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実例付き、美文字が書けるようになる、5つのツボ

美文字が書けるようになる、5つのツボ

手書きの文字は、何かと注目される機会が多いものだ。

一時、話題になった「デスノート」の映画版で、主人公を演じる藤原竜也の書いた文字が「勉強ができる優等生の字に見えない」と騒がれたことがあった。

もちろん、優等生=字が上手いとは限らない。筆者は書家の家に育ち、自分自身も子どもたちに教えているが、字の上手い下手と勉強の能力はまったく別物である。

しかしながら、こういった話題がもちあがるということは、手書き文字の印象はその人の能力や人格にまで及ぶということではないだろうか。

想像してみてほしい。
受験の解答用紙に書かれた文字が汚くて読みづらかったら、採点者はどう判断するだろう。
受け取った手紙の宛名がとてもキレイな字で書かれていたら、ていねいな人柄を思い浮かべるのではないか。
また、結婚式や告別式で記名するとき、達筆な人の後に自分の名前を書くのをためらったことはないだろうか。

パソコンやメールでのコミュニケーションが主流になったとはいえ、フォーマルな場面で手書き文字を使う機会はまだまだ多い。そんな時に、もし字が美しくないということだけでチャンスを逃しているとしたら、非常にもったいない話である。

ここまで読んで不安になってきた方もいらっしゃるかもしれないが、安心してほしい。字が下手な人でも、いくつかのポイントに気をつければ必ず上達できる。
しかも、たった5つのポイントを押さえるだけで。

練習前の文字

最初に、「私は字が下手です」と言い切るスタッフの文字をご紹介しよう。

下手に見えてしまうポイントは、文字を構成するパーツの間隔が離れすぎているので、字が分解されているようにみえること。
「払い」の部分が払われておらず、「跳ね」がすこし弱いのも要因だ。

1. お手本を見ながら、書いてみる

お手本

小学生のときの漢字ドリルを思い出してほしい。お手本の漢字を見ながら書いていたはずだ。その時と同じように、美しい文字の形を見ながら、バランスを考えて書いてみよう。字が上手く書けない理由のひとつに、頭の中に美文字の理想型がないことがあげられる。

身近に字の上手な人がいれば、お手本に書いてもらおう。頼める人がいない場合は、パソコンの文字でもいい。明朝体や教科書体のフォントを拡大して、それをじっくり見ながら書いてみることだ。明朝体や教科書体は楷書(かいしょ)※をモデルにして作られたフォントなので、習字のお手本として十分に使える。

※楷書(かいしょ)とは、現代で使われている、いちばん基本的な書体のこと。続け字ではなく、一画一画を離して書くのが特徴。

2. ゆっくり書くと、キレイに書ける

ゆっくり書く

字が下手な人でも、ゆっくりと書けばていねいな印象になり、評価は上がる。
一つの線ごとにゆっくりとペンを運ぶことで、確認しながら書く余裕ができるため、線をまっすぐに書けたり、「止め、跳ね、払い」といったポイントを抑えることができる。

一般的に下手だと言われる文字は、たいていの場合、「止め、跳ね、払い」が雑であったり、線が曲がっていたりする。特に、楷書(かいしょ)の場合は、続け字ではない書体なので、だらりとした書き終わりにするのはよくない。
ゆっくりと一呼吸おきながら、一文字ずつていねいに書く。これを続けるだけでも、あなたの文字は見違えるはずだ。

3. 「右」にむかう線に力を入れると、字に味がでる

「右」にむかう線に力を入れる

横線を書くときに、字の右側に向かうにつれて筆圧を徐々に強めていくと、重厚な線が書ける。そうすることで、字の左側と右側で強弱がつき、字の表情がぐっと生き生きしてくる。さらに、横線をすこし右上がりにして、右下の跳ねや払いに勢いをつけて長めに伸ばせば、美しい文字に近づいてくる。

楷書(かいしょ)は、さまざまな書体の影響を受けてできたものだが、とくに字の右側に力を入れて書く特徴がある。そういった特徴を捉えて書けば、字に味が出るのだ。

4. 次はどの線につながるかを考えながら書くと、まとまりのある字に

まとまりのある字

きれいな字を書くために、筆順がとても大切なことをご存知だろうか。筆順を間違えれば、線の繋がり方が違う字になってしまう。

たとえば、左から右へ横線を書いたあと、上から縦線を書くならば、縦線の書きはじめは右をすこし意識する。
上から下へ縦線を書いたあと、左から横線を書くならば、横線の書きはじめは下をすこし意識する。

このように、ペンを運ぶ順番を考えて、線のあたまを書くときに、前の線の書き終わりの方向を意識することにより、線と線のつながりを感じさせることになる。
そうすることで、線同士がバラバラにならず、ひとつの字としてまとまってくるのだ。

5. 間隔を等しくすると、全体のバランスが整う

間隔を等しくする

最後に、もうひとつ。
上記のポイントに気をつけて、まっすぐな線を書き、「止め、跳ね、払い」は完璧になったが、どうもまとまらないという場合。一本一本の線がつくる間隔が揃っていないのではないだろうか。字のバランスをつくり出しているのは、線と線の間隔。その距離が同じになるように調節すれば、全体的にまとまった美しい字になる。

例えば、「田」「中」などの字は、縦線がちょうど字の中央を通るように書く。右に寄りすぎても、左に寄りすぎてもいけない。また、線と線の間隔が揃っていても、広すぎると間の抜けた字になってしまったり、狭すぎると窮屈な字になってしまう。ちょうどよい広さの間隔を取り、線を左右に寄せることなく、しっかりと真ん中に書けば整った字になる。

今までの字と練習した後の字

左は冒頭で紹介した字。右は「美文字5つのツボ」を意識した後に、もう一度書いてもらった字だ。

違いは一目瞭然!

漢字を構成するパーツの間隔がちょうどよくなり、まとまった字になっている。
横線を右上がりにしたことでスタイリッシュな字になり、跳ねや払いにも勢いが出た。

少し意識するだけで、あなたも美文字が書けるようになる

いちばん大切なのは、気負わずにトライしてみることだ。字が下手なことを気にして人前で書くことをためらっていては、ますます書けなくなってしまう。

ここに紹介したツボは、すぐに実践できるものばかり。5つのツボに少し気をつかって書くだけで、あなたの文字は格段とキレイになるはず。

そうやって上手く書けるコツをつかんでしまえば、字を書くことはあなたのなかで楽しみへと変化する。 何事も楽しくなれば、こっちのものだ。興味が湧いてくると、あなたの文字はさらに上達していくだろう。

文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと

文章校正のコツ

WEBサイト制作のなかで、重要なプロセスである文章校正。日々の作業でありながら、思わぬ場面でチェックミスが発生してしまいがっくりと肩を落とした経験がある方も多いはず。
今回は私たちが実践している、たった6つのコツをおさえるだけで、文章校正の精度を限りなく100%に近づけるポイントをご紹介しよう。

それでは、作業を進めるための準備(心構えに近い)に関するポイントからミスをなくす実践的な文章校正のコツをていねいに挙げていこう。

[準備段階のポイント]

1.モニターでなく、プリントアウトで必ずチェック。

文章校正の精度を上げるためには、これ外してはいけないほどの鉄則。モニターでの校正は、視認率が約25%下がるため、必ずプリントアウトしたものを用意すること。
同時に、モノクロでプリントアウトすることで、文字の色や背景色とのコントラストなどから視認性も確認することができる。モノクロで見てコントラストが低いと感じたら、視覚障害者や高齢者にとっては読みにくいデザインといえる。

2.チェックのベースとなる原稿を再確認。

当たり前のようで意外に多いミスが、照らし合わせる元原稿が最終原稿でないということ。制作段階で何度も文章チェックが入り、書き直される途中で、どの原稿を頼りにすればよいのかが分からなくなることがある。念には念を入れて、自分の手もとにある原稿が最終版であることを確認し、確信をもって作業に取りかかれる準備をしよう。

[文章校正6つのコツ]

1.チェック項目を切り分ける

プリントアウトでチェック

一回の文章校正だけですべてを完璧にしようとすると、どうしても注意散漫になってチェックもれが生じてしまう。校正のクオリティを上げるコツは、同じ要素だけを何回かに分けてチェックしていくことだ。
たとえば、最初は数字だけをチェックして、次はカタカナ言葉だけ見ていく、といった具合。
また、文章内容についての校正は別手順と考えること。文章を意味として捉えてしまうと、どうしても文字表記の校正はおろそかになる。内容チェックとは切り離して、文字を記号と捉えて校正するべきだ。

2.音読しながら校正する

脳というのは、同時に複数のことを行うと活性化されるらしい。文章校正の際にも「読む」という行為だけでなく、複数のチャンネルを駆使することで精度はさらに向上する。
「声に出して」読みながら「読む」。さらに注意が必要な箇所であれば、手で文字を「書く」マネをしながらチェックする。これであなたの文章校正クオリティは数段パワーアップする。

3.自分がミスしやすい傾向と対策を知る

過去に自分が見落とした部分を思い出してみよう。テストと同じように、誰にでも苦手な傾向があるものだ。自分がミスしやすいポイント、自分の文章ならキーボードの打ち間違い癖を書き出してみる。
そして、そのポイントに来たら入念にチェックすること。たとえば、「3」と「8」、「制作」と「製作」など。そういった傾向を書き出すことで、失敗しやすいポイントも見えてくるだろう。

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文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと、後半は

「4.違う目、違うタイミングでダブルチェック」へ

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