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出張費を削減しよう。ビデオ通話会議に必要な2つのツール

出張費を削減しよう

前回、「ビデオ通話で出張費約30万円を削減し、顧客と密になる方法」で紹介した、Skypeによるビデオ通話。その後も当社は、クライアントと数回ビデオ通話による会議を行っている。

今回はビデオ通話によるプロジェクト会議を進めるにあたって、必要な2つのツールを紹介していく。このツールを使うだけで、出張費を大きく削減できる「ビデオ通話による会議」を実現することができる。

出張費削減の効果

出張費削減の効果

ビデオ通話による会議を行うと、どれだけの出張費が削減できるか、少しだけ復習しておこう。

クライアントとのプロジェクト会議をできるだけ抑えたとしても、最低5回ほどは必要だ。ということは、おおよそ30万円の制作費以外のコストを低減することができるのだ。

【削減できる出張費の内訳】

  • 往復旅費25,000円×5回=12.5万円
  • 往復6時間×5回=30時間分の人件費

遠方のクライアントとだけではなく、近隣のクライアントとの打ち合わせでも、少なからず経費の削減は可能だ。すべてをそれで賄ってしまうことには反対だが、今回Skypeによるビデオ通話会議を経験したことで、いくらかの割合で「あえて」ビデオ通話による会議を開催することもいいのではないかと考え始めている。

ビデオ通話に必要な2つのツール

Skype

今回利用したビデオ通話サービスは「Skype」だ。ビデオ通話サービスはいろいろあるが、「ビデオ通話」で単純に頭に浮かんだのがSkypeだっただけの理由。他に「googleハングアウト」や「Line」、ベータ版が発表されているFirefoxの「Hello」でもビデオ通話は利用できる。

ビデオ通話サービスはあっさり決めてしまったが、問題となったのはクライアント側の端末をどうするかだ。

社内のスタッフ同士なら、お互いのパソコンにSkypeをインストールするだけで環境が整うが、相手がクライアントとなると、セキュリティーポリシー上、非公認ソフトはインストール禁止だったり、当社で端末を準備しても社内ネットワークにつながせてもらえなかったりと、簡単には進まない。

考えたのは「安価なタブレットを買い、Skypeをセットアップして送ってしまえ」作戦。

しかし我々は、完璧だと思ったアイデアが、ただの浅薄なものだったと痛感する。
なぜなら、世の中に出回っているタブレット端末の多くがWi-Fi機能しか備えておらず、ネットワークにつながせてもらえない安価なタブレットでは、ビデオ通話ができないのだ。

結局我々が再考したアイデアは、「ちょっと高いSIMカード対応のタブレットに、Skypeをセットアップして送ってしまえ」作戦。
作戦名は少し長めになり、初期コストはアップしたが、アイデアは実行に移された。

手軽に使える端末

手軽に使える端末

使い勝手のいい「iPad」がベストだが、高価なので最初から除外した。Android端末のなかで、以下の仕様を満たすものを価格COMで物色。スペックが複雑なものは、価格COMで絞り込みながら探すのがおすすめだ。

  • SIMフリーモデル
  • 10インチ以上のモニターサイズ
  • 日本語対応
  • ブランドは気にしないが、故障はいただけないので、実績のあるもの

最終的に選んだのは、ある程度名の通った下記のモデルだった。

  • ASUS エイスース、TF303 シリーズ SIMフリー タブレットPC
  • 詳細スペック
    1. Android 4.4.2 / 10.1inch IPS液晶 / 1920×1200 WUXGA
    2. Intel Atom Z3745 / 2G / eMMC 16G / LTE 対応 / microSIM
  • 購入価格 約37,000円(2015年1月17日現在)

サイズ、重量とも、ipad2とほぼ同じで操作性も悪くない。一時期のAndroid端末によくあった操作時のカクカクとした印象はなかった。

ただ、タブレット購入を完了するも、ビデオ通話による会議を行うにはタブレットを立てた状態にすべきで、スタンディング機能の付いたケース必要だった。ケースも即追加購入。

インフラ:SIMカード

SIMカード

今や格安SIMのサービスプランは、雨後の竹の子のような乱立ぶりだ。その中から、以下の内容を満足するものを探した。

  • とにかく安い
  • データ通信量無制限
  • 最低利用期間なし
  • 違約金なし

格安SIMのサービスプランは乱立されていても、上記の条件を満たす事業者とサービスプランは、意外と少なかった。結局、当社が選んだサービスプランは下記のものだ。

  • 株式会社U-NEXT「U-mobile」
  • U-mobile データ専用LTE使い放題、月額2,480円(2015年1月17日現在)

U-mobileには、通話ができるプランとして「U-mobile 通話プラスLTE使い放題」という基本使用料がなんと2,980円のプランもある。個人的に契約しているiPhoneの2年縛りが解ければ、こっちに乗り換えたいと考えてしまった。おそらくその頃には、このプランを上回るプランが他社からも出てきているかもしれない。

ビデオ通話のテスト

ビデオ通話

端末もSIMカードも購入したあとで、ある不安がよぎった。

「ビデオ通話は、LTE回線で使い物になるのか?」

ここにきての不安は、手馴れた端末のセットアップさえ手を震わせた。社内でのテストは、少し離れた会議室と自席で。もちろん、顔は思い切り強ばっている。
結果から言うと、

「おっ!?・・・いけるじゃん」
「十分使えるし」

というのが、実感だった。
高級なテレビ会議システムとは違い、画像の粗さは気になるが、音声通話は使える。そんなに大きくない当社内でのことなので、リアルに聞こえる声と、端末から聞こえる声にタイムラグがあって妙な感じだが、遠く離れていれば問題はない。

ということで、晴れて「ちょっと高いSIMカード対応のタブレットに、Skypeをセットアップして送ってしまえ」作戦は、ミッション遂行となったのである。

かくして、ビデオ通話による会議、出張費削減は成功した

出張費削減、大成功

ビデオ通話で会議を行うと、どこかで物理的な距離を感じているためか、いい意味の緊張感がある。無料であるにもかかわらずだ。そのため、実務的には効率よく議事が進められる。

同じ空間を共有するリアルな会議、特にお笑いが会議の活性剤的な役割を果たす大阪では、実務以外に会話が逸れたりすることがあるものだが、そのようなことも少ないように思う。感覚的には、いつもの会議では1時間半かかる会議も、半分の時間で完了してしまうのだ。

以前からTV会議システムは存在していたものの、専用の設備が必要であり、導入コストが問題だった。「SIMセットアップ済みタブレット」方式であれば、個人事業主や企業の部課レベルでも導入することができるレベルだ。

また、冒頭で紹介した通り、東京-大阪間に限らず、近距離のクライアントとの間においても活用価値は十分にあると感じた。

「会議に出かける移動時間、出張費を削減したい」とお考えの方は、解決策の1つとして検討されてみてはいかがだろうか。

ビデオ通話で出張費約30万円を削減し、顧客と密になる方法

ビデオ通話をイベントっぽく演出。しかも出張費削減

ビデオ通話で出張費約30万円を削減し、顧客と密になる方法

まだまだビジネスの現場で普及していないビデオ通話。SF映画では、いろいろなシーンで活躍しているというのに。
顧客とほんの少し目的を共有するだけで、出張費を削減し「三方良し」となるコミュニケーション方法がある。遠方でも十分に打ち合わせの目的を果たすことができ、思わぬメリットさえ生み出すスペシャルなメソッドを伝授しよう。

出張費削減を優先してしまったが

出張費削減

あるクライアントの東京支社でWEBサイトのリニューアル案件が持ち上がった。しかし潤沢な予算があるわけではなかったため、大事な局面で大阪から東京に出張してコミュニケーションを図るわけにもいかない。しかし多くの場合において、プロジェクトの正否を決めるのは密なコミュニケーションだったりする。この課題をどう解決するかが私たちに投げられた大きな問題だった。
最小限の打ち合わせに抑えたとしても、5回ほどの打ち合わせが必要だ。ということは、

削減できる出張費の内訳

  • 往復旅費25,000円×5回=12.5万円
  • 往復6時間×5回=30時間分の人件費

制作費とは別に、おおよそ30万円近いコストが発生してしまうことになる。ただし、何の工夫もしなければ、だ。

とにかく、ビデオ通話を試してみた

ビデオ通話

以前から、試してみたいと考えていた「ビデオ通話」。外部ブレインのデザイナーとの打ち合わせに使ったことはあったが、クライアントとは初めてだ。おそるおそる「どうでしょう?」と切り出すと、「いいですよ、やりましょう」。心配していた割には、拍子抜けのお返事。そうだ、彼らは東京~大阪の距離を以前から自社内のテレビ会議で乗り切っているのだ。
とは言うものの、彼らが使っているテレビ会議システムは、専用回線を使った高価なインフラ。ほぼ無料のビデオ通話とはレベルが違う。
とりあえず持てる知識を総動員し、Google先生に師事しながらベストな可能性を探ることに。当社で出した結論は、「SIMセットアップ済みタブレット」。これをフル活用することで「ビデオ通話」によるプロジェクト会議を実施、出張費を約30万円削減することに成功した。

ビデオ通話ミーティングで得られたメリット

ビデオ通話のメリット

ひざをつき合わせた会議で有益なのは、その場の空気感を共有できることだ。張りつめた緊張感をほぐすために、本題から少しそれたトピックに熱中したり、たとえ無言の時間ができてもそこに相手がいることで、それがどういう状況なのかを判断することができ、どちらかが何かを切り出すべきか否かも判断できる。
しかしビデオ通話で行う会議では、その空気感は伝わりづらい。それゆえビデオ通話会議では、それぞれが持ち寄ったアジェンダに集中して取り組むことができ、出張費の削減にとどまらず、会議時間も極めて短時間で終えることができるのだ。

ただ、それではクライアントに申し訳ないと感じてしまうのが、大阪人としてのプライドだ。

せっかく会った(ビデオ通話を通してでも)のに、大笑いのひとつ取れなくてどうするのか。これが初回の打ち合わせを終えた後の率直な印象だったが、これは私の杞憂だった。2回目以降のミーティングでは、習わし通りとりあえずのツカミから始まり、途中休憩代わりの息抜きアジェンダも盛りだくさん。きっと我がクライアントもビデオ通話会議を楽しんでもらえたはずだ。

結局のところ、今どきのプロジェクトでは、ビデオ通話による会議はアリである。あなたも思い切って出張費の大幅削減も得られるこの方法にトライしてみてはいかがだろうか。

ビデオ通話は、それ以外にも効果あり

クライアントとの関係が密に

ビデオ通話による会議は、前述したような時間の削減効果以外にも、大きなメリットがもたらされた。
ひとつに、密度の高い会議を行おうとするので、より早い段階で資料を準備し送付しておくことになったこと。しかも、指さしながら説明しなくても済むよう、分かりやすい資料作成に苦心するようになった。
ひざを付き合わせた会議とは異なり、ビデオ通話では相手の資料に指をあてて説明することは難しい。従って、見るだけで理解できる資料が必須なのだ。こういった資料が届くと説明してもらわなくてもある程度理解できるので、クライアントも積極的に事前に目を通してくれるようになる。これが短時間で会議が済むようになるポイントでもあるわけだ。

もうひとつ、「分かりやすさ」を極めるために、次のタスクの分担、期限を明確に設定するようになったこと。
プロジェクトを期限内に完遂させるには、このポイントは非常に重要だ。とくに受託側の我々が納期を守らないことはほぼないが、クライアント側にもその意識が芽生えるのは大きな意味がある。両者がお互いをリスペクトし合いながら、コストを削減することにおいても目標を持つということが、これだけのメリットを生んでいくのだ。

さらに、距離を越えクライアントとの距離が短くなる

ビデオ通話万歳!

ビデオ通話による会議は、いくつかのメリットをもたらしてくれた。ここで私たちが強調したいのは、「無料」だからなのか会議の回数が増えたことだ。近隣のクライアントとの会議でも、交通費、拘束時間など経費はかかる。しかしビデオ通話は、イニシャルコストさえ負担すれば、若干の通信費が発生するだけなのだ。
この「ほぼ無料」による心理的な経費削減効果は大きい。クライアント側も、わざわざ来てもらって・・・という気持ちもある。その心理的な障壁が取り除かれたことで、会議を終える頃には、「じゃぁ今度はいつにしましょう?」という流れになるのだ。
これによりクライアントとの接触回数は増え、コミュニケーションが密になることでプロジェクトはスムーズに動く。まさに顧客との距離が縮まるポイントになってくれている。

実践編は、別記事で

ビデオ通話による会議の準備についてもお伝えしようと考えたが、もたらされるメリットが出張費の削減にとどまらない。そのメリットがあまりにも多く、熱く語ってしまった。概論が長くなりすぎたので、ビデオ通話による会議を始めるための実践編は、別記事で紹介することにしよう。