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WordPressで構築する製品情報システム(製品情報CMS)

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多品種多品目を扱う企業WEBサイトでは、製品や商品、サービスを紹介するための「製品(商品)情報システム」が組み込まれているケースが多い。
「製品情報システム」と聞くと、一から手作りする「スクラッチ開発」で構築する傾向にあるが、当社では、WordPressを「製品情報CMS」に仕立て、比較的短かい納期で、質の高い製品情報システムを数多く提供してきた。
ここでは、過去の導入事例から「製品情報CMS」で実現した要件や解決できた課題を紹介しよう。

WordPressベースの製品情報CMSとスクラッチ開発

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当社では、WordPressを製品情報システムのベースとすることで、スクラッチ開発では避けて通れない開発工程の一部を省いてきた。いや、「省いた」のではなく実際には「意識しなくてもよくなった」と表現する方が正しいかもしれない。

その工程とは、
・データベース(テーブル)設計/構築
・管理画面の設計/プログラミング
である。

データベースについてはWordPressの構造をそのまま利用するため、開発の段階においては、データベースの存在を意識することはなく、WordPressに標準装備されている機能を呼び出したり、足らずはプラグインをインストールし、そのプラグインが持つ機能を通じてデータベースを呼び出す形になる。
管理画面についても同様に、ログインユーザー管理はもちろん、プラグインが自動生成する入力フォームを利用し、製品情報の入力画面としている。管理画面については、ほぼノンプログラミングに近い。
これらの工程が省かれることが、工数の削減と、この工程で入り込む不具合の排除に寄与しているといえるだろう。

以降では、WordPressベースで製品情報CMSを構築した過去の事例を紹介しよう。
いずれの事例もWordPress標準のカテゴリーと「Advanced Custom Fields」プラグインを駆使して実現したものだ。

製品ごとに仕様項目が異なる製品情報システム

このクライアントは、特定の業界に対応した製品群を製造販売している企業ではあるものの、製品のカテゴリーごとに全く異なるスペック項目を有している。それらの込み入った内容をHTMLに触れることなく誰でも編集したいというのがクライアントから提示された要件であった。

スペック表のような細かなテーブルは、いろいろな方法でWEBサイトに掲載する方法がある。
例えば、
  ・スペック表の部分だけを抜き出してHTMLファイルで記述し、表示処理で組み込んで掲載する。
  ・テキスト入力欄を1つ設けて、そこにHTMLでテーブルを入力する。
  ・リッチテキストエディタの入力欄を1つ設けて、そこにExcel上で作ったテーブルを張り付ける。
  ・スペック表に則した入力項目を準備し、スペック内容だけを入力する。
などが挙げられる。
いずれの方法も、当社で過去に構築したことのある方法であるが、クライアントのWEBサイト運用スキル(HTML知識の有無など)とコストを鑑みてどの方法を採用するかを決定している。
今回のクライアントは、4つ目の「スペック表に則した入力項目を準備し、スペック内容だけを入力する」方法を採用した。

実はこの製品情報CMSに関するコラムは、既に執筆済みなので、詳しくは以下のページを参照されたい。
WordPressでCMS:仕様項目まで更新可能、運用コストを低減

詳細ページに関連情報を集約する製品情報システム

せっかく製品情報システムを作るのだから、できるだけ多くの情報を掲載したい。
たいていのクライアントが異口同音に発するフレーズだ。
我々もそれに応えるべく知恵を絞り、構築作業に勤しむが、忘れてはいけないことがある。
それは、「初期はもちろん、日々の運用でもそれだけ多くの情報を入力しなければならない」ということだ。

クライアントからも、日々の運用負担を考慮し、以下のような要件が提示された。
  ・Q&A1つを、複数の製品および複数の製品カテゴリーに割り当てたい。
  ・アクセサリー1つを、複数の製品および複数の製品カテゴリーに割り当てたい。
  ・既登録の製品を選択するだけで関連製品を登録したい。

Q&Aとアクセサリーは、ほぼ同じ画面構成で以下のようなイメージで管理画面を準備した。
これによって、同じ内容のQ&Aやアクセサリーの情報を製品ごとに登録する手間が省けてクライアントには好評を得た。

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関連製品の登録は、以下のようなイメージで管理画面を準備した。
「行を追加する」を押下すれば、ひとつの製品に複数の製品を関連付けが可能だ。

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複数の切り口から製品にたどり着ける製品情報システム

製品情報システムでありがちなのが、「製品カテゴリー(分類)」に従って製品詳細までたどらせる方法。
この「製品カテゴリー」は、製品を提供する側の都合で体系付けされていて、サイト訪問者にとってはピンとこない場合が多い。
サイト訪問者は往々にして、何かの目的を果たしたい、ある課題を解決したい、などいったニーズをもってWEBサイトにやってくるが、そのとき示される入口の情報が「製品カテゴリー」だけでは、自分のニーズがどの製品で満足されるのか頭の中で変換しながら試行錯誤し、製品を探すことになる。

そこで、このクライアントでは、「製品カテゴリー」とは別に「製品用途」と「対応業種」を追加し、3系統の製品体系を準備し、利便性の向上を図った。

以下のようなイメージで複数体系を登録する管理画面を準備した。
この例では1つの製品情報の中で、製品カテゴリーは1つ、用途と業種は複数を設定可能にしている。

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WordPressでCMSを構築する際の注意点

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以上、いろいろとWordPressで構築するCMSの利点や管理画面の作りを紹介してきたが、WordPressが万能だとは決して言っていない。例えば製品情報システムの機能としてありがちな「キーワード全文検索」や「複数条件を組み合わせた絞り込み検索」などは、当社でもスクラッチによる開発で実現し、WordPressを用いたCMSでは構築していない。なぜなら、これらの機能はWordPressでも実現できなくはないが、得意ではないからだ。その理由は、データベースのデータの持ち方に起因する。

スクラッチで開発するような製品情報システムの場合、基本は1製品で1レコードの情報を持つことになるが、WordPressの場合、データ構造に柔軟性を持たせるため、1製品で複数レコードを持つことになってしまう。例えば製品情報の項目が20項目あった場合、20レコード以上のレコードが生成されてしまうことになる。また、他にも付属の情報があった場合、それらは1つのテーブルの中に詰め込まれてしまう。
なぜ1製品の情報を複数レコードに持つことが良くないのか?
データベースを用いてシステムを開発することのある読者ならわかると思うが、製品検索の絞り込みで3つの条件を設定して絞り込む場合、少なくとも3回は、データが格納されているテーブルをフルスキャンすることになる。その上、フルスキャンするテーブルには、製品数の項目数倍のレコード数がある(実際は、さらにその2,3倍は格納されている)。否応なく、検索に時間がかかるし、サーバーにも負荷をかけてしまう。そのため、複数の訪問者が同時に検索をかけた場合、相応に待たせてしまうことにもなる。

したがって、WordPressを製品数が数千点以上になるような製品情報システムのCMSとして用いるには無理がある。せいぜい500点以下に留める方がよいだろう。

WordPressは使いよう

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人に得手不得手があるように、WordPressにも不得手がある。人と同じようにWordPressの得手をほめて伸ばしてあげるように利用すれば、WordPressはその真価を発揮してくれるのではないだろうか。

筆者が最近構想することに、「WordPressとスクラッチ開発のハイブリッドシステム」がある。
製品情報の管理機能であるバックエンドの部分はWordPressで構築し、WEBサイトから直接アクセスされるフロントエンドの部分はスクラッチ開発で検索機能を構築するのである。そして、WordPressのデータベースとスクラッチ開発のデータベースの間に「本番公開機能」を設けてWEBサイトの情報を更新するのだ。なかなかいいアイデアだと思うが、まだ実現には至っていない。

初心者が、WordPressでコーポレートサイトを作る全手順-2

初心者が、WordPressで企業サイトを作る全手順-2

初回の「初心者が、WordPressで企業サイトを作る全手順-1」では、企業サイトの体裁をおおよそ完成させた。

第2回目となる今回は、各セクションの体裁をどうするか、どうやって更新していくかについて紐解いていこうと思う。

数あるCMSツールのなかでも、WordPressは実は初心者にとっても扱いやすいもので、なおかつ極めようと思えば、その意思に応えてくれる奥深さも備えている。

「初心者が」のキモは、あらかじめテンプレートが準備されているCMSツールを活用することによって、HTMLやCSSといった、いわゆるWEB制作の知識がなくても、WEBサイトとしてある程度の体裁を整えられることだ。

少し馴れてきたら、WordPressを使って、試行錯誤しながらでもWEBサイトにあなたのオリジナリティを組み入れていくことにもチャレンジしてほしい。

最新のお知らせを掲載する

お知らせの最新5件をページの右側(サイドバー)に表示する。
管理画面の[外観]-[ウィジェット]の「副ウィジェットエリア」に「最近の投稿」を設定すればよい。
「最近の投稿」をクリックし、「副ウィジェットエリア」をチェック、「ウィジェットを追加」をクリックする。

最新のお知らせ1 ウィジェット追加

続いて「副ウィジェットエリア」に追加された「最近の投稿」のサイト上の表示文字を変更する。
「副ウィジェットエリア」の「タイトル」欄に、表示したい文字を入力すれば変更できる。ここでは「最新のお知らせ」とした。
最新の表示件数を増やしたいのであれば、「表示する投稿数」を希望する件数に変更しておこう。

最新のお知らせ2 ウィジェット編集

ここまでの作業で、ページの右サイドバーに「最新のお知らせ」欄が追加された。

最新のお知らせ3 TOPページ

サイトのTOPページ(HOME)を作る

ここから固定ページの内容の入力を進めていく。
まずは、サイトTOP(HOME)だ。

現状は、サイトTOPには、投稿ページで入力されている最新の記事が表示される設定になっている。
ページの内容を入力する前に、サイトTOPに固定ページで作った「サイトTOP(HOME)」が表示されるように変更する。
操作は、管理画面の[設定]-[表示設定]の「フロントページの表示」を変更すればよい。
「固定ページ」をチェックし、「フロントページ」から「TOPページ」を選び保存する。

TOPページ TOPを固定ページに設定

ここまでの作業でサイトのTOP(HOME)には固定ページで作成した「TOPページ」が表示されるようになった。ここで、1点気になることが・・・。それは「TOPページ」と固定ページのタイトルが表示されていることだ。
会社案内や事業内容であればこれでいいが、サイトのTOPに「TOPページ」とは、なんともセンスがない。

TOPページ タイトル不恰好

これを解消するには、テーマを改造する方法もあるが、ここでは固定ページのタイトルをHTMLのコメント化(コメントアウト)し、表示させなくすることで回避しておく。
操作は、管理画面の[固定ページ]-[固定ページ一覧]から以前に作成した「TOPページ」を編集で開く。
そして、タイトルをHTMLのコメント記述ルールに従って修正する。HTMLのコメントは、表示したくない文字列を「<!ーー」と「ーー>」で囲めばよい。
今タイトルに入力されている「TOPページ」を「<!ーーTOPページーー>※」と修正し、更新する。

※本来は半角で記述すべき。

TOPページ タイトルコメント化

サイトのTOPページを確認すると、固定ページのタイトルは表示されなくなった。

HOME

次にTOPページの内容を入力していこう。
まずTOPページに何を掲載するかを考える。
無難なところで、

  • 事業内容をイメージできるビジュアル画像
  • 企業メッセージ

で構成する。

まず、ビジュアル画像を準備する。WordPressの管理画面の中で画像のリサイズや切り出しなどの編集も可能だが、今回は幅600px高さ200pxの画像を事前に準備した。
操作としては、先ほどと同様に管理画面の[固定ページ]-[固定ページ一覧]から以前に作成した「TOPページ」を編集で開く。そして、仮の入力内容を消去後、「メディアを追加」から準備したビジュアル画像を選択する。

TOPページの内容を入力

「メディアを追加」をクリックすると「メディアを追加」画面がポップアップするので、「ファイルを選択」から表示されるダイアログで準備しておいたビジュアル画像ファイルを選択する。

TOPページ

選択したビジュアル画像を開くと、画像をアップロードの後、以下のような画面になる。
「添付ファイルの表示設定」の中の「サイズ」をフルサイズにして「固定ページに挿入」をクリックすれば、固定ページの入力画面に組み込まれる。

TOPページ メディアを追加

以下が固定ページの入力画面に組み込まれた状態だ。

TOPページ ファイル選択

次にビジュアル画像の下に企業メッセージを掲載する。
ビジュアル画像の下あたりをクリックし、Enterキーを押すとカーソルが表示されるので、メッセージを入力して、更新する。

TOPページ ファイル挿入

TOPページを見てみよう。

TOPページ 挿入後

会社案内ページを作る

次に会社案内のページを制作する。
会社案内に関しては、次の手順で制作する。

  • MS-Excelで内容を入力
  • MS-Excelのセルをコピー、WordPressの固定ページ入力画面にペースト

この方法を用いると、HTMLを知らなくても表組みで内容の掲載が可能になる。

まず、MS-Excel上で会社案内の内容を入力する。おおよそ以下のような内容だろう。

会社案内ページ Excel

次に管理画面の[固定ページ]-[固定ページ一覧]から以前に作成した「会社案内」を編集で開く。
そして、先ほどのMS-Excelに入力した内容を範囲選択してクリップボードへコピーし、「会社案内」の編集画面でペーストすれば完了だ。

会社案内ページ ペースト

会社案内ページを見てみよう。
表組みされているので項目名と内容がきれいに面一で揃っている。
画像では見難いが罫線も入っている。

会社案内ページ

初心者が、WordPressでコーポレートサイトを作る全手順-2、後半は

「事業内容ページを作る」へ

初心者が、WordPressでコーポレートサイトを作る全手順-3

初心者が、WordPressで企業サイトを作る全手順-3

初心者でも、WordPressなら企業サイトを構築できる。前回の記事では、この命題を実現できることを証明した。

全3回でお届けする、「初心者でも企業サイトを」の最終回の今回は、もう少しWEBサイトの内容をそれっぽいものにできるような工夫を凝らしていく。

Googleがスマホサイトに対応していないWEBサイトの検索順位を下げると宣言し、戦々恐々としている担当者も多いかもしれない。しかし、もう少しだけ努力すれば、レスポンシブデザインさえカバーすることができる。もうスマホ化の心配など無用になるのだ。

前回の記事では、企業サイトのおおよその体裁を整えることに注力した。各セクションのページを作ってきたわけだが、企業サイトのツールとして必要なのは、情報の更新「お知らせページ」を設けることだ。WordPressをCMSとして使う大きな理由でもある。

WordPressで最新のお知らせページを作る

お知らせの掲載はWordPressの機能「投稿ページ」で制作する。
初期状態では「Hello World!」が1件登録されているので、「Hello World!」を削除してから新たに「コーポレートサイトをリニューアルしました。」記事を登録しておこう。

管理画面の[投稿]で投稿ページの一覧が表示されるので、タイトルが「Hello World!」のページを「ゴミ箱」へ送る。

Hello World削除

続いて「新規追加」で「コーポレートサイトをリニューアルしました」ページを作成する。
要領は、固定ページの作成と同じなので、前回の記事を参考にしてほしい。

記事入力

作成した「コーポレートサイトをリニューアルしました」ページをチェックしてみよう。
少しタイトルが大きいので、スタイルシート(CSS)に修正を加える必要がある。ただし、細かな調整はもう少し後にして、今はこのままにしておこう。

「コーポレートサイトをリニューアルしました」ページ

お知らせの一覧を見てみよう。
「未分類」と表示されるのが気になる。
「未分類」を「お知らせ」に変更しよう。

未分類気になる

管理画面の[投稿]-「カテゴリー」で現在登録されている投稿ページのカテゴリーの一覧が、ページの右側に表示される。
初期状態では、「未分類」1つが登録されている状態だ。
「編集」をクリックし、名前を「お知らせ」、スラッグを「news」に修正しておこう。

カテゴリー
カテゴリー編集

お知らせの一覧をチェックすると、「未分類」が「お知らせ」変更されている。

お知らせになった

ヘッダー画像を差し替える

企業サイト作りも、ようやく終盤にさしかかっている。こんどは、ヘッダーの背景画像とタグライン(メッセージ)を変更しよう。

管理画面の[外観]-「ヘッダー」でヘッダーのデザインなどが編集できるようになる。そのなかの「ヘッダー画像」でヘッダーの背景画像を変更する。「新規画像を追加」から任意の画像を選んで設定する。

ヘッダー画像差し替え

「ファイルをアップロード」で新たな画像ファイルをアップロードして使用する。
「ファイルを選択」から表示されるダイアログで

アップロード

ファイルのアップロードが正常に終わると「選択して切り抜く」から、ヘッダーのサイズに合った部分を指定し「画像切り抜き」で切り抜く。

切り抜き

「保存して公開」でヘッダー画像の変更は完了だ。

保存

トップページをチェックすると、ヘッダー背景が変更されている。

TOPページ

次にタグライン(メッセージ)を変更し、文字色も同時に調整しておこう。

管理画面の[外観]-「ヘッダー」でヘッダーのデザインなどが編集できるようにする。そのなかの「サイトタイトルとキャッチフレーズ」でタグライン(メッセージ)を修正する。

メッセージ変更

同様に、「色」でテキストの表示色を変更する。
「保存して公開」をクリックすれば完了だ。

文字色変更

完成したサイトを見てみよう

ここまでの作業で制作したページを見てみよう。

TOPページ

会社案内

事業内容

お問い合せ

お知らせ

スマホサイトを見てみよう

ちなみに、今回のサイト構築で利用したWordPressのテーマ(フォーマット)は、レスポンシブにも対応しており、実は、裏側ではすでにスマホサイトができあがっている。
以下にスマホページのキャプチャをいくつか紹介する。

スマホサイト・トップページ

スマホサイト・会社案内

スマホサイトのグローバルナビ

WordPressがあれば、初心者でも十分に企業サイトを構築できる

ここまでの作業でようやく企業WEBサイトを完成させることができた。ミニマムな構成であれば初心者でも企業WEBサイトが作れることが理解していただけたと思う。

もちろん、この仕上がりが最善だとは筆者は考えてはいない。しかし、企業サイトにとってほんとうに大切なことは、訪問者に対して有益な情報を提供し、それによって実現する「集客」であるはずだ。

たったこれだけのサイトであっても、訪問者が「助かった」と感じてくれるほどの有益な情報が掲載されているサイトであれば、検索エンジンも高い順位を差し出してくれる。

これを実現するためには、WordPressで構築したWEBサイトの強みを活かし、更新を怠らず、あなたの顧客候補が何を求めているかを模索し続けよう。検索エンジンのクローラーがあなたの新しいWEBサイトを巡回してくれる日は近い。

WordPressで改行や段落を挿入するには

WordPressで改行や段落を挿入するには

当社が制作するWEBサイトには、ニュースやトピックスのコンテンツ管理にWordPressを導入するケースが多い。本公開後、クライアントがニュースを掲載しようとするときによくある質問が「改行すると、行間が広くあいてしまうんだけど・・・」というもの。
WordPress初心者が感じる疑問のひとつだ。ふだん、業務で使い慣れているMS-Wordとは挙動が違うので戸惑ってしまうわけだ。

慣れてしまえばどうってことはないが、質問を受けることが多いので、今回は、WordPressの投稿画面で改行や段落を挿入するときのコツを紹介しておこう。

「CMSで改行すると、行間が広くあいてしまうんだけど・・・」

この質問の「改行」、おそらくこのクライアントは文章の途中で次の行にカーソルを移したくて「Enter」キーを打ち込んでいると思われるが、この操作は「改行」ではなく「改段落」の操作をしてしまっていることをご存じだろうか?
では、改行はどうするのか?
「Shift+Enter」キーを打ち込むことで「改行」させることができる。実は、この考え方はMS-Wordでも同じなのだ。MS-Wordの例を下に示しておく。

WordPressでの改行位置

ここでは話が混乱するので、もっと詳しく知りたい方は以下のページなどを参考にしてほしい。

「改行=Enter」じゃないって知ってた? 皆が知らないWordとPowerPointの罠!

WordPressでは、改行にならない「Enter」キーの正体

WordPressの投稿画面では、「Enter」キーを打ち込むとその前のテキストの塊をひとつの段落としてまとめ「pタグ」で括るようにHTMLが自動展開されている。下の画像では、赤ラインの部分にカーソルを位置させ「Enter」キーを打ち込んだ場合の見え方と自動展開されるHTMLを示している。

WordPressでは、改行にならない「Enter」キーの正体

「Enter」キーを打ち込むと、カーソル位置で「改段落」され、次の段落との間に規定された余白が作られる。

改行

改行

HTMLは、以下のように生成されている。

改行したあと

WordPressで改行したければ「Shift+Enter」キーを打ち込むべし

先に触れたように文章中で次の行に「改行」したければ、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを打てば、不意な余白が発生することなく改行することができる。下の画像では、その状態を示す。

WordPressでは、改行にならない「Enter」キーの正体

改行させたいところにカーソルを位置させ、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを打つ。

余白はない

HTMLは、pタグではなく改行を指示する「brタグ」が追加されている。

「brタグ」が追加されている

以上が、「Enter」キーだけを打ち込んだ場合と「Shift+Enter」キーを打ち込んだ場合のWordPressの挙動の違いだ。「挙動を逆にすればいいのに」と思ったりもするが、こればっかりは慣れてもらうしかない。

段落と段落の間を調整したい

見た目に凝りだすと段落と段落の間を「もう少し広く」などと調整したくなると思うが、残念ながらWordPressの管理画面上にはその部分を簡単に修正できる機能を備えていない。この場合は、先ほど説明した「Enter」キーを打ち込んで自動展開される「pタグ」に対してスタイルシート(css)の「マージン(margin)」を調整する必要があるが、これは、制作会社に依頼するかスタイルシートに詳しい方に作業してもらう方がいいだろう。

読みやすいページは余白がきれい

読みやすいWEBサイトは、文章自体の読みやすさはもちろんだが、ページ全体の余白の使い方が上手い。筆者は、技術情報を求めて日に何十回と検索をかけ、何十とページを読むが、そのさい行間が詰まっていて段落が取られていないページだと読む気がせず、次の検索結果から違うページに進むことがよくある。

上記のことは、訪問者が読むニュースやトピックスについても同じことがいえる。このコラムの読者には、改行と段落を上手く使いこなしてもらい、読みやすいページ作りを心がけてほしい。

WordPressでYouTube動画を埋め込み、ギャラリーに

WordPressでYouTube動画を埋め込み、ギャラリーに

通勤電車のなかで、待ち時間に、テレビを観ながら、話題の動画をオンデマンドで楽しむ毎日。 携帯デバイスの4G LTE化も手伝い、YouTubeは、いまや企業にとってプロモーションの必須ツールになった。

外部のサービスを自社サイトに取り込むのは、サービス提供サイトの仕様変更などに伴ってリスクがついてまわるが、それを補っても余りあるほど恩恵は大きいものだ。

今回は、YouTubeの公式チャンネルに登録した動画コンテンツをWordPressの記事に埋め込んだり、自社の動画ギャラリーとして公開する方法を紹介する。YouTubeを代表とする動画SNSの採用を検討する際の参考となれば幸いだ。

動画ギャラリープラグインは、企業サイトに馴染みにくい

動画ギャラリープラグインは、企業サイトに馴染みにくい

WordPressには、動画ギャラリーに関するプラグインも数多く存在する。 しかし、評価の高いプラグインをざっと試したものの、個人ブログなら許される機能やフォーマットも、高機能すぎたり見せ方が奇をてらいすぎている感がある。企業サイトに導入するには馴染みにくいのではないかと考えている。

例えば、サムネイル画像をYouTubeが提示する3枚からしか選べなかったり、ギャラリーへの掲示件数が多くなると、YouTubeのサムネイル送出処理の時間が長くなり、ギャラリーページ自体の表示が極端に遅くなったりと、運用側でコントロールできない部分が出てくる。さらに、(プラグインを利用した場合によく遭遇する問題だが、)サイトのデザインテンプレートが組み込みにくいことも多かった。

WordPressで、専用の管理画面を準備するのがベスト

専用の管理画面を準備するのがベスト

既成のプラグインを採用する際の不都合は、もちろんプラグイン自身を改造することで対応は可能だ。ただ、いざ改造に着手すると深みにはまり、帰還することが困難になってしまうこともあるため、当社では専用の管理画面をオリジナルで準備することにしている。

実のところ、専用のオリジナル画面を準備した方が、本稼働後にクライアント側で運用することを考えても、他のコンテンツと同じ管理画面上でメンテナンスできる方がいい。さらに、当社もシステムを管理する上で、オリジナルで構築した方が将来さらに手を入れることになっても見通しが良いのだ。

1.管理画面の仕様

YouTube動画を埋め込むための「専用管理画面」といっても、決して多機能なものではない。入力項目は、おおよそたったの4つだ。

  • タイトル
  • YouTube公式チャンネルに登録した、個々の動画URL
  • サムネイル用画像の登録
  • 動画を紹介するためのコメント

以下が、YouTube動画を管理するための専用画面のキャプチャだ。

管理画面の仕様

これらの入力を実現するために、これまでにも幾度となく紹介している定番プラグイン「Advanced Custom Fields Plugin」を利用する。
すでにいくつかの記事を読んだ方には繰り返しになってしまうが、「Advanced Custom Fields Plugin」は簡単にいうと、オリジナルの管理画面を作るためのミドルウェア的なプラグインだ。

今回の動画ギャラリーにおいては、「Advanced Custom Fields Plugin」の機能のひとつである、「リピート項目」を利用することで、複数の動画を管理画面上でリスト化でき、運用が容易になる。掲示する動画の数が20件程度までであれば、リピート項目で一画面におさめるほうが管理しやすいからだ。

WordPressでCMS:製品関連情報の一元化をプログラムなしで実現

2.動画ギャラリーページの体裁

動画を掲示するギャラリーページのイメージ(ワイヤーフレーム)は以下の通り。
管理画面のリピート項目で登録した順に従い、表示してくれるようになる。

ギャラリーの仕様

3.動画ギャラリーページでの再生

動画の再生

動画ギャラリーページ上での再生には、javascriptのライブラリー「jquery.colorbox.js」を利用している。「jquery.colorbox.js」は、ポップアップウィンドウを表示させるためのライブラリーの定番で、当社でも頻繁に活用させていただいているもの。

動画ギャラリーページ上のサムネイルをクリックすると、ウィンドウがポップアップして再生がはじまる。
右に掲載のキャプチャが、実際に動画を再生している様子だ。

外部サービスと自社WEBサイトとの連携

外部サービスと自社WEBサイトとの連携

今回はYouTubeに登録済みの動画を「動画ギャラリー」にして、自社のWEBサイトへ埋め込み、2次利用する形式を示した。YouTubeが提供するURLを単純にページ上に張り付けるだけでも動画ギャラリーは実現できるが、アイキャッチとなるサムネイル表示や、動画の紹介コメントを付加すれば、オリジナリティーあふれる仕上がりとなる。

YouTubeに限らず多くのサービスが、WEBサイトにデータを掲示しやすいようにインターフェイスを提供してくれているが、ここにもうひと手間かけることであなたのWEBサイトを訪問してくれた人に対するアクセシビリティー、おもてなし度をもう一段向上させてくれるだろう。

これで完璧、WordPressでニュースの設定

これで完璧。WordPressでトピックスの設定リスト

コーポレートサイトで必要な、ニュース(お知らせ、新着情報)などのリリース情報。

製造企業が新製品をリリースする際には、詳細内容に商品写真を多用したり、表組みを用いてスペックを掲示するなど、テキストのみに限らないケースが発生する。WordPressであればHTMLを記述できるので、対応は可能だ。

しかし、このような基本仕様では対応できない場合や、クライアント側のみで運用するなど、HTMLによる入力が困難な場合は、ニュースの掲載パターンをあらかじめ精査し、入力項目の追加とテーマファイルの改造で、柔軟に対応できる。

この記事では、ニュースにWordPressを活用する際に、おおよそコーポレートサイトで必要となる基本的な仕様と実現方法を紹介しよう。

ニュースの基本構成と基本入力項目

当社がニュースにWordPressを組み入れる場合の、基本構成(基本仕様)を以下に示しておく。よほど特殊なケースを除いて、以下の基本仕様でほぼすべての案件のニュースを実現している。

ニュースの基本構成

基本仕様の表示項目を以下に示す。

項目 内容
更新日(掲載日) ニュースのリリース日
WordPressの公開日時を利用
タイトル ニュース一覧やトピックス詳細のタイトル
WordPressのタイトルを利用
本文 ニュース詳細の内容
WordPressの記事本文を利用
リンクURL タイトルをクリックされた場合、ニュース一覧から詳細を表示することなく、入力されたURLの直接リンク先を表示
Advanced Custom Fieldsプラグインを利用
PDFファイル タイトルをクリックされた場合、PDFファイルへリンクする
PDFファイルのアップロード機能を含む
Advanced Custom Fieldsプラグインを利用
別ウィンドウ表示 上記URLもしくはPDFが入力されている場合、ブラウザの別ウィンドウ(タブ)で表示するかどうかの設定
Advanced Custom Fieldsプラグインを利用

※リンクURLが入力されている場合は、本文よりも優先する。
※PDFファイルが指定(アップロード)されている場合は、リンクURLよりも優先する。

ニュースの入力画面

ニュースの入力画面は以下の通り。

入力画面

サイトTOPページへの新着を10件表示する方法

HOMEで最新のニュース数件を表示したり、常にサイドバーに表示したり、あるセクションのトップにそのカテゴリーに関連するものだけを抽出して表示したりすることがある。
この場合には、前記事「WordPressの記事を、一定期間で非公開にする方法」で紹介した独自ツールを制作し、SSIで静的HTMLに組み込む方法で対応している。

WordPressの記事を、一定期間で非公開にする方法

以下にソースの一例を挙げておく。

<?php
require('./topics/wp-load.php');
require('./topics/wp-config.php');
?>
<?php
	$post_all = array(
		'post_type'  		=> 'post',
		'numberposts'		=> 5,

	);
	$get_posts = get_posts($post_all);
?>

<?php if(!empty($get_posts)):?>
<dl>
<?php foreach($get_posts as $get_post):?>
	<?php
		$post_id = $get_post->ID;
		$get_post_time = get_the_time('n月j日',$post_id);
		$post_cat = get_the_category($post_id);
		$topics_url = get_field('topics_url',$post_id);
		$topics_window = get_field('topics_window',$post_id);
		$topics_pdf = get_field('topics_pdf',$post_id);
	?>

	<dt><?php echo $get_post_time;?></dt>

	<?php if (!empty($topics_pdf)):?>
		<?php if($topics_window == "はい"):?>
			<dd><a href="<?php echo $topics_pdf;?>" class="arw-pdf" target="_blank"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd>
		<?php else:?>
			<dd><a href="<?php echo $topics_pdf;?>" class="arw-pdf" ><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd>
		<?php endif;?>
	<?php elseif(!empty($topics_url)):?>
		<?php if($topics_window == "はい"):?>
			<dd><a href="<?php echo $topics_url;?>" target="_blank"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd>
		<?php else:?>
			<dd><a href="<?php echo $topics_url;?>"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd>
		<?php endif;?>
	<?php else:?>
		<dd><a href="/topics/?p=<?php echo $post_id;?>"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd>
	<?php endif;?>
<?php endforeach;?>
</dl>
<?php endif;?>

カテゴライズとタブ化

製造企業の場合、広報系の情報(IRや人事異動など)と製造部門(開発部門)発信の新製品や仕様変更などに関する情報、サポート部門のリコール情報や製造中止に関する情報などが混在するため、ニュースのカテゴライズ(分類)が、追加要件としてよく発生する(タブなどで分類、内容を切り替えて表現するなど)。
その場合は、WordPress標準の「カテゴリー」を利用してニュースを分類、表示処理でカテゴリーを加味して処理する。

ニュースのカテゴリーとタブ化の例を以下に示す。

タブ化その1
タブ化その2

後付け可能なニュースのWordPress化

既存のWEBサイトが静的なHTMLで構成されていても、ニュースのみWordPressによるCMS化が可能だ。ただし、サーバー環境がWordPressの稼働条件を満たしている必要はある。
従って、次のサイトリニューアルを待たなくても、ニュースだけCMS化で一歩先を行くことができるのだ。

ニュースとWordPressの相性

ニュースとWordPressの相性

そもそも、WordPressはブログのためのエンジンであり、日々更新される記事を時系列に蓄積し、表示することを目的としている。

WordPressとニュースの相性は非常に良い。
WordPressが標準で備えている「タイトル」「本文」「カテゴリー」「公開日」だけでも最低限のニュース機能を実現することは可能だが、やはりこの記事で紹介したように、各企業が培ってきた方法に則した情報の公開をサポートするべきだ。

より良いカスタマイズによって、運用を円滑にし、ムダを排除できるようになる。まず足下にある情報の発信方法、他社の方法を研究することで効果的な運用方法から検討を始めてはいかがだろうか。

WordPressへのログインアタックを一発で撃退するプラグイン

WordPressへのログインアタックを撃退

WordPressをCMSとして採用されている人にとって気がかりなのは、普及率が高いことによるハッキングの多さだ。更新を重ねて、やっと満足できるアクセスが稼げるようになった矢先に、知らない間にハッキングされて、マルウェアを訪問者にまき散らしていた・・・などという事態だけは避けたい。

ハッキング対策を突き詰めて考えると、心配で寝られなくなってしまうので、ハッキングのなかでもとくに注意したい「ログインアタック」対策についてプラグイン「Limit Login Attempts」を紹介しよう。

WordPressはカスタマイズに関する情報がネット上に豊富にあり、ありとあらゆる便利なプラグインが無料で入手できることから、世界的に人気がある。CMSとしても多くのWEBサイトで活用されており、ハッカーたちは無数に攻撃対象を持っていることになるのだ。

彼らは無作為に攻撃を仕掛け、WordPressのセキュリティホールをついてハッキングしようと執拗にアタックを仕掛けてくる。

この記事では、ログインアタックを一発で撃退するプラグイン「Limit Login Attempts」の導入方法を日本語化を含めて紹介していく。あなたも早く「安心」を手に入れ、訪問者に有益な記事をしっかり読んでもらえる環境を整えよう。

ハッキングは空き巣と同じ。居住者の自己責任で対策を打つべし

ハッキングは空き巣と同じ

「サーバー会社が、守ってくれてるでしょ?」

いったい誰がそのような都市伝説を流したのだろうか。
嘘だと思うなら、サーバー会社に問い合わせればいい。「自己責任で」という回答に愕然とするだけだ。

レンタルサーバーは、住居と同じ。誰も空き巣からあなたを守ってはくれない。
空き巣からあなたの家を守るために、セキュリティ会社と契約したり、人感センサー付きのライトを付けたり、カギを特殊なものに付け替えたりするのと同じく、WEBサイトにもハッキング対策が必要なのだ。

ほとんどのWEBサイトは、アタックを受けている

うちのサイトはアクセスも少ないし、個人情報を扱っているわけでもないので大丈夫、なんて考えていたら大間違いだ。あなたのWEBサイトのアクセスログをぜひ確認してみてほしい(できれば今後定期的に確認することをお勧めする)。

そこには必ず、ハッカーたちが攻撃を試みた痕跡が残されている。
下の画像が、ログインアタックを仕掛けられた痕跡を示すアクセスログの一部だ。

特徴としては、同じIPアドレスから短時間にログイン画面(wp-login.php)へのアクセスが記録されていることだ。「POST」と記録されており、機械的に多様なログインIDとパスワードを打ち込んでいることがわかる。一般に「ブルートフォースアタック(Brute Force Attack)」と言われる「パスワード総当たり」攻撃がこれだ。

直近のアクセスログに痕跡がなくても、過去数ヵ月間を調べれば必ず出てくる。アタック対策は、WordPress利用者の必要条件なのだ。

ログインアタックの痕跡

プラグイン「Limit Login Attempts」でログインアタックを撃退

プラグインでハッカーを撃退

プラグイン「Limit Login Attempts」は、WordPressのログイン画面であらかじめ設定しておいた回数のログイン失敗を検出すると、一定時間ログイン認証処理を停止するもの。

さらに制限回数のログイン失敗を検出した場合には、ロック時間が延長される。一定時間ログイン認証がロックされることで、アタックの効率を下げ攻撃者が退散する効果を期待するわけだ。
ログイン失敗の制限回数やロックの時間などは、管理画面で自由に設定でき、ロックがかかった場合には管理者へメールで通知してくれる機能もついている。

Limit Login Attemptsのインストールと設定

それでは実際に、プラグイン「Limit Login Attempts」を実装する手順を紹介しよう。
プラグイン実装の手順は、次のようになる。

  • 1.入手とインストール
  • 2.日本語化も可能
  • 3.プラグイン「Limit Login Attempts」の設定

1.入手とインストール

プラグイン「Limit Login Attempts」はWordPress.org からダウンロードすることができる。

WordPress.org「Limit Login Attempts」ダウンロード

プラグインの有効化

インストールは、ダウンロードした圧縮ファイルを解凍後、[/wp-content/plugins」へアップロードし、管理画面のプラグインから「有効化」すれば完了だ。そのままデフォルトの設定ですぐに機能してくれる。

2.日本語化も可能

プラグイン「Limit Login Attempts」は、初期状態では管理画面が英語表記のままだ。特に難しい英語が使われているわけではないので、そのまま使用しても機能的には何も問題はないが、日本語化して利用する場合は、日本語化ファイルが配布されているので利用してもいいだろう。

日本語化ファイル:limit-login-attempts-ja.po

ダウンロードした日本語ファイルの中に「limit-login-attempts-ja.mo」が存在するので、/wp-content/plugins/limit-login-attempts/にアップロードするだけで、日本語化は完了だ。

3.プラグイン「Limit Login Attempts」の設定

プラグイン「Limit Login Attempts」の設定は、デフォルトでも十分な設定がされているが、管理画面で図のように設定値を変更することでセキュリティを強固にすることも可能だ。

プラグインの設定

念のため、動作を確認してみよう

動作を確認してみよう。

ログインを失敗すると

ログファイルの記録

もしあなたがログインに失敗し、締め出されたら

もしあなたがロックされたら

常用しているパソコン以外でログインしようとした時など、ソラで覚えていたはずのパスワードを忘れてしまっていることはよくある話だ。「あれ?」と数回トライ&エラーを繰り返してしまうと、プラグインはあなたをハッカーとみなしてしまう。

カッとなってしまう方は、ギャンブルだけではなく、WordPressのログインも要注意だ。

不幸にもログインに失敗してしまった時にも、正規の管理者だけに許された救いの手は存在するから安心してほしい。
まず、WiFi接続していないスマホから管理画面にアクセスし、正しくログインする。プラグイン「Limit Login Attempts」の管理画面から「ロックを解除する」ボタンをクリックすると、ロック状態から解放される。

ロックの解除

WordPressを健全に運用してこそ、集客につながる

安全なWEBサイト運営を

お化け屋敷ではないのだから、危険が潜むWEBサイトに人が集まるはずがない。
集客し、訪問者にしっかり情報を持って帰ってもらうためには、WEBサイトを健全に運用することが最低限の条件だ。

WordPressは、サイト構築のツールとして非常にすぐれた構造と機能を兼ね備えている。多くのユーザーから支持されればされるほど、それに付け込もうとする者もいるのだ。WordPressをしっかり維持管理し、たくさんの方々にあなたのすばらしいコンテンツを届けて欲しい。

この記事が、まじめにWEBサイト運営に取り組んでいるあなたの参考になれば幸いだ。

WordPressでCMS:外部システム連携で、業務をバックアップ

WordPressでCMS

WordPressには豊富なプラグインが存在し、それらをうまく活用することでサイトを低コストで高品質に構築することができる。しかし、非常にニッチな要件や既存のシステム資産との連携に関してはプラグインが存在しないため、自力で対応しなければならない。

当社では、その課題に対し要件に応じて次の2つの手法で対応している。

  • オリジナルプラグインの開発
  • WordPressと外部システムを連携させる

この記事では、WordPressと既存のシステム資産を連携させる手法を取り上げ、主に後者の「WordPressと外部システムを連携させる」について紹介する。
WordPressと外部システムの連携を模索していたWEB担当者のヒントになれば幸いだ。

プラグインの限界を打ち破る

オリジナルプラグインの開発

WordPressでCMS

この手法は、管理も表示もすべてWordPressのなかで完結させる場合に適している。
管理画面ではWordPressの投稿機能などの基本機能と同列に扱われ、サイドバーにオリジナルメニューが追加されることになる。表示についても、WordPressテーマの作法に従い、テーマのなかで利用するものであり、あたかもWordPressの機能の一部のように振る舞える。

なお、「オリジナルプラグインの開発」については、詳しく解説されたサイトが数多く存在するので、興味のある方はそれらを参考にしてほしい。

WordPressと外部のシステムを連携させる

WordPressの機能や情報の一部を取り込み、メインの機能や処理は独自に開発したプログラムで行うイメージだ。
従って、WordPressの管理画面に追加される機能もなければ、WordPressテーマにも機能は提供しない。

独自に開発されたプログラムでは、その処理の先頭で「WordPressを利用する旨を宣言」することで、WordPressのほとんどの機能が利用可能になる。

例えば、WordPressで登録した記事のタイトルや本文を、独自に開発したプログラムに取り込み、表示することができるのだ。

WordPressと外部のシステムを連携させる

外部システムとの連携例

問い合わせフォームに物件名と通知先を連携する

たとえば、不動産物件を扱うWEBサイトにおいて、WordPressに登録済みの物件情報から、お目当ての物件に対する問い合わせフォームを表示する場合。

訪問者は、お目当ての物件詳細ページから問い合わせするのだから、物件名くらい自動的に表示してほしいはずだ。

このような場合、WordPressで格納したデータをきちんと取り出せれば、問い合わせフォームに自動挿入できる。さらに、問い合わせの受付メールを送る際にも、WordPress経由で登録さえしておけば、担当部署のメールアドレス宛に送信することも可能になる。

問い合わせフォームに物件名と通知先を連携

外部システムの認証機能として、ユーザー管理機能を転用

WordPressには、標準でユーザー管理機能があり、ログイン認証が実装されている。

これらは本来WordPressの管理画面へログインするための機能であるが、この機能を外部に構築したシステムの認証機能として利用することもできる。

たとえば、製品のCADデータを提供するサービスがWEBサイトに構築されていて、事前に登録されている訪問者だけに提供する場合に、WordPressのユーザー管理をそのサービスのログイン認証として転用することもできるのだ。

外部システムの認証機能として、ユーザー管理機能を転用

新着情報の最新10件を部分的に掲載する

同じドメインのWEBサイト上であれば、静的HTMLで制作されたページにも、WordPressで登録した情報を掲示できる。たとえば、ニュースや新着情報の最新10件をリスト表示するものだ。

この場合、連携の方法は2通りある。

ひとつは、SSIが利用できるサーバー環境であれば、被インクルードのファイルをphpで制作し、そのphpファイル内で「WordPressの機能や情報の一部を引用」する方法だ。

もう一つは、静的HTMLファイルの拡張子を「.php」に変更し、全体をphp化したうえで、そのファイルに「WordPressの機能や情報の一部を引用」する方法だ。

当社では、サポートスタッフの作業性を考慮し、SSIが利用できる環境であれば前者の「SSI被インクルードファイル方式」を採用することが多い。

新着情報の最新10件を部分的に掲載

WordPressで機能拡張するポイント

WordPressで機能拡張するポイント

すべての要件を、プラグインだけでは解決できないことがある。

要件に近いプラグインを改造するという手段もあるが、改造は予想外に工数がかかったり、思いもよらない場面で不具合が発生することがあるため、他人の手によってプラグインを改造するのは、システム担当者はできるだけ避けたいところだ。

この記事で紹介した、WordPressに登録されたデータと外部システム連携は、まさに「ひと工夫」の領域であり、恐ろしく工数がかかるものではないが、データの二重管理や省力化に大きく貢献できるものだ。

利便性を高め、訪問者に喜んでいただけるWEBサイトづくりを目指している人の参考になることを願っている。

WordPressでCMS:製品分類を改編し、訪問者ニーズを満足させよう

WordPressでCMS

訪問者は、さまざまなシチュエーションを背景に情報を求めてWEBサイトにやってくる。
「この機能を備えた製品があるのだろうか?」
「うちの問題を解決してくれる製品は?」などなど、
自分の抱える課題の解決を図るために、あなたのWEBサイトを訪問している。しかもそれが喫緊の課題なら、早く上手く解決できる製品なら、すぐにでも導入したいとさえ感じているかもしれない。

この訪問者のせっぱ詰まった状況に対し、情報を提供する側は自社で長年培われた部門別の製品体系のままWEBサイトを構築していることが多い。訪問者は、製品体系を推測しながら夜店の「くじびき」を引くように、お目当ての製品にたどり着かなければいけないのだ。

製品体系の変換作業を上手く行えなければ、訪問者はWEBサイトから離脱する可能性が高くなることは容易に想像できる。
自社都合の分類体系は、訪問者にとっては把握しづらい分類体系であることが多いのだ。

WordPressは、分類体系を複数持つことができる構造になっており、プラグインを導入すれば、分類体系をかんたんに追加することさえできる。さらに、追加する分類体系は製品情報の入力画面でプログラミングなしで連動させることも可能だ。

WordPressの特長とプラグインを利用すれば、自社の分類体系以外にもナビゲーションの切り口を複数準備することが可能になる。

この記事では、製品情報セクションに関連する情報をシームレスに掲載する方法を、プラグインソフトを含めて紹介する。訪問者をスムーズに誘導する課題をお持ちのWEB担当者のヒントになれば幸いだ。

訪問者に頭を使わせるサイトになっていないか?

あなたは総務部の担当者で、上司から「災害に備えて、防災グッズを揃えておくように」指示されたとしよう。
今では過去の震災の経験から、量販店やスーパーマーケットにおいても「防災コーナー」が設けてあり、必要なものを購入しやすい売り場が多い。

しかし「防災コーナー」がなかったら、あなたはどのように商品を買い求めるだろうか?

防災用品で、まず頭に浮かぶのは、「食糧」と「水」。「食糧」の代表選手といえば「カンパン」だ。

「カンパンって、どこの売場だ?」
「パンだからパンコーナー?」
「お菓子売り場か」
「保存食だから、乾物?」

人は、このような「一人問答」を無意識で行っている。
もし「防災コーナー」が設けてあれば、「一人問答」は必要なく、苦労なく自分の思いを果たせるのだ。

WEBサイトの製品情報セクションにおいては、自社都合の分類体系を維持しつつも、「防災コーナー」といった別の分類を簡単に追加できれば、訪問者にとって分かりやすいWEBサイトになるはずだ。分類体系を追加することは、従来のスクラッチによる開発であれば、データベース構造の変更を伴う大掛かりなシステム改造になる。
これに対し、分類体系を複数持つことができるWordPressは、「防災コーナー」のような別体系の分類を簡単に追加できるところに、このシステムを利用する理由があるのだ。

製品分類を自由に変更

分類体系をかんたんに追加できる、鉄板プラグイン「Custom Post Type UI」

このプラグインは、当社がWordPressを利用する制作案件でよく利用するプラグインである。
分類体系の追加は「Custom Post Type UI」の管理画面上で、追加する分類体系の呼称、たとえば「シーンで選ぶ」と、URLに組み込まれる文字列「scene」を入力すれば、即座に製品情報入力画面に追加した分類体系が現れる。

「簡単すぎる」分類体系追加

WordPressのタクソノミー機能

画面キャプチャは、「Custom Post Type UI」の管理画面。
WordPress上では「タクソノミー」としてカテゴリーやタグを管理しており、追加する分類体系もタクソノミーを追加する作業になる。「タクソノミー」とは、物ごとをグループ化することを指す。言い換えれば「分類」だ。

分類が新規追加される

「Plural Label」に追加する分類の呼称を「Taxonomy Slug」にURLの一部となる半角英数字を入力し、利用する投稿タイプから分類の利用先を選択。「Add Taxonomy」をクリックすると、即座に投稿の分類として追加される。

製品入力画面ではこのように使える

追加された分類は、WordPressに標準に備えられているカテゴリーと全く同じ操作で分類体系を登録することができる。もちろんツリー構造をとることも可能だ。

追加した分類体系の選択項目

製品情報の入力画面では、WordPress標準のカテゴリーと並んで、追加した分類体系の選択項目が表示される。該当する分類にチェックを入れれば、製品が所属する分類を追加できる。
プラグイン「Advanced Custom Fields」と組み合わせれば、さらに多彩で機能的な管理画面に仕上げることも可能だ。

分類体系追加の効用

長年社内で培ってきた製品の分類体系を再構築することなど、容易ではない。組織や人が絡んでいれば、なおさらだ。

カタログなどの印刷物では柔軟な切り口で紹介することは難しいが、WEBサイトなら第二、第三の分類体系を導入し、訪問者をスムーズに製品情報に誘導できる。さらに言うならば、追加の分類体系は失敗しても再構築は可能なのだ。

また、追加の分類体系を導入することは「異なるキーワードを追加」することにもなり、SEO的にも意味がある。

「Custom Post Type UI」と「Advanced Custom Fields」を組み合わせ

WordPressで製品情報をCMS化するポイント

WordPressによるCMSは一般的になったが、単なる情報更新ツールとして利用するだけではもったいない。

サイト訪問者のニーズを満足させる製品検索に応用してこそ、真価を発揮できるのではないだろうか。

豊富なプラグインのいくつかを組み合わせることで、WordPressは化けてくれる。訪問者にも管理者にも利用しやすいWEBサイトを構築することができるのだ。