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SEOの基本:CTRを上げ、見込み客を10倍に増やすコツ

SEOの基本:CTR(クリック率)を上げ、見込み客を10倍に増やすコツ

あなたは、上位表示された結果、Googleのリストに並ぶライバルサイトをおしのけて、あなたのWEBサイトが検索ユーザーにみごとクリックされることまで考慮してクリック率(CTR=click through rate)を上げることを考慮してMETA要素を仕込んでいるだろうか。

検索結果に表示されるリストにクリックする意欲がなくなることがある。検索順位1位、2位のタイトルやdescriptionに魅力を感じないのだ。おそらくこれらのWEBページは、検索ユーザーから胡散臭く感じられたり、信頼性に欠けるので極端にCTR(クリック率)は低いだろう。

SEOは、あくまで上位表示させることを意味するのだが、それではWEBサイトを運営する意味はない。SEOによって上位表示させ、クリック率(=CTR、クリックスルーレート:click through rate)を上げてこそビジネスの可能性は格段に上昇する。さらに、CVR(コンバージョンレート:conversion rate)まで上げられれば、あなたのビジネスは順風満帆だ。

この記事は、上位表示されたあなたの記事のCTR(クリック率)を現状の数倍上げることを目的としたものだ。しかしその一方、上位表示させることに苦心してきたあなたの固定観念を崩してしまうかもしれない。ただ、CTR(クリック率)を上げられるようになれば、あなたのビジネスが確実に加速し始めることも事実。

この記事では、コピーライティングを重視する当社ならではのメソッドを実例をまじえながら紹介していく。ぜひあなたも、クリック率を上げるコツを身に付けて、ビジネスをコントロールできるようになってほしい。

CTR(クリック率)とは

CTR(クリック率)とは

CTR(クリック率)は、リスティング広告や表示された検索結果がクリックされた回数を、リスティング広告や検索結果が表示された回数で割ったものだ。この値が高ければ、検索ユーザーはリスティング広告や検索結果に良く反応していることになる。
だから広告主はクリック率の高い広告を望み、WEBサイト運営者は検索結果ができるだけ多くクリックされることを期待するのだ。

リスティング広告ではない、通常のコンテンツの掲載順位とCTR(クリック率)の関係を標準値以上に改善しようというのが、この記事の主旨だ。そのためには、掲載順位による平均的なCTR(クリック率)を知っておかなければいけない。

現在、検索結果にはwikipediaや価格コム、Googleマップなどの常連も表示されてくるので、一概に標準的なCTR(クリック率)を提示するのは難しいが、とにかく、ごく一般的な検索結果(表示された結果がすべて、あなたと同様のコンテンツを扱うライバルサイトだった場合)における標準的なクリック率をまず認識しておこう。

自然検索の標準的なCTR(クリック率)

海外のマーケティング会社が発表する指標を参考に、自然検索の標準的なクリック率をチェックしておこう。
ただ、各社それぞれに独自の思想で効果測定しているために、順位によって大きく異なっており、あくまで参考値と考えていただきたい。

ここに、昨年公開された2社の指標を示しておいた。1位の数字が大きく異なっているが、筆者の感覚的には英・NetBooster社のデータの方が正しいのではないかと感じている。注目すべきは、3位までの結果をわずか10%前後の検索ユーザーしかクリックしないという事実だ。

順位 1位 2位 3位 4位 5位
CAPHYON SRL(米 2014年10月1日) 31.24% 14.04% 9.85% 6.97% 5.50%
NetBooster(英 2014年9月) 19.35% 15.09% 11.45% 8.68% 7.21%

※5位までの数値を加算すると60%前後になるが、そう考えてしまうと、データを読み間違える。あくまで5位までクリックする検索ユーザーは5~6%と読むべきだ。

たとえあなたのWEBページが5位前後にしか表示されなくても、たとえば1位のCTR(クリック率)を超えていれば、あなたの打った施策は成功しているということだ。逆に1位になっていても、5~6%しかCTR(クリック率)が取れていなければ、何らかの対策を施さねばならないということでもある。

WEBページのCTR(クリック率)を知り、対策を立てる

Search Console の検索アナリティクス

掲載順位による、おおよそのCTR(クリック率)が分かったところで、あなたのWEBページが標準値をクリアしているかを確認しておく必要がある。
あなたのWEBページのクリック率を知るためには、Search Console(旧・ウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」を利用しよう。

Search Console(旧・ウェブマスターツール)にログインしたら、メニューの真ん中にある「検索アナリティクス」を選択する。デフォルトではWEBサイト全体のパフォーマンス(クリック数)が表示されているので、チェックボックスを「CTR(クリック率)」と「掲載順位」に付け替えよう。すると、表示内容が入れ替わり、当社サイト全体のCTR(クリック率)と掲載順位が表示された。

この中から、注力しているSEOキーワードに絞って結果を分析しよう。
「クエリ」の項目にある「フィルタなし」をクリック。「クエリをフィルタ」を選択し、表示された入力ボックスに「質問」と入力して「フィルタ」をクリック。

すると、キーワード「質問」を含む検索クエリのCTR(クリック率)と掲載順位のグラフが表示された。
読者に注目してほしいのは、グラフの下部にある「クエリ」のリストだ。

「質問」でフィルタリングした画面

現在は「表示回数」順にリストアップされている。クエリ「質問の仕方」なら510回、「質問 仕方」は107回となっており、掲載順位はそれぞれ「1.1位」「9.3位」で、CTR(クリック率)が30.2%、2.8%であることが分かる。

タイトル、descriptionで1位に勝るCTR(クリック率)を得られる

検索結果に表示されるのは、記事の「タイトル」とスニペットのみであり、META要素の「description」である場合がほとんどだ。つまり、掲載順位によるCTR(クリック率)が標準値を超えている記事は、検索ユーザーから見て、この2つの要素の引きが強いということだ。

Search Console(旧・ウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」で、検索クエリを「トラックボール」でフィルタリングしてみる。
「トラックボール 肩こり」ではCTR(クリック率)50%、「トラックボール コツ」では50.85%。両方とも平均掲載順位が1.0位、1.5位なので、高いクリック率ではあるが、標準値よりはるかに高い数字をたたき出している。

「トラックボール」でフィルタリング

さらに平均掲載順位の低いクエリをチェックしてみると、「マウス おすすめ トラックボール」は5.4位でありながら、CTR(クリック率)は42.86%。1位の標準値を大きく上回る数字だ。
この数字から何が読み取れるだろうか。

当社の記事のタイトル、スニペットは、こうだ。

「トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと」
… イライラの素にもなったりする。一般的なマウスをトラックボールに替えるだけで、多くのメリットが得られるのだ。 … 軽くするのは難しいと思うのだ。また、マウスで腱鞘炎になる人がいるとも聞くので、こういった可能性がある方にもおすすめだ。

「トラックボール」の検索表示

当社が狙ったキーワードは「トラックボール 利点」であったため、スニペットはGoogleがdescription、本文を混ぜて表示している。しかしタイトル部分は、トラックボールのメリットを探す検索ユーザーにとって魅力ある誘い文句になっている。

「トラックボール」「利点」のSEOキーワードをタイトルの前半に位置させ、続くくだりで「愛用者」が伝えたいと説く。検索ユーザーからすれば、他のどのようなタイトルよりも惹かれるし、記事がユーザー視点から何らかのポイントを教えてくれるのだろうと期待してしまう。

このほかにも、当社の記事で1位ではないのに、標準以上のCTR(クリック率)を記録し続けている、いくつかの記事をご紹介しておこう。

「WordPress 企業サイト」(平均掲載順位2.8位 CTR(クリック率)39%)
初心者が、WordPressで企業サイトを作る全手順

「EC-CUBE3 インストール」(平均掲載順位4.2位 CTR(クリック率)32%)
最新版「EC-CUBE3」のインストール手順とエラー回避

「校正 コツ」(平均掲載順位1.0位 CTR(クリック率)54%)
文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと

別の記事で、具体的に勝てるdescriptionの書き方を紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてほしい。

SEOの基本:勝てるdescriptionの書き方と文字数

CTR(クリック率)の向上は、検索ユーザーの気持ちをくみ取ってこそ

CTR(クリック率)の向上は、検索ユーザーの気持ちをくみ取ってこそ

タイトル、descriptionの工夫で標準値以上のCTR(クリック率)を稼ぎ出せることは、間違いないことで、取り組んだだけ成果を上げられることは、筆者が保証してもいい。

特に重要なタイトルの付け方については、いくつかのテクニックがあり、「たった3つの法則」といったように、数字を盛り込むことや、SEOキーワードを前半に位置させれば、検索ユーザーの目に早く触れさせることにもなり、マウスポインタが近づきやすくなるといったものがある。

ただ、そういったテクニックを踏まえたうえで、筆者がもっとも大切だと確信するのは、

検索ユーザーの気持ちに寄り添うこと

だと感じている。この記事を執筆するにあたり、掲載順位がさほどでもないのにCTR(クリック率)が高い記事を改めてチェックしたが、どの記事も検索ユーザーが知りたがっていそうな文言がちりばめられていて、さもありなんと感じた。逆に、CTR(クリック率)が芳しくない記事は、それなりのものでしかなく、早急に改善が必要だとも感じてしまったほどだ。

あなたも、この記事を参考にタイトルやdescriptionを改善すれば、標準値以上のCTR(クリック率)を得られる。SEOの最後の仕上げとして少し工夫を加えることで、10倍のアクセスを稼ぐことも夢ではない。

検索ユーザーに感心してもらうために内容にこだわったコンテンツと同様、タイトルやdescriptionを見直せば、よりあなたの記事は多くの人に読んでもらえるようになるだろう。

Fetch as Googleで、SEO記事をたった3分で検索結果に表示

Fetch as Googleで、SEO記事をたった3分で検索結果に表示

コンテンツマーケティングを行う際に、知恵を凝らして執筆したSEO記事がGoogleからどのような評価を受けるかをすぐに知りたいと思うのは人情というものだ。

ひと昔前は、データベースにインデックスされるまでに相応の時間がかかっていた。しかし今は、Search Console(旧ウェブマスターツール)の機能のひとつである「Fetch as Google」を使えば、Googleは即座にクローラー(Googlebot)を出動させ、カップラーメンができあがる前にしっかりインデックスしてくれるようになった。

結果に一喜一憂しながらも、あなたはウェブマスターの仕事を悠々と楽しむことができる。この記事では「Fetch as Google」の使い方を紹介し、新たに追加した記事を確実にインデックスさせることを目的とする。

即効インデックス化される便利ツール

即効インデックス化される便利ツール

「Fetch as Google」の設計思想は、追加したコンテンツにクローラー(Googlebot)がきちんとアクセスできるかを確認するため、というものだ。
我々はこの「Fetch as Google」を、追加変更したコンテンツを即効でGoogleにインデックスしてもらうことに利用する。1週間で500回までリクエストすることができるので、ごく一般的なWEBサイトを運営しているうえで不都合なことはない。

「Fetch as Google」の画面を開いて気になるのが、聞き馴れない「レンダリング」という言葉。
「レンダリング」とは、SEOコンテンツを構成するパーツ(HTMLファイル、CSSファイル、JPGなどの画像など)をブラウザに表示させること。「Fetch as Google」では、レンダリング機能を使って、Google側からみた表示のされ方をチェックできる。

即効インデックス化される便利ツール

これは、WEBマスター側の意図した表示方法とGoogleとの間に差異がないか確認するためのものだ。もし見え方に違いがあれば、何らかの対策を打つ必要がある。

Search Console ヘルプ

「Fetch as Google」を使ったURL登録の手順

送信するURLは、あなたのサイトのドメイン以下(最後のスラッシュは含まない)だけだ。間違ってブラウザのURLをそのままペーストするとエラーになるので注意しよう。

「Fetch as Google」を使ったURL登録の手順

当社のコンテンツをリクエストする場合には、「https://www.flavours.ac/」 以下のファイル名を入力する。
たとえば、この記事ならば、正式なURLは「https://www.flavours.ac/blog/web-production-tips/fetch-as-google.html」だが、送信するのは「blog/web-production-tips/fetch-as-google.html」のみで良い。

次のオプションは、想定するデバイスを選択するものだ。

  • パソコン (デフォルトで設定されている。スマホ専用サイトなら「モバイル」を選択。レスポンシブWEBデザインなら、このままで大丈夫)
  • モバイル: スマートフォン
  • モバイル: cHTML(日本版のフィーチャーフォン:ガラケーだ)
  • Mobile: XHTML/WML(フィーチャーフォン)

「Fetch as Google」を使ったURL登録の手順

さらにオプションが続く。
先のデバイスをプルダウンメニューで選択したあと、送信ボタンが2つ並んでいるのが見える。「取得」「取得してレンダリング」。
これは、単にURLをGooglebotにアクセス可能かを確認させるだけか、Googlebotは選択したデバイスでの表示まできちんと取得できたかを確認するためのものだ。レンダリングまでさせると結構な時間がかかるので、単に「取得」で良いだろう。

「取得」ボタンをクリックすると、下側のリスト欄にURLのパスが表示され、ステータスでくるくるとアニメーションが回る。それが済めば、「インデックスに送信」ボタンが表示されるので、迷わずにクリックする。筆者は時々この最後のツメを忘れてしまいがちで、インデックスされないのはなぜだろうと右往左往することが時々ある。
読者は筆者を反面教師としてとらえ、最後のツメを忘れないようにしてほしい。

「インデックスに送信」ボタンをクリックすると、ポップアップウィンドウが開き、もうひとつ作業が残っている。
ポップアップウィンドウに表示されているのは、「このURLのみをクロールする」と、「このURLと直接リンクをクロールする」の2つ。
「このURLのみをクロールする」は、追加したいSEOコンテンツだけをインデックスさせたいときに使う。逆に「このURLと直接リンクをクロールする」は、追加したいSEOコンテンツからリンクされているページも同時にリクエストできるものだが、WEBサイトのトップページに使うので、日々の更新では「このURLのみをクロールする」で十分だ。

最後に「送信」ボタンをクリックすれば完了

最後に「送信」ボタンをクリックすれば完了。
送信後に処理のステータスが表示されるので、この意味をざっと紹介しておこう。

「Fetch as Google」処理のステータスの意味

「Fetch as Google」にリクエストを送信した後に表示されるステータスの意味を紹介しておこう。

1. 完了

GooglebotはあなたのWEBサイトに正常にアクセスでき、ページのクロールができたことを意味する。

2. リダイレクトされました

WEBサーバー側でリダイレクトの設定がされている状態。WEBサイト全体として「www」ありで設定しているのに、WordPressの設定画面でURLを「www」なしとしている場合などにもこの表示が出ることがある。
当社のWEBサーバーは、HOMEを「/」のみと設定している。この場合に、「Fetch as Google」から「index.html」を送信した場合にも、このエラーが表示される。HOMEをインデックスさせたい場合には、入力しないで「取得」ボタンをクリックするのが正解だ。

3. 見つかりませんでした

WEBサイト側で、ページが見つからない(404エラー)が表示されている。入力ミスかもしれない。

4. 権限がありません

WEBサーバー側で、閲覧を禁止している(403エラー)の設定を行っていたりして、Googleからのアクセスを拒否しているのかもしれない。

5. DNS で検出されません

送信したURLをGoogleが取得できなかった。ただこのエラーは、Search Consoleを登録した段階で分かるはずのことなので、WEBサーバーに問題が生じている可能性がある。

6. ブロック

robots.txt ファイルによって、クローラーのアクセス制限を行うと発生するエラー。

7. robots.txt にアクセスできません

robots.txt にアクセスできなかった際に出るエラーだが、すべてのWEBサイトに必ずrobots.txt ファイルがあるわけでもない。筆者はこのエラーを見たことがない。もしこのエラーが出たら、robots.txt をアップロードすればよいはずだ。

8. アクセスできません

WEBサーバーが稼動しているかどうかの問題。

9. 一時的にアクセスできません

WEBサーバーのレスポンスが悪かったか、Fetch as Google から大量のリクエストがあった可能性もある。

10. エラー

何らかのエラーが発生し、データの取得ができなかった場合。

「Fetch as Google」処理のステータスの意味

あとはGoogleからあなたのSEO記事がどのように評価されているかチェックするだけだ。SEOコンテンツが確実にインデックスされたかと、その順位を確認する方法をご紹介しよう。

インデックスされたことを確認しよう

SEOコンテンツが「Fetch as Google」を使って、確実にインデックスされたかどうかをチェックするのに便利なのは、SEO順位チェックツール「GRC」だ。GRCを使えば、300位までの順位をチェックすることができる(GRCデフォルトの設定は100位)。
ここでは、GRCの使い方を簡単にご紹介しておく。詳しくは開発元の「有限会社シェルウェア」のWEBサイトで確認してほしい。

施策を打ったSEOキーワードをあらかじめ登録されているWEBサイトのカテゴリに登録する。あとは、そのリスト行にマウスポインタをあて、「選択項目の順位再チェック(T)」をクリックするのみ。数秒で、運命の結果が表示される。GRCではGoogle、YAHOO!(Googleのデータベースを使っているので、結果はほぼ同じ)、BINGでの順位チェックを行える。
ただし、PC版のチェックのみなので、モバイル検索での順位が気になるのであれば、別のツールを使うべきだ(GRCにはモバイル版もある)。

検索順位チェックツール「GRC」

検索順位チェックツール「GRC」

※Windows版のみ。制限はあるが、無料版でも十分な機能が使えるので、SEOの効果をチェックしたいなら、導入しておこう。

SEO順位に一喜一憂するだけでなく、修正を加えて高みを目指そう

SEO順位に一喜一憂するだけでなく、修正を加えて高みを目指そう

GRCや対策キーワードで目視確認した結果が、あなたが満足するものでなかったとしても肩を落とすだけではいけない。次のことをふまえながら、修正を検討しておこう。

  • 1週間ほどは順位変動があるので、様子を見守る。
  • 3ヵ月ほどして、グッと順位が上がることもあるため、焦らない。
  • 他のSEO記事を追加していくと、WEBサイト全体として順位があがる

これらのことを考慮しても順位が上がらない場合には、SEOコンテンツに何らかの問題があるはずだ。競合する記事の内容と見比べ、検索ユーザーからみて「読みたい記事」となっているかを確認しよう。もしあなたの仕込んだSEOコンテンツが他と比べて見劣りしてしまうなら、真摯にそれを受け止め、加筆修正しよう。

この繰り返しを粘り強く継続すれば、あなたのWEBサイトはきっと上位を獲得できるようになる。

ロングテールSEOで、集客+CVRアップを図る5つの秘策

ロングテールSEOで、集客+CVRアップを図る5つの秘策

ロングテールSEOは、多くの費用をかけずに、安定したアクセスを着実に伸ばせる唯一の方法だ。ただし、安易にコンテンツをいくら増やしても、検索順位は上がらないので効果も出ない。

たとえば、安価にコンテンツ執筆を代行するサービスを見つけたので、ラクをしようと考えた。しかし、Googleを相手にラクラク効果を出せるなどということはあり得ない。
誰かが、これならいけると金儲けのネタとして考えたサービスを使ったところで、Googleが「この記事は専門性が高い」と高評価をつけるわけがないではないか。世界でも有数の頭脳の持ち主が集まった組織が作った検索アルゴリズムは、そんなにバカではない。

一方で、安易なサービスを使わず自分で真摯にコンテンツを更新しているWEBマスターなのに、思うような効果が出ずに挫折しかけている方がいるかもしれない。

この記事では、マジメに集客に取り組んでいるにもかかわらず理想的な効果を出せずにいるWEBマスターに、ロングテールSEOによる集客の実践的な方法をお伝えしたいと考えている。基本的な考え方とテクニックを汲み取っていただければ、自社に合った具体的な方法に落とし込むだけ。ただし、相応の地道な努力が必要になることだけはお伝えしておきたい。

ロングテールSEOとは

ロングテールSEOとは

まずはじめに、ロングテールSEOの概念について、ご紹介しておきたい。すでにご存知の方も、おさらいのつもりで斜め読みしてほしい。

2004年10月にアメリカ・WIRED誌のクリス・アンダーソン氏が「ネット販売では、80%の販売数の少ない商品の総額が、全体売り上げの80%を作り出す」と発表した理論だ。一般的にはパレートの法則(20%の商品や顧客が全体売り上げの80%を占める)が主流だが、アマゾンのようなネットショップでは在庫の量が限りなくゼロに近く、店頭展示もないので、販売量の少ない商品をそろえておくことができる。
しかも、世の中には販売量の少ない商品でも求めている人がいるので、このニーズまで拾うことができれば、大きな売り上げにつながるということなのだ。

この「反パレートの法則」ともいうべき理論をSEOに昇華させたものがロングテールSEOだ。

実際、WEBサイトに集客しているキーワードには、主要なものがいくつかある。しかし、アナリティクスやウェブマスターツールで確認すると、全体のアクセスに対する比率はさほど高くないことに気づかないだろうか。
たとえば、ある企業のアクセスを解析してみると、社名以外のキーワードでもっとも多いもので540件。これは検索エンジン経由全体の流入数7,569件に対する比率としては7%にしかすぎない。クリック数が2桁のものだけを集めても全体の34%にしかならない。残りの66%は、クリック数1桁のキーワードによって集まってきているのだ。

ロングテールSEOの概念

実店舗では、在庫や展示スペース、回転資金の制約から売れ筋の商品しか置けないが、全国規模の市場がターゲットになるインターネットでは、工夫次第でとても小さな需要に対応することができる。コンテンツでも同様で、検索ユーザーそれぞれの頭に浮かんだキーワードは千差万別で、とても集約することなどできない。ネットショップとインターネット検索では、この構造がきわめて近いのである。

だからロングテールSEOを実施する価値があるということになるのだ。

ロングテールSEOを実施するメリット

安定的なアクセスを確保できる

ロングテールSEOを実施するメリット

ロングテールSEOのメリットとしては、安定的なアクセスを確保できること、コンバージョン率が高いことが挙げられる。

安定的なアクセスを集められることは、集客が売上のカギとなるネットショップやネットサービス、引き合いを入手したいWEB担当者にとっては、大きなメリットだ。
もしあなたのWEBサイトが、それひとつで大きなアクセスを集められるビッグワードでの集客に頼っていると、Googleの検索アルゴリズムによる仕様変更や競合他社の台頭などで状況は一変する。市場の変化によって、アクセスが激減してしまう可能性があるのだ。

これに対して、ロングテールSEOが生きているWEBサイトは、ひとつひとつのキーワードに対するアクセスは少ないが、多くのキーワードで少しずつアクセスを集められるので、リスクが分散されていて、状況が変化したところでアクセスが激減する可能性はきわめて低い。

コンバージョン率の高さ

コンバージョン率の高さ

もうひとつの大きなメリットは、コンバージョン率の高さだ。
ビッグワードは、単語ひとつのことがほとんどで、それだけでは検索ユーザーがどういった意図で検索しているのか推測しづらい。たとえば、「税理士」はGoogleの月間検索ボリューム33,000件を超えるビッグワードだが、検索ユーザーが税理士に何を期待して検索しているのかまでキーワードから推測することができない。

上手い節税の仕方を教えてくれる税理士を探しているのか、安価な顧問料でサポートしてほしいのか、税理士試験にチャレンジしようとしている学生かもしれない。
それが「税理士 電話相談」なら、月間の検索ボリュームはわずか50件だが、上位に表示されれば、かなり成約率は高まりそうだ(※)。

しかも検索ボリュームの少ないロングテールキーワードに絞り込めば、競合が格段に少なくなり上位に表示されやすくなる。ロングテールSEOは、あなたが汗をかけばかくほど実りある結果を得やすい集客術なのだ。

※「税理士 電話相談」は、税理士協会などが行っている無料相談があることから、実際の仕事につながることは少ないかもしれない。読者においては、該当するキーワードで検索した結果を踏まえて、ロングテールSEOの対象とすべきかを判断してほしい。

ロングテールSEOを成功させる考え方

ロングテールSEOを成功させる考え方

ロングテールSEOを成功させるためもっとも大切なのは、キーワードの選択だ。
ロングテールだからといって、誰からも検索されないキーワードを設定したところで、水たまりで釣り糸を垂らしているのと同じ。釣果など期待はできない。

キーワードの設定には、Googleアドワーズの「キーワードプランナー」などを使い、月間の検索ボリュームを見極めてから計画をスタートしよう。ここで大切なのは、検索ボリュームが数千にもなるキーワードを設定するのではなく、数十でも競合の少ないキーワードを設定する方が得策だということだ。
対象とするキーワードの探し方は、筆者の記事「SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5」で詳しく紹介したので、参考にしてほしい。

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

ロングテールSEOを成功させるために大切なことがもうひとつある。思想的なことではあるが、上位表示をさせるためには重要なことだ。それは、記事を読む人にとって、良いコンテンツを提供するということ。

Googleは、自らはコンテンツを何も持っていない。持っているのは私たちだ。彼らは、コンテンツを持っている人と探している人の仲介をしているのであり、もし良いコンテンツが存在しなければ、Googleは探している人に何も差し出すものがないのだから、存在する価値さえなくなってしまう。さらに、探している人の役に立つコンテンツを教えられなければ、「ダメ検索エンジン」のレッテルを貼られてしまうのだ。

だからGoogleは、探している人にとって役に立つコンテンツを選ぶ手段(上位表示アルゴリズム)を常にアップデートしているのだ。

Googleの事情から見ても、探し物をしている人の心情から考えても、良いコンテンツ、役に立つコンテンツは大歓迎される。誰からも支持されるすばらしいコンテンツを作ることこそ、SEOの要諦なのだ。

Googleは、検索結果からユーザーが良質なサイトを見つけやすくすることに特に取り組んでいます。

Googleウェブマスター向け公式ブログ

ロングテールSEOを実施するためのHACK

HACK1:現在のコンテンツを改善する

現在のコンテンツを改善する

WEBサイトを運営するうえで、もっとも大切なことは細やかなメンテナンスだ。日々の業務に追われて少しの配慮ができなくなってしまうと、せっかくの宝の山を見過ごしてしまうかもしれない。

リリースしたことで満足してはいけない、ということだ。
つまり、コンテンツをリリースした後も、Google、訪問者からコンテンツに対する反応を改善に活用するということ。

ページタイトル、見出しの前方にキーワードを置けば、表示順位は改善される

狙ったキーワードで順位が思うように上がらなかったなら、コンテンツに含まれているキーワードの位置や見出しにキーワードが含まれているかをチェックする。とくにコンテンツのページタイトルや記事の見出しにキーワードを前方に置くだけで、かなりの改善ができる。もしこのポイントができていなければ、即改善を施そう。

滞在時間が短ければ、内容を再検討

訪問者は、辛辣にあなたの執筆した記事に評価を下してくれる。
予想していたより短い時間しか滞在してくれていなかったり、SNSでシェアされることがほとんどないといった状況なら、コンテンツ自体の内容に問題がある。検索上位に表示されている他サイトのコンテンツと比べて劣っている点がないか、独自の視点でテーマを解説できているか確認してみよう。

Googleの検索アルゴリズムは、あなたが考えている以上に賢い。
キーワードが詰め込まれているだけでは、それなりの評価しかしてくれない。あなたの執筆した記事が、読者のためになるかどうか、オリジナリティがあるかを判断する能力を持っているのだ。

HACK2:キーワードから推測する記事のポイントをすり合わせる

キーワードから推測する記事のポイントをすり合わせる

ロングテールSEOで成功するためには、キーワードからイメージできる、読者がチェックしたくなるコンテンツの内容をリストアップしてみよう。
たとえばその内容を3つ思いついたら、内容に過不足がないかリサーチを行う。

該当キーワードで検索した結果、上位5件ほどの記事に目を通し、あなたが持っている内容があるならOK。ないなら、なお良い。もし不足しているなら、不足分を補えるようにコンテンツを組み立て直そう。

リサーチとはいえ、あなたが持っている知識と先人たちの知識をすり合わせることで、あなたが執筆しようとしているテーマをより深く知ることができる。あなたの勉強の時間でもあるのだ。

アウトプットするためには、その10倍のインプットが必要だと言われる。
検索上位の記事を5本ほど読めば、そのテーマに対するあなたの知識量を知ることにもなる。まだまだ知識量が足りないと感じたなら、真摯に学び直すことも大切なことだ。

HACK3:1つのキーワードを軸に、多面的に執筆する

1つのキーワードを軸に、多面的に執筆する

前述した「弁護士」単体で上位を狙うなら、「弁護士+○○○」をいくつか組み合わせて記事を重ねると、「弁護士」単体でもあなたのWEBサイトは徐々に強くなっていく。理由は2つある。

ひとつは、WEBサイト全体で「弁護士」というキーワードの占める割合が高くなり、Googleは「このWEBサイトは、弁護士についてのコンテンツが多くある」と認識をするから。当社のWEBサイトでいくら弁護士について完璧なSEOを施したコンテンツを1本リリースしても、検索上位にリストアップされることはない。「WEBサイト全体として」が大切なのだ。

ふたつめは、「弁護士+○○○」で上位にランクインできれば、その記事からもWEBサイト内の他のページにリンクが張られることになる。ある分野で強いコンテンツは他のページにも良い影響を及ぼすことになる。それがWEBサイトの上位階層ページへリンクを張る「パンくずナビゲーション」なら、上位階層にある「弁護士」というテーマを束ねるページが強くなっていくということになる。

HACK4:キーワードを言い換える

キーワードを言い換える

言い換えをするメリットは2つある。

ひとつめは、主要キーワードで専門性を高めるということ。
Googleは、コンテンツがどのようなキーワードで構成されているかをチェックしている。一般的に文章を綴るときには、ときどき言い換えを行う。さらに、過去に専門性が高いと判断した記事には、主要キーワードを言い換えたものが多い。だとすれば、Googleは専門性の高い記事でも、主要キーワードで言い換えされることがあるはずだとジャッジしているのだ。

事実、上位のランクインしている記事すべてが主要キーワードを統一して使用しているわけではない。専門家は知識に余裕があるので、相手に理解してもらうために言い換えをするものだ。

ふたつめは、従属的なキーワードで可能性を増やすということ。
「大切なこと」「ポイント」「コツ」はニュアンスは異なるがほとんど同じ意味であり、検索キーワードとしてどれも使われる可能性がある。あなたが「○○○ コツ」と最も大きな検索ボリュームを持つSEOキーワードを設定したとしても、「○○○ ポイント」と検索する人もいるのである。
これらの言い換え、同義語も想定しながら記事を執筆するとヒットする可能性が高まるということだ。

HACK5:CVRを上げるキーワードを探す

CVRを上げるキーワードを探す

CVRは、キーワードの選択で上げることができる。
ロングテールSEOの目的は、集客することはない。まだ見ぬ顧客と接触し、説得へとつなげ、問い合わせ、資料請求、メルマガ登録、販売といった何らかの成約を勝ち取ることだ。

だとすれば、ムダに多くの訪問者を集めなくても、成約率の高そうな訪問者から優先的に集めればいいということになる。
ここでおさえるべきは、やはりキーワードの選択となる。

「弁護士」というキーワードだけでは、「弁護士になるための勉強法」を探しているのかもしれないし、TV番組「行列のできる法律相談所」に出演している弁護士のプロフィールを調べたいのかもしれない。
しかしあなたがコンタクトしてきてほしいのは、家族間で相続問題などが発生し、遺産相続を円満に解決したいと考えている依頼者、つまり、すぐ仕事に結びつきそうな訪問者だ。であれば、彼らが使う検索キーワードは「弁護士 遺産相続 円満解決 大阪」などといったものであるはず。当然、これらのキーワードで訪問したユーザーは、遺産相続についてどのように解決していくのか、経験は豊富なのか、費用はどのくらいかかるのかについて吟味する。

そういったプロセスを経た結果、問い合わせの電話が入ることになるからだ。

もっとも大切なのは、コンテンツへの反応を活用すること

もっとも大切なのは、コンテンツへの反応を活用すること

ロングテールSEOでもっとも大切なことは、リリースした記事に対する評価を真摯に受け止め、改善を施すことだ。

大きな変更は、リリースの日付を変更

一時期、満足できる反応が出たコンテンツも、時間が経つと反応は鈍くなってくることがある。
理由は、市場が変化し、あなたの記事に時流に合わない部分や競合ページに負けている部分が出てきて、他のコンテンツに競り負けている可能性があるということだ。
いつまでもその状態を放置してはいけない。できるだけ早く弱くなっていると思われる部分を見直し修正してアップデートする。
再リリースする際には、更新日付を新しくしておくことで修正されたコンテンツの内容がGoogleのデータベースでも修正され、再び輝きを取り戻すことになる。

気がついたのなら、小さなアップデートも怠らずに実行あるのみ

気がついたのなら、小さなアップデートも怠らずに実行あるのみ

自分が懸命に執筆した記事はかわいいものだ。さほど反応が得られていないものでも、それぞれに愛着を感じてしまう。
それだけに、時々読み返すと気になってくることも出てくるもので、改善点に気づいたなら、修正して再リリースしておこう。こういった地道なことの繰り返しが、必ず報われるのもコンテンツマーケティングの良い点だ。

あなたのWEBサイトの改善点を見つけ、トライすること~表示順位、SNSでのシェア数、訪問者の滞在時間、引き合いの件数など~競合のコンテンツを研究して新たな論点を加えたり、もっと分かりやすい表現方法に変えることだったりすることは、ロングテールSEOでシングルヒットを重ねるために非常に大きな力となる。

極端な話、シングルヒットでなくてもいい。フォアボールでも、デッドボールでもいいのだ。とにかく出塁を積み重ねることができれば、その試合には必ず勝てる。

誰でもできる、集客コンテンツを作るSEO7つの手順

集客コンテンツを作る7つの手順

あなたは、WEBコンテンツを「自社製品の特長」から設計していないだろうか。

もちろん、自社製品の特長は語るべきコンテンツだ。しかし、市場を無視して自社製品の特長を語ったところで、あなたが望んでいる見込み客は集まってはくれない。

まずあなたが行うべきは、市場が何を望んでいるかを知ることだ。市場のニーズに合った製品の訴求方法でコンテンツをリリースし、集客する。そのあとでじっくり自社製品の特長を主張しても遅くはない。

この記事では、WEBコンテンツを作成する過程における、「集客」方法にについてご紹介する。すべては、人の目に触れてはじめて始まるのだということを忘れないでほしい。

SEOコンテンツは、テキスト情報で伝えなければいけない

SEOコンテンツは、テキスト情報で伝えなければいけない

「文字がいっぱいあっても、読む気がしないでしょう?」

そんなことを思うのは、普段から文章を読む習慣のない、あなただけだ。
本気で困っている人、真剣に情報を探している人は、必ず読んでくれる。いや、斜め読みはしてくれる。そして必要な部分はしっかり精読さえしてくれる。

ここで考えてほしいのは、画像ばかりのWEBサイトを良い情報だからと上位に引き上げてくれる検索エンジンは存在しないということだ。いくら無人運転を可能にする自動車を開発してしまうGoogleでも、残念ながらそこまで技術は発達していない。

文章の良し悪し、内容のクオリティは判断できても、画像に隠されている内容まで考慮して検索ユーザーにとって有意義なコンテンツとまでは理解できないのだ。

インターネットはテキスト文化だ。
次々とバズを生み出す、飛び道具のようなアイデアなしで集客をしたいのであれば、みっちり文章で説明することだ。

SEOコンテンツ作成の手順

SEOコンテンツを作成するための手順を具体的に紹介しよう。

手を抜かず、この手順にそってコンテンツを作成すれば、必ず効果が出る。
これは我々がSEOコンテンツを作成するときに常に実践している方法であり、それなりの効果を上げ続けている実証済みの方法だからだ。

あなたも、これから紹介する7つの手順にトライして、その効果を実感してほしい。

1.検索キーワードを決める

検索キーワードを決める

SEOコンテンツを作成する前に考えるべきは、対策キーワードを何にするかだ。

まず、製品の特長や関連するキーワードを書き出してほしい。
それらをひとつずつ、過去に検索された複合キーワード(フレーズ)を調べるためのツールを利用して、リストアップする。

たとえば、「WEB制作」と入力すると、関連キーワード取得ツールでは、「Googleサジェスト(Googleで直近に検索された複合ワードのリスト。検索ニーズを教えてくれる重宝な機能だ)」をはじめ、五十音順に複合ワードのリストを提示してくれる。

関連キーワード取得ツール

GoodKeyword

提示されたキーワードをコピーして、Googleアドワーズの「キーワードプランナー」で月間検索数を調べよう。
Googleアドワーズはリスティング広告を出稿するためのツールだが、広告主でなくても登録さえすれば利用できる。ログインしたら、上部にある「運用ツール」から「キーワードプランナー」を選択する。

「キーワードプランナー」で月間検索数を調べるには、いくつかの方法があるが、2番目に提示される「キーワードの検索ボリュームを取得、またはキーワードを広告グループに分類」を選択する。入力窓が表示されるので、先ほど「関連キーワード取得ツール」で調べた複合ワードのリストをペーストして、月間検索数を調べる。

「WEB制作」だと4,400件、「WEB制作会社」だと2,900件だと分かる。検索数の横に表示されている「競合性」にも注意しよう。これは、広告出稿する際に競合先がどれだけ多いかを示すものだが、競合が多いということはSEO的にも近いといえる。月間検索数が数千以上になるビッグワードは、競合が多く、上位に食い込むのは至難の業となるということだ。

Googleアドワーズ

2.競合を調べる

競合を調べる

対策するキーワードが決まったら、マーケットを調べよう。市場調査をして、あなたのコンテンツに必要な策を練るための準備期間だ。

とにかく対策キーワードで、検索してみる。1ページ目に表示されたページの内容をざっと見比べてみる。タイトル、紹介文をチェックすれば、おおよその傾向がつかめるはずだ。競合性が高いキーワードなら、検索上位に位置するページは洗練されたものだから、ページを開いてみる。

斜め読みし、どのような内容が書かれているかを確認しよう。
ときに専門家のあなたでも、そういう考え方や捉え方もあるなと競合のページに教えられることもある。教えられたことを拝借しないまでも、あなたの視点で記事を書き連ねていく際に、参考データとして役に立つ。

「アウトプットをするためには、その10倍の知識のインプットが必要」

といわれる。検索ユーザーが「なるほど」と感心してくれるコンテンツを作るためには、専門家といえども柔軟な姿勢で物ごとを多面的に捉える必要がある。競合ページを調べるのは、コンテンツに幅を持たせるための準備と考えてほしい。

3.キーワードに関連する人気記事を調べる

キーワードに関連する人気記事を調べる

検索ユーザーにとって、有益なコンテンツを作成するためには、検索上位のページを調べるだけでは足りない。

なぜなら、集客はSEOによってのみもたらせるものではなく、SNSのシェアによってももたらされる可能性が高いからだ。

これを知るには、あなたの製品が属する専門サイトやキュレーションサイトでまとめられた記事、ブックマークサイトなどで人気の記事をチェックすることをおすすめする。

多くの人にシェアされる人気の記事が、どのような切り口で製品に関連するコンテンツを展開しているかをつぶさにチェックしてほしい。
検索上位にあるページと同じ傾向があったり、まったく異なる内容であったりすることにも気づくだろう。

競合ページの傾向を読み解くのは、感覚的なものだ。センスといってもいい。
これだけはテクニックがあるわけではなく、一朝一夕で身につくものではないので、数をこなしながら慣れていくしかない。

4.検索ユーザーのためになる記事を書く

検索ユーザのためになる記事

SEOコンテンツを作成するには、競合ページの傾向を読み解き、それらを上回るコンテンツを執筆することが大切だ。

対策するキーワードで、検索ユーザーは何を求めているのかを想像し、彼らの求めるコンテンツを組み立てていく。主題を据え、あなたのロジックをストーリーで展開しよう。

まず、展開するストーリーを見出しで表現していく。
その見出しにつながる内容をざくっと書き出していこう。

いちばん上の見出しから順にアイデア出しをしなくても構わない。あなたの得意なところから書き連ねていけばいいのだ。
少しずつそれを積み重ねていけば、徐々にSEOコンテンツが仕上がっていく。

おおよその構成が済んだら、以下のチェックポイントに気を付けながら、全体を見直そう。

  • 見出しが抽象的なものになっていないか
  • 全体が流れるように組み立てられているか
  • 見出しに続く書き出しは、次のパラグラフを読みたくなる構成になっているか
  • 他人に読んでもらい、感想を聞く

SEOライティングのセオリー、7つの絶対ルール

5.リリースしてみる

リリースしてみる

今までのチェック項目を守りながら、あなたが渾身の力で書いた記事なら、きっと人を呼び込めるコンテンツになっているはずだ。とはいうものの、どうなるかはネット上の競合との兼ね合いによるので、リリースしてみないと分からない。

とにかく思い切ってリリースしてみよう。WEBマーケティングは、失敗しても構わない。印刷物とは違い、すぐに修正ができるのだから、どんどんトライするべきだ。トライしなければ何も得られない。宝くじは買わないと当たらないのだ。

リリースする際に、我々が実践していることをお伝えしておくので、参考にしてほしい。

  • WEBサイトのトピックを更新し、内部リンクを増やしておく。
  • サイトマップを作成し、Google Search Consoleに登録。
  • Google Search Consoleの「Fetch as Google」でリリースしたコンテンツを登録。
  • SNSのいくつか(当社はfacebook、Twitter、はてなブックマーク、Google+、pinterest)に投稿。

6.必ず修正を加える

必ず修正を加える

コンテンツをリリースしたあと、あなたがすべきは、順位のチェックだ。Google Search Consoleの「Fetch as Google」でコンテンツを登録すれば、すぐにクローラーが情報をデータベースに収めてくれるので、すぐに検索結果に反映される。

GRCがもっともポピュラーだが、無料ツールを利用しても構わない。

GRC

結果はどうだっただろうか。
リリース直後に出た順位は仮のもので、翌日には順位が変わってくるので、直後の結果が良くても喜んでばかりはいられない。もちろん、2回目、3回目のクロールで結果が良くなることもある。コンテンツのリリース後、一定期間経過しないと順位が上がらないという説もあり、検索順位はある程度の経過観察が必要だ。

そして大切なことは、結果をチェックするだけが、あなたの仕事ではないということだ。
リリースすることだけで満足してはいけない。さらに順位を改善するためには、何が足りなかったか、どのような内容を追加すればいいかを考え、修正を加えることが大切な仕事なのだ。最終的には「しつこい」者が勝つ。これは太古の昔から脈々と続く真理だ。

7.同じテーマの記事を重ねる

同じテーマの記事を重ねる

修正を加えたコンテンツが、もう限界だと感じたら、しばらくは放置プレイに持ち込む。
何か別のアイデアが生まれたら、また修正を加えればいい。焦らないことだ。

次にあなたがすべきは、同じテーマで2件目、3件目のコンテンツを重ねていくこと。
Googleは、検索ユーザーに有益なコンテンツを紹介するのが使命。その判断基準として、あなたが該当するテーマに関して、スペシャリストであるかどうかを気にしている。スペシャリストであれば、同じテーマでいくつもの切り口を繰り出せるはずだと考えているため、取り上げられているテーマに関するコンテンツの質と量が検索順位を決めるにあたり、重要なファクターとなっているからだ。

1本コンテンツを書き上げただけで、疲れ果ててはいけない。
検索上位に食い込むためには、あなたのスペシャリストとしての「知識と工夫の幅」をGoogleに提示しなければ、検索上位に食い込むことはできないのだから。

コンテンツマーケティングへの努力は、必ず報われる

コンテンツマーケティングは、必ず報われる

世の中は、努力しても報われないことも多い。しかしコンテンツマーケティングに関していえば、筆者の感覚では必ず報われる。何度も繰り返すが、ただし、あなたの粘り強い努力があれば、だ。

ウェブマスターツール(Search Console)「検索アナリティクス」をフル活用し、ロングテールSEO攻略

ウェブマスターツール(Search Console)「検索アナリティクス(検索クエリ)」をフル活用し、SEO攻略

もうあなたは、「SEO対策してるのに、結果が伴わない」とため息をつかなくてもよくなる。今日から、競争の激しいキーワード、いわゆるビッグワードで勝負するのをやめるからだ。

考えて欲しい。
あなたは、SEOのハウツーを調べるとき、「SEO」と検索するだろうか。少なくとも、「SEO」に加えて何らかのキーワードを加えて調べるはずだ。

分析ツールを提供するグローバル企業、エクスペリアンによると、1語のみで検索する人は全体の23%に過ぎず、2~5語が57%、5語以上入力する人が19%もいる。

23%の人しか検索しないビッグワード単体のSEO効果ではなく、残りの73%の人が使うロングテールのキーワードを追った方が、多くを手にできるということだ。

イチローになろう

ビッグワードで検索上位を獲得するのをホームランに例えるなら、
プロ野球の本塁打王でも、1シーズンで打てるホームランは40本弱。

約8%ほどの確率だ。ヒットで良しとするなら、その5~6倍は打てるのだ。小さなヒットをコツコツと積み重ねていけば、確実に得点につながる。

イチローはホームランをほとんど打たないが、国民栄誉賞を2度も断るほどの大選手ではないか。

ロングテールのキーワードを調べるのに適したツールが、ウェブマスターツール(Search Console)にある「検索アナリティクス(検索クエリ)」。この記事では、「検索アナリティクス(検索クエリ)」を最大限活用してロングテールのキーワード攻略を行うハウツーをご紹介する。

検索アナリティクス(検索クエリ)で、ロングテールのキーワードを見つける

ロングテールのキーワード

どんなキーワードで検索された場合に、自社サイトが表示されているのか、あなたはご存知だろうか。

すでに「WEBサイトを訪れた人」がどんなキーワードで検索したかは、Google アナリティクスである程度知ることができるが、「来なかった人」の検索キーワードを知ることはできない。

検索アナリティクス(検索クエリ)を活用する理由がこれだ。

誰かがあるキーワードで検索した際に、自社サイトが表示されても何らかの理由でクリックされていないことがほとんどなのだ。

理由は、検索順位が低かったり、検索者の意図とは異なるコンテンツだったから、ページタイトルに惹かれなかった、説明文がひどかった、などなど。決して、一義的ではない。

いずれにせよ、あなたのWEBサイトが世の中の「検索」に対するステータスが手に取るように分かるのがウェブマスターツール(Search Console)の「検索アナリティクス(検索クエリ)」なのだ。
なかでも、注目すべきはこの記事の主旨である、「ロングテール」として可能性のありそうなキーワードを見つけられることだ。

腹巻き

たとえば、あなたは腹巻き専門店のオンラインショップを運営しているとしよう。

安直に考えれば、あなたが狙いたいSEOキーワードは、「腹巻き」だろう。

当然ではあるが、「腹巻き」はGoogleだけで平均月間検索ボリューム 8,100回を誇るビッグワード(競争率の高いキーワード)。日本全体の平均月間検索ボリュームは、Yahoo!のボリュームも加えなければいけないから、倍以上になるかもしれない。

しかし、ビッグワード「腹巻き」は無理して狙うな、である。

ウェブマスターツール(Search Console)で検索アナリティクス(検索クエリ)をチェックすると、あなたのWEBサイトがこのようなキーワードで表示されていることが分かった。

「お腹 温め」「寝冷え 防止」。

検索ボリュームは少ないものの、競争が少ないだけに上位を狙いやすそうなキーワード。しかも、それらは腹巻き購入に至るための直接的なキーワードではないが、腹巻きを購入する顧客ニーズをダイレクトに表現するキーワードだ。

検索クエリを調べる
Google「ウェブマスターツール(Search Console)」

平均月間検索ボリュームを調べる
Google Adwords 「キーワードプランナー」

平均月間検索ボリューム
「お腹 温め」110回
「寝冷え 防止」140回

コンテンツマーケティングで見込み客を呼び込む

コンテンツマーケティング

検索アナリティクス(検索クエリ)を使って分かった、顧客ニーズを捉えたキーワードに対して、あなたがとるべきアクションはこうだ。

腹巻きで解決できる悩みを抱えてはいるものの、腹巻きの存在を思いつかなかったり、腹巻きで悩みを解決できるか確認するためのキーワードが「お腹 温め」「寝冷え 防止」なのだから、彼らに上手くアプローチすることで、最終的に腹巻きの購入を検討させるというプロモーションが、いま注目の「コンテンツマーケティング」だ。

コンテンツマーケティングとは、
検索者にとって有益なコンテンツを提供し、あなたと検索者の間に信頼関係を生み、その結果として商品購入やブランドのファン育成につなげるマーケティング手法。

顧客候補が知りたい情報を数多く公開し、関連するキーワードで検索結果の上位に位置することで多くのターゲットを呼び込む。

従来のプッシュ型のマーケティング手法に比べると、回りくどく感じるかもれないが、「買って、買って!」と商品名を連呼するうるさい広告に飽きているユーザーにやさしく近づくことができる。

ネット先進国のアメリカでは、すでにメジャーな理論なのだ。

たとえば、先ほどの「寝冷え 防止」。そのキーワードで検索した人は、何らかの解決策をさがしているはず。そんなターゲットに、届けたいコンテンツがこれだ。

「お腹を冷やさない鉄板ルールで、遅刻ゼロに」
「睡眠時の腹巻きだけで、健康になれた」

解決策をさがしているターゲットは、寝冷えを防ぐための記事をいくつか読むことで、「なるほど、ためになった」とあなたのサイトを評価してくれる。

その時点で検索ユーザーの頭には、「腹巻き」が浮かんでいるので、すぐに商品紹介につなげよう。

ロングテールのキーワードを増やすと、逆転できる

幅広い顧客候補を集める

このようにして、ロングテールのキーワードを探りながら記事を増やしていくと、検索クエリの数もどんどん増えていく。検索クエリが増えることによって生まれる効果は2つだ。

1.今までより、幅広い顧客候補を集めることができる

寝冷え、冷え性、お手入れ方法、おしゃれ、着こなし・・・。腹巻きを必要とする人に関連するさまざまなキーワードで、あなたのショップが目に触れるようになるからだ。もちろん、記事の内容は的確な解決策を提供するが必須条件だ。

2.主要キーワードの順位を上げることにもつながる

検索クエリが増えることで、WEBサイトの主要なキーワード(このサイトなら腹巻き)の順位を上げることもできる。

それは、サイトのツリー構造のなかで、ロングテールのキーワード(=寝冷え、冷え性)が増えていくことで、一つひとつの記事の中に含まれる主要キーワード(=腹巻き)の重要度が認められるためだ。しかし、ここにいたるにはある程度の期間と記事の内容が必要だ。

検索クエリの増やし方

それでは、検索クエリの適切な増やし方についてご紹介しよう。

1.主要なキーワードを固める

最初に、あなたのWEBサイトで最も重要なキーワードは何かを明確にしよう。

これは、最終的な目標としてこの単語で自分のサイトを上位表示させたいキーワードのこと。オンラインショップであれば販売している商品カテゴリーになるだろうし、複数サービスを提供している企業ならそのなかで優先順位を決める。

ウェブマスターツール(Search Console)の検索アナリティクス(検索クエリ)

2.ロングテールとなるキーワードをさがす

検索クエリの中から可能性の高そうなキーワードや、その他に可能性がありそうなキーワードの組み合わせをさがす。

組み合わせ候補が決まったら、Google Adwords 「キーワードプランナー」で平均検索ボリュームを調べて、上位を狙えそうなキーワードをセレクトする。その場合、月間検索数があまり多すぎないことや、そのキーワードで表示される競合サイトの内容を見て対抗できそうかを考慮しよう。

3.記事を執筆する

決めたキーワードで記事を書くことで、検索クエリは増やすことができる。

しかし、ここで大切なのは、上位に表示されること。先ほど触れたように、競合サイトの内容、特に10位以内のサイトを入念にチェックし、それよりも内容の濃い記事を書けば上位をねらうことができる。

検索クエリを増やして、得られるメリット

コンテンツを増やすことで、検索クエリも増える。顧客候補が知りたいキーワードで自社サイトに誘導する。それが最もダイレクトなメリットだが、その他プラスになることは多くある。

1.自社サイトの見直しにつながる

自社サイトの見直し

検索クエリを見つける作業は、今までの「どうすれば売れるか」という売り手視点から、「顧客候補がどんな情報を望んでいるか」を考える顧客視点に変えるということ。

この頭を切り換える作業は、実は最も難しい。長くサイト運営に取り組んできた担当者ほど、思い切った発想の転換が必要だ。

しかし、顧客視点に立てるようになると、サイト全体の構造から、商品説明コピーの書き方まで、さまざまな点での課題点が見つかるはずだ。

2.自社商品やサービスについて記事を書くことで勉強にもなる

勉強になる

たとえば、冷え性についてユーザーのためになる情報を提供しようとするなら、冷え性について調べなければならない。

どんな原因が考えられるのか、身体に及ぼす影響は?その対策は?と調べていくうちに、あなたは腹巻きだけでなく、冷え性についても語れるようになる。それがリアルのセールスでも役立つことは言うまでもない。

3.顧客の新たなニーズを見つけることにもつながる

顧客のニーズを理解する

検索クエリを増やすプロセスで、今まで知らなかった顧客ニーズが見えてくる。記事を書くだけでなく、商品の売り方のヒントにもなる。

ビジネスのヒントは、すべて顧客ニーズの中にある。

ロングテールを増やして、コツコツとヒットを稼ぐ。その手法は、PDCAサイクルが非常に重要とされるWEBサイトには、とても合っているマーケティング手法だ。

イチローはご存知のとおり、万全な自己管理を行い、まめなストレッチで身体をほぐし、どんな球種がきても打て、ふだんは指名打者でも、いつでも守れる体制を整えている。流れの早いWEBプロモーションの世界でも、そんなふうに身軽に動けるようにしておきたいものだ。

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

ひとつひとつのコンテンツにSEO施策を施していくことは、誰にでもできる。しかし大事なこと、それは継続することなのだ。
大きな効果を上げる可能性のある集客装置を手塩にかけて育てなければいけないはずなのに、多くの担当者が気を抜きっ放しなのが、現実だ。

この記事では、あなたのコンテンツをSEO的に強化する基本的なテクニックを紹介していく。
ライバルたちが気を抜いているあいだに、あなたが地道に基本を押さえておきさえすれば、コンテンツは最強になるだろう。

1.SEOキーワード:集客できる数を見極める

集客できる数を見極める

まずはじめに、SEOコンテンツを強力にする、いわば「魚群探知機」のようなツールを紹介しよう。

残念なことに、なぜか多くのマーケティング担当者は、市場のニーズを自社の製品やサービスにマッチさせようとしていない。
それどころか、市場のニーズなど気にかけず、技術部門から伝えられた特長を繰り返しアナウンスするだけだ。外から見ると、まるでユーザーのニーズなど興味がないようにさえ感じてしまう。

とくにネット上のニーズに対しては、目に見えないからなのか、調べる術を知らないのか、なぜかミスマッチしているような気がしてならない。
市場のニーズを調べずにマーケティング活動をスタートするのは、水たまりで釣り糸を垂らしているようなものだ。魚を釣りたいと思うなら、まず漁場を選ぶべきなのに。

ネット上のニーズがどのようなものか、具体的な数字はどれほどのものかを知るための「魚群探知機」が、「キーワードプランナー(Google)」「キーワードアドバイスツール(YAHOO!)」だ。

これは本来、リスティング広告の出稿者用に開発されたツールで、直近の検索キーワードの検索数を教えてくれるもの。
あなたは、自社の製品から連想されるキーワードが、どれだけ検索されているかを知ることができるのだ。

たとえば、文字校正を行うソフトウェアを製品化したソフトハウスが「キーワードプランナー(Google)」「キーワードアドバイスツール(YAHOO!)」を使うなら、「文字校正」がどれほどの検索ボリュームを持っているか調べるだろう。月間予測数590件(2015年4月現在)。予想していたよりも、ずっと少ない。

しかし一文字変えるだけで、検索ボリュームが一桁変わる。「文章校正」なら月間検索数は1,600件だ。

「文字校正」と「文章校正」、若干ニュアンスが異なるが、検索してみるとどちらも「文字校正」に関するコンテンツが上位にきている。
あなたなら、どちらをSEOキーワードとして選ぶだろう。

製品名さえ、市場から乖離していることがある

製品名さえ、市場から乖離していることがある

製品名と市場で使われている一般名称が大きく異なっていることがある。
あなたにとって、これほど恐ろしいことはない。

先ほどのソフトで言えば、「文字校正ツール」だけでマーケティングしてしまうと、「文章校正ツール」としたときと比べて、市場の反応に約3倍もの差が出てしまうからだ。

当社のクライアントでも、数十年もの間使用してきた製品名が、一般名称とまったく異なっていることがある。しかも、頻繁にだ。クライアントのリクエストは「この製品をもっと売りたい。アクセスを増やしてくれ」。

「印刷物の製品カタログにある名称は変えなくてもいいから、WEBサイトの製品名は変えてくれ」と即答した。

社内であたりまえになっている製品名、用語を見直そう。
市場を省みないばかりに、大きな損失を出していることを見過ごしているかもしれない。
市場と直結しているマーケティングの担当者ほど、ユーザーのニーズには真摯に耳を傾けるべきなのだ。

2.ページのタイトルは、28文字で

ページのタイトルは、28文字で

これは単純な理由で、検索結果には最大28文字しか表示されないからだ。
どうしても長くなってしまう場合には、29文字以降が消えても検索ユーザーが理解できるようにしておこう。

さらに、必ずSEOキーワードを含め、前方に位置させておく。
すべてのテキストは、前方から読まれる。検索者は早い段階で検索キーワードを見つけると、クリックする可能性がダンゼン高まるのだ。

「コンテンツマーケティング」でGoogle検索したところ、下記のような結果になった。タイトルを28文字以内におさめているページは50%。すべてのページのタイトルに検索キーワード「コンテンツマーケティング」が含まれていた。

タイトル文字数 SEOキーワード含有 説明文文字数
1~10位のページ 5件 10件 2件
11~20位のページ 4件 10件 2件
21~30位のページ 6件 10件 3件
トータル 15件
(50%)
30件
(100%)
7件
(23%)

後述するディスクリプションについては、23%しか120文字以内におさめていない。表示されている内容で理解できるかまでは精査していないが、上位のページでも、まだまだ改善の余地はある結果となっている。

ちなみに筆者は、コンテンツを執筆する際、下記のようなテンプレートを使っている。

【タイトル:28文字】
1234567890123456789012345678
SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

あなたが今読んでくれているコラムのタイトルは、全角半角混じりの24文字。狙うSEOキーワードは、「SEO」「コンテンツ」だから、しっかり前方に配置している。

28文字であなたが言いたいことを伝えるためには、テクニックも必要で、多少語弊があるかもしれないが、あえて書いておく。

かっちり正確な日本語で書く必要はない。感覚で理解できるなら、それでOK。

28文字以内にすべてを収めようとすると、SEOキーワード以外で、省略できるものは省略したい。たとえば、「ワールドカップ」は、「W杯」と書けば5文字を減らせるし、ツウっぽく見える。もちろん、略することで意味が通らなくなってしまうのでは本末転倒。そこだけは注意しよう。

3.ディスクリプション(スニペット)は120文字以内

ディスクリプション(スニペット)は120文字以内

ディスクリプションも検索エンジンの表示に絡んで、最大120文字にとどめるように。121文字目以降の文字が消えても構わないのであれば、問題はない。

検索エンジンは、ユーザーが入力した検索キーワードを含む文章を検索結果に表示し、検索キーワードの部分をボールドにする。あなたが読みたい部分は、ここでしょ?というわけだ。

そもそも、ディスクリプションとは、HTMLファイルのMETA要素のひとつで、検索したときにタイトルの下に表示されることが多い説明文のこと。あなたが何らかのキーワードで検索をしたとき、タイトルが魅力的なことがもっとも大切だが、下に表示される説明文もざっと目で追っているはずだ。

検索ユーザーの側に立ってみると、上位に表示されたページでもタイトルや説明文が魅力的でなければ、つまり検索キーワードが含まれていなければ、クリックしたいとは思えない。上位に表示されれば、アクセスが自動的に増えるというわけではないのだ。

「神は、細部に宿る」

細かなところまで、決して気を抜かないことがあなたのWEBサイトへのアクセスを増やすことになる。

検索結果に表示されるディスクリプ全角でションは125文字まで。125文字をしっかり使って、クリックしたくなるような紹介文を作り上げよう。

4.本文中の見出しは、斜め読みできるよう簡潔に

本文中の見出しは、斜め読みできるよう簡潔に

検索者のニーズに合っていて、続くパラグラフで何を語っているか一瞥で理解できるようにしてあげよう。次に続く文章を読んでみたいと思わせるものにできればベストだ。

たとえばクリーナーの紹介ページで、「製品概要」なんてもってのほかだ。まったく興味がわかないばかりか、わざわざ読んでくれている訪問者に何の情報も与えられていないからだ。

「強力な吸塵力で、日々のお掃除を30分時短」

見出しだけで、2つの大切なことを伝えている。
クリーナーで最も重視される機能、吸塵力がウリであること。
理由までは書いていないが、おそらく吸塵力のおかげで何回も同じ場所をクリーナーがけすることがなくなるので、「時短」につながる。

ほとんどの主婦は、日々の家事を時短したいと考えているから、きっと琴線に触れるし、なぜそうなるのだろうと理由を求めたくなるはずだ。
もちろん、冒頭で紹介した「斜め読みユーザー」にもやさしい。

5.書き出しに全精力を注ぎ込む

書き出しに全精力を注ぎ込む

SEOキーワードを含めた文章にし、パラグラフの結論から伝えよう。
最初の文章は、SEOキーワードを含めることが無理だったとしても、少なくとも見出しで伝えようとしたことを説明することに専念すること。

結論を先に読んだ方が、理解が早い。余計な修飾は不要だ。

また、何度も言っていることだが、Googleの上位表示アルゴリズムは米国で開発されたものであり、英文コピーの分析が軸になっている。ということは、英文ライティングの基本「結論から先に書く」を我々も実践すべきということなのだ。加えて、結論から先に書くということは、重要なキーワードが文章の冒頭に含まれているはずだという推測に基づいていると言っていい。

だから、冒頭の文章はSEOキーワード、もしくは見出しを説明するような、引きの強いものにするべきだということなのだ。

SEOも、練習から始まる

SEOも、練習から始まる

SEOテクニックは変化していくものだが、変わりようがないものもある。
しかも、変わりようがないものほど重要なものだ。

この記事で紹介した基本を守れば、必ず効果が上がると言ってもいい。しかし、それが継続できるかが問題なのだ。

コンテンツの制作に追われていると、どこかで気を抜いてしまったり、いい加減になったりすることがある。その積み重ねが、アクセスを逃すことにつながっているのだ。
あなたのWEBサイトのSEOコンテンツを「強力な武器」にまで引き上げるのは、専門の業者だけができる特殊テクニックではない。

「神は細部に宿る」

その積み重ねの結果なのだ。

売れるコピーの秘訣は「たった一人にむけて」書くだった

売れるコピーの秘訣は「たった一人にむけて」書く

コピーライティングは、明確にターゲット顧客を思い浮かべて書くと、より響くものになる。

もしあなたが、自分が書かなければいけないと考えていることで延々と言葉を重ねたとしても、極端にいえばそれはターゲットには関係のないことだ。いや、その時点でもうターゲットなど意識していないと言ってもいい。

そして、偶然検索エンジン経由であなたのコンテンツを見つけたとしても、コンテンツと読み手との間に距離があり過ぎ、実感がわかないために、滞在時間が延びないばかりか、コンバージョンに結びつくこと自体が、ラッキーな「事件」になってしまう。

これでは丹精込めて書いた記事も、サッと素通りされるだけであなたのビジネスに劇的な変化などもたらすはずがない。
しかし、少し視点を変えて、理想の顧客候補が何を知りたがっているかをイメージすれば、「分かってるなぁ」と共感されるコピーになる。人々の共感を呼び支持されることは、SEO的にも大きな関係があることなのだ。

コピーは、たった一人のために書くものだと考えよう

コピーは、たった一人のために書くもの

「ターゲットは、明確にする方がいい」
これは、あなたが書店で手に取るすべての本に書かれている。WEB制作のプランニング段階で用いられることが多くなった「ペルソナ」も同じ主旨だ。

なぜなら、その人が好きな言い回しや気になること、共感できることを知っていれば、寄り添うように商品やサービスを説明できるからだ。

それが、あなたの知っている人だったり、過去に出会っていた人だったりすると、それ以上に好都合なことはない。だからまず、担当する商品やサービスがターゲットとする人が、あなたの周りに近い人がいないか探してみることだ。

ターゲットと考える人の写真を用意しよう

ターゲットと考える人の写真を用意

たとえば、あなたが想定したターゲットが「30代女性」とする。

まずこう考えよう。
彼女とは知り合いで、しかもあなたは淡い恋心を抱いている。あなたの理想を現実にしたような人だ。

何かのきっかけで、彼女が困りごとを抱えているらしいことを知る。しかも、あなたが担当する商品やサービスのメリットを得れば、その困りごとは一気に解決してしまうのだ。

あなたはどうやって彼女に語りかけるだろう。
懇切丁寧にその商品やサービスから得られるメリットを説明する、真剣に。

なぜなら、あなたが彼女の気を惹きたいからだ。
こうやってコピーライティングは始まっていく。

さぁ、こういう人と知り合いになれたらいいなと思える女性をインターネットで探し、必ずプリントアウトしよう。PCのモニターの横にテープで貼り付ければ、完璧だ。これで、商品やサービスを説明する準備が整った。

語りかけるときに、注意すべきこと

1.最初は、信じてくれないと考えよう

最初は、信じてくれない

だって、あなたと彼女は、顔は知っているけれど程度の仲。お互いのことをまだよく知らないのだから、信じられる人なのかどうかも分からない。いきなり出てきて、これはいいものだから使ってみ、といわれても困るのだ。

とにかく、あなたがどれだけ自分のことを考えてくれているかを感じさせる雰囲気を醸し出せるかどうかが、信頼性のカギだ。それには、真摯に語りかけるしかない。熱っぽく語りかけるしかないのである。

美辞麗句に頼らず、さりげない言葉を連ね、あなたの人となりが伝わるように書き込んでいこう。そうすれば、少しずつ彼女の心は緩んでくるはずだ。

2.商品・サービスを中心に考えない

商品・サービスを中心に考えない

コピーライティングをするにあたり、もっとも間違いやすいことは、ロジックの中心に商品やサービスを持ってきてしまうことだ。
とくにメーカーの担当者は「ものづくりの中枢」にいるので、どうしてもスペックを語ってしまいがちだが、彼女は悩みを解決することによって得られるコト(ベネフィット)を求めているのであって、スペックを買おうとしているのではないことを改めて認識しよう。

技術者たちが試行錯誤しながら苦労して開発し、創り上げた商品やサービスだということは理解するが、「いいもの」を作れば売れるなどということは、現代ではあり得ないと意識すべきだ。そこそこのものを作っている企業でも、マーケティングを上手くやれば、大きな成長を遂げることができるのだ。

もちろん、大きな評価を得られ、マーケティングもしっかりしていれば、鬼に金棒。そのためにも、しっかりと彼女の悩みを解決することに専念しよう。

3.その痛みを理解しようとしていることを伝える

その痛みを理解しようとしている

痛みや悩みを抱えている人は、自分の課題を解決してくれる人やモノを探しているが、その人やモノがその痛みをよく理解しているかを吟味する。理解していなければ、解決などできないと知っているからだ。

男性脳と女性脳という概念を聞いたことがあるだろうか。
悩みを打ち明けた女性に対し、男性は課題を解決する策を授け、できるだけ早く解決しようとするが、女性はまず同調する。悩みを抱えた女性は、まず同調して欲しいと考えており、解決策を聞くのは、あとでいいというものだ。

悩みや痛みを抱えた状態の人は、男性も女性も関係なく寄り添ってほしいと感じている。
だからまず、その痛みや悩みに同調してあげよう。

解決策を提示するのは、そのあとだ。
彼女が抱えている課題を受け止め、その痛みを理解していることを伝えることを優先しよう。

4.信じられる商品やサービスを紹介しよう

信じられる商品やサービスを紹介

語りかける相手は、気を惹きたい女性だ。
大切に思っている人に対して、いい加減な商品やサービスを勧めるわけがない。少なくともあなたは、担当する商品やサービスに惚れ込んでいる必要がある。

あなたは、少なくとも信念として大切な人にも勧められる商品やサービスだけを紹介しよう。
ほんとうに紹介したいと思える商品やサービスなら、何かしら言葉を綴れるものだ。逆に少しでも疑念があれば、自分に自信がないから筆は進まない。どこか絵空ごとのような言葉が出てくるだけになってしまう。

それを「仕事だから」と片付けてしまうとしたら、あなたに大きな問題があると言ってしまおう。
心から担当する商品やサービスを信じようとしていないから、彼女に伝えられることを見つけられないのだと。

もし、あなたのなかで決め手に欠く、という感覚があるのなら、もういちど商品、サービスの本質を洗いなおそう。とことん見極めれば、きっと突破口が見つかるはずだ。

5.近くにいる3人に証言させよう

近くにいる3人に証言させよう

人は、それを誰が言ったかをとても気にする。
あなたが担当する商品やサービスに関して、権威のある実力者が「とても良い」と証言したのと、知らない誰かが言ったのとでは、信頼性に雲泥の差が出てしまう。

しかし世のなか、それがすべてではない。
近所のママ友が集まって話しているなかで話題になった「使ってみたけど良かった」は、まだ使ったことのない人を強力にプッシュする。なぜなら、それが生の声であり、実際に使ったことのある人の言葉だからだ。

あなたがやるべきことは、彼女の隣にいる友だちのように伝えてあげることなのだ。
だから、友だちが良く使う言葉を選び、雰囲気をつくる。親身になって相談に乗っている情景を思い浮かべながら説明しよう。

説得には、3人を登場させる。

まず先陣を切るのは、あなただ。
初めてその商品やサービスに出会ったときに覚えた感動を伝えよう。
どこにあなたは「スゴイ!」と感動したのだろうか。

次に登場させるのは、近くにいるあなたの同僚だ。
その良さを伝えたときに、あなたの同僚はどんな反応をしただろうか。

最後に登場させるのは、それを実際に使ったことのある人。
使ったことがある人だけが知っている細かな印象を証言してもらおう。

近くにいる3人の証言は、業界の権威者より彼女を強く揺さぶる。
すべてが良い情報でなくてもよい。真摯に伝えることが重要なのだ。

たった一人に書くから効く

たった一人に書くから効く

社会心理学に、「傍観者効果」という概念がある。
群集のなかで突然具合の悪くなった人が「誰か助けて」と叫んでも、誰も率先して助けようとはしない。しかし「そこのあなた、助けて」と特定の人を指差し助けを求めれば、アクションを起こす人は多くなる。傍観者、この場合は群集が多ければ多いほど、この効果は高まるのだ。

ターゲットを明確にしないで、ぼんやり語りかけても誰も反応しないのは、これと同じだ。
しかし、「あの人」に語りかければ、自分のことと感じてくれる人は多くなる。

あなたが今まで、ぼんやり「誰か」に語りかけていたのだとしたら、今日から周りにターゲットに似た人がいないか探してみてはいかがだろう。

ビッグワードで8年間、1位を維持できたSEO3つの理由

ビッグワードでSEO

2013年10月、Googleが検索アルゴリズムに「ハミングバード」を導入し、その前後でのパンダアップデートによる低質なコンテンツ排除、ペンギンアップデートによってスパムコンテンツが排除され続けていることから、検索者ニーズに近い、良質なコンテンツを持つWEBサイトが検索上位に掲示される環境が整ってきた。

これらのアップデートが実施される理由は、WEBマスターをいじめるためではない。
Googleも検索ユーザーのニーズを満足させる検索結果を提示しなければ、「使えない検索エンジン」として三行半を突きつけられる。検索精度を上げなければ、Googleも生き残れないからなのだ。

WEBマスター側からの視点のみでこれらのアップデートを捉えると、「おおごと」にしか見えないが、かねてから良質なコンテンツを提供しようと考えているWEBマスターにとっては、むしろ歓迎すべき出来事だ。

この記事では、過去私たちが8年もの間、良質なコンテンツを提供することによってビッグワードで1位を維持してきた理由を明かし、そのような活動を行おうとするWEBマスターに勇気を与えたいと考える。

「ツール・ド・フランス レポート」が、ビッグワードSEOのスタート

ツール・ド・フランス

2000年7月、当社はある自転車ブランドのWEBサイトを公開。このブランドが、当時ツール・ド・フランスに参戦していたチームの機材サプライヤーだったことから、同サイト内でチームの活躍を紹介する「ツール・ド・フランス レポート」を企画した。

ツール・ド・フランスは毎年7月に開催される自転車のロードレースで、3週間かけてアルプス、ピレネーといった急峰越えを含む、全行程約3,500キロを走破する過酷なスポーツイベントだ。全世界で約10億人が放送を視聴すると言われている。

私たちは毎日深夜までJsportsを食い入るように見たあと、公式サイト「le tour」のコメントや各国のネットメディアをチェックし、毎日のレースを分析したり、データを見やすいように組み直していた。

サポートしていたチームのエース選手が2005年に個人総合優勝7連覇を達成したシーズン、「ツール・ド・フランス レポート」は7月単月で100万PVを超えるアクセスを稼ぎ出すまでに育っていたのである。ツール・ド・フランスが開催されていない月でも10,000件を超える訪問者が「ツール・ド・フランス」にまつわるビッグワードでアクセスしており、広告換算すると年間約3,000万円に相当する。

伝えようとする情報の魅力を十分に理解する

ビッグワード「ツール・ド・フランス」

ツール・ド・フランスでは、毎日「ステージ」と呼ばれるレースが行われ、日々180人余りの選手たちがその日のステージ勝利を競う。それとは別に、すべてのステージの累積タイムが最も短い選手だけが手にできる「個人総合優勝=マイヨ・ジョーヌ(個人総合優勝者に贈られる黄色のジャージ)」を最終的に奪い合うのだ。

ただ、最も栄誉ある賞が「個人」だからといって、個人スポーツなのではない。
チームとして、たった一人のエース選手をリスクから守り、自ら「風よけ」となりながらサポートし続け、戦術を駆使しながら3週間を戦い抜くチームスポーツだ。

レースは、チーム戦略、手練手管、ライバルとの駆け引き、天候、人間性、国といった、ありとあらゆる条件が複雑に絡み合うヒューマンドラマでもある。自転車ロードレースファンは、その泥臭い人間臭さに酔い、アルプスやピレネーの急峰でよだれを垂らしながらも必死でペダルを踏みつける「人間」の生き様を楽しむ。

私たちは自転車ロードレース、ツール・ド・フランスの素晴らしい世界を伝えるために、その奥深さを理解しWEBサイトを通じて毎日熱く語り続けた。

ビッグワードSEOの要諦は、コンテンツの質と量

ツールル・ド・フランスの資料

私たちは、コンテンツを担当し始めた当初から企画が終了するまでの間、幅広い情報を得るべく数十冊の関連情報の単行本、フランスの旅行誌、自転車雑誌などの資料を読みあさり、過去のDVDを取り寄せ研究した。スポーツのレポートは、該当する選手たちがどういった活躍をしたか、どういう背景を持っているかといったデータを積み重ねることで厚みが増すからだ。

コンテンツは、ツール・ド・フランスの背景、ルール、各チームの戦力、主力選手、コースマップ、通過する街々の紹介など、基本的なものを細やかにおさえることはもちろん、毎日行われる各ステージの模様や優勝者のコメントを各国のWEBサイトで報じられる情報を収集し、公開締め切りの朝方まで徹底的にブラッシュアップした。

日々突き詰められたコンテンツは、7月末の最終ステージが終わる頃には、毎年100ページを超えるものとなっていたのである。

ツール・ド・フランスの期間中、私たちの発信し続けたコンテンツは、毎朝自転車ロードレースファンは前日のステージの様子をチェックし、現地で取材にあたっていた記者たちも移動中に見逃したエピソードを確認した。

結果、「ツール・ド・フランス」というビッグワードで、延々8年間もの間、1位を維持し続けたのだ。

本気でビッグワードSEOを行う際に、気を付けるポイント

1.ひとつのテーマ、キーワードでコンテンツを積み重ねること

個人のブログがなぜアクセスを稼げないかというと、確固たるテーマがないからだ。ある時は昼食のうどんについて感想を綴ってみたり、またある時は職場に導入されたコピーのすばらしさを説く。これではGoogleはこのWEBサイトが何についてのスペシャリストなのかがまったく理解できないから、検索者に「あなたのためになりそうなページだから、チェックしてみてはどうですか?」と、推薦のしようがないのである。

あるビッグワードで上位に食い込むためには、同じテーマで綴られたコンテンツが重なる必要がある。

「ツール・ド・フランス」を連発しているこの記事をリリースしても、この記事単体で検索上位に入ることは難しい。せいぜい100位あたりをフラフラさまよっているのがいいところだろう。それは、当社のWEBサイトで他にツール・ド・フランスを紹介するページが存在しないからだ。
それほど、ビッグワードでの上位ランキングは甘くはない。

しかしスペシャリストならそれができるはずで、Googleも同じ考え方で検索上位を決めている。その証拠に、Googleの上位決定のアルゴリズムは、ページ単体のキーワードだけではなく、WEBサイト全体を構成するキーワードとの整合性を鑑みながら順位を決めているのだから。

私たちが成功したビッグワード「ツール・ド・フランス」での1位獲得を例にとると、最も上位にあるキーワード「ツール・ド・フランス」を頂点に、そのコンテンツは下層にあるミドルキーワード、あるいはスモールキーワードで構成されるべきだと推測できる。このようにレベルの異なる関連キーワードが散りばめられたページが重なれば重なるほど、Googleは「専門性が高いコンテンツ」という評価を行い、検索者に推薦しやすくなるのだ。

ビッグワード ミドルキーワード、スモールキーワード
ツール・ド・フランス
  • 自転車
  • ロードレース
  • マイヨ・ジョーヌ、マイヨ・ベール、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ、マイヨ・ブラン(各賞の名称)
  • チーム名、選手名
  • グラン・デパール(固有の用語)
  • ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャなど(その他の著名な自転車レース)
  • スプリンター、オールラウンダー、クライマー、スピードマン(選手のタイプ)

2.頻度を上げて取り組むこと

Googleクローラー(データ収集ロボット)の訪問頻度と、検索順位に相関性があるとのレポートがされている。つまり、クローラーがWEBサイトを訪れる頻度が高くなればなるほど、上位表示される可能性が高くなるのだ。

「ツール・ド・フランス」は23日間の開催期間中、2日しか休みがないため、必然的にほぼ毎日レポート本文、関連するデータ、ギャラリーを更新していた。

ビッグワードで検索順位トップのWEBサイトが頻繁に更新を行えば、Googleもそのデータを取得するために何度となくクローラーを野に放つことになる。次の日もその翌日も、データを取得し、データベースに反映させる。

このサイクルが波に乗ると、更新内容がスピーディに検索結果に反映され、さらに人を呼び込む好循環に至るのだ。

3.質の高いコンテンツを提供すること

コンテンツを積み重ねる

製品情報一辺倒の情報しかないブランドホルダーのWEBサイトも、実は同様なのだ。

たとえば、ある家電メーカーの製造しているハードディスクレコーダーは、数多のオンラインショップでも紹介されているし、卸会社のWEBサイトでも紹介されていたりする。それを購入したユーザーのブログや価格コムでも感想が述べられていたりする。もしかすると、ユーザーのブログの方が検索者のニーズに合った情報が濃いかもしれない。

なぜなら、この家電メーカーは自社の製品については自己主張の強いメリットをいくつか挙げて紹介するが、それ以外の製品に関する一般的な情報について紹介しないことが多い。しかしハードディスクレコーダーを初めて購入しようとする人や機械が苦手な人にとっての情報はほとんどない。あったとしても、誰もが想像できるような薄い情報しか載せていない。

Googleはハードディスクレコーダー初心者に、この家電メーカーのページを推薦できるだろうか。それより、いろいろなレベルの人の感想が多く寄せられる価格コムのページを推薦した方が検索者ニーズに合っているといえるのだ。

要するに、質の高いコンテンツとは、困っている人を助けてあげられるもの。その情報を得たことによって、感謝してもらえるコンテンツのことだ。

GoogleはSearch Consoleのヘルプで、「質の高いコンテンツを作成する」ためのポイントを次のように示している。

  • 有益で情報が豊富
  • 信頼性がある
  • 高品質
  • ユーザーを惹きつける

ビッグワードSEOのまとめ

私たちが「ツール・ド・フランス」というビッグワードで8年間検索順位1位を維持できた理由は、コンテンツの質と量だ。

「ツール・ド・フランス レポート」の企画をスタートした当初は、SEOを意識していたわけではなかったが、結果的にコンテンツが質と量を備えていったことで、wikipediaや生中継していたJsportsのサイトをおさえることさえできたのだ。

自転車プロロードレースのジャーナリストでもなく、元選手でもなく、ブランドホルダーのスタッフでもない私たちがそれを達成できた理由は、検索者のニーズを満たすコンテンツを発信し続けたからだ。

残念ながら、この記事で紹介した「ツール・ド・フランス レポート」は、企画がスタートした当時はほぼ皆無だった自転車関連の専門メディアが、いくつか登場してきたためブランドホルダーが大イベントを追いかけることもないだろうという理由でクローズとなった。
しかし、どうすればコンテンツを検索上位に引き上げられるかという考え方は今でも通用するものであり、筆者はこの王道のハウツーをクライアントに説き続けている。

この記事を読んでいる方々が、何かのスペシャリストであるならば、自分の持つ知識を分かりやすく紹介することでビッグワードによるSEO、それに伴う集客は可能になる。いや、いまスペシャリストでなくても、努力次第で人を惹きつけるスペシャルなコンテンツを生み出すことは十分に可能なのだ。

ビッグワードで検索上位を狙うには、最後はあなたのなかに眠っている、ありたっけの「しつこさ」で攻めることだ。そうすれば、得たいポジションを必ずや獲得し集客につなげることができるだろう。