作成者別アーカイブ: 植松 あおい

SEOで忘れがちなポイント:商品名

SEOで忘れがちなポイント:商品名

今回は、検索エンジン対策として意外に見落とされがちなポイントです。

—商品名が、自社独自の言葉になっていませんか?—

たとえば、ある文房具屋さんのWEBサイトを仮定します。
自慢商品は「クリアファイル」、じつは業界では草分け的な存在です。
だから、商品名は発売当初からずっと変わらず「透明ファイル」。
社内も販売業者さんもみんな知っているので、WEBサイトでも「透明ファイル」で統一しています。

しかしながら、Googleでの月間検索数では
クリアファイル:27,100件
透明ファイル :320件
圧倒的な差があるため、クリアファイルで検索する人には見つけてもらいにくいのです。

かなり極端な例ではありますが、このケース、実はかなりよくあることです。
自社の商品名やサービス名で、SEO的に損をしていることはないでしょうか?
もしかして・・・?と思われたら、一度調べてみてください。

より詳しい数字を調べてみたい場合は、お気軽にお問い合わせください。

※「フレイバーズ月1メール」よりご紹介。
フレイバーズでは月1回程度の頻度で、皆さまにお役に立てそうな情報をお送りしています。

総務・人事・経理イベントに、約1.6万人が集まる理由

総務・人事・経理イベントに、約1.6万人が集まる理由

「えっ、9,000円もするんですか?」
告知内容をよく見ずに訪れた、「第4回[関西] 総務・人事・経理 Week」インテックス大阪の基調講演でのこと。ちょっと尻込みしてしまった私をよそに、続々と来場者が受付を済ませていきます。

失礼ながら、内容的にもっと地味な集まりかと思っていた私は、その盛況ぶりにびっくり。
そして、もっと驚かされたのは、イベント集客のしくみが実に上手くできていることでした。

1.集客の目玉は、有料でも行きたくなる基調講演
「ワーク・ライフ・バランス、経営戦略としての働き方改革」。
いまや注目が集まる働き方改革について、エキスパートが登壇されるセミナー。企業にとっては高くない料金設定であり、また無料でないだけに本気度の高い集客を見込めるはずです。

2.動線の工夫
その基調講演が開かれるのは、展示会場のいちばん奥。その行き帰りで、来場者は展示ブ
ースに立ち寄りやすくなります。

3.商談活用のアドバイスつき
「見込みの高い顧客候補を、VIP招待してください」
主催者は、出展企業にこんなアドバイスをしているのです。
招待された方は「おもしろそう、行ってみるか」と足を運び、その帰りに出展企業のブースにも立ち寄る。
「ありがとう、非常に参考になりましたよ」となれば、商談も進めやすくなるというもの。

4.結果が出ると、来年も出展したくなる
そんなアドバイスのせいか、「ビジネスにつながる」イベントとなれば、出展企業は来年
もまた出たくなる。という訳で、来年の出展リストはほぼ確定されているとか。

何事も、明確な目的をもって動くべきなのだと、改めて勉強させてもらった一日でした。

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自社ブランドのファンを育てる方法

自社ブランドのファンを育てる方法

今回は、7月に開催された宣伝会議インターネットマーケティングフォーラムよりご報告です。

—「10人の飲み会イベントでも参加します」よなよなエールの場合—

クラフトビール「よなよなエール」を、飲んだことがありますか?

ビール全体からすると、約1%しかないクラフトビール市場のなかで、ヤッホーブルーイングは確実に売上げを伸ばしているブランド。

その売上推移のグラフと、同じ右肩上がりのカーブを描いているのが、ファンイベントで出会った人数。
1万人規模にまで広がった彼らのイベント、そこでスタッフやファン同士が交流することで、「このビールが好き」というだけでなく、価値観の共有や、活動による自己実現にまで発展するほど盛り上がっているのだとか。最近では、ファンが自発的に幹事になり開催されるイベントもあるそうです。

なぜ、そこまでファン育成が成功しているのか?という問いに、
・スタッフ自らが楽しんでいると、お客さまにも伝わる。
・「この指とまれ!」が明確だと、ファンが集まりやすい。
・ターゲットを絞る。100人のうち1人がめっちゃ好き!と思ってもらえたら十分。
・ただし、アンバサダーなど意図的な方法はとらない。まず楽しんでもらうことを優先。
という答えでした。

たしかに、楽しそうなこと。自分の価値観に合うこと。いい仲間に出会えること。
そんな場所なら、誰だってのぞいてみたくなるものです。

「新たなビール文化を創出することで、ビールファンにささやかな幸せをお届けする」というミッションからも、クラフトビールのおいしさを地道に伝えつつ、楽しい時間を共有することで、ささやかな幸せを届けたい。
そのことを真剣に考えつづけている姿勢がファンを惹きつけているのだと感じました。

よなよなエール(ヤッホーブルーイング)
https://yonayonaale.com/

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BtoB企業のオウンドメディアとは?

BtoB企業のオウンドメディアとは?

今回も宣伝会議インターネットマーケティングフォーラム
「BtoB企業にとってオウンドメディアは本当に必要か?」のレポートです。

「コンテンツがないと何もできない。BtoB企業にも、オウンドメディアは必須」
結論からいえば、それに尽きるということでした。

登壇されたのは、株式会社村田製作所
マーケティング&コミュニケーション部長様。
頭脳明晰を絵にかいたような方でした。
デジタルマーケティングに長く取り組み、試行錯誤のなかで見えてきたのが、
上記の結論なのだそうです。

そもそもの背景としては、
・市場の拡大、顧客の増大
 たとえば、自動車業界でもさまざまな企業が参入したり。
・商材の増加・変貌による、新規顧客開拓の必要性
 たとえば、ソリューションビジネスなどは売り方が異なる。
・顧客の行動が変化
 従来のアナログだけでは対応できなくなってきた。

そういった状況のなか、
集客→ロイヤリティ醸成→顧客獲得
の流れをつくるためには、まずコンテンツがなければ始まらないことが分かったと。
MAなどさまざまな取り組みを行ってきた同社が語るだけに、説得力があります。

ただし、進めるうえで大切なのは、
・ターゲットの視点に立つこと(とくに、要望が発生する前の顧客に主眼をおく)
・売らんかなコンテンツにならないこと
それが何よりも重要であり、苦労している点でもあるとのことでした。

たしかに、作り手と買い手の間には、大きくて深い川が流れているものです。
コンテンツ制作をずっと追求している私どもも、常にその課題と戦っています。
けれども、じっくりと丁寧に考えていくことで、虹の橋がかかる瞬間があることも事実。
成功への近道はないけれど、正しい努力を重ねた人だけがたどり着ける場所があるのだと、勇気をもらったセミナーでもありました。

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Webサイトのユーザビリティについて、もっと真剣に考えてみよう

Webサイトのユーザビリティについて、もっと真剣に考えてみよう

ユーザービリティという言葉を辞書でひくと、使いやすい、有用であることと出てくる。
Webサイトという言葉とセットもののにように出てくるキーワードだが、毎日さまざまなサイトを見ていて「これは見やすいなー。すごいなー」と思えるサイトに出会うことはそれほど多くない。
自分たちへの反省もこめて、Webサイトのユーザービリティを追求するためにはどう考えるべきかについて、真剣に考えてみようと思う。

ユーザビリティの高いWebサイト。それはサービスの行き届いたレストランのようなもの

ユーザビリティの高いWebサイト。それはサービスの行き届いたレストランのようなもの

まずは、あなたが今までに行ったレストランのなかで、一番思い出に残っているお店を思い出してほしい。一流ホテルのフレンチレストランか、もしくは小さくても満足度の高いお店もある。

たいていの場合、思い出に残るレストランというのは、料理の味はもちろん、サービスにおいてもすぐれている。たとえば、テーブルについてメニューが運ばれてくるタイミング。その際のスタッフの会話力。水をついでくれたグラスの口あたりの良さ。料理が運ばれてくるタイミング・・・。
お客である私たちは、年齢や社会的地位などに関係なく、紳士淑女のように扱われることでとても心地よい時間を過ごしたはずである。

Webサイトのユーザービリティも、同じようなホスピタリティが必要なのだと思う。ご存知のとおり、Webサイトは仕組みから考えれば、自動販売機のようなもの。セルフサービスで好きなように見てくださいというスタンスではあるが、そこに心配りや人の存在感を添えることはいくらでもできるはずだ。
訪問者が、自分は大切に扱われた、このサイトを見て助かったと思うことができれば、それがまさにユーザビリティではないだろうか。

スマホ所有率79.4%※のいま、ユーザビリティはWebサイトの力強い武器である

スマホ所有率79.4%※のいま、ユーザビリティはWebサイトの力強い武器である

そして、最近のスマホ普及率はすごい。そのためスマホやタブレットで見ても、そのサイズに合わせて表示されるレスポンシブデザインが主流になってきたが、スマホでのページ閲覧率はパソコンよりもかなり低くい。一人あたり平均約3ページビューと言われている。

ということは、最初に開いたページを省くと、2クリックする間に欲しい情報が見つからなければアウト。
ユーザビリティの悪いサイト、自分にとってメリットがなさそうなサイトは、さっさとサヨナラされてしまうのだ。制作している側としては悲しいけれど、現実は現実。そのなかで、どれだけ見てもらえるか、お客さまの要望に応えられるかが勝負である。
※メディア環境研究所による「メディア定点調査2018」より
※ページビュー数とは、Webサイト内でページが開かれた回数

Webサイトのユーザビリティを上げるために、忘れてはいけないこと

それでは、どのようにユーザビリティを高めていけばよいのか。必要な視点をご紹介しよう。

サイトのメインターゲットになりきる

もしかしたら、一番むずかしいポイントかもしれないが、絶対必要な視点である。
今作ろうとしているコンテンツを一番見に来てほしい人は、どんな人なのか。何のために、どんなシチュエーションで、どのようにWebサイトを訪問しているのか?徹底的にその人の気持ちになってみることが必要だ。筆者もつねに悶々としているのだが、ここの詰めが甘いと失敗する可能性が高い。

ペルソナ(メインターゲットの詳細なプロフィール)を設定する方法は一般的になってきたが、たいていの場合は中途半端に終わっている気がする。企画段階ではペルソナを入念に考えていても、制作段階において、その人たちがこのページを見たときにどんな気持ちになるか、何を見せてほしいのか、までは詰め切れていないことが多い。

だから、徹底的に「その人」になり切ってみる。ターゲットを決めたら、それ以外の人のことは一旦無視しよう。「もしかしたら、こんな人も見にくるかもしれない・・・」と真剣に考え出すと、コンテンツの内容や並べ方、ボタンの文言などにもどんどん迷いが生じてしまうからだ。

ストーリーは流れているか?

ストーリーは流れているか?

メインターゲットの気持ちになれたら、次はその人がサイト内をどのように動くか、何を見たいかというストーリーを作る。
たとえば、コーヒーカップのオンラインショップであれば、どんなふうに商品を紹介してあげれば読みやすいか。多分、商品の写真を最初に見たいだろうが、それはどのくらいの大きさが一番よいのか。スマホ画面いっぱい?その半分くらい?商品の名前はどの位置にどのくらいの大きさがよいか。カートボタンは、どこにあれば押しやすいのか・・・。

考えることはたくさんあって、だんだん分からなくなる。そんなときは、街にあるコーヒーカップ屋さんのおばちゃんとお客さんを演じてみることをお勧めする。
お客「すいません、コーヒーカップを探しているんですが」
おばちゃん「はいはい、お家で使わはるの?」(大阪のおばちゃんなので関西弁)
お客「いえ、会社で」
おばちゃん「会社用やね。たっぷり入ったほうがいいんかな?」
お客「そうですね。あと、できるだけ冷めにくいほうがいいな。」
おばちゃん「これなんかオススメやけど、お客さんは手が大きいから持ち手もいい感じかも。結構人気なのよ。この間もね・・・」

こんなに会話が弾むかどうかは別として、お客さんがまず知りたいこと、どんな疑問が頭のなかにわいてくるのかをストーリーで考えてみると、必要な要素と不要なもの。その見せ方の順番、優先順位がはっきりしてくる。

不要なものは省く。Webサイトにも断捨離が必要

不要なものは省く。Webサイトにも断捨離が必要

そうやって考えていくうちに、情報はだんだん整理されてくるはずだ。さっきの会話もお客さんにとっては、できるだけシンプルなほうがありがたいはず。多少のお喋りは楽しいものの、コーヒーカップ一つ買うだけで10分も店のおばちゃんと話したい人は稀だろう。
ましてや、買うつもりもないカレー皿やワイングラスのことまで宣伝されたら、すぐにお店を出たくなるかもしれない。

写真、コピー、リンクボタンなどさまざまな情報は、必要なときに必要な場所にあれば、その価値は非常に高くなり感動さえ与えられるが、不要なときには単に邪魔なだけとなってしまう。そこには、文字の書体や大きさ、色使いなども含まれる。
Webサイト訪問者が必要とする情報を、必要なタイミングで提供すること。そのためには、まず不要なものから省いていくのも一つの方法だろう。

訪問者に、一呼吸つかせてあげよう

最後に、もうひとつ。余白があたえる意味の大きさも大切にしたい。
フランス料理のフルコース途中で出てくるシャーベットは、メインとなるメニューの間に、口のなかをさっぱりさせて次の料理を楽しんでもらうためにある。Webサイトでも、そんな一呼吸つける空白を置くことで、ちょっと落ち着いて考えられるようになる。

よく考えて作られているWebサイトを見てみると、この余白の使い方がとても上手である。情報をたっぷりと詰め込むのではなく、ちょっとしたスペースを設けることで訪問者は頭の整理がしやすくなる。デザイン的にも、余白があることでメリハリがつき、目立たせたい情報がぐっと際立ってくるものだ。

ユーザビリティの高いWebサイトは、必ずリピーターを生む

ユーザビリティの高いWebサイトは、必ずリピーターを生む

私たちが居心地のよいレストランについ足を運んでしまうように、Webサイトも同様のことが言える。とくにオンラインショップはその傾向が強い。それほど値段が変わらないなら、自分の買い慣れたサイトで買っておこうと考える人は多いのではないだろうか。ユーザビリティは、オンラインショップの売り上げやサイトのアクセス数に大きく影響するのだ。

それならば、私たちはもっともっと真剣にWebサイトのユーザビリティについて考えるべきだろう。新しいページをどんどん作って訪問者を飽きさせないことも大切だが、その前にいったん足を止めて、このサイトは本当にユーザーが使いやすいか見やすいかを見返してみよう。

長く愛されているレストランに共通しているのは、お客さまをうんと喜ばせたいというホスピタリティが原動力になっていること。Webサイトを制作する私たちも、そんな謙虚な姿勢でもう一度考え直してみる必要がありそうだ。

根拠のない自信は、人生の杖になる

根拠のない自信は、人生の杖になる

もし、誰かに「生きていくうえで何が大切か?」と聞かれたら、間違いなく答えることの一つに、「根拠のない自信」をあげるだろう。
簡単にいえば、「大丈夫、きっと上手くいく」と何の根拠もないけれど、心から信じられる力のことである。

人によっては「なんてお気楽な」と一笑されるかもしれないが、いえいえ、人生ここぞという時に、自分を助けてくれる財産のようなものだと筆者は考える。今回は、根拠のない自信の大切さについて真剣に書いてみることにする。

「根拠のない自信」とは?

筆者も、そして当社の代表も、二人揃って根拠のない自信を持っている。筆者の場合は、大した取り柄もないのだが、これに関しては胸を張れる(笑)。
でも、それが一体どこからやってくるのか?と聞かれても、明確な答えは出てこない。だって、本当に根拠がないのだから。

しかし、半世紀ほど生きてきたなかで、「根拠のない自信」に助けられたことは山ほどある。
たとえば、

  • いくら心配したって仕方がない場合。
  • 自分が努力しても、状況を変えられるような話ではないとき。

そんな時には、「まあ、ええか。どないかなるやろ」と笑っていると、なぜか本当に「どないかなる」から不思議なものだ。

「根拠のない自信」は幸運を呼んでくれる

「根拠のない自信」は幸運を呼んでくれる

いつだったか大企業のトップ対談のTV番組で、こんな会話がなされていた。
「自分は運がいいと思わないと、運は良くならない」。
確かにその通りだと思う。筆者の周りでも、強運の持ち主たちは、間違いなく自分の運の強さを信じて疑わない人ばかりである。

そんな人たちを見ていて思うのは、みんな楽しそうであること。
もちろん、ストレスの多い現代社会に生きている限り、誰もがさまざまに煩わしい悩み事や課題を抱えているのだが、それでもなぜかみんな幸せそうで、自分の人生や現状にかなり満足しているようだ。
物事に好循環と悪循環があるとしたら、まさに好循環を自分で作り出している感じがする。そこには、年齢や社会的地位など関係ない。

たとえば、ある保育園でのお話。
先生が子供たちに、「みんな、今から何でも自分の好きな遊びをしていいよー」と声をかけた。すると、子供たちはみんな思い思いの遊びを始めた。人形遊びや追いかけっこなどなど。
しかししばらく経つと、なんとみんなが同じ一つの遊びを始めたそうだ。それは、一番楽しそうな遊び。一番おもしろそうなところに子どもたちは集中したのだそうだ。

人は、楽しそうなことや幸せそうな人の周囲に無意識に集まっていく。人だけでなく、Good Luckもそうなのかもしれない。

「根拠のない自信」がもし、はずれたら?

「根拠のない自信」がもし、はずれたら?

「そんなこと言っても、もし自信が外れたら?」心配性な人はそう思うだろう。確かに外れることもある。

たとえば、筆者はかなりの「晴れ女」を自負していて、ほとんど傘を持って出かけないのだが、時にはどしゃ降りに遭うこともある。そんな時には、代表がカバンに忍ばせている折りたたみ傘のお世話になり、「いい加減にせえよ」と言われるのだが、それでも傘を持って出ない。(当社代表は、青春時代を雨の多い鳥取県で過ごしているため、傘に関しては慎重派)。まったく、一緒に歩く人にとっては迷惑な話である。

しかし、晴れ女である以上、傘は必要ないのである。ときどき雨に濡れようが、それはたまたまお天道様の都合と合わなかっただけ。そこはカウントしなければいいのだ。そうやって過ごしていると、大概は傘いらずで過ごすことができる。

こうやって書いてみると、もしかしたら単に厚かましいだけなのかもしれない。
あるいは、他人からは「結構、苦労も多いようだけど?」と思われているかもしれない。
しかし、他人がどう見ていようと、自分が幸せならそれでいいじゃないか。本人が満足なら、何も問題はないのだから。

大切なのは、物事をどう受け止めるかではないだろうか。
時には、大雨でびしょ濡れになっても、農家の人たちは喜んでいる。それなら自分が濡れたことも意味がある。今日は雨が降ってよかった。そう思っておけばいいのだから。

根拠のない自信とは、自分を信じる力

根拠のない自信とは、自分を信じる力

けれども、ここで間違ってはいけないことがあると思う。
それは何も努力しないで、変な自信だけ持つこと。上手くいかなかったときに、それを誰かのせいにすること。

当社代表は、根拠のない自信家であるだけでなく、人一倍の努力家でもある。自分のめざす目標にむかって、歩むべき道を見極めて、最短距離で切磋琢磨しようとする。そこが筆者には足りない部分であり、いつも学ばせてもらっている。

大切なことは

  • 最悪の事態もちょっとは想定しつつ、ベストを尽くす。そして、自分の力を信じること。
  • いつも感謝を忘れないこと。
  • どんなときでも陽気に笑っていること。

きっとそんなふうに毎日生きていれば、根拠のない自信は自然に身に付いてくる。そして、どんな困難なことにも立ち向かう勇気を与えてくれる。誰かに助けてもらうのではなく、自分自身で進んでいくしかない。

しつこいようだが、最後にもう一度だけ。根拠のない自信を持ち続けよう。
他人にどう思われようと、ポジティブであることは人生何よりの幸せである。

ダブルチェックでWEBサイトの更新ミスを激減させる方法

突然のことに、驚く少年

日々、あなたのまわりで起こる確認ミス。
しっかりダブルチェックさえしていれば、クライアントから怒られることもなかった。もしこれが大きな事故につながるようなことにつながっていたら。冷や汗が背中を伝う・・・。

企業のWEBサイトは、適切なタイミングで新しい情報を更新してこそ意味がある。それによって、ステイクホルダーに最新の情報を提供するとともに、検索エンジン対策としても有効だ。

しかし、その一方で悩みのタネとなるのが、更新の際に発生するミスである。WEB担当者や制作会社が入念にチェックを行ったつもりでも、なぜかミスは起こってしまう。

「何回言ったら分かるんだ!あれほど気をつけろと言っただろ!」

と叱ってみても、根性論で解決するものではない。人間である以上、誰しも間違いは起こりうる。それならば、それを業務としていかにフォローするシステムを作るかの方が賢明だと筆者は考える。

ダブルチェックが重要であることはよく言われることだが、今回はうっかりミスを防ぎ、ダブルチェックの精度、効果を上げるための方法についてご紹介しよう。

あなたの会社で、ヒヤリハット報告が少なくなることになれば、幸いだ。

ダブルチェックの効果と意味とは?

失敗に顔を隠して後悔する少年

ダブルチェックとは、更新作業を行った人以外の誰かが再度チェックを実施すること。WEBサイトの更新でいえば、制作者本人のチェックだけだと思い違いに気づかなかったり、「ここは間違えるはずがないから」と油断があったりするため、物理的に違う目によって違う視点からチェックすることが非常に大切なのだ。

ただ、肝に銘じておきたいのは、なぜかミスというものは何回チェックしてもその網をするっと抜けてしまう傾向にあるということ。うっかりミスが発覚したときに、みんなが口を揃えて言うのは、

「まさか、そんなところが間違っているとは思わなかった」
「そこまでは気づかなかった・・・」

である。

そうなのだ。神様のいたずらかと思うようなところに、静かにこっそり潜んでいるのがミスなのである。

しかし、公共性が高く企業の信頼性にもつながるWEBサイトは、限りなく100%に近い優等生でなければならない。ミスは許されないわけだ。
それを見つけやすいのは、更新作業をした人よりも、間違いなくダブルチェックする人である。WEBサイトをそんな優等生にするためには、発想を切り替える必要がある。

ダブルチェックは、シングルチェックをなぞることではない。

と認識しておこう。

しつこいようだが、ダブルチェックをする人は独自の視点で責任をもってチェックを行うべきである。日頃の業務から学んだダブルチェックの精度を上げ、重大事故につながるミスを防ぐ鉄則をご紹介しよう。

ダブルチェックの鉄則1:ダブルチェッカーに情報を与えすぎない

ダブルチェッカーに情報を与えすぎない

まず最初に気をつけたいのは、ダブルチェックする人にはできるだけ違う視点から確認してもらうことだ。間違っても「私が今から言うところだけ確認して」などと誘導してはいけない。

作業した本人は、ミスが発生していることに100%気づいていないからダブルチェックに回している。そんな人の言いなりになって漫然とチェックを行っていては、せっかくの労力と時間が無意味なものになる。逆にクライアントから大目玉を食らう可能性さえあるのだ。

ダブルチェックを行う人は、その人の頭で考え、なおかつ「どこかにミスが隠れているかも?」と疑いながら確認を実施すべきだ。チェックシートなど基本的なツールを揃えておくことは言うまでもないが、チェックする人が自由な目と心で、時間に余裕をもって確認できるように段取りしよう。

ダブルチェックの鉄則2:しかし、主旨はしっかり伝えるべき

逆に伝えておくべきことは、どういう目的をもって更新・修正を行ったのかということ。
たとえば、比べてみてほしい。

A:「投資家のお客さまから問い合わせ方法が見つけにくいという要望があったので、目に触れやすいこの場所に電話番号を表示しました」
B:「ここにお問い合わせの電話番号を表示しました。間違いがないかチェックしてください」

どちらの頼み方が、より広い視野でチェックを行うことができるだろうか?

電話番号が間違っていないかについては、どちらも同じようにチェックするだろう。しかし、投資家にとっての窓口なら、投資家に最もよく見られている事業紹介やトップメッセージのページにも目立つように掲載すべきではないのか?もしくは、同じような質問が多いならQ&Aを充実させるべきではないか?という議論も出てくるかもしれない。そこまでいくとダブルチェックの範囲を超えてしまうが、本来はそういった視点で改善したり見直してみたりすることが大切なのだ。

またこの視点は、クライアントが制作会社に依頼する際にも同様。何のためにこの情報発信を行うのか、目的を明確に伝えることで制作内容の濃さも変わってくるはずだ。

ダブルチェックの鉄則3:必ずユーザー目線でチェックする

ユーザー目線でチェックする

ここからは、ダブルチェックする人に気をつけてほしいことをご紹介する。

前述のような優等生の解決策を見つけ出すことはなかなか難しい。しかし、ダブルチェックをする際に、サイト訪問者の視点に立つことができれば、新入社員であっても気づくことはたくさんあるはずだ。

不思議なもので、私たちは自分がお客さまの立場であるときには店員さんのサービスの悪さに目がいくのだが、自分が逆の立場になるとなぜかまったく気づかなくなる。

自分がお客さんだったら、この言い回しで理解できるか?この表現で勘違いしないだろうか?想像力をうんと働かせてチェックしよう。

ダブルチェックの鉄則4:小姑になったつもりでチェックする

そういった視点でチェックをしていくうちに、いろいろな問題が浮き上がってくる。

「ん?ちょっとこれおかしくないか?」
「でも、ここまで言うと重箱の隅を突いてるようで、ワタシ、嫌なヤツと思われちゃうかも・・・?」

と思ってしまったりもする。

しかし、そんな遠慮はまったく必要ない!

嫌なヤツで結構。小姑と言われようが、口うるさい年増と陰口をたたかれようが、せっかくの「気づき」は大切にしよう。手厳しい指摘を受けて、その場では嫌な顔をしていた後輩も、きちんとした理由を伝えれば、おおいに納得してくれるはずだ。

あなたが小姑になることでうっかりミスを防ぎ、会社のビジネスを助けたり、誰かの役に立つことになるのだから。
そんな視点を持てるようになった、あなたのダブルチェック精度はかなり上がったことを意味している。

ダブルチェックの鉄則5:ダブルチェックは午前中に

ダブルチェックは午前中に

ここまで読んでお気づきだろうが、ダブルチェックは責任重大。そんな仕事を任された自分を誇りに思うべきである。その責任を果たすためには、自分が最大のパフォーマンスを上げられる環境でチェックに臨もう。

一番いいのは、午前中の頭が冴えた状態で。もしくは、コーヒーを飲んでひと息つき、心を落ち着かせた状態でダブルチェッカーに変身することをお薦めする。

WEBサイトはビジネスの場。その信頼性を高めるのがダブルチェックだ。

信頼性を高めるのがダブルチェック

すぐれたチェックができる人は、鋭いビジネス感覚にあふれた経験豊富な人だと筆者は思う。
たとえば、同じ魚屋さんでも、顧客満足を大切にいい商品を売りたいと願う店主の店が繁盛するように、ユーザー視点で情報提供できる人、そのための間違いを見つけられる人は成果を出しやすいからだ。

WEBサイトは単なる制作物ではなく、クライアントにとってはビジネスの現場である。
自分が作ったりチェックしたら完了なのではなく、そこからクライアントの何かがスタートする原点だ。だからこそ、ダブルチェックする意味があるのだ。

ダブルチェックをフル活用してミスを減らすことはもちろん、改善の第一歩にもつなげてほしい。

表現力を高める言葉えらび、4つのコツ

きりんそう畑のなかで、はしゃぐカエルのぬいぐるみ

文章による表現は、奥が深い。
もちろんそれがたとえ、少し稚拙な文章であったり単調な表現であっても、内容が伝わらない訳ではない。

ただ、書き手の誰もがどうせ読んでもらうならしっかりと内容を伝えたい、読み手の心のなかに何かを残したい、と願う。

このコラムをサクッと読むだけで今日から表現力が格段にレベルアップするものではないし、筆者も苦手なことを克服するための練習を重ねてきた。しかもまだ毎日悩んでいる。

しかしただひとつ言えるのは、表現力を向上させるのに素質はいらない。トレーニングすれば誰もがある程度までのレベルには到達できる。

このコラムでは、表現力をブラッシュアップさせたいと感じているあなたのために、訓練のヒントになりそうな、使える言葉えらびや表現方法をご紹介していこう。

1.同じ表現でも、言葉を言い換える

新しいスキルと書かれたボード

たとえば、プロジェクトX 風に「・・・とAさんは言った。それに反応して、Bさんは・・・と言った」とストーリーを展開する文章の場合、「言った」の連発になることは避けたい。文章全体の流れはよくても、同じ言葉ばかりが続くと稚拙な印象を与えてしまうからだ。

同じキーワードをたびたび登場させることでSEO効果は確かに高まる。しかし、だからといってSEOのために、読み物としてのクオリティを下げてはいけない。検索上位にランクインしたとしても、コンテンツとしての価値が評価されなければ、最終的には読み手の信頼は得られないからだ。

また、SEOの観点からも類語を使うことには意味がある。Googleは、同じ意味をもつ言葉であれば、「言い換え」として、評価はむしろ加点されるからだ。では、よく使う表現の類語をご紹介しよう。

1-1.「言う」の表現方法

[「○○○」と言っている]
~と述べる/~と語る/~と話す/~と言う/~と伝える/~と物語る/~とつぶやく/~と考えている/~と苦笑する/~と答える/~と応じる/~と振り返る/~と続ける/~と笑う/~という思いがある/など。

1-2.「とても良い」の表現方法

高品質な/興味深い/とっておきの/満足度が高い/上質な/信頼性の高い/待望の/プロ仕様の/本格的な/好評をいただいている/ファンが多い/魅力的な/業界をリードする/格別の/リーディングエッジの/革命をおこす(内容によるが)/至福の/など。

ただ、褒める表現は誇大広告と受け取られないよう十分な注意が必要である。最高の/世界No.1の、といった表現ははっきりとした根拠を記載しなければいけない。以下の言葉を使うときにも注意が必要だ。後に続く言葉によっては使ってはいけない場合がある。
極上の/今までにない/他に類を見ない

2.ありふれた表現は避ける

ありふれた表現は避ける

言葉には、旬がある。
世間で流行りはじめた頃やときどき耳にする程度ならよいが、どこでも目にするようになたら要注意だ。使い古された表現、手垢のついた表現は、かえって印象を悪くしてしまう。それが耳障りのいい言葉であればあるほど、嘘くさく聞こえてしまう。

たとえば、

  • 地球にやさしい
  • きめ細やかな配慮
  • 心に寄り添う
  • 顧客ニーズにマッチした
  • 匠の技 など

例として挙げた5つすべてがどこの企業、店舗でも通じる表現だ。
手垢のついた表現のキャッチコピーのあるページのヘッダー部分をライバル会社のヘッダーと入れ替えても、顧客候補は100%気づかない。そのぐらい、あなたの会社と顧客候補との間のコミュニケーションとしては、圧倒的に力が不足している。

要は、読んでくれる人の心に、あなたの会社特有の「何か」が響くかどうかが大切。時には、耳障りの決して良くない、素朴な表現の方が心に残る場合もあるのだ。

3.文末に変化をつける

文末に変化をつける

小学生の作文が幼稚に聞こえる理由のひとつは、文末が単調なことにある。「今日、お父さんと釣りに行きました。僕はあじを3匹釣りました。お父さんは大きな魚を釣りました。」といった具合。大人の文章では、一文がもっと複雑なためそれほど気にしない方が多いが、文章全体の流れが悪くなる。

それを防ぐためには、たとえば「~します。」は3回以上は連続して使わないとか、「~しました。」「しましょう。」や、「~ということ。」「(名詞)~。」と体言止めを加えることで変化をつけよう。

表現力を高める言葉えらび、4つのコツ、後半は

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オウンドメディアで他社の先を行く、4つの基本

後光がさす神殿

ユーザーの視点に立ったコンテンツを提供することで集客につなげるという、注目の新たなマーケティング手法「コンテンツマーケティング」。その器となる、「オウンドメディア」もよく耳にするようになってきた。

しかし、誰もが同じようなことを始めると、どう差別化していけばいいのだろう?

この記事では、まだコンテンツマーケティングを始めたばかりだったり、手を付けるべきか思い悩んでいる方に、誰よりもいち早く優位性を確立するための対策をご紹介する。

オウンドメディアとは?

マーケティング、ソーシャル、メディア・・・

最初に、オウンドメディアの意味について簡単にご紹介しておこう。

オウンドメディアとは、文字通り自社が所有しているメディアのこと。広い意味でいえば、自社サイトはすべてオウンドメディアとなる。

WEBサイト上で、顧客や顧客候補にむけてスタッフブログやオンラインセミナー、専門家コラム、ソリューション事例などのコンテンツを公開することで継続的に情報発信を行い、訪問者とのダイレクトなコミュニケーションを図るためのツールといってもいい。

顧客や顧客候補と直接つながろうというメディアであり、企業にとっては非常に大きな役割を担うものといえるだろう。

企業サイドのジレンマ

これまで企業は、マスメディアに大量かつ莫大な宣伝予算をかけてきた。しかし、広告費は削減傾向にあり、効果は最大値を求められる。さらに、マスメディアによる「誰にでもいいから、とにかく広げよ」といった強引な方法論に大きなムダを感じているのだ。

そこでインターネット経由で自社商品に興味を持つ顧客候補を「個客」として扱うことができ、自社の思うようにコンテンツを組むことができる「オウンドメディア」にスポットがあたるようになったのだ。

さらに都合がいいのは、情報の発信量に制限がないということだ。TVCMには時間制限がある。紙媒体には文字数制限やスペースの制限がある。しかし、自社媒体であるオウンドメディアには制限など存在しない。取り組み方次第では、マスを上回る効果が得られる。しかも継続的に。

ユーザーを引き込むための魅力的なコンテンツさえあれば、いくらでもコンタクトができる。自社内に蓄積している知恵を掘り起こし、顧客に理解しやすいようにまとめれば、向こうから自社に近づいてもらえるようになる。

オウンドメディア戦略は、ロングテール戦略

顧客を「個客」と認識すればするほど、価値観は多様化し、いわゆるロングテール理論に近くなる。しかし、マスメディアを使った宣伝活動では落としていたかもしれないロングテールまでカバーすることで、より宣伝活動の効果「量」を上げようとするものでもある。

スタッフブログで顧客とのコミュニケーションを介した自社の持つ多種多様なノウハウを公開したり、オンラインセミナーや専門家コラムでは細かなニーズに対応した専門性の高い情報で顧客候補の課題を解決、ソリューション事例では実際に現場で起こる課題を解決している様子や自社製品やサービスを交えて具体的な内容を示す。

こういった具体例を明らかにすることで、多くのキーワードが蓄積されていく。これがロングテールなニーズに結びつき、次第に大きなアクセスを誘い込んでいくわけだ。

ロングテールをカバーすることは、これまで一方的だったマスメディアによる宣伝活動を双方向に変えられる可能性もある。
それには、後述するようにターゲットユーザーにオウンドメディアで発信する情報に満足してもらうことが最優先課題だ。

1.訪問者に「良かった」と感じてもらってこその、オウンドメディア

金色のまねき猫

コンテンツマーケティングに代表されるように継続的に情報発信を行うことで、自社サイトに集客し、最終的にはブランドや商品のアピールにつなげたい。それは、オウンドメディアを運営する企業のほとんどが目指すところだ。

ユーザー視点に立ったコンテンツといいながらも、ビジネス目的みえみえのWEBサイトに興ざめしたことがあるだろう。
ブランドや商品のアピールばかりを意識し過ぎると、ユーザーに役立つメディアとしての本来の使命(オウンドメディアをスタートさせたきっかけは、ユーザーに喜んでもらえる、感覚を共有するために情報発信を行うためだったはず)を忘れがちになってしまう。

あらゆるものが媒体化し、どこを見ても企業からのメッセージ、宣伝コピーが目に入ってくる状況に多くの人が辟易としている。そのようななかで、回りくどいかもしれないが、直接的にPRするのではなく、該当する商品やサービスにまつわるノウハウを提供することで間接的に自社が持つ蓄積情報の奥深さ、視点の確かさを表現することで信頼性を高めていく。それがブランド強化につながっていく・・・というしくみがコンテンツマーケティングの本来の姿。
そしてこれらのコンテンツを公開する場所がオウンドメディアであったはず。

あくまでもユーザーのためになる情報や何らかの行動を示唆してくれるなど、読者が「読んで良かった」「助かった」と思える情報を提供できてこそ、オウンドメディアとしての使命を果たせる。

2.ターゲットの根底にある心理を満たせば、集客につながる

ダーツの矢が中心に集中

いいコンテンツは、一人歩きする力を持っている。
あなたの会社の運営するオウンドメディアで記事を読んだ人が、思わず誰かに教えたくなったり、ブックマークしたくなったり、SNSでシェアされたりと、コンテンツが勝手に拡散していくことになることがあるからだ。

しかし、コンテンツが拡散されていくためには、ユーザーが「これはすごい」「ためになる」「面白い」と誰かに伝えたくなるほどの高いクオリティがないと始まらない。

企業のオウンドメディアで発信する情報としては、商品に関連するノウハウ提供がもっとも取り組みやすいものになる。商品を開発したり、販売するなかで蓄積した経験値や研究成果ほどユーザーのためになることはないし、それを知ったユーザーは情報提供者の奥深さに感心する。

ただし、同じような記事がすでにある場合には、それに勝る情報提供が必要となる。ノウハウ集にさらに磨きをかけるのは、サービス精神。普通の情報に人々は関心を示さないし、その薄っぺらさ、やる気のなさに愛想さえつかされてしまうだろう。

たとえば、「のし紙」について紹介するとしよう。のし紙の種類や用途について説明するのは一般的。そこにもう一歩踏み込んだ内容を加えてみよう。

  • お祝い事とお悔やみごとの違いで気をつけるポイントは?
  • 包装紙の外側と内側に巻くとどんな違いがあるのか?・・・など。

のし紙について調べている人は、当たり前ながらのし紙について多くを知らない人であり、常識的なマナーをおさえておきたい、という気持ちがある。

彼らが知りたいことの本質は、単なるのし紙の書き方だけでなく、失礼のないように振る舞いたいということ。彼らの欲求の核心的な部分を満たしてあげることで、満足度はグッと高くなる。

3.スピーディに情報を発信できる仕組みづくりを

ボブスレーチームの奮闘に観客も興奮

クオリティが第一のコンテンツマーケティングだが、同時にコンテンツの量についても求められる。「筋トレ」と評する向きもあるほどだ。

最低限1週間に1度は更新したい。定期的にある程度の文字量で執筆し、同時にクオリティも維持する。そのためには、記事を作り出すための「仕組みづくり」が必要だ。

チームを組み、編集会議を開く

ターゲットとするユーザーが、今どんなことに興味をもっているのか、そこに自社が伝えたい情報を滑り込ませることができるか。常に広い視点で情報収集をしながら、目的にあった内容を詰めていく。そのためには、個人の視点よりも複数で意見を交えるほうが、より客観的な視点が得られやすい。オウンドメディアというからには、記事のクオリティを同じようなレベルで保つことも求められるのだ。

記事のプロトタイプを作る

よほど書き慣れた人でない限り、一から文章を書き出すには時間がかかる。量産するためには、ある程度スムーズに話の組み立てができるようなフォーマットが必要だ。
人気のオウンドメディアを見てみると、原稿の書き方にはいくつかのパターンがあることが分かる。

(1) 問題解決型

顧客の疑問に解決を

何かの課題を抱えている人のために、解決策を提供するというもの。

たとえば、「プレゼン下手を解決するための7つのポイント」や「春から一人暮らしを始める人必見、ワンルームのおしゃれな収納方法」などなど。
記事のフォーマットとしては、以下のような展開が多い。

  • イントロダクション
  • 解決策(箇条書きでいくつかのポイントを紹介)
  • まとめ、結論

その場合、タイトルに「プレゼン下手を解決するための」や「一人暮らしを始める人の」と、ターゲットを明確にしてあげることも大切。対象ユーザーの幅は狭くなっても、本当に知りたい人の目に届きやすくなる。また、解決策の内容はできるだけ具体的に、即実践できるような内容を紹介することも忘れてはいけない。

(2) ストーリー型

開かれた古い本に枯れたバラの花

しっかりと読ませるコンテンツに多いが、ここで重要なのは、論理的なストーリー展開になっているかどうかだ。「読んでみたが、結局何が言いたいのか分からない」では意味がない。

記事のフォーマットとして一般的に言われているのは、空 → 雨 → 傘(空を見たら、雨が降っていたので、傘をさした)というストーリー展開。
物語の基本パターンである起承転結は、読み物としては正解だが、オウンドメディアのコンテンツとして使うのは難しいかもしれない。

というのは、ネットで検索して何かの情報を得たい人が全文をじっくり読むケースは少ないからだ。斜め読みしても内容が掴めるように、サブタイトルで区切ったり、結論を前で提示するといった工夫が必要だ。

(3) キュレーション型

花の絵が描かれた、たくさんのカップ

他のWEBサイトなどで紹介されている情報を見つけてきて紹介するパターン。

たとえば、「おいしく食べて健康になれる、レシピサイト10選!」といったもの。
この場合、紹介する元ネタに信頼性があり、納得してもらえるセンスのある情報であるかが鍵になる。キュレーション型コンテンツを作る際には、個人の意見に偏らずに他のスタッフの意見も参考にしよう。

(4) 調査結果型

虫眼鏡で探す

たとえば、自社で行ったアンケートの結果報告。実際に現場を訪れて調べた状況報告など。

企画書や報告書を作る際に、使える調査結果がないか?と調べることは珍しくないはず。オフィスに空気清浄機の導入を申請したいとき、「空気清浄機を導入した100社に聞いた、導入して良かったこと」といった調査結果があると担当者は喜んで流用してくれるだろう。

この場合気をつけなくてはいけないのは、信憑性とデータのまとめ方。調査結果は、直感的に理解できるようにポイントをまとめておこう。インフォグラフィックのように、統計値やグラフを分かりやすくデザイン化したものもシェアされやすいので、おすすめだ。

4.企業文化やポリシーを表現しよう

議会で演説する議員

オウンドメディアの存在意義は、「オウンド」にある。既存のマスメディアでは得られない発想や、専門家としてのノウハウや意見など、ある分野で実績を重ねてきた企業だからこそ発信できるコンテンツに価値があるからだ。

  • スターバックスに伝わる、初めてのお客さまとの会話テクニック
  • ユニクロ社員が教える、普通っぽいのに人目を惹く着こなし術

お客さまとのコミュニケーションに重きを置いているスターバックスが教えてくれるなら、ちょっと読んでみたくなるだろう。企業が長年培ってきたノウハウや文化をベースに語るコンテンツは、それだけで説得力がある。「元○○企業のトップ営業マンが教える、新規客を落とす100のノウハウ」なんて本が売れるのも、このためだ。

一つひとつの記事はバラエティーに富んでいても、その根本には企業文化やポリシー、そして企業文化が感じられる。それでこそ、競合他社に負けない、オウンドメディアではないだろうか。

実は、オウンドメディア作りは役得である

ネットで解決方法を見つけた女性

「オウンドメディアを運営する」というと、とても大変な課題のように聞こえる。しかし、捉え方によってはこれほど学べる仕事はない。

普段は話す機会のない他部署のスペシャリストや、時には経営陣にさえ「取材」という形でじっくりと話を聞くチャンスが与えられるのだ。しかも、コンテンツを発信するターゲットは一般ユーザーであるため、今さら聞けない基礎的なことであっても、堂々と質問できる。

加えて、論理的な思考やライティング能力、企画力など、将来ステップアップするために必要な力を磨くことにもなる。しっかりした文章が書ければ、ステップアップの可能性は大きく広がる。これは間違いない事実だ。

オウンドメディアを運営する担当になったなら、「ラッキー!」と感じるべきだ。就業時間中に将来のためのトレーニングができるのだから。