コラム(WEB制作のポイント)

WEB制作のポイント 2015年3月22日

WordPressでCMS:外部システム連携で、業務をバックアップ

WordPressでCMS

WordPressには豊富なプラグインが存在し、それらをうまく活用することでサイトを低コストで高品質に構築することができる。しかし、非常にニッチな要件や既存のシステム資産との連携に関してはプラグインが存在しないため、自力で対応しなければならない。

当社では、その課題に対し要件に応じて次の2つの手法で対応している。

  • オリジナルプラグインの開発
  • WordPressと外部システムを連携させる

この記事では、WordPressと既存のシステム資産を連携させる手法を取り上げ、主に後者の「WordPressと外部システムを連携させる」について紹介する。
WordPressと外部システムの連携を模索していたWEB担当者のヒントになれば幸いだ。

プラグインの限界を打ち破る

オリジナルプラグインの開発

WordPressでCMS

この手法は、管理も表示もすべてWordPressのなかで完結させる場合に適している。
管理画面ではWordPressの投稿機能などの基本機能と同列に扱われ、サイドバーにオリジナルメニューが追加されることになる。表示についても、WordPressテーマの作法に従い、テーマのなかで利用するものであり、あたかもWordPressの機能の一部のように振る舞える。

なお、「オリジナルプラグインの開発」については、詳しく解説されたサイトが数多く存在するので、興味のある方はそれらを参考にしてほしい。

WordPressと外部のシステムを連携させる

WordPressの機能や情報の一部を取り込み、メインの機能や処理は独自に開発したプログラムで行うイメージだ。
従って、WordPressの管理画面に追加される機能もなければ、WordPressテーマにも機能は提供しない。

独自に開発されたプログラムでは、その処理の先頭で「WordPressを利用する旨を宣言」することで、WordPressのほとんどの機能が利用可能になる。

例えば、WordPressで登録した記事のタイトルや本文を、独自に開発したプログラムに取り込み、表示することができるのだ。

WordPressと外部のシステムを連携させる

外部システムとの連携例

問い合わせフォームに物件名と通知先を連携する

たとえば、不動産物件を扱うWEBサイトにおいて、WordPressに登録済みの物件情報から、お目当ての物件に対する問い合わせフォームを表示する場合。

訪問者は、お目当ての物件詳細ページから問い合わせするのだから、物件名くらい自動的に表示してほしいはずだ。

このような場合、WordPressで格納したデータをきちんと取り出せれば、問い合わせフォームに自動挿入できる。さらに、問い合わせの受付メールを送る際にも、WordPress経由で登録さえしておけば、担当部署のメールアドレス宛に送信することも可能になる。

問い合わせフォームに物件名と通知先を連携

外部システムの認証機能として、ユーザー管理機能を転用

WordPressには、標準でユーザー管理機能があり、ログイン認証が実装されている。

これらは本来WordPressの管理画面へログインするための機能であるが、この機能を外部に構築したシステムの認証機能として利用することもできる。

たとえば、製品のCADデータを提供するサービスがWEBサイトに構築されていて、事前に登録されている訪問者だけに提供する場合に、WordPressのユーザー管理をそのサービスのログイン認証として転用することもできるのだ。

外部システムの認証機能として、ユーザー管理機能を転用

新着情報の最新10件を部分的に掲載する

同じドメインのWEBサイト上であれば、静的HTMLで制作されたページにも、WordPressで登録した情報を掲示できる。たとえば、ニュースや新着情報の最新10件をリスト表示するものだ。

この場合、連携の方法は2通りある。

ひとつは、SSIが利用できるサーバー環境であれば、被インクルードのファイルをphpで制作し、そのphpファイル内で「WordPressの機能や情報の一部を引用」する方法だ。

もう一つは、静的HTMLファイルの拡張子を「.php」に変更し、全体をphp化したうえで、そのファイルに「WordPressの機能や情報の一部を引用」する方法だ。

当社では、サポートスタッフの作業性を考慮し、SSIが利用できる環境であれば前者の「SSI被インクルードファイル方式」を採用することが多い。

新着情報の最新10件を部分的に掲載

WordPressで機能拡張するポイント

WordPressで機能拡張するポイント

すべての要件を、プラグインだけでは解決できないことがある。

要件に近いプラグインを改造するという手段もあるが、改造は予想外に工数がかかったり、思いもよらない場面で不具合が発生することがあるため、他人の手によってプラグインを改造するのは、システム担当者はできるだけ避けたいところだ。

この記事で紹介した、WordPressに登録されたデータと外部システム連携は、まさに「ひと工夫」の領域であり、恐ろしく工数がかかるものではないが、データの二重管理や省力化に大きく貢献できるものだ。

利便性を高め、訪問者に喜んでいただけるWEBサイトづくりを目指している人の参考になることを願っている。

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執筆:福永 忠夫

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