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WordPressの記事を、一定期間で非公開にする方法

WordPressの記事を、一定期間で非公開にする方法

WordPressには、投稿記事を予約公開する機能は実装されているが、自動的に非公開する機能は実装されていない。
WordPressを純粋にブログとして利用する場合は、特に投稿を非公開にすることは考えなくていいが、企業サイトのIR情報やトピックスなどのCMSとして利用する場合は、一定期間を経過した古い情報を非表示にしたいとの要望が発生することがある。

プラグインとしては、一定期間経過後に自動的に非公開にすることが可能な「Post Expirator」などが存在する。しかし、個々の投稿にそれぞれ非公開日時を設定する必要があり、オペレーションが面倒だし、設定し忘れることも十分に考えられる。大切な内容であるだけに、ミスは許されないものなのだ。

当社クライアントの要望としては、公開日からある一定期間、例えば3年が経過した投稿記事を一律に非公開にするというもの。プラグインではなく、独自ツールを開発してシステムに組み込むことにした。

WordPressデフォルトの機能で非公開にする方法

独自ツールを開発する以外で、不特定多数の訪問者に対して記事を「見えない状態にする」にはいくつかの方法がある。
この記事の目的は自動で公開終了してくれる独自ツールを作ることなのだが、もしかするとデフォルトの機能で間に合うことがあるかもしれない。念のため、デフォルトの機能で公開を終了する方法をおさらいしておこう。

下書きで保存し、非公開にする

これは本来、執筆途中の記事を一時的に保管しておく場合に利用する方法だ。
新規に作成した記事であれば「下書きとして保存する」ボタンをクリックすれば下書き保存してくれる。もちろん「非公開」で保存される。

ユーザーの権限が寄稿者であれば必然的に「下書き」状態でしか保存できないため、投稿者以上の権限を持つユーザーが公開することになる。ユーザーの権限と「レビュー待ち」とを組み合わせれば、簡易ワークフロー的に記事の公開も可能だ。
すでに公開中の記事であっても、「ステータス」を「下書き」に変更して更新すれば下書き保存し「非公開」にすることが可能である。

下書きで保存し、非公開にする

「非公開」で保存する

そもそも記事を「非公開にする」とは、この操作のことである。
執筆した記事を保存する場合に、公開状態を「非公開」にして保存すればよい。ただし、保存ボタンのラベルはなぜか「公開」である。「非公開の記事を公開する」ということなのだろう。

「非公開」で保存する

「ゴミ箱」へ送り、非公開にする

すでに公開済みの記事を何らかの理由で非公開にする場合、「ゴミ箱」へ送ることでも非公開にできる。将来完全に削除してしまうまでの一時保管的な意味合いがある。
記事一覧上で対象となる記事の上にマウスオーバーするといくつか操作コマンドが表示される。その中に「ゴミ箱」があるのでクリックすればよい。

「ゴミ箱」へ送り、非公開にする

「パスワード」を設定し、限定公開にする

「パスワード」を設定し、限定公開にする

パスワードを知っている人以外には「非公開」と言う意味で説明に加える。
公開状態で「パスワード保護」を選択し、パスワード文字列と共に保存すればパスワードで保護された記事が公開可能だ。

ただし、この機能には、個人的にいただけない部分がある。それは、記事のタイトルは一般に公開されてしまう点だ。

筆者としてはこの記事の存在すらもパスワードを知っている人以外には知られたくない場合に使いたい機能であるが、標準仕様としてはそうではないようだ。もちろんテーマファイルをカスタマイズすれば、パスワード付きの記事のタイトルを表示しないことは可能だが・・・。

公開日時を指定して公開する(公開予約)

自動公開日時までは「非公開」と言う意味合いで説明に加える。
記事を公開する際、「公開日時」に未来日時を設定し公開(更新)すれば、設定した日時までは非公開となる。

公開日時を指定して公開する(公開予約)

WordPress用に、自動で公開終了してくれる独自ツールを作る

自動的にコンテンツを非公開にする「独自ツールを開発する」といっても、さほど難しいものではない。

処理的には、

  • 全投稿を取得し、ループする。
  • 投稿日時と現在日時-3年を比較する。
  • 投稿日時の方が過去であれば、ゴミ箱に送る。

以上である。

ソースの一例を以下に挙げておくが、WordPressがインストールされているフォルダーなどは、あなたの環境に合わせてほしい。

require('./wp-load.php');
require('./wp-config.php');

$delete_day = strtotime('-3 year');
$my_posts = get_posts("posts_per_page=-1");

foreach($my_posts as $post): setup_postdata($post);
	$post_date = strtotime(get_the_date('Y/n/d'));
	if ($delete_day > $post_date):
		wp_trash_post();
	endif;
endforeach;
wp_reset_postdata();

独自ツールを実行する

独自ツールの実行には、いくつかの方法がある。

1.サーバーのOSがUNIX系の場合、定時実行のcronを利用する

先ほどのソースを「delete_news.php」などのファイル名で任意の場所に保存し、crontabコマンドでcronを実行するように設定する。

例えば、毎日朝方6時に実行する場合は以下のような記述内容だ。

0 6 * * * /usr/bin/php /home/wp/delete_news.php

2.独自ツールを公開領域に格納し、外部から手動実行する

公開領域に格納し、外部から手動実行

次に、ブラウザから実行する方法。
他者から実行できないように、HTTPの基本認証をかけるなどのセキュリティに対策は施しておくべきだ。

先ほどのソースを「delete_news.php」などのファイル名で外部からブラウザでアクセス可能な領域に保存し、ブラウザのアドレスバーに直接URLを入力し実行する。

3.サイトトップページの表示に連動し、実行する

サーバーで稼働しているWEBサーバーがApacheの場合、SSIを利用してトップページの表示時に組み込み実行する方法。ただし、サイトのトップページが表示される度に実行されるので、投稿の件数が多いサイトだと、トップページの表示に時間がかかる可能性がある。

先ほどのソースを「delete_news.php」などのファイル名で任意の領域に保存し、サイトのトップページのHTMLに以下のようなSSIの記述を追記する。

<!--#include virtual="/delete_news.php "-- >

4.WordPressで表示されるページに連動させて、実行する

最後は、WordPressのテーマファイルを構成するfunctions.phpに、直接ロジックを記述する方法だ。ただし、WordPressのページを表示したり管理画面を操作すると、常に実行されることになってしまう。

テーマファイルの中にあるfunctions.phpをテキストエディタで開き、ファイルの最後に先ほどのソースの先頭のrequire宣言を除いた部分をそのまま貼り付ければいい。

WordPressは、機能追加も豊富な関数群が開発をサポート

機能追加も豊富な関数群が開発をサポート

WordPressの標準機能ですべてが満足できることもあれば、できないこともある。
WordPressには、豊富なプラグインが存在するが、残念ながらしっくりこない場合もある。
その場合は、自力でのプラグインやアドオンツール(独自ツール)の開発に迫られるが、WordPressの設計者はそのあたりもよく心得ていて、そんな我々のために豊富な関数群を準備していてくれるのだ。

今回のケースは、まさにそのパターンで独自ツールを開発した事例。
今回は利用していないが、WordPressの処理のタイミングに自ら開発した独自ツールの実行を割り込ませることができる、フックやフィルターと呼ばれるインターフェイスも準備されている。
WordPressは、これらの関数群やフック、フィルターを駆使することで、自由度の高いCMSとして利用することが可能である。腕に覚えのある読者は、トライされてみてはいかがだろうか。

WordPressでYouTube動画を埋め込み、ギャラリーに

WordPressでYouTube動画を埋め込み、ギャラリーに

通勤電車のなかで、待ち時間に、テレビを観ながら、話題の動画をオンデマンドで楽しむ毎日。 携帯デバイスの4G LTE化も手伝い、YouTubeは、いまや企業にとってプロモーションの必須ツールになった。

外部のサービスを自社サイトに取り込むのは、サービス提供サイトの仕様変更などに伴ってリスクがついてまわるが、それを補っても余りあるほど恩恵は大きいものだ。

今回は、YouTubeの公式チャンネルに登録した動画コンテンツをWordPressの記事に埋め込んだり、自社の動画ギャラリーとして公開する方法を紹介する。YouTubeを代表とする動画SNSの採用を検討する際の参考となれば幸いだ。

動画ギャラリープラグインは、企業サイトに馴染みにくい

動画ギャラリープラグインは、企業サイトに馴染みにくい

WordPressには、動画ギャラリーに関するプラグインも数多く存在する。 しかし、評価の高いプラグインをざっと試したものの、個人ブログなら許される機能やフォーマットも、高機能すぎたり見せ方が奇をてらいすぎている感がある。企業サイトに導入するには馴染みにくいのではないかと考えている。

例えば、サムネイル画像をYouTubeが提示する3枚からしか選べなかったり、ギャラリーへの掲示件数が多くなると、YouTubeのサムネイル送出処理の時間が長くなり、ギャラリーページ自体の表示が極端に遅くなったりと、運用側でコントロールできない部分が出てくる。さらに、(プラグインを利用した場合によく遭遇する問題だが、)サイトのデザインテンプレートが組み込みにくいことも多かった。

WordPressで、専用の管理画面を準備するのがベスト

専用の管理画面を準備するのがベスト

既成のプラグインを採用する際の不都合は、もちろんプラグイン自身を改造することで対応は可能だ。ただ、いざ改造に着手すると深みにはまり、帰還することが困難になってしまうこともあるため、当社では専用の管理画面をオリジナルで準備することにしている。

実のところ、専用のオリジナル画面を準備した方が、本稼働後にクライアント側で運用することを考えても、他のコンテンツと同じ管理画面上でメンテナンスできる方がいい。さらに、当社もシステムを管理する上で、オリジナルで構築した方が将来さらに手を入れることになっても見通しが良いのだ。

1.管理画面の仕様

YouTube動画を埋め込むための「専用管理画面」といっても、決して多機能なものではない。入力項目は、おおよそたったの4つだ。

  • タイトル
  • YouTube公式チャンネルに登録した、個々の動画URL
  • サムネイル用画像の登録
  • 動画を紹介するためのコメント

以下が、YouTube動画を管理するための専用画面のキャプチャだ。

管理画面の仕様

これらの入力を実現するために、これまでにも幾度となく紹介している定番プラグイン「Advanced Custom Fields Plugin」を利用する。
すでにいくつかの記事を読んだ方には繰り返しになってしまうが、「Advanced Custom Fields Plugin」は簡単にいうと、オリジナルの管理画面を作るためのミドルウェア的なプラグインだ。

今回の動画ギャラリーにおいては、「Advanced Custom Fields Plugin」の機能のひとつである、「リピート項目」を利用することで、複数の動画を管理画面上でリスト化でき、運用が容易になる。掲示する動画の数が20件程度までであれば、リピート項目で一画面におさめるほうが管理しやすいからだ。

WordPressでCMS:製品関連情報の一元化をプログラムなしで実現

2.動画ギャラリーページの体裁

動画を掲示するギャラリーページのイメージ(ワイヤーフレーム)は以下の通り。
管理画面のリピート項目で登録した順に従い、表示してくれるようになる。

ギャラリーの仕様

3.動画ギャラリーページでの再生

動画の再生

動画ギャラリーページ上での再生には、javascriptのライブラリー「jquery.colorbox.js」を利用している。「jquery.colorbox.js」は、ポップアップウィンドウを表示させるためのライブラリーの定番で、当社でも頻繁に活用させていただいているもの。

動画ギャラリーページ上のサムネイルをクリックすると、ウィンドウがポップアップして再生がはじまる。
右に掲載のキャプチャが、実際に動画を再生している様子だ。

外部サービスと自社WEBサイトとの連携

外部サービスと自社WEBサイトとの連携

今回はYouTubeに登録済みの動画を「動画ギャラリー」にして、自社のWEBサイトへ埋め込み、2次利用する形式を示した。YouTubeが提供するURLを単純にページ上に張り付けるだけでも動画ギャラリーは実現できるが、アイキャッチとなるサムネイル表示や、動画の紹介コメントを付加すれば、オリジナリティーあふれる仕上がりとなる。

YouTubeに限らず多くのサービスが、WEBサイトにデータを掲示しやすいようにインターフェイスを提供してくれているが、ここにもうひと手間かけることであなたのWEBサイトを訪問してくれた人に対するアクセシビリティー、おもてなし度をもう一段向上させてくれるだろう。

WordPressへのログインアタックを一発で撃退するプラグイン

WordPressへのログインアタックを撃退

WordPressをCMSとして採用されている人にとって気がかりなのは、普及率が高いことによるハッキングの多さだ。更新を重ねて、やっと満足できるアクセスが稼げるようになった矢先に、知らない間にハッキングされて、マルウェアを訪問者にまき散らしていた・・・などという事態だけは避けたい。

ハッキング対策を突き詰めて考えると、心配で寝られなくなってしまうので、ハッキングのなかでもとくに注意したい「ログインアタック」対策についてプラグイン「Limit Login Attempts」を紹介しよう。

WordPressはカスタマイズに関する情報がネット上に豊富にあり、ありとあらゆる便利なプラグインが無料で入手できることから、世界的に人気がある。CMSとしても多くのWEBサイトで活用されており、ハッカーたちは無数に攻撃対象を持っていることになるのだ。

彼らは無作為に攻撃を仕掛け、WordPressのセキュリティホールをついてハッキングしようと執拗にアタックを仕掛けてくる。

この記事では、ログインアタックを一発で撃退するプラグイン「Limit Login Attempts」の導入方法を日本語化を含めて紹介していく。あなたも早く「安心」を手に入れ、訪問者に有益な記事をしっかり読んでもらえる環境を整えよう。

ハッキングは空き巣と同じ。居住者の自己責任で対策を打つべし

ハッキングは空き巣と同じ

「サーバー会社が、守ってくれてるでしょ?」

いったい誰がそのような都市伝説を流したのだろうか。
嘘だと思うなら、サーバー会社に問い合わせればいい。「自己責任で」という回答に愕然とするだけだ。

レンタルサーバーは、住居と同じ。誰も空き巣からあなたを守ってはくれない。
空き巣からあなたの家を守るために、セキュリティ会社と契約したり、人感センサー付きのライトを付けたり、カギを特殊なものに付け替えたりするのと同じく、WEBサイトにもハッキング対策が必要なのだ。

ほとんどのWEBサイトは、アタックを受けている

うちのサイトはアクセスも少ないし、個人情報を扱っているわけでもないので大丈夫、なんて考えていたら大間違いだ。あなたのWEBサイトのアクセスログをぜひ確認してみてほしい(できれば今後定期的に確認することをお勧めする)。

そこには必ず、ハッカーたちが攻撃を試みた痕跡が残されている。
下の画像が、ログインアタックを仕掛けられた痕跡を示すアクセスログの一部だ。

特徴としては、同じIPアドレスから短時間にログイン画面(wp-login.php)へのアクセスが記録されていることだ。「POST」と記録されており、機械的に多様なログインIDとパスワードを打ち込んでいることがわかる。一般に「ブルートフォースアタック(Brute Force Attack)」と言われる「パスワード総当たり」攻撃がこれだ。

直近のアクセスログに痕跡がなくても、過去数ヵ月間を調べれば必ず出てくる。アタック対策は、WordPress利用者の必要条件なのだ。

ログインアタックの痕跡

プラグイン「Limit Login Attempts」でログインアタックを撃退

プラグインでハッカーを撃退

プラグイン「Limit Login Attempts」は、WordPressのログイン画面であらかじめ設定しておいた回数のログイン失敗を検出すると、一定時間ログイン認証処理を停止するもの。

さらに制限回数のログイン失敗を検出した場合には、ロック時間が延長される。一定時間ログイン認証がロックされることで、アタックの効率を下げ攻撃者が退散する効果を期待するわけだ。
ログイン失敗の制限回数やロックの時間などは、管理画面で自由に設定でき、ロックがかかった場合には管理者へメールで通知してくれる機能もついている。

Limit Login Attemptsのインストールと設定

それでは実際に、プラグイン「Limit Login Attempts」を実装する手順を紹介しよう。
プラグイン実装の手順は、次のようになる。

  • 1.入手とインストール
  • 2.日本語化も可能
  • 3.プラグイン「Limit Login Attempts」の設定

1.入手とインストール

プラグイン「Limit Login Attempts」はWordPress.org からダウンロードすることができる。

WordPress.org「Limit Login Attempts」ダウンロード

プラグインの有効化

インストールは、ダウンロードした圧縮ファイルを解凍後、[/wp-content/plugins」へアップロードし、管理画面のプラグインから「有効化」すれば完了だ。そのままデフォルトの設定ですぐに機能してくれる。

2.日本語化も可能

プラグイン「Limit Login Attempts」は、初期状態では管理画面が英語表記のままだ。特に難しい英語が使われているわけではないので、そのまま使用しても機能的には何も問題はないが、日本語化して利用する場合は、日本語化ファイルが配布されているので利用してもいいだろう。

日本語化ファイル:limit-login-attempts-ja.po

ダウンロードした日本語ファイルの中に「limit-login-attempts-ja.mo」が存在するので、/wp-content/plugins/limit-login-attempts/にアップロードするだけで、日本語化は完了だ。

3.プラグイン「Limit Login Attempts」の設定

プラグイン「Limit Login Attempts」の設定は、デフォルトでも十分な設定がされているが、管理画面で図のように設定値を変更することでセキュリティを強固にすることも可能だ。

プラグインの設定

念のため、動作を確認してみよう

動作を確認してみよう。

ログインを失敗すると

ログファイルの記録

もしあなたがログインに失敗し、締め出されたら

もしあなたがロックされたら

常用しているパソコン以外でログインしようとした時など、ソラで覚えていたはずのパスワードを忘れてしまっていることはよくある話だ。「あれ?」と数回トライ&エラーを繰り返してしまうと、プラグインはあなたをハッカーとみなしてしまう。

カッとなってしまう方は、ギャンブルだけではなく、WordPressのログインも要注意だ。

不幸にもログインに失敗してしまった時にも、正規の管理者だけに許された救いの手は存在するから安心してほしい。
まず、WiFi接続していないスマホから管理画面にアクセスし、正しくログインする。プラグイン「Limit Login Attempts」の管理画面から「ロックを解除する」ボタンをクリックすると、ロック状態から解放される。

ロックの解除

WordPressを健全に運用してこそ、集客につながる

安全なWEBサイト運営を

お化け屋敷ではないのだから、危険が潜むWEBサイトに人が集まるはずがない。
集客し、訪問者にしっかり情報を持って帰ってもらうためには、WEBサイトを健全に運用することが最低限の条件だ。

WordPressは、サイト構築のツールとして非常にすぐれた構造と機能を兼ね備えている。多くのユーザーから支持されればされるほど、それに付け込もうとする者もいるのだ。WordPressをしっかり維持管理し、たくさんの方々にあなたのすばらしいコンテンツを届けて欲しい。

この記事が、まじめにWEBサイト運営に取り組んでいるあなたの参考になれば幸いだ。

WordPressでCMS:製品分類を改編し、訪問者ニーズを満足させよう

WordPressでCMS

訪問者は、さまざまなシチュエーションを背景に情報を求めてWEBサイトにやってくる。
「この機能を備えた製品があるのだろうか?」
「うちの問題を解決してくれる製品は?」などなど、
自分の抱える課題の解決を図るために、あなたのWEBサイトを訪問している。しかもそれが喫緊の課題なら、早く上手く解決できる製品なら、すぐにでも導入したいとさえ感じているかもしれない。

この訪問者のせっぱ詰まった状況に対し、情報を提供する側は自社で長年培われた部門別の製品体系のままWEBサイトを構築していることが多い。訪問者は、製品体系を推測しながら夜店の「くじびき」を引くように、お目当ての製品にたどり着かなければいけないのだ。

製品体系の変換作業を上手く行えなければ、訪問者はWEBサイトから離脱する可能性が高くなることは容易に想像できる。
自社都合の分類体系は、訪問者にとっては把握しづらい分類体系であることが多いのだ。

WordPressは、分類体系を複数持つことができる構造になっており、プラグインを導入すれば、分類体系をかんたんに追加することさえできる。さらに、追加する分類体系は製品情報の入力画面でプログラミングなしで連動させることも可能だ。

WordPressの特長とプラグインを利用すれば、自社の分類体系以外にもナビゲーションの切り口を複数準備することが可能になる。

この記事では、製品情報セクションに関連する情報をシームレスに掲載する方法を、プラグインソフトを含めて紹介する。訪問者をスムーズに誘導する課題をお持ちのWEB担当者のヒントになれば幸いだ。

訪問者に頭を使わせるサイトになっていないか?

あなたは総務部の担当者で、上司から「災害に備えて、防災グッズを揃えておくように」指示されたとしよう。
今では過去の震災の経験から、量販店やスーパーマーケットにおいても「防災コーナー」が設けてあり、必要なものを購入しやすい売り場が多い。

しかし「防災コーナー」がなかったら、あなたはどのように商品を買い求めるだろうか?

防災用品で、まず頭に浮かぶのは、「食糧」と「水」。「食糧」の代表選手といえば「カンパン」だ。

「カンパンって、どこの売場だ?」
「パンだからパンコーナー?」
「お菓子売り場か」
「保存食だから、乾物?」

人は、このような「一人問答」を無意識で行っている。
もし「防災コーナー」が設けてあれば、「一人問答」は必要なく、苦労なく自分の思いを果たせるのだ。

WEBサイトの製品情報セクションにおいては、自社都合の分類体系を維持しつつも、「防災コーナー」といった別の分類を簡単に追加できれば、訪問者にとって分かりやすいWEBサイトになるはずだ。分類体系を追加することは、従来のスクラッチによる開発であれば、データベース構造の変更を伴う大掛かりなシステム改造になる。
これに対し、分類体系を複数持つことができるWordPressは、「防災コーナー」のような別体系の分類を簡単に追加できるところに、このシステムを利用する理由があるのだ。

製品分類を自由に変更

分類体系をかんたんに追加できる、鉄板プラグイン「Custom Post Type UI」

このプラグインは、当社がWordPressを利用する制作案件でよく利用するプラグインである。
分類体系の追加は「Custom Post Type UI」の管理画面上で、追加する分類体系の呼称、たとえば「シーンで選ぶ」と、URLに組み込まれる文字列「scene」を入力すれば、即座に製品情報入力画面に追加した分類体系が現れる。

「簡単すぎる」分類体系追加

WordPressのタクソノミー機能

画面キャプチャは、「Custom Post Type UI」の管理画面。
WordPress上では「タクソノミー」としてカテゴリーやタグを管理しており、追加する分類体系もタクソノミーを追加する作業になる。「タクソノミー」とは、物ごとをグループ化することを指す。言い換えれば「分類」だ。

分類が新規追加される

「Plural Label」に追加する分類の呼称を「Taxonomy Slug」にURLの一部となる半角英数字を入力し、利用する投稿タイプから分類の利用先を選択。「Add Taxonomy」をクリックすると、即座に投稿の分類として追加される。

製品入力画面ではこのように使える

追加された分類は、WordPressに標準に備えられているカテゴリーと全く同じ操作で分類体系を登録することができる。もちろんツリー構造をとることも可能だ。

追加した分類体系の選択項目

製品情報の入力画面では、WordPress標準のカテゴリーと並んで、追加した分類体系の選択項目が表示される。該当する分類にチェックを入れれば、製品が所属する分類を追加できる。
プラグイン「Advanced Custom Fields」と組み合わせれば、さらに多彩で機能的な管理画面に仕上げることも可能だ。

分類体系追加の効用

長年社内で培ってきた製品の分類体系を再構築することなど、容易ではない。組織や人が絡んでいれば、なおさらだ。

カタログなどの印刷物では柔軟な切り口で紹介することは難しいが、WEBサイトなら第二、第三の分類体系を導入し、訪問者をスムーズに製品情報に誘導できる。さらに言うならば、追加の分類体系は失敗しても再構築は可能なのだ。

また、追加の分類体系を導入することは「異なるキーワードを追加」することにもなり、SEO的にも意味がある。

「Custom Post Type UI」と「Advanced Custom Fields」を組み合わせ

WordPressで製品情報をCMS化するポイント

WordPressによるCMSは一般的になったが、単なる情報更新ツールとして利用するだけではもったいない。

サイト訪問者のニーズを満足させる製品検索に応用してこそ、真価を発揮できるのではないだろうか。

豊富なプラグインのいくつかを組み合わせることで、WordPressは化けてくれる。訪問者にも管理者にも利用しやすいWEBサイトを構築することができるのだ。

WordPressでCMS:製品関連情報の一元化をプログラムなしで実現

WordPressでCMS。製品関連情報の一元化をプログラムなしで実現

製品名、製品番号、仕様、カタログPDF、取扱い説明書、CADデータ、FAQ・・・、「製品」ひとつに、多くの関連情報が存在する。

情報の掲示方法を間違えれば、「情報が探しにくい=使いづらい」WEBサイトになってしまい、せっかくの「訪問者」≒「顧客候補」を逃してしまう。

当社では、WordPressをCMSに利用することにより、製品をひとつ見つければ、関連する情報すべてを取り出せる方法を探し当てた。この考え方を採用して、訪問者を迷わせずスマートに情報を提供し、その心をガッチリ鷲づかみにしてほしい。

この記事では、WordPressを使った製品情報セクションに関連する情報をスマートに掲載する方法を、有用なプラグインソフトを含めて紹介する。訪問者をスマートに誘導する課題を解決できなかったWEB担当者のヒントになれば幸いだ。

訪問者が嫌がる、製品情報の構成とは

とりわけ、B2B企業の製品情報をチェックすると、製品情報に関連する情報が、それぞれ独立したコンテンツとして構成されていることが多い。各セクションが部門別の管理下にあるからか、特に何も考えなかったのか、情報がWEBサイト内に散在しているのは訪問者側からすると、迷惑このうえない。

例えば、

  • 製品検索 > 検索結果 > 製品詳細(製品名、製品番号、仕様・・・)
  • カタログダウンロード
  • FAQ

の各セクションが製品情報とは関連なく構成されていると、セクションTOPから製品体系にそって新たに「探し直す」ことになる。

よくあるサイトの構造

このような構成だと、訪問者はデメリットを被ってしまう。

  • 関連情報までのページ遷移が多く、複雑
  • 目的の情報にたどり着けない

製品情報に関わる各セクションが別々に存在してしまう最大の原因は、情報を掲載するためのしくみが各セクションに存在していることで、WEBサイトを簡素に管理しようとすることによるものだ。

つまり、掲載するためのしくみが各セクションにそれぞれに存在してしまうと、その関連性を保つには手作業(ひとつひとつリンクを張る作業)が必要になる。膨大な量の製品すべてを手作業で関連付けできなかったり、ディスコンになった製品に関連する情報がエラーを起こしたりするため、訪問者を誘導するのは各セクショントップまで、というわけだ。

製品に関連する情報を1ページに集約する

こういった不親切なWEBサイトを作らないために、我々はひとつの製品に関連するすべての情報を1ページにまとめてしまうことを目指している。製品情報を「ワンストップ」化するということだ。

しかし、ただ単に1ページにすべての情報を詰め込んだだけでは冗長なページになってしまうので、「タブ」を利用し、1ページの長さができるだけ短くなるよう構成した。

デザインだけではなく、情報を登録するための管理画面においても「ワンストップ」性を重視し、情報を関連付けしやすい操作性を実現している。

レイアウト自由自在、ダイナミックに切り替わる入力項目を実現する「Advanced Custom Fields」

「Advanced Custom Fields」は、当社がWordPressを利用する制作案件で、度々利用する超機能的で、超便利で、超クールなプラグインだ。
今回は、この「Advanced Custom Fields」の多彩な機能のなかから、以下に説明する2つの機能を利用した。

選択項目に連動する入力項目の制御

「Advanced Custom Fields」は、言い換えると管理画面を作るための管理画面のような役割を持つ。
例えば製品の詳細情報を入力する際に、WordPressのカテゴリーに「製品情報」と名付けたオプション(セクション)を選択すると、画面遷移することなく入力項目が出現し、「カタログダウンロード」と名付けたオプション(セクション)を選択すると、同様に入力項目が出現するというように、管理画面の動作を作り込めるのだ。

しかも、プログラミングなしに「Advanced Custom Fields」の管理画面だけで作り込める。プログラミングをしなければ、バグが発生することもない。制作品質の確保にも寄与するのだ。

上記の動作を実現することで、管理画面においても画面遷移を抑え、製品情報の入力負担を極力抑える効果をもたらしている。

WordPressで項目に該当する入力欄を自動表示

セクション間の関連付けを容易にする

FAQで、共通項目、個別項目を関連付ける要件があったとする。

  • 製品カテゴリーで共通のFAQ
  • 製品ごとに個別のFAQ
  • いくつかの製品にまたがるFAQ

「Advanced Custom Fields」は、入力中のFAQに対して、すでに登録済みの製品情報の一覧を参照して選択する機能や、すでに登録済みの製品カテゴリーを参照しながら関連付けを行う機能を作り込むことができる。管理画面の操作性までも、プログラミングなしで作り込むことができるのだ。

セクション間の関連付けを容易に

WordPressで製品情報をCMS化するポイント

WordPressによるCMSは一般的になったが、製品情報を一元化し、訪問者、管理者双方に使いやすくするには、いくつかの工夫が必要だ。しかし、WordPressは、豊富なプラグインのいくつかを組み合わせると、使い勝手の良いデータ入力ツールとして活用することができる。

今回は、WordPressのプラグイン「Advanced Custom Fields」を使い、ほぼノンプログラミングでこれを実現することができた。
さらに工夫を加えれば、プログラムの知識のないクライアント側で自由なデータ管理さえ実現してしまうスグレものにもなる。

今後もWordPressを活用したCMSについて情報を提供していく。あなたのより良いWEBサイトづくりの参考になれば幸いである。