えるのだ。

おおよそでも、このぐらいの数字が把握できると、自社サイトに足りない部分はどこか、優位に立っているところはどこかといった分析もできる。前述した顧客候補とのコンタクト数も予測できるだろう。このデータをもとに上申すれば、経営陣の目の色は変わるに違いない。

Alexa web search

3.マス媒体と比較しても、WEBの価値は評価できない

雑誌

TVCMや新聞・雑誌など印刷媒体への広告出稿といった、マス媒体でのリーチと呼ばれる顧客候補との接触を評価軸に、WEBサイトを比較しようと試みる人がいるが、それはまったく意味のないことだ。なぜなら、マス媒体は製品やサービスの種類によって異なるものの、その認知を高めることが得意な手段であり、WEBサイトのように顧客候補が自ら動いてコンタクトをとってくる(=購買の可能性を運営者に知らせても良いと考えている)メディアとは趣が異なるのである。
簡単に言えば、「接触する際の密度」が大きく異なるのである。TVで何度もプリンターを宣伝していても、昨年末に最新モデルを購入したあなたには一向に響かない。しかし、「また新しいのが出たのか」と認知はする。一方、昨年末年賀状を自宅で印刷するためのプリンターを物色していたときのあなたは、ネットで真剣にスペックを調べ、評判を気にしていたはずだ。製品やサービスに対する真剣度合いが異なるということなのだ。

ゴールデンタイムに流すスポットのTVCM出稿費を300万円だとすると、リーチする人数は約500万人。単価にすると0.6円だ。仮に月間の訪問者数を5万人とすると、単純に「コンタクト」という言葉でくくってしまうと、あなたが運営するWEBサイトの価値は、5万人×0.6円=3万円ということになる。こんな評価をしてしまっては、WEB担当者の悲痛な叫びが全国のオフィス街で響き渡りそうだ。

TVCMをもとに算出したウェブの価値
単月5万人の訪問者×TVCMのリーチ単価0.6円=30,000円

マス媒体別の出稿費用

前述したように、TVCMでリーチ単価は0.6円、最も高い雑誌で8円程度。これをWEBサイトの評価に適用すると、下は3万円、高くても40万円程度。質が違うのだから納得できないのも無理はない。参考までにマス媒体別の出稿費用とリーチ単価を調べておいたので、参考にしてほしい。

【リーチ単価の表】

媒体名 出稿料 リーチ数 リーチ単価 備考
TVCM 300万円 500万人 0.6円 ゴールデンタイムの15秒スポット単価
新聞広告 2、000万円 295万人 6.8円 日本経済新聞全面広告
雑誌広告 200万円 25万人 8円 annan1ページ広告
折込ちらし 6.7万円 2万人 3.35円 東京都
タクシー広告 340万円 204万人 1.67円 東京のアドシート広告

まとめ

あなたが運営するWEBサイトを経営陣に正当に評価してもらうための指標とアピール方法をいくつか紹介してきたが、すべてを駆使するか、ひとつだけを採り上げるかは目的によるだろう。たとえば、もっとWEB運営費予算を獲得したいのであれば、現状を分析し将来の可能性をアピールする。

  1. 顧客候補からのコンタクト数から、現在の評価額を算出。アクセスを増やせば、もっとコンタクト数も増やせるというアピール。
  2. 競合サイトと比べてアクセスが少ないので、何らかの施策を講じる必要があるというアピール。

いずれも、顧客候補からのコンタクト数を増やせば、売上伸長に貢献する営業支援につなげるためなのだという着地点を忘れてはいけない。

「では、どうやって訪問者数を増やすのかね?」

経営陣から速攻でカウンターが返ってくるので、その準備も忘れないようにしよう。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

地道に勝る魔法はない

宇宙兄弟

NHKのプロフェッショナルで採り上げられていたマンガ編集者、佐渡島庸平氏。講談社を辞め、独立プロダクション「cork(コルク)」を立ち上げマンガ家をサポートしている。

作家付きの編集者の仕事は、マンガ家が作品を描くための資料集めや作品の企画やキャラクターの方向付けなど多岐にわたります。
そのなかでも際だって見えたのは、プロモーションについて。

  • 通常は営業が行う書店へのプロモーションを積極的に行う。
  • 連載を持たない新人を発掘し、投資家を集めて出版のための投資を募る。
  • オンライン上で名もない作家の作品を読めるメディアを立ち上げる。

番組のなかで紹介されていたのはこの程度だったが、ネットで彼の活動を調べると、それだけにはとどまらないようだった。

クライアントのWEBサイトを立ち上げ、プロモーションの一端を担う私たちは、果たして、ここまで考えていただろうか・・・。と考えさせられるプログラムでした。

そして何より衝撃的だったのは、このひとこと。

「僕は、みんなが嫌がる地味なことを続けられていると思う。いつかそれが爆発するイメージができているから、それも楽しめる」

そして極めつけはこれ。

「地道に勝る魔法はない」

ごめんなさい。改めます。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年12月)

質問のコツを習得し、良い協力会社を探す3つのテクニック

質問のコツ

初対面の相手に漠然とした質問を投げても、相手から学ぶべき答えは返ってこない。自分が引き出したい本質的な回答を得るためには、周到な準備とコツが必要だ。漫然と相手の話を聞くだけでは、これまで以上の結果を望めるはずはない。
この記事では、近い将来ガッツリと良好なパートナーシップを築ける協力会社を探すための3つのテクニックを伝授したい。

ビジネスはより複雑になり、高度なバリューチェーンの構築が長期的な事業存続のためのポイントにもなっている。
現在付き合っている業者に不満を持つ上司から、早急に新たなパートナーを探すよう命じられた。あなたは最良のパートナーシップを築ける協力会社を探そうと時間をかけているが、せっかく初回のミーティングにこぎつけるも、有力候補と考えていた会社の担当者から引き出せたのは、概要的な情報のみ。
あなたがどれだけ思い入れていても、上司からはダメ出しがあるのみだ。

打ち合わせの席に現れた相手がフランクな性格で話が盛り上がったとしても、振り返ってみると本当にこの会社と付き合って大丈夫かは何となく疑問のまま。結局のところ、知るべき本質的なポイントがうやむやのままだったでは、時間を無為に過ごしたことにしかならない。
この記事は「話を盛り上げ、本音を引き出すテクニック」ではなく、ロジカルに「自分が得たい回答を確実に相手から引き出すコツ」集であり、上司からのダメ出しから逃れるテクニック集だ。

(1)採否の基準を明確にし、初回打ち合わせ前に質問しておく
(2)質問への回答と、描いていた理想とのギャップを確認
(3)細かなズレを避けるための質問を繰り返す

相手が用意する回答の精度を見るコツ

気の合う相手を探すのも大切なことではあるが、それだけに偏っていては自社にとってよろしくない。採用の基準が曖昧で、人(あなた)に属しているからだ。これを避けるためには、採否の基準を明確にしておくこと。
まず、あたりまえのことではあるが、アポイントをとるときに前もって打ち合わせの主旨を伝えておきたい。また、必ず得ておきたい情報の内容を伝え、回答を打ち合わせ時に説明してもらうようにする。その精度や力の入れ方で相手の本気度を測ることもできるからだ。
その回答があなたの予想を超えたものであるうえに、背伸びをしなくても付き合っていけそうであれば採用の可能性も一気に高まる。打ち合わせ後に追加でされた提案は熱意が感じられるし、クライアントと「寄り添おう」という気持ちの表れでもあるので評価ポイントを高く考えるべきだ。

自社が必要とする理想型を描いておく

あなたの会社にも「最良のパートナーには、こうあって欲しい」という理想があるはずだ。
だから最初にあなたがすべきなのは、自社が付き合うに値する会社かどうかを見極めるための質問と、模範解答(理想型)を用意すること。

たとえば、リスク時にもしっかりサポートをしてくれるWEBサイトの管理会社を探しているとしよう。この要望を伝えるための質問は、

「営業日外に突発的な事故が当社にあった場合、それをサポートする体制はどのようなものですか?」

そして、あなたが思い描いたパートナーの理想型は次のようなものだ。

思い描いた理想のパートナーの働きの図

話を聞くために招いたパートナー候補が提示してくると思われる回答にもバリエーションを持たせておく。

(1)24時間体制でサポートセンターが稼働しているので、問題はない。
(2)年末年始以外は誰かが出勤しているので、問題はない。
(3)時と場合によるが、携帯に連絡をもらえれば必要なスタッフを招集する。
(4)営業日外は対応できないので、翌営業日での対応となる。
(5)その他、予想できなかったもの。

引き出せそうな回答を前もって考えておくことは、すでにお伝えした。では、なぜそれが必要なのだろうか。
それは、招いたパートナー候補のランク付けをするためと、理想に近い回答を提示した者が、表面的にではなく、ほんとうに自分たちの理想に近いかどうかを見極めるための次の質問を浴びせるためだ。

事前に提示した質問に対する回答は、優等生なものが多くなるはず。金太郎飴のように感じる似たような回答ばかりを引き出してしまい、最終的には鉛筆を転がして新たなパートナーを決めるといったことは避けなければいけない。そのためには、微妙な考え方のギャップも見逃してはならないのだ。

心地よい言葉の裏をチェックするコツ

質問のコツ

24時間体制やほとんどが営業日なので問題はないといった回答は理想に近く、安心できそうに感じてしまう。しかし、ほんとうにあなたが望んでいることを担ってくれる体制といえるのだろうか。出勤している「誰か」やサポートスタッフは緊急時の対応に長けているか、そうでなければ高度な対応ができるスタッフをどのような方法で招集するのか?

「もし、うちの工場から出火すれば、広報スタッフは緊急招集されます」

受け答えとして予想されるのは、
(1)「ははぁ、夜中でも?たいへんですね」
(2)「サポートセンターと私にもご連絡ください」
(3)「そのような場合も、とりあえずサポートセンターにご一報ください」
(1)は論外として、(2)は緊急時なのに、なぜ2件も連絡しなければいけないのか。サポートセンターから自動的に伝わるようになっていることがふつうだろう。

あなたはこう続ける。

「すぐに状況を把握して、早い段階でリリースを出すルールになっています」

(1)「レベルの高い緊急時なので、とにかく早い第一報が必要ですね。断片的な情報でもいただければ、当社でまとめてリリースを出すこともできます」
(2)「リリース原稿をいただければ、サポートスタッフが公開します」

「緊急時なので、リリースの作成までサポートしていただきたいのですが」 と突っ込むと、(2)の回答はこうなるだろう。

(1)「リ、リリースの作成までは難しいかと」
(2)「専門のスタッフが到着してからではダメでしょうか」

「一刻を争う緊急時なので、外部のお力も借りるべきではないかと考えているんです」

(1)「社内で検討してから回答します」
(2)「専門スタッフの常駐が必要になると、平常時にも高いコストがかかります。レアケースのために高いコストを永続的に払うよりも、御社内から情報を更新できるようにCMSを導入するのはどうでしょう。断りを入れておけば、緊急時の第一報はあとで訂正も効くはずです」

多少の推測が入っているものの、(2)の回答はロジカルだし、新たな提案も入っている。次の質問を繰り出そう。

「リスクマネジメントに対する知見は、社内に蓄積されていますか?」

ここで即答できる会社は、ほぼ専門サービスと言っていい。一般的には、持ち帰って後日の回答となるだろう。

まとめ

今までみてきた質問のコツは、パターンを変えれば協力会社を探すためだけではなく、他の仕事にも応用できるはずだ。要するに、質問する前にあらかじめ自分のなかに理想型を描いておき、回答が理想型からどの程度の距離にあるかをチェックするのが一次チェック。理想型との距離が近くても、細かなところで考え方に相違があってはいけないので、用意しておいた「ツッコミ」質問をぶつけてみる。その回答次第で、さらに深い質問を続けていけば、不安は払拭され、新たな学びも得られる可能性もあるのだ。
これは、問いつめるための武器を持つということではない。対応する相手に公平に機会を与えるためであり、敬意を払うことにもなる。ぜひ何かの機会に、「質問のコツ」を実践してほしい。

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平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

インタビューのコツを、たった3分でつかむ方法

インタビュー時のマイク

能面のような表情にさえ見える相手のバリアを解除して、腹の底に横たわっている本音を引き出せれば!と感じたことはないだろうか。この記事を偶然見つけたあなたは、非常にラッキーかもしれない。私たちが15年以上もWEB制作会社を運営するなかで培ったノウハウを公開しようというのだから。

具体的には、新たなコンテンツを立ち上げる際に、製品やサービスの開発担当者やトップマネジメントにインタビューを行う。彼らから根掘り葉掘り聞き出すコツとそれをまとめるための手法を紹介したものだ。
おそらくこの記事を斜め読みした3分後には、あなたのなかに「!」マークがポンと飛び出していることだろう。

インタビュー・取材を成功させるコツとは?

「取材相手によって、いい話が聞ける時と上手くいかないことがあった」
「話好きの相手のペースにハマってしまい、本当に聞きたいことを質問できずにインタビュー時間が過ぎてしまった」
そんな苦い経験がないだろうか?

さっそく、聞き手のペースで興味深い話を引き出し、限られたインタビューの時間を有効に使うためのコツをご紹介しよう。

コツその1 : 予めゴールを準備しておく

インタビュー時にはメモ!

いいインタビュー記事に仕上げる最大のコツは、取材当日までにあらかじめ自分のなかでストーリーを用意しておくこと。取材しないと、どんな内容になるか分かるわけないじゃないか?と思われた方がいるかもしれない。しかしそれは大きな間違いだ。
まずプロは、インタビューの前にしっかりと情報を収集する。そして読者が興味深いと感じてくれるようなコンテンツの組み立てまでしてから取材に臨むことが多い。行き当たりばったりでインタビューを行っても、面白い話が聞けるかどうかなど2階から目薬を差すほど難しいことを知っているからだ。

あらかじめ用意するコンテンツは、大枠でよいので話の流れを決めておいたもの。もちろんコンテンツとなるインタビュー記事は、運営者の意図を反映したテーマにそった話の流れ、「理想」にしておく。そうなれば、このテーマで質問したい、具体的なエピソードや相手ならではの言葉を加えたい、というような質問の組み立ても用意できるようになる。

では、ライブ感が多少失われても、取材前にストーリーを組み立てておくメリットとはどういうものだろうか。

1-1. いちばん伝えたいメッセージを絞ることができる。

小説、新聞記事、ラブレター(もう死語かもしれない)・・・。形はさまざまでも、心に残る文章は伝えたいテーマが明確になっていて、メッセージは1つに絞られていることが多い。インタビュー記事でも同じように、もっとも伝えたいメッセージを中心に置いて、そこに枝葉の部分を肉付けしていく。メッセージがブレないようにするために、どんなストーリー構成にするかを大まかに決めておき、取材当日はその確認作業を行うつもりで臨む方がいい。

1-2. 質問がブレなくなる。

インタビュー時の必需品、レコーダー

伝えたいメッセージが明確になっていると、インタビュー時に相手からどんなコメントを取りたいかが見えてくる。
よくある失敗パターンは途中で話がそれてしまい、メインテーマとは異なる話題で盛り上がってしまうこと。心地よく話してもらうために、取材相手を盛り上げることも大切なコツだが、大切なコメントを聞き出せないで時間終了となっては、本末転倒。その場でしか聞けない話はもちろん尊いものだが、一時的に脱線しても、聞きだすべき答えをしっかりもらっておくようにしよう。質問リストを作っておくのがおすすめだ。

 

1-3. 大切なコメントを引き出すためのヒントを用意できる。

理想型を描いていたとしても、取材相手はこちらの意図どおりにはなかなか答えてくれない。簡単には心を開いてくれなかったり、当時のことを忘れてしまっていたり、質問の意図を理解してくれないといった現実も待っている。

あなた: 「30回も失敗したのに、よくまだチャレンジしようと思われましたね?」
相手:  「そうなんだよね。今だったらもう諦めてるかもね(笑)」
あなた: 「何が背中を押してくれたんでしょう?」
相手:  「昔のことだからね、何だったっけ・・・」
あなた: 「・・・・@@;」

事前に下調べをしておけば、相手に意識させることなく、スムーズにエスコートすることもできる。

あなた:  「その頃にちょうど初めてのお子さんが産まれたとか」
取材相手:「あ、そうそう!子育てで疲れていた妻のひと言がいいヒントになった」

備えとコツがあれば憂いなし。インタビューの主導権を握るためには、事前準備が成功に導いてくれる。

「でも、実際に会ってみると、話がぜんぜん違っていたら・・・?」
まったく問題ない。たとえ計画どおりに進まなかったとしても、設計図があれば、何も準備しなかった場合よりずっと次の手が打ちやすくなるものだから。

インタビューのコツを、たった3分でつかむ方法、後半は

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WEBコンテンツ企画立案のヒント

企画立案で悩んだら

WEBコンテンツ企画で必要な構成要素、ユーザー利便を図るための構成要素を挙げています。自社の事業に直接関連がなくても、視点を変えることで活用できるコンテンツがきっとあります。そもそも、まったく新しい切り口の企画など出てくるものではありません。すでにあるものをアレンジし、WEBサイトのコンセプトや目的に合致させられることが、プランナーの力量なのです。

そのためには、まずリサーチ。すでにリリースされているコンテンツには、どういったものがあるのかを眺めるだけで、「おっ」という閃きが生まれることがあります。この記事では、WEBコンテンツ企画立案のヒントになるコンテンツをできる限り列挙しています。

一般企業が運営するコーポレートサイト

HOME:SEO効果の集約地としての位置づけを

WEBサイト全体で持っているコンテンツをまとめたページにするのが鉄則。コーポレートサイトなら「企業の顔」といった考え方もあるが、当社では異なる見方をしている。会社情報や製品関連など、下層の各セクションでコンテンツが積み上げているSEOの効果が集約されるページがHOMEであり、WEBサイト全体のSEO集約の場だということだ。

たとえば、当社でいえば訪問してもらいたいのはWEB制作会社を探しているクライアント候補。下層ページでWEB企画制作のノウハウや考え方を綴ったコンテンツを配し、それぞれのページやセクションで狙うSEOキーワードで上位表示を目指す。

下層ページで得られたSEOの効果(細かなSEOキーワードで上位表示を獲得)は上位ページへのリンクを経由し、最終的にHOMEへ流れるというものだ。HOMEにその効果が影響を及ぼす頃には、WEBサイト全体として集約されるので、より大きなSEOキーワードの効果となって現れることになる。

下層ページからのSEO効果を受け止める地盤とWEBサイト全体としての世界観を表現しておく使命を両立させることが大切なので、このバランスを上手くとることが肝要だ。

下層ページのSEO効果がHOMEに伝わるしくみ

会社情報:経営陣の言葉を重視すべき

WEBサイトが存在するかどうかも、取引を開始するかどうかの指標となっている。その条件として、データとしての会社情報の持つ役割は大きい。
意外と認識されていないのは、経営陣の発する言葉の重要性。営業スタッフが新規訪問した後、対応した担当者は会社情報をチェックする。取引をする価値のある会社であるかどうかを見極めるために会社概要はもちろん、かなりの確率でトップメッセージを確認する。

上場企業のトップが交代すると株価に影響する。誰が会社を指揮するかで、企業の業績は変わってしまうからだ。株主のなかには、「あの社長が好きだから応援する」と株式を長期保有する方さえいる。
世の中は社長を見れば会社を見抜く。言葉を読めば、どのような社風なのかの見当をつけていると考えた方がいい。総務部の社員が撮った写真ではなく、プロのカメラマンにポートレイトを撮ってもらい、より良い会社と感じさせる言葉にメッセージを差し替えるべきだ。

データ系 会社概要、事業概要、関連企業紹介、事業所案内、保有施設の紹介、など
人系 トップメッセージ、役員紹介、創業者について、など
理念系 経営理念、コーポレートスローガン、ビジョン、コーポレートガバナンス、など
広報系 社史(沿革)、ロゴマークについて、会社情報(冊子)、広報活動について、など

製品サービス情報:ユーザーの望みをかなえる

WEBサイトのなかで唯一の「プロフィットセンター」とも言えるセクションであるにもかかわらず、多くの企業で問題を抱えているのが製品サービスの紹介セクションだ。

指名買いでない限り、ブランド指定+製品の一般名称で検索されることがないことを担当者は理解していない。たとえTVCMを常に流している巨大企業であったとしても、だ。製品写真とスペックが並んでいるだけの、お粗末な紹介ページが多いことにユーザー候補は閉口している。
それなら、価格コムや楽天のレビューを読んだ方がよほど参考になるから、どんどん悪循環を生み、製品セクションが機能しない。

あなたのWEBサイトは、ユーザー候補の望んでいること、知りたいことを網羅しているだろうか。店頭で販売員にユーザー候補が質問していることを盛り込んでいるだろうか。紙のカタログは1社独占で情報を伝えるものであるから、自社の主張だけを刷り込んでもOKだ。しかしWEBサイトはすぐ隣にライバルが控えている。0.3秒後にはライバル会社の充実したコンテンツにユーザー候補は洗脳されていると考えるべきだ。

データ系 機能紹介、特長、スペックシート、仕様比較、在庫情報、機能一覧、検索機能、他社製品との比較、など
サポート系 便利な使い方、上手な使い方、利用方法提案、用語集、FAQ、愛用者登録、故障かな?と思ったら、修理・メンテナンス、部品、消耗品、オプション、見積もり、リコール情報、CADデータ、設計支援、写真提供、製品安全データシート、ソフトウェア提供、デモ機貸し出し、取扱説明書、設置(工事)要領、使用方法説明動画、生産終了品リスト、レシピ集、着せ替えシミュレーション、カスタマイズシミュレーション、など
営業(代理店)支援系 提案資料集、販促ツール提供、代理店募集、販売店紹介、設置シミュレーション、など
信頼獲得系 お客様の声、事例集、開発者インタビュー、など
プロモーション系 電子カタログ、キャンペーン情報、クーポン、販促動画、広告ギャラリー、展示会情報、メールニュース、SNSアカウントへのリンク、ファン組織、関連製品へのリンク、新着情報、など

採用情報:キャリアパスの掲示がカギ

売り手市場に変化しつつある状況で、採用情報も問題の多いセクションだ。
製品情報と同様、大多数の求職者はリクナビ、毎ナビなどの採用情報ポータルで情報をチェックする。その後確認のために応募しようとする企業の採用情報をチェックしに来ている。その際に大切なのは、採用情報ポータルで提供したコンテンツと意味的に相違ない情報になっているかという点。

加えて、キャリアパスを掲示していない企業が多いことが気になるポイントだ。状況の変化や見直しが加わることで、キャリアパスで紹介されているような道筋が100%だとは言い難い。それでも彼らは、自分がどういう方法で職務経験ができるのか、出世できるのかに興味がある。

採用情報ポータルを使っているからという理由で、「募集要項」と「先輩の声」しかない採用情報は、求職者からの信頼を得られない。採用情報コンテンツも、求職者の声に耳を傾けるべきだ。

ニュース(トピックス):記事執筆の流儀を採り入れる

ニュースリリースを執筆する際に注意すべきポイントは、冗長な表現、事実はでない(将来の可能性)こと、文章の分類だ。
企業からのリリースが記事になる頃には、おおよそ文章量は半分程度に削られている。報道として伝えるためには、それほど無駄が多いということだ。

広報は、記者との関係が大きな部分を占めていたりする泥臭い世界ではあるが、いざ記者が記事を執筆しようとするときに、解読しなければならないようなリリースではせっかくの機会を逃してしまう可能性すらある。

広報担当者は、記者がリリースをもとに記事を書き進めていく「流儀」を学んでおくべきだ。

IR(財務)情報(上場企業の場合):情報の事前流出は防ぐ

WEBサイトから情報が事前流出するのを防がねばならない。CMSの普及で、決算短信など株価に影響する決算情報を公開予約することが多くなった。ここで注意しなければならないのは、公開予約したPDF資料などが公開領域にあり、しかも推測されやすいファイル名(tanshin-1401.pdfなど)になっていると、必ず事前流出する。

IR情報に限らず発表まで極秘の共同事業や新製品情報など、事前に公開してはならない情報はWEBサーバーの公開領域には置かないことだ。もし不安なら、WEB制作会社に確認することをおすすめする。

サイトとしての必須条件

ご利用にあたって、個人情報保護について、NotFoundページ(※)

権利関係について意識の低い中小企業で、理解されていないコンテンツの代表選手。タイトルにもあるように、とにかく「必須」だ。
とくに個人情報に関する規定(プライバシーポリシー)。2003年に施行された個人情報保護法で、5,000人以上の個人情報を保有する者は個人情報取扱者とみなされ、個人情報の取得にあたっての目的と利用方法を個人情報を提供しようとする本人に確認せよと命じている。
ということは、お問い合わせフォームを通じて個人情報を得る際には、必ず目的と利用方法を明示し、同意を得なければならないのである。

※存在しないURLにアクセスがあった際に表示するページのこと。URLが間違っていた場合や、ページがなくなった場合にNotFoundページを表示すれば、どこのWEBサイトであるか分かったり、リンクを伝ったり検索することでWEBサイトから離脱せず目的のページへ誘導できる可能性が高まる。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

動画マーケティング成功事例 | イメージ改善で売上に貢献

ケーキハウス・ツマガリ「ラッピングギフトの現場」

動画:ツマガリTV「ラッピングギフトの現場」

動画マーケティングを成功させるために配慮すべきポイントを、当社のWEB制作実績を例に挙げてご紹介します。

売れる可能性を持った商品であるにもかかわらず、広い支持が得られていない。課題はシンプルで、WEBサイトでその良さを十分に伝えること。これを解決するための方法のひとつとして、動画コンテンツを検討します。

高速回線が普及し、動画をスマホで視聴することが多くなったこと※1、動画が商品購入に強く影響すること※2も分かってきており、動画マーケティングへの需要が高まってきています。この記事では、課題の背景から動画コンテンツ企画のポイント、既存のWEBサイトも含め効果を高める方法をお話しします。

※1:動画サイトでのスマホ率がPCに並んだ(2014年2月のニールセン調査)。
※2:オンラインショッピングサイトで動画コンテンツを視聴した訪問者の商品購入率は、視聴していない訪問者の2倍(米国の動画専門企業であるInvodo社実績)。

「おまけ」的な商品イメージを変えたい

動画:ツマガリ・ラッピングギフト

ケーキハウス・ツマガリのメイン商品は日本全国から支持され続けているお菓子であり、「ラッピングギフト」商品は、同梱されているクッキーを引き立たせるためのもの、といったイメージがありました。

クリスマス時期になると店頭に並ぶ、長靴に詰まったお菓子に代表されるように、一般的にお菓子に付いているプラスアルファ品は、「おまけ」程度にしか考えられていません。しかし実際のツマガリのギフト商品は、半年以上前から自社で企画し、製作も手がけるほど気合いの入ったもの。

パティシエたちがお菓子にかける情熱と変わらないほど真摯に向き合っているのです。「知る人ぞ知る」人気の存在であったにもかかわらず、WEBサイトでもお菓子の紹介ほど注力していなかったため、「ツマガリのギフト商品は良い」とまで認知はされていない状況でした。

この状況を変えるために、商品クオリティの高さを訴求するストーリーを持つ動画コンテンツにする必要がありました。

ツマガリはYouTubeに公式チャンネルを開設しており、動画によるマーケティング効果を理解されています。これまでにも津曲社長によるケーキの切り方コンテンツがYouTubeでフィーチャーされ、6万回を超える視聴回数を記録していたことも新規のコンテンツを制作するきっかけとなりました。

成功の法則:意外性をベースに据えると視聴時間は伸び、理解度は深まる

人は、それまで自分が持っていた感覚を覆されるような事実を目にすると、その事実に驚き、興味を持ち、確かめたくなります。このポイントを動画マーケティングでは外すことができません。

今回の動画コンテンツの意外性は、先ほどご紹介した「決しておまけではない商品レベルの高さ」です。オンラインショップのサポートを行っている当社のスタッフでさえ、この企画が持ち上がる前まではツマガリのオリジナル商品に対して、一般的な固定観念を持っているだけでした。動画マーケティングに取り組む前段階で商品ページの改善を行った際、商品に実際に触れたことでその意外性に気付いたほどでした。

この意外性(CONFLICT=自分のなかの既成概念を壊してしまうような葛藤を覚える感覚)を中心に据えるということで、動画マーケティングのコンセプトは固まったのです。

オリジナル性の高い商品、クラフト感を訴求

動画:ツマガリ「ラッピングギフト」

商品の特長を訴求するために、できるだけ多くの商品映像をクリップ。ケーキハウス・ツマガリのギフト商品は、担当部門のラッピングルームの女性スタッフたちが、「こんなアイテムがあったらいいな」を形にしたもの。また、長く使ってもらえるようにと使用する素材も「儲ける気がないのではないか?」と感じてしまうほどベストな選択をされています。このように商品力が強いので、できるだけ多くの商品、素材の映像をつなぎ合わせ、その優位性を紹介することにしました。

さらに、クロスステッチの刺繍やワッペンの切り抜きなどは自社で加工しています。こういったポイントも今回の動画マーケティングのコンセプトに合致したものであり、実際にスタッフが作業をしている手元の映像も盛り込み、「工房」といった雰囲気も演出しています。

ボケ感を大事にし、イメージ的な要素も盛り込む

雑貨アイテムの紹介には、心地よい雰囲気づくりが必須。書店に並ぶ雑貨アイテムの広告本も、浅いピントで背景を最大限にボカした雰囲気の写真が多く使われています。このような雰囲気が演出できれば、視聴者側でさらにイメージを膨らませてくれ、自分の暮らしのなかでの使用イメージまで広げてもらうことも期待でき、広告効果も限りなく高くなるのです。

これを実現するために採用したのは、独特のボケ感を醸し出すことのできる一眼レフでの撮影。被写界深度を浅くしボケ感を出すことで、心象風景的な映像を多くしました。

映像で雰囲気を伝え、音声でクオリティや思想を伝える

動画:ツマガリ「ラッピングギフト」

インタビューのパートは、アクセント的に最も大切なポイントだけを伝えます。

百戦錬磨の営業担当役員でも、やはりカメラの前では緊張するもの。俳優やアナウンサーのようによどみなく語るのはむずかしいものです。上手く語れるまで何回もテイクを繰り返し台詞は上手く言えたとしても、表情など映像の要素も絡むので、良い結果が得られるとは限りません。

インタビューパートは欠かせないポイントだけを採用するようにし、それ以外は、編集で音声をつなぎ合わせ、他の映像の背景で流すのが大切です。

冒頭にラッシュパートを作ることで、視聴時間を改善

TV広告でよく観る映画の予告編のようなラッシュ(いくつかの映像が細かく切り替わる)を冒頭に配置すると、動画全体を把握できる効果を生みます。一種の賭けでもあるのですが、ここで興味を持ってくれた視聴者は顧客になってもらえる可能性のある方であり、最後まで動画を見てくれます。ラッシュなしの映像と比較したテストの結果、最終的には全体の再生時間が23%も改善しました。

スチル写真との組み合わせで販売を伸長

最終的な目的は商品がより良く見え、数多くの販売ができること。今回の企画はラッピングギフト商品全般の紹介動画だったため、単体での商品紹介ページはありません。全体のキャンペーン企画ページが設定されており、動画コンテンツはその中に組み込まれています。

訪問者が動画を視聴した後にチェックする単品の商品紹介パートにいたると、それぞれがレベルの高い商品であることを証明するために用意された細部を拡大する写真が掲示されています。ここで改めて動画の内容を再確認した訪問者に購入を促していくのです。

まとめ

動画マーケティングツールとしての映像活用は、多くの可能性を秘めています。ほとんどの訪問者がWEBサイトのテキストを斜め読みするのであり(ヤコブ・ニールセン)、それに対応できるコピーライティングを行っていないと、訴求すべき内容がターゲットに伝わらないまま離脱されてしまうかもしれません。

それに対し、動画コンテンツではナレーションや音声、コピーを上手く盛り込み、最後まで見たくなる構成にすることで訴求したい情報を残らず理解してもらえる可能性があります。
さらに、今回ご紹介したようにWEBページとの連携を深めることで動画コンテンツは、マーケティング・ツールとしていっそう活用の幅が広がっていくのです。

取材・撮影について、もう少し詳しく
WEB制作実績
ケーキハウス・ツマガリ

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」