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コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

WEBサイトをリニューアルするにあたり、いちばん着手しやすいのが会社情報セクション。なぜなら、データ的な意味合いが強いため工夫をこらす必要がないからだ。

しかし、よく考えてみてほしい。
会社情報は、これから取引を始めるかもしれない新規取引先、就活生など、外部から基本情報をチェックされることが多い。社外のステークホルダーがあなたの会社の会社情報をチェックしたあと、

「まぁまぁ、ふつうの会社だな」
とブラウザを閉じるのと、

「立派な会社なんだな」
と感じ入るのとでは、その後の事業活動に与えるインパクトは雲泥の差になってしまう。

コーポレートサイトにおける「会社情報」セクションは、データ的なコンテンツが多いため地味な印象があるが、アクセスは意外に多い。この記事では、社外の人々に対してあなたの会社を良い会社に見せる理想的な方法をお伝えする。

会社情報の果たす役割

会社情報の果たす役割

コーポレートサイトでの会社情報は、必須要素だ。ただ、必須要素ではあるが、工夫をこらすものでもないと認識してしまっている人も多い。新規取引先が訪問した際に「ふつう」と感じるか、「取引した方が良さそうだ」と感じ入るのとでは、あなたの会社に与えるインパクトは雲泥の差がついてしまうのにも関わらず。

もちろん、会社概要といったコンテンツは正確にデータを並べて見やすくさえしておけば、十分に役割を果たす。しかし企業は、その考え方次第で良くも悪くもなる「概念の集合体」といってもいい。理念を社員に浸透させ、「○○イズム」の固まりとなれば、大きな推進力が生まれる。理念が市場とマッチしていれば、必ず一定の成果を得られるはずだ。

新規取引先の担当者も、理念や歩みに共感すれば、「良い会社」「取引に値する」と感じ入ってくれる。
要するに、コーポレートサイトの会社情報が果たす役割とは、外部に対して抽象的な概念、会社の理想像を明確に伝えるためのセクションだということだ。

では、外部の人を魅了するための理想的なコンテンツについて、具体的に紹介しよう。

会社情報の理想的なコンテンツ

会社情報の理想的なコンテンツ

会社情報でどの会社にとっても大切なのは、データではなく抽象的な概念を紹介するコンテンツだ。
それを証明するように、名だたる会社のコーポレートサイトは、データ的な意味合いの強い会社概要から始まっているわけではなく、経営理念や社長挨拶といったスピリットを伝えるものから順に紹介されていることが多い。

では順にコーポレートサイトの会社情報で重要なコンテンツの意味と理想をみていこう。

経営理念

経営理念

理念なき事業が成功することはない。単に儲けるためだとか、社員の生きる糧を稼ぐためでは、苦しいときに我慢できなくなったり、顧客に信頼してもらえなくなったりして、頓挫してしまうからだ。

おおよそ長続きしている会社は、立派な理念のもとに運営されている。
ただ、創業当時から受け継がれてきた経営理念があり、社内ではしっかり浸透していても、外部からは理解しにくいことがある。
とくに、短い言葉で端的に表現されたものが該当する。

こういう場合には、外部の人にも理解しやすいように、説明をしてあげてほしいのだ。
せっかく脈々と受け継がれ、揺らぐことのないスピリットを、社外にも伝えたい。これがわが社の精神だと。

楽天「成功のコンセプト」

楽天グループの経営理念

楽天グループの経営理念は、大枠の理念を短い言葉でつむぎ、それを支えるかたちで「行動指針」「倫理憲章」「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」で成り立っている。明快な文章でそれぞれが必要な理由や方法論が示されている。なかでも、「成功のコンセプト」は企業の経営理念紹介では珍しい内容なので、とくに紹介しておこうと考えたものだ。企業でなく個人ても十分に生かせる考え方だからだ。

エースタッフ「経営理念」

エースタッフの経営理念も、端的に表現された理念を支えるかたちでそれを説明する文章が続く。楽天まで複雑ではないので、一般的な企業に参考になるレベルだ。

社史

社史

あなたの会社のコーポレートサイトでは、せっかくの社史ページで、過去に起きた事象だけをただ綴ってるだけになっていないだろうか。

長く会社が続いていれば、大きなトピックがあったはずだ。厳しい状況もあれば、華やかなイベントもある。現在から見れば、それは単なる事象にしか過ぎないように見えても、ターニングポイントとなったトピックには、必ず会社あるいは経営者の「意思」があったからこそ、その事象が起こっているはず。

それらの事象がなぜ起こったか、明確な意志があったからこそ、そうなったのだということも含めて社史として知らせるべきなのだ。
そうすることで、会社としての理念がより明確になり、見る者にトータルでスピリットが伝わり、感動を与えることになる。

社長挨拶

社長挨拶

強力な推進力がなければ、組織は動かない。合議制でスピーディに物事が運ぶ組織を筆者は見たことがない。

その経営トップがいるからこそ、その会社が続いているのだというほど強力なメッセージを世に放つべきだ。理想論をぶつだけでもいい。社員を含めたあらゆるステークホルダーに対して、「オレはこの会社をこう動かしていくんだ」と宣言し、共感してくれる人を探すというほど強い言葉を選んでほしい。

会社が置かれた経済環境で始まり、社史に触れながら無難な言葉で締めくくる。社長名とロゴだけ入れ替えれば、隣の会社でも通用するメッセージなど、誰も真摯に読まない。ざっと斜め読みされ、「ふつうだね」で終わってしまうだけだ。

90%の人には「そんな理想言ってもねぇ」と思われてもいい。残りの10%がファンになってくれさえすればいいのがトップメッセージだ。

社長挨拶について詳しく執筆したコラムがあるので、下記も参考にしてほしい。
コーポレートサイトの社長挨拶が、果たすべき役割とは

明るい将来を感じさせること

明るい将来を感じさせること

コーポレートサイトの会社情報は、何も工夫しなければおそろしく退屈なコンテンツになる。しかし、製品情報セクションで工夫を凝らすように、「楽しませる」「感動させる」「立派に見せる」ことを意識すれば、あなたの会社を良く見せられるアイデアが出てくるものだ。

「私たちは、こんなに顧客に愛され、社会にも貢献できている将来のある会社で働いているのだ」と主張すれば、あなた自身も視点が変わり、会社にもさらなる変化が訪れる。
コーポレートサイトの会社情報セクションは、決して退屈なコンテンツではない。工夫次第でおもしろみのあるコンテンツに変わるのだ。

WordPressでCMS:外部システム連携で、業務をバックアップ

WordPressでCMS

WordPressには豊富なプラグインが存在し、それらをうまく活用することでサイトを低コストで高品質に構築することができる。しかし、非常にニッチな要件や既存のシステム資産との連携に関してはプラグインが存在しないため、自力で対応しなければならない。

当社では、その課題に対し要件に応じて次の2つの手法で対応している。

  • オリジナルプラグインの開発
  • WordPressと外部システムを連携させる

この記事では、WordPressと既存のシステム資産を連携させる手法を取り上げ、主に後者の「WordPressと外部システムを連携させる」について紹介する。
WordPressと外部システムの連携を模索していたWEB担当者のヒントになれば幸いだ。

プラグインの限界を打ち破る

オリジナルプラグインの開発

WordPressでCMS

この手法は、管理も表示もすべてWordPressのなかで完結させる場合に適している。
管理画面ではWordPressの投稿機能などの基本機能と同列に扱われ、サイドバーにオリジナルメニューが追加されることになる。表示についても、WordPressテーマの作法に従い、テーマのなかで利用するものであり、あたかもWordPressの機能の一部のように振る舞える。

なお、「オリジナルプラグインの開発」については、詳しく解説されたサイトが数多く存在するので、興味のある方はそれらを参考にしてほしい。

WordPressと外部のシステムを連携させる

WordPressの機能や情報の一部を取り込み、メインの機能や処理は独自に開発したプログラムで行うイメージだ。
従って、WordPressの管理画面に追加される機能もなければ、WordPressテーマにも機能は提供しない。

独自に開発されたプログラムでは、その処理の先頭で「WordPressを利用する旨を宣言」することで、WordPressのほとんどの機能が利用可能になる。

例えば、WordPressで登録した記事のタイトルや本文を、独自に開発したプログラムに取り込み、表示することができるのだ。

WordPressと外部のシステムを連携させる

外部システムとの連携例

問い合わせフォームに物件名と通知先を連携する

たとえば、不動産物件を扱うWEBサイトにおいて、WordPressに登録済みの物件情報から、お目当ての物件に対する問い合わせフォームを表示する場合。

訪問者は、お目当ての物件詳細ページから問い合わせするのだから、物件名くらい自動的に表示してほしいはずだ。

このような場合、WordPressで格納したデータをきちんと取り出せれば、問い合わせフォームに自動挿入できる。さらに、問い合わせの受付メールを送る際にも、WordPress経由で登録さえしておけば、担当部署のメールアドレス宛に送信することも可能になる。

問い合わせフォームに物件名と通知先を連携

外部システムの認証機能として、ユーザー管理機能を転用

WordPressには、標準でユーザー管理機能があり、ログイン認証が実装されている。

これらは本来WordPressの管理画面へログインするための機能であるが、この機能を外部に構築したシステムの認証機能として利用することもできる。

たとえば、製品のCADデータを提供するサービスがWEBサイトに構築されていて、事前に登録されている訪問者だけに提供する場合に、WordPressのユーザー管理をそのサービスのログイン認証として転用することもできるのだ。

外部システムの認証機能として、ユーザー管理機能を転用

新着情報の最新10件を部分的に掲載する

同じドメインのWEBサイト上であれば、静的HTMLで制作されたページにも、WordPressで登録した情報を掲示できる。たとえば、ニュースや新着情報の最新10件をリスト表示するものだ。

この場合、連携の方法は2通りある。

ひとつは、SSIが利用できるサーバー環境であれば、被インクルードのファイルをphpで制作し、そのphpファイル内で「WordPressの機能や情報の一部を引用」する方法だ。

もう一つは、静的HTMLファイルの拡張子を「.php」に変更し、全体をphp化したうえで、そのファイルに「WordPressの機能や情報の一部を引用」する方法だ。

当社では、サポートスタッフの作業性を考慮し、SSIが利用できる環境であれば前者の「SSI被インクルードファイル方式」を採用することが多い。

新着情報の最新10件を部分的に掲載

WordPressで機能拡張するポイント

WordPressで機能拡張するポイント

すべての要件を、プラグインだけでは解決できないことがある。

要件に近いプラグインを改造するという手段もあるが、改造は予想外に工数がかかったり、思いもよらない場面で不具合が発生することがあるため、他人の手によってプラグインを改造するのは、システム担当者はできるだけ避けたいところだ。

この記事で紹介した、WordPressに登録されたデータと外部システム連携は、まさに「ひと工夫」の領域であり、恐ろしく工数がかかるものではないが、データの二重管理や省力化に大きく貢献できるものだ。

利便性を高め、訪問者に喜んでいただけるWEBサイトづくりを目指している人の参考になることを願っている。

Googleアナリティクス設定の定番。自分のアクセスを除外する方法

Googleアナリティクス設定の定番

自社サイトを運用するWEBマスター、クライアントのWEBサイトを保守するWEB制作会社。WEBサイトの更新を行う際、Googleアナリティクスに何の設定もしなければ、両社からのアクセスは一般の訪問者のアクセスと同様に扱われる。

厳密に考えれば、それは基本的に排除すべきアクセスだ。

この記事では、この不要なアクセスを除外するGoogleアナリティクスの設定方法について、説明していく。

Googleアナリティクス設定に必要な条件、固定IPアドレス

自社からのアクセスを除外するためには、そのアクセスがどこからのものかをGoogleアナリティクスに知らせ、一般の訪問者とは異なることを認知させることが必要だ。

そのために必要なのは自社がインターネットを利用する際に、固定IPアドレスが設定されていること。固定IPアドレスの設定がなければ、Googleアナリティクスは明確にアクセス元を認識できない。自社が利用しているプロバイダからのアクセスを除外することもできるが、それでは一般の訪問者も除外されてしまう可能性がある。

やはり固定IPアドレスを設定する方法で臨みたい。

自社からのアクセス除外を登録する方法

Googleアナリティクスの設定画面

Googleアナリティクスの画面を開き、最上部右側にある「アナリティクス設定」をクリック。

Googleアナリティクス初期画面

画面は3列に分割されているので、最も右側の「ビュー」列にある「フィルタ」をクリックしよう。

Googleアナリティクスのフィルタ設定

フィルタ機能を使う

「フィルタ」の設定画面が表示されるので、「新しいフィルタ」ボタンをクリック。「ビューにフィルタを追加」画面が表示される。

「ビューにフィルタを適用する方法を選択」では、「新しいフィルタを作成」がデフォルトで選択されているので、そのままにしておく。

「フィルタ情報」に入力するのは、そのフィルタの名前で必須入力項目だ。自由に設定していいものだが、後で見たときに分かりやすいものにしておこう。当社では「FLV除外」としている。

Googleアナリティクス、フィルタ詳細

自社の固定IPアドレスを除外設定する

「フィルタの種類」は、まず「定義済み」をクリック。

「除外」を選択すると、右側に「参照元かリンク先を選択します」というプルダウンメニューが表示される。

このプルダウンメニューで、「IPアドレスからのトラフィック」を選択。最右の「式を選択します」はそのままにしておく。

下に「IPアドレス」と表示されているので、自社の固定IPアドレスを「182.55.123.987」のように入力する。

Googleアナリティクス設定、IPアドレス

設定を保存する

すべての設定項目を入力し終わったら、最下部にあるブルーの「保存」ボタンをクリックしたら設定は完了だ。

アクセス除外をすぐ確認する方法

アナリティクス設定で行った登録内容が反映されているか、すぐに確認する方法がある。Googleアナリティクスの「リアルタイム」機能だ。

上部のボタン群から「レポート」を選び、レポート画面を表示させる。

デフォルトで「ユーザー」の「サマリー」が表示されるが、画面左側「ユーザー」ボタンのすぐ上にある「リアルタイム」から、「サマリー」を選択する。

Googleアナリティクス・リアルタイム

すると、現在自社サイトにアクセスしている訪問者の行動が表示されている。

次に、あなた自身が自社サイトにアクセスしておく。あなたのアクセスが「リアルタイム」画面に表示されるかを確かめるためだ。

アクセスの多いWEBサイトならば、数件、数十件のアクセス状況が表示されている。これではあなたのアクセスがどれか分からないので、「サマリー」の下にある「地域」をクリックする。右側に「Japan」と表示されているリンクをクリックすると、「市区町村」にデータが細分化される。そこに、あなたがアクセスしているポイントが表示されていなければ、これまでに設定したフィルタが無事反映されているということだ。

あるいは、
WEBサーバーに一般の訪問者がアクセスできないページを置き、そのページにアクセスする。
そのアクセスがリアルタイムで表示されていなければ、同様にGoogleアナリティクス設定で行ったフィルタ設定が反映されたと考えて良い。

影響を考慮して除外設定を行おう

これまで見てきたように、自社からのアクセスをGoogleアナリティクスで除外設定するのは、固定IPアドレスさえあれば、そんなに難しいことではない。かんたんな設定を行うだけで、Googleアナリティクスでのアクセス解析がより正確なものになる。

もうひとつだけ注意を申し上げておく。
自社サイトを運用するWEBマスターが、そのアクセスを除外するということは、自社からのアクセスをすべて除外するということでもある。

WEBサイトは、ある意味自社からのアクセス(自社使用)も歓迎すべきものでもあるので、影響をよく考慮してGoogleアナリティクスの設定を行うかどうかを決断していただきたい。