作成者別アーカイブ: 平田 弘幸

最強トラックボール、M570がすべてを解決してくれた

最強トラックボール、M570がすべてを解決してくれた

筆者がトラックボールを使い始めて12年。最初はWindowsマシンで走らせていただけだったが、最近はMacでデザイン系の仕事をする際にも使うようになった。クライアントに何かをハンズオンで教えたり、何らかのトラブルがあって他人のPCを使わざるを得ない状況になってしまい、ふつうのマウスを使ったりすると私のPC操作は極端にパフォーマンスが落ちてしまう。それほどトラックボールに依存しているのだ。

筆者がそれほどトラックボールにこだわるのは、PCにもれなく付いてくる「どうでもいいマウス」を速攻で捨て、個人的に追加のコストを払ってでも、余りある大きなメリット(肩がこらない、腕が疲れない、正確にポインティングでき、作業の効率が良くなるなど)があるからだ。

しかし、しかしだ。
よのなか、トラックボールに対する認識が低すぎる。
ものすごい時間をPCの前で過ごしている割には、操作機器に対するこだわりがないのだ。ほんの少しだけ、慣れるまでの時間を確保するだけで、すばらしい体験が待っているというのに、だ。

この記事では、それほどまでにトラックボールに依存してしまう理由をお伝えしながら、あなたにぴったりのトラックボールを探してみたいと考えている。

トラックボールとは何モノなのか

トラックボールとは何モノなのか

1952年にアメリカで軍事目的として開発されたトラックボール、マウスの構想が明らかにされたのがその10年後だから、トラックボールの方がポインティングデバイスとしての歴史ははるかに古い。

しかも、そもそも90年代のノートPC(Windows3.1~Windows95のころ)には、かなりの確率でトラックボールが搭載されていた。しかしタッチパッドの登場により、「標準搭載」の座を各社で譲り渡してしまい、トラックボールの存在を目にすることが少なくなってしまった。
トラックボールの使い勝手に慣れていたユーザーからは、「なぜそんなことを」と反対する向きも多かったが、時代の流れに負けてしまったのだ。

その原因は、トラックボールには機械的なしくみが必ず必要で、なおかつ場所をとるからだ。
まず、ある程度の大きさのボール、その転がり具合を検知するセンサー、クリックボタン数個。クリックボタンのスイッチ部分を含めて、機械的な薄さを追求できそうなタッチパッドとは、軽量化、最小化を進めていた当時のメーカーからすれば、トラックボールの使い勝手を捨てるしかなかったのだろう。

かくして、トラックボールはノートPCにおけるポインティングデバイスの地位をたちパッドに明け渡すことで、PC全般においてもそのステータスを危うくすることになってしまった。

トラックボールのメリット

詳しくは、すでに公開している筆者の記事「トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと」を参照してほしい。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

ここでは、その要点をまとめて紹介しよう。

  • 右手を移動させることがないので、肩にかかる負担が少なく、疲れづらい。
  • 親指の筋トレになり、指相撲で敵がいなくなる。
  • ポインティングしやすいので、仕事が早くなる。
  • 誰でも気軽に使える。
  • ほぼ音がしないので静か。隣の同僚に迷惑をかけずに済む。
  • マウスパッドが不要になり、金持ちへの入り口に立てる。
  • メンテナンスも簡単、壊れないので非常にエコ。

ワイヤレスタイプの方が便利か

ワイヤレスタイプの方が便利か

トラックボールを移動させることはほとんどないので、デスクの上をコードが這っているのが嫌いな人はワイヤレス、気にしない人はワイヤードでいいと思う。
筆者が使っているロジクールのM570tは、UnifyingなのでUSBをひとつ占拠してしまう。Bluetoothのものがあればいいのだが、今のところ各社ともなぜかこのタイプは皆無だ。

「Unifying」

ロジクールが提唱する、独自の無線通信規格のこと。産業用(Industry)、科学用(Science)、医療用(Medical)に確保された周波数帯のうち、2.4GHz帯を使用している。

おすすめは、親指操作タイプ

トラックボールには大きく分類すると、筆者が愛用する親指操作タイプ、人差し指操作タイプ、手のひら操作タイプの3種類がある。これらのタイプの違いも、すでに前掲の記事で紹介しているので、ぜひ一読いただきたい。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

左利きの人にも朗報の新製品登場

左利きの人にも朗報の新製品登場

2015年10月に発売されたエレコムのM-XT4DRBK。GFHK方式のワイヤレスタイプで、机の上もすっきりだ。
何より、左利き用のトラックボールが発売されなかったのがトラックボールの普及に水を差しているのではないかと感じるほど、各社とも黙り状態だったことを考えると、画期的な第一歩だったかもしれない。
左利きでトラックボールを使ってみたかった人にも好評だが、右利きだからこそ左利き用トラックボールが必要なのだという強者もいる。ポインティング操作を左手で行い、右手はお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりできるから、だそうだ・・・。

ともかく、トラックボールというニッチなカテゴリーに加えて、左利き用のさらに絞り込まれた市場に切り込もうと大英断を下されたエレコムに、最大の賛辞を贈りたい。

エレコム・左利き用トラックボールM-XT4DRBK

トラックボールは、世界を変える

トラックボールは、世界を変える

現状では、ほぼマニア用といった印象の強いトラックボール。しかし、これまで伝えてきたように、このポインティングデバイスは、全国区になる資質十分のツールだ。

筆者は12年もの間トラックボール一筋だったから、もちろん大きく肩入れしていることは認める。しかし、疲労軽減、体力増強、エコなどなど、トラックボールがマウスよりはるかに、世のためになると確信しているから、力強くすすめてしまうのだ。ぜひあなたも、このめくるめくトラックボールの世界へ飛び込んできてほしい。

筆者愛用トラックボール「ロジクール M570t」

コーポレートサイトの採用情報:エントリーさせる考え方

コーポレートサイトの採用情報:エントリーさせる考え方

コーポレートサイトの採用情報は何のためにあるのだろうか。
現状では大手のリクルートサイト経由のエントリーがほとんどだが、件数は十分だと感じている。予算の都合上、大手企業のようにコーポレートサイトできらびやかなコンテンツを作るわけにもいかない・・・。

リクルートサイトを利用している多くの採用担当者が悩んでいる。

しかし、就活者の多くはリクルートサイトでめぼしい企業にアタリを付けたあと、その企業のコーポレートサイトを訪問する。「存在確認」を行っているような行動をとる。

この記事では、リクルートサイトに出稿している企業のコーポレートサイトを活用して、就活者の気持ちをエントリーに向かわせる基本的な考え方をご紹介する。エントリーの質を上げるために、もう一歩踏み込んだ施策を打ち出すための参考にしてほしい。

コーポレートサイトを訪問する就活者の心情を汲む

コーポレートサイトを訪問する就活者の心情を汲む

大手のリクルートサイトで企業を紹介するコンテンツのパターンは、事業概要、先輩の声、会社概要、研修制度、募集要項、メッセージ、採用のプロセスなどだ。

その範囲のなかで工夫をこらしたものも見受けられるが、おおよそリクルートサイト側から取材を受け、「それなり」に作られたコンテンツでしかない。感受性の高い最近の就活者は、これらのコンテンツを100%鵜呑みにすることなどあり得ないと考えた方がよい。

リクルートサイトのコンテンツをチェックした就活者の次の行動は、コーポレートサイトの訪問。採用情報コンテンツの閲覧はもちろん、会社情報、事業概要などのコンテンツをチェックしながら、志望動機のネタを探すとともに、会社の雰囲気を感じ取ろうとする。

リクルートサイトで「それぞれの成長に合わせて、じっくりていねいに指導します」と訴求しておきながら、コーポレートサイトでは「スピードを重視し、顧客のニーズを徹底的にキャッチアップします」などというトップメッセージを見つけられたら、就活者の頭には直感的に「ブラック」という4文字が浮かび上がってしまう。

そこでないがしろにできないのが、コーポレートサイトの採用情報なのだ。

予算をムダにしないコーポレートサイトの活用方法

予算をムダにしないコーポレートサイトの活用方法

大手のリクルートサイトで、採用担当者としての思いの丈を充分にぶつけているので、コーポレートサイトの採用情報でやることはない。

ほんとうにそうだろうか。

リクルートサイトからやってくる取材陣は、ほとんどが外注のプロダクションだ。
彼らは安いギャラで雇われているので、数をこなさないと生活できない。数をこなすということは、取材のたびにものすごい力を注ぎ込んでコンテンツを作り上げている、などということは考えない方がいい。数をこなそうとすると、どうしてもパターン化してしまうのである。

筆者も自信はない。そういった仕事を受けたなら、生きるためにコンテンツをパターン化させてしまうだろう。

企業には、企業の数だけフィロソフィーがあり、それを培ってきた歴史がある。社風だ。
この大事なオリジナリティを一定のパターンに押し込めることはできないと考えよう。リクルートサイトから、つまらないコンテンツが送られてきたら、再考を申し出よう。もちろん、外部から見えた自社の姿に納得したら、優秀な外注に当たったのかもしれない。さらなるブラッシュアップを進めていけばいい。

ここで問題になるのは、リクルートサイトのコンテンツとコーポレートサイトの採用情報との関連性だ。

就活者の不安を払拭し、自社を優位に見せよう

就活者の不安を払拭し、自社を優位に見せよう

新卒の就活者は、社会経験も乏しく、視野も狭い。社会に出て働くことへの恐怖や不安を抱いている。

前述したように、リクルートサイトでめぼしい企業を見つけた就活者は、必ずコーポレートサイトを訪れる。その際に、リクルートサイトで主張していた内容とコーポレートサイトにズレがないことを確認しようとする。

担当部門の絡みから、人事担当者が自由にできるのは採用情報セクション。まずはここに全精力を注ぎ込み、他のセクションは閲覧しなくても志望動機のネタ集めには困らないようにしてあげよう。

かといって、大がかりなセクションにする必要はない。

リクルートサイトで充分なコンテンツを公開しているのだから、コーポレートサイト側で公開する採用情報は数ページで十分。必要なのは、リクルートサイトの補完をするという考え方だ。

リクルートサイトで主張した内容をコーポレートサイト側で、異なる切り口で企業の人となりを見せてあげる。違う切り口だから就活者も納得するし、主張する根本は変わらないのでコンテンツを閲覧してくれれば、その分だけ刷り込み効果もあるからだ。

入社後、どうなれるか示してあげよう

入社後、どうなれるか示してあげよう

新卒採用にせよ中途採用にせよ、就活者は一様に、受けようとしている会社で自分がどのように成長できるかに大きな関心を持っている。一見、他力本願のようにも感じられるが、人は環境で変われることがある。

要するに、不安いっぱいの就活者が自分が交わろうとしている環境を気にしていると思えば、大きな心で対応してあげようという気持ちになれるはずだ。

ここで役立つのが、就活者の成長意欲をくすぐってあげる作戦だ。
たとえば、「あなたも当社にくれば、先輩たちの指導を得ながら自然に~な人材になれてしまう」のだと。さらに、その言葉を補完するべく先輩たちの声を続けよう。説得力は増し、就活者たちは、大きな希望を膨らませてくれる。

「ツカミ」に抜かりがなければ、あとはたたみかけていくだけだ。

自慢できるネタをぶつける

自慢できるネタをぶつける

端的にいうと、なぜ就活者たちがあなたの会社を選ぶのかを紹介するコンテンツ。外部から見たときに、引きが強くなる切り口にしておきたい。

テレビのワイドショーやバラエティー特番でよくある手法が、

「○○○なのに、■■■」

というものだ。たとえば、

「幼稚園児なのに英検2級を取ってしまった」

「美しすぎる男勝りの土木作業員」

といったものだ。タイトルの力が強ければ強いほど、視聴者は真相を知りたいと感じ、チャンネルをそのままにしてしまう。

この手法をコーポレートサイトの採用情報に応用するなら、「一般的の人は100%知らないが、業界人は100%知っている」とか、「10年連続売り上げが伸長しているのに、残業ゼロ」など。なぜだろうと感じてしまう意外性のある切り口で引きつけ、就活者にウケの良い職場環境ネタも続けて披露しておこう。

仕上げに、一気にエントリーさせる就活者を絞り込む。興味のあるネタで気分を盛り上げておいて、ストンと落としてしまうのだ。

応募者を絞り込む工夫も

応募者を絞り込む工夫も

コーポレートサイトの採用情報において、もうひとつ就活者に訴求する大切なポイントが、エントリーして欲しい人を絞るということ。多少エントリー数が減ったとしても、勇気を持って臨もう。

たとえば、海外向けのビジネスが主流の企業なのに、海外勤務を望まない人を面接しても時間のムダだ。多少誇張してでも、会社として主張すべきを心得て、エントリーしてくる就活者を思い切って絞り込みにかかるのだ。

多くの人を集めてから絞り込んでいくという考え方もあるが、後々人事的に問題が生じるより、採用活動の初期段階でスクリーニングをかけてしまおう。

相思相愛になれる人と出会うために

相思相愛になれる人と出会うために

採用活動はお見合いに例えられる。
お互いが好き同士でなければ、永い付き合いはできないし、ハツラツと働いてもらうことはできない。

コーポレートサイトの採用情報で大切なのは、しっかりと自社の良い点を紹介し、就活者に希望を抱かせながら、あなたの会社が採用したい理想的な人物像を主張すること。

就職したいと考える人と採用したいと考える会社が出会えば、必ずいくつか相思相愛の関係は生まれる。

一緒に働きたいと思える人を逃さないために、コーポレートサイトの採用情報でもできる限りの工夫をこらして、運命の人に出会ってほしい。

WEB制作会社のオフィス事情、赤裸々にご紹介します

WEB制作会社のオフィス事情、赤裸々にご紹介します

多くの人は、関係のない会社のオフィスの中を見ることはまずできない。しかしよそがどんなオフィスなのか、興味は大いにある。整理整頓、清掃は行き届いているか、インテリアのテイストは・・・。とくに我々のようなデザインを生業にしているような企業のオフィスは、多くの人が興味津々であるらしい。

ちょうどいまWEBデザイナーを募集しているところでもあり、応募しようかなと考えている方の参考にになるかもしれないと考え、思い切って社内の様子を紹介しようと考えた。きらびやかなオフィスではないが、「WEB屋のオフィスって、こんなもんなのか」と感じてもらえればと。

当社のオフィスは、自社所有なので、インテリアを自由に工夫できる。ただ、スペースと資金が限られているので、やり放題というわけにはいかない。少ない資金で快適にできるアイデアと、手弁当で釘打ちや塗装もこなすこと(ほぼ筆者の趣味の世界だが)ででき上がったオフィスだ。

オフィス全景

オフィス全景

ここがメインのオフィスだ。
ここに移った6年前、天井を改装して照明を蛍光灯からすべてLEDに替えた。ダウンライトとダクトレールで自由に動かせるスポットライトを組み合わせている。基本は電球色(黄色)だが、昼光色(白色)も混じっている。その当時はまだ明るいものが少なく、プランナーの方にどうにか探してもらったが、今となっては少し暗めかなと感じてしまう。つい最近、新しいスポットを足し、明るさを増したところだ。

当社名物は、冬になると登場する石油ストーブ。
120平米をカバーする強力なものなので、気を許すと暑くなりすぎて汗をかいてしまうほどだ。石油ストーブを使う際の大きな課題は、やはり換気。冬季は2-3時間ごとに自動的に音楽が鳴り、換気を行うことになっている。仕事をしばし中断することにはなるが、逆にリフレッシュできていいのだ。

オフィスの中心にあるタスク管理ボード

タスクボード

各部門で抱えているタスクを書き出して、処理すべきものは赤いマグネット、黄色はもうすぐスタート、緑はクライアント待ちといった具合に区分している。昼休憩後のミーティングには、それぞのタスクの進捗をチェックし、課題があれば解決するようにしている。

全社的に負荷の状態がどのようなものなのかを把握しておく必要がある。それによってカバーすべき部門を知ることができる。負荷状態を把握しておかないと、納期遅れが生じクライアントに多大な迷惑をかけることになるからだ。

モニター3台

モニター3台

フレイバーズでは、クリエイティブスタッフはMacマシンにVMWareを介してバーチャルでWindowsを動かしている。制作環境にはMacの方が良くても、90%以上の方がWindowsマシンでWEBサイトを閲覧するので、Windowsでのチェックは欠かせないということだ。

しかしシステム担当は様子が異なる。
彼らはWindowsマシンで開発を行い、Macでもチェックするという具合だ。さらにモニターを2台使うことで異なるウィンドウをいくつも並行して並べながら作業を効率化できるのだ。

さらにさらに、写真のスタッフの作業スペースには、3台のモニターが写っている。これはアプリを開発する環境がMacベースのものが使いやすいことから、机上がモニターだらけになってしまっているというわけだ。

高級社用車

社用車

当社の社用車は、ダホンの20インチホールディングバイク。天気の良い日は、ダホンに乗って打ち合わせに行く。大阪は東京と違い、坂の少ない町なので自転車による移動がラクラク。7-8km離れたクライアントなら、電車よりよっぽど早い。

しかし最近は、もっぱら整体に隣駅まで乗っていくことが多くなってしまっているのだが・・・。

紳士の誓い(男子トイレ)

紳士の誓い(男子トイレ)

当社はマンションタイプのオフィス。だから、社内にトイレがあるのだ。男女別に分かれているのだが、男子トイレのドアに貼られているのが「紳士の誓い」。

どうしても男子トイレは、小便が散ってしまうので、汚れる。しかし共有で使うものだから、各人が用を足した後きちんと始末をしておこうということに決めている。だから当社のトイレは非常に快適だ。

画期的な消臭マシンを導入

画期的な消臭マシンを導入

いくら気を遣っていても、誰かが用を足した直後に入ると、匂いはまだ残っていることがある。
しかし、この東芝の消臭器「エアリオン」を導入してからというもの、ほぼ不快な状態はなくなった。使用方法はいたってかんたん。専用の消臭ジェルを継ぎ足し、ときどき電池(単3型4本)をチェックするだけだ。

エアリオンが採用している消臭ジェルは、環境浄化研究所が開発した「グラフト重合法」という方式。芳香剤などの良い香りはそのままにして、生活臭などの悪臭だけを包み込んで匂わなくするのだという。

エアリオンのおかげで、フレイバーズのスタッフは誰にも気兼ねせず、トイレを存分に楽しむことができるようになった。

女子トイレ

女子トイレ

壁際に飾られた白くま、犬、カバ。なぜこの組み合わせなのかは分からない。毎週末に社員が掃除するのだが、動物たちが置かれているスペースも雑巾がけされるので、そのたびに配置が変わるのだとか。バリエーションはさまざまで、掃除するスタッフのセンスで動物たちの配置は決まるのだ。

会社の代表である筆者でも、さすがに女子トイレの事情は初めて知った。

トイレ掃除

廊下の癒し「サヴィニャック」のイラスト

廊下の癒し「サヴィニャック」のイラスト

フランスのイラストレーター、サヴィニャックのかわいい4匹の犬が描かれたイラストが飾られている。廊下に新しく照明を加えた際に、何か飾りがほしいと考えて探していたところ、このイラストを見つけ即買いしてしまった。
よくよく考えれば、デザインを行う会社なのに、この手の飾りがひとつもなかったのも不思議なものだった。

休憩スペース

休憩スペース

女性スタッフがおやつを食べながら、まどろんでいるのは冷蔵庫や食器棚、コーヒーメーカーが置いてある小さなスペース。彼女たちのお目当ては、冷蔵庫上に常備されているおやつの山だ。ときにクライアントのツマガリさんのクッキーだったり、非常食で定番のカンパンだったり。

奥にデンと鎮座しているのは200リッターの冷蔵庫だ。
飲み物はもちろん、持ってきた弁当、生菓子やコーヒー豆、ドレッシングまでありとあらゆるモノが詰め込まれている。ときどき賞味期限が3年前のしょうゆが発掘されたりするが、社長みずから、気にせず冷奴にかけている。

美味いコーヒーを出してくれるスグレモノ

美味いコーヒーを出してくれるスグレモノ

イタリア、デロンギ社のコーヒーメーカーだ。正式には「エスプレッソマシン」なので、しっかり圧力をかけた濃いコーヒーをだしてくれる。もちろん、コーヒーは煎られた豆を購入しおり、スタッフは好きなときに好きなだけ飲める。

メインオフィスとは別に、会議室

会議室

メインのオフィスとは別に会議室がある。6畳ほどのスペースなので狭いが、大きなテーブルが置いてあるのでスタッフ全員が会して昼食も食べられる。肩を寄せ合いながら。

最近まで、会議室だけ忘れられたように照明は蛍光灯だったが、自前でメインのオフィスと同様に、ダクトレールを引きLEDのスポットライトを導入した。自分で言うのもなんだが、かなり格好いい会議室になった。これからここを「ミーティングルーム」と呼ぶことにした。

オフィスペット・ルンバくん

ルンバくん

当社のブログでたびたび仮装している姿を紹介されているお掃除ロボット・ルンバくん。週末の夕方に社員総出で清掃をするが、平日は朝早くから一人で黙々とオフィス内のゴミを拾い集めてくれている。もう7年ほど働いてくれているが、2回ほど電池交換をしてだけで、とくに文句も言わず懸命にクリーニング業務を担当してくれている。

週一回だけ腹にためたゴミを掃除してやるのだが、結構マジメに業務にあたってくれているのがよく分かる。私などよりよっぽどパフォーマンスの高い働き者だ。

オフィスペット・ルンバ君

ボーズ2つ

ボーズ2つ

決して私は坊主ではなく、ベリーショート。髪をバリカンで4mmに短く刈り上げているだけだ。短いのは短いなりにこまめに手入れしなくてはいけないので、それなりに大変なのである。

私の頭のことはどうでも良かった。

紹介したいのは、「BOSE」のスピーカーだった。
ガンガン鳴らしているわけではないが、オフィスには心地よいクラシックやジャズ、洋楽が流れている。日本語の歌詞は、ものを考えられなくなるのでNGにしているが、時折懐かしいGONTITIの「ほっかいどう、ほっかいどう、ほっかいどうはどこにある?」と日本語が流れてくるが。GONTITIのアルバムに歌付きの曲が入っているとは・・・。

オフィスで鳴っているのはBOSEの古いモデルだが、吊り下げ+小さな音で鳴らしているにもかかわらず、低音もしっかりおさえてくれるので、お気に入りのアイテムだ。

オフィスのBGM

快適なオフィス空間がしごとを変える

結論が出たわけではない。ただ、狭いスペースであっても、工夫次第で快適さを高めることはできる。良い仕事をするために、これからも少しずつ暇を見つけては改善を図っていこうと考えている。

クライアントの方々、縁あって当社とお付き合いのある方、募集中の求人に興味のある方。どうぞ大阪オフィスへおいでください。おいしいコーヒーを用意して、お待ちしています。

コーポレートサイトのIR情報をセキュアに公開する方法

コーポレートサイトのIR情報をセキュアに公開する方法

コーポレートサイトのIR情報セクションは、上場している企業の生の姿を個人投資家、機関投資家の区別なく見てもらうためにある。
株式市場で資金調達を行う傾向が色濃くなりつつあるいま、IR情報セクションはコーポレートサイトのなかでも、重要な役割を果たしているパートと言えるのだ。もちろん、投資家にとってコーポレートサイトのIR情報セクションは、数多くある情報収集チャンネルのひとつに過ぎない。ただ、情報の基本ソースであるコーポレートサイトにおいて、より良いかたちで財務情報を提供することは、前述の企業の姿を見せることにおいて「信頼」を感じさせるうえでもたいせつなのだ。

この記事では、企業が情報開示を行ううえでの「信頼性」にフォーカスし、決算情報をセキュアに公開する方法をお伝えする。

公開予定日に正確に重要情報を公開する

公開予定日に正確に重要情報を公開する

証券取引では、決算情報を知りうる内部者によって、情報が一般公開される前に証券取引を行うことを「インサイダー取引」として処罰の対象となる。一般の投資家との不公平をなくすためのルールだ。

しかし、ネットによる決算情報の公開が一般的になり、インサイダー取引と同じレベルで一般の投資家と不公平を起こす事件が起きた。
超巨大企業の決算情報が公開前にアクセス可能となっていて、事前に漏れてしまったのだ。

決算データを公開予約していた企業のCMSがあろうことか、WEBサーバーの公開領域にPDFファイルを置いていた。しかも外部から予測できるような規則的なファイル名で(2015年度第三四半期の決算短針を「tanshin-2015c.pdf」のように)。

PDFをセキュアに保存する

PDFをセキュアに保存する

公開の段取りを紹介する前に、PDFファイルのセキュリティについて確認しておく。
PDFファイルは、第三者による書き換えが可能なデータである。ということは、あなたが公開しているPDFファイルにセキュリティがかけられていなければ、悪意の第三者がファイルを改ざんし、ネット上に流したとしたらどうなるだろう?

ありえない数字に書き換えられた決算短信がネットを駆けめぐり、株価に影響する。そんなデマによって、株価が上がっても下がっても大問題だ。企業が直接起こしたことではないにせよ、責任の一端はあると筆者は考える。重要書類をセキュリティもかけずに放置していたのだから。

PDFファイルには、パスワードによるセキュリティをかけることによって、書き換えを不可能にする機能がある。財務に関するものや、その他重要な情報をコーポレートサイトで公開する際には、セキュリティ機能を使うべきだ。

1.ランダム文字列で公開領域に保存する

100%セキュアとは言えないが、おおよそ問題ないレベルの情報公開方法が、CMSで決算データのPDFのファイル名を数十桁のランダム文字列にするものだ。英数記号をランダムに組み合わせれば、天文学的な回数のトライを重ねなければ解き明かすことはできない。プログラムの力を借りても、実質的にアクセスは不可能になる。

1.ランダム文字列で公開領域に保存する

ただ、天文学的な文字列の組み合わせが必要だとしても、公開領域にPDFファイルが置かれている以上、万が一ということはある。その可能性をも排除する方法が次の施策だ。

2.プログラムでのみアクセスさせる方法

この方法は、ほぼ外部からのアクセスができない方法だ。読者には、この方法を強くおすすめしたい。

まず、公開情報はWEBサーバーの公開領域には置かない。
さらに、公開情報をダウンロードするためには、非公開領域にあるPDFファイルへは、プログラムでしかアクセスを許可しないようにするのだ。しかもそのプログラムは正式な公開日時まで稼動しないように設定する。

おおよその仕組みは前述の通りだが、実際のシステムにはさらに厳密なセキュリティを施してある。
こうしておけば、外部から正式な公開前に漏えいすることはない。それほど決算情報は守られるべき情報なのだ。

2.プログラムでのみアクセスさせる方法

重要情報の事前漏洩を防止する

重要情報の事前漏洩を防止する

外部からの資金調達を目的として株式を公開したからには、すべての投資家にとって完全に公平性を担保した状態で重要情報を明らかにすることが必須だ。情報の事前漏洩が起こった原因が、ネットに関するリテラシーが低かったからという言い訳は通じない。コーポレートサイトをオウンドメディアとして運営している以上、すべての責任を負う覚悟が必要なのだ。

CMSによって社内での更新があたりまえになったいま、コーポレートサイトのIR情報においては、セキュアな方法で重要情報を公開する堅実な施策が求められているのだ。

コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

WEBサイトをリニューアルするにあたり、いちばん着手しやすいのが会社情報セクション。なぜなら、データ的な意味合いが強いため工夫をこらす必要がないからだ。

しかし、よく考えてみてほしい。
会社情報は、これから取引を始めるかもしれない新規取引先、就活生など、外部から基本情報をチェックされることが多い。社外のステークホルダーがあなたの会社の会社情報をチェックしたあと、

「まぁまぁ、ふつうの会社だな」
とブラウザを閉じるのと、

「立派な会社なんだな」
と感じ入るのとでは、その後の事業活動に与えるインパクトは雲泥の差になってしまう。

コーポレートサイトにおける「会社情報」セクションは、データ的なコンテンツが多いため地味な印象があるが、アクセスは意外に多い。この記事では、社外の人々に対してあなたの会社を良い会社に見せる理想的な方法をお伝えする。

会社情報の果たす役割

会社情報の果たす役割

コーポレートサイトでの会社情報は、必須要素だ。ただ、必須要素ではあるが、工夫をこらすものでもないと認識してしまっている人も多い。新規取引先が訪問した際に「ふつう」と感じるか、「取引した方が良さそうだ」と感じ入るのとでは、あなたの会社に与えるインパクトは雲泥の差がついてしまうのにも関わらず。

もちろん、会社概要といったコンテンツは正確にデータを並べて見やすくさえしておけば、十分に役割を果たす。しかし企業は、その考え方次第で良くも悪くもなる「概念の集合体」といってもいい。理念を社員に浸透させ、「○○イズム」の固まりとなれば、大きな推進力が生まれる。理念が市場とマッチしていれば、必ず一定の成果を得られるはずだ。

新規取引先の担当者も、理念や歩みに共感すれば、「良い会社」「取引に値する」と感じ入ってくれる。
要するに、コーポレートサイトの会社情報が果たす役割とは、外部に対して抽象的な概念、会社の理想像を明確に伝えるためのセクションだということだ。

では、外部の人を魅了するための理想的なコンテンツについて、具体的に紹介しよう。

会社情報の理想的なコンテンツ

会社情報の理想的なコンテンツ

会社情報でどの会社にとっても大切なのは、データではなく抽象的な概念を紹介するコンテンツだ。
それを証明するように、名だたる会社のコーポレートサイトは、データ的な意味合いの強い会社概要から始まっているわけではなく、経営理念や社長挨拶といったスピリットを伝えるものから順に紹介されていることが多い。

では順にコーポレートサイトの会社情報で重要なコンテンツの意味と理想をみていこう。

経営理念

経営理念

理念なき事業が成功することはない。単に儲けるためだとか、社員の生きる糧を稼ぐためでは、苦しいときに我慢できなくなったり、顧客に信頼してもらえなくなったりして、頓挫してしまうからだ。

おおよそ長続きしている会社は、立派な理念のもとに運営されている。
ただ、創業当時から受け継がれてきた経営理念があり、社内ではしっかり浸透していても、外部からは理解しにくいことがある。
とくに、短い言葉で端的に表現されたものが該当する。

こういう場合には、外部の人にも理解しやすいように、説明をしてあげてほしいのだ。
せっかく脈々と受け継がれ、揺らぐことのないスピリットを、社外にも伝えたい。これがわが社の精神だと。

楽天「成功のコンセプト」

楽天グループの経営理念

楽天グループの経営理念は、大枠の理念を短い言葉でつむぎ、それを支えるかたちで「行動指針」「倫理憲章」「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」で成り立っている。明快な文章でそれぞれが必要な理由や方法論が示されている。なかでも、「成功のコンセプト」は企業の経営理念紹介では珍しい内容なので、とくに紹介しておこうと考えたものだ。企業でなく個人ても十分に生かせる考え方だからだ。

エースタッフ「経営理念」

エースタッフの経営理念も、端的に表現された理念を支えるかたちでそれを説明する文章が続く。楽天まで複雑ではないので、一般的な企業に参考になるレベルだ。

社史

社史

あなたの会社のコーポレートサイトでは、せっかくの社史ページで、過去に起きた事象だけをただ綴ってるだけになっていないだろうか。

長く会社が続いていれば、大きなトピックがあったはずだ。厳しい状況もあれば、華やかなイベントもある。現在から見れば、それは単なる事象にしか過ぎないように見えても、ターニングポイントとなったトピックには、必ず会社あるいは経営者の「意思」があったからこそ、その事象が起こっているはず。

それらの事象がなぜ起こったか、明確な意志があったからこそ、そうなったのだということも含めて社史として知らせるべきなのだ。
そうすることで、会社としての理念がより明確になり、見る者にトータルでスピリットが伝わり、感動を与えることになる。

社長挨拶

社長挨拶

強力な推進力がなければ、組織は動かない。合議制でスピーディに物事が運ぶ組織を筆者は見たことがない。

その経営トップがいるからこそ、その会社が続いているのだというほど強力なメッセージを世に放つべきだ。理想論をぶつだけでもいい。社員を含めたあらゆるステークホルダーに対して、「オレはこの会社をこう動かしていくんだ」と宣言し、共感してくれる人を探すというほど強い言葉を選んでほしい。

会社が置かれた経済環境で始まり、社史に触れながら無難な言葉で締めくくる。社長名とロゴだけ入れ替えれば、隣の会社でも通用するメッセージなど、誰も真摯に読まない。ざっと斜め読みされ、「ふつうだね」で終わってしまうだけだ。

90%の人には「そんな理想言ってもねぇ」と思われてもいい。残りの10%がファンになってくれさえすればいいのがトップメッセージだ。

社長挨拶について詳しく執筆したコラムがあるので、下記も参考にしてほしい。
コーポレートサイトの社長挨拶が、果たすべき役割とは

明るい将来を感じさせること

明るい将来を感じさせること

コーポレートサイトの会社情報は、何も工夫しなければおそろしく退屈なコンテンツになる。しかし、製品情報セクションで工夫を凝らすように、「楽しませる」「感動させる」「立派に見せる」ことを意識すれば、あなたの会社を良く見せられるアイデアが出てくるものだ。

「私たちは、こんなに顧客に愛され、社会にも貢献できている将来のある会社で働いているのだ」と主張すれば、あなた自身も視点が変わり、会社にもさらなる変化が訪れる。
コーポレートサイトの会社情報セクションは、決して退屈なコンテンツではない。工夫次第でおもしろみのあるコンテンツに変わるのだ。

おさえておきたい、コーポレートサイトの役割と機能

おさえておきたい、コーポレートサイトの役割と機能

コーポレートサイトは「企業の顔」の役割を果たすもの、などとされたのは昔の話。そんなゆるいことを言っているようでは、あなたはすでに時代に乗り遅れてしまっているかもしれない。筆者は、コーポレートサイトは何らかの目的や目標を持ち、それらを達成しなければ運営する意味はないと考えている。
コーポレートサイト運営も企業にとっては事業の一環なのであり、明確なターゲットを持ち、対応してしかるべきだということだ。

WEB制作会社として20年近くコーポレートサイトの構築、運営に携わってきた実績をもとに、これから数回にわたって企業サイト構築、運営のノウハウをご提示していきたいと考えている。

コーポレートサイトに必要な機能と役割

コーポレートサイトに必要な機能と役割

コーポレートサイトには、大きく分けて「会社紹介」「営業支援」という2つの役割がある。

優秀な人材を確保するための採用情報も、上場企業に必須のIR情報も大きな括りでいえば、自社を「紹介」するものだ。これに対して、製品・サービス情報を軸に「売り込み」をかける、またはそのサポートを行うのが「営業支援」。

どちらも必要な機能に見えるが、大企業の子会社で独自の営業をせずとも、仕事は親会社から降りてくる場合には「営業支援」機能は不要になる。

この記事では「会社紹介」の役割に絞り、必要な機能と考え方をご紹介していきたい。

ステークホルダーを意識する

ステークホルダーを意識する

ステークホルダーとは、利害関係者という意味だ。企業が事業を営むうえで利害が関係する顧客、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会(住民)、行政機関などを指す。

コーポレートサイトは、これらのステークホルダーに対して情報を提供するためのツールであり、とくに「会社紹介」においては対象者に対する配慮をとくに行うべきで、かんたんに言えば、誰が見てくれるのか?を考慮した作りにしておこうということだ。

どんなメディアでも同じだが、ターゲットのニーズを汲み、閲覧しやすさを極めれば、「使いづらい」「見づらい」「分かりにくい」といった反応はなくなるはず。コーポレートサイトでも、セクションごとに閲覧する可能性のあるターゲットを想定し、彼らの望むかたちでの情報提供に努めよう。

会社情報の機能と役割

会社情報の機能と役割

コーポレートサイトのなかでは、地味な印象のある会社情報。意外かもしれないが、着実なアクセスを得られるとともに、大きな役割を果たすセクションでもある。

新規開拓の必要がほぼない事業形態の企業で、製品・サービスセクションが事業概要のようになっているコーポレートサイトでも、大きなアクセスを得ているのは会社情報だ。

会社概要はもちろん、経営理念やトップメッセージといったフィロソフィー系のコンテンツは、あらゆるステークホルダーにとって必要不可欠な情報であるからだ。

きちんと撮影されたポートレートと、会社の将来像まで明確に語るトップメッセージは、どんなにすばらしい業績を示すグラフよりも説得力がある。

企業にとって、会社情報はそれほど大きな役割を果たすものなのだ。

コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

コーポレートサイトの社長挨拶が、果たすべき役割とは

採用情報の機能と役割

採用情報の機能と役割

事業を伸ばしたいと考えている企業は、すべからく優秀な人材を確保したいと考えているはず。人材を「人財」とする会社もあるぐらい、企業の業績と優秀な人材の確保は密接に関係している。

企業の思惑に対して、求職者は「自分に合った」「自分が成長できる」職場を探している。ただ、この「自分」はクセ者で、「自分勝手」もあれば、「自己中心」もある。誰もが理想の職場を追い求めるが、企業側としては極端な自己主張をする求職者を排除したいのだ。

多くの企業は、リクルート専用のポータルサイトに求人情報を掲示する。会社の将来性や先輩の声、募集要項、採用担当者のメッセージ、採用までの流れといった「パターン」コンテンツだ。データとしてはこれで充分だし、エントリーをこの情報で決める者がほとんどだ。

だからといって、コーポレートサイトに採用情報がなくてもいいわけではない。

求職者たちは、リクルート専用のポータルサイトで求人情報をチェックしたあと、必ずといっていいほどコーポレートサイトを訪れる。いわば存在確認を行うためだ。このとき、コーポレートサイトがショボかったり、採用情報がなかったりすると、エントリーしていいものかどうか悩んでしまうのだ。

決してきらびやかにする必要はないが、コーポレートサイト側の採用情報も、求職者が納得できる程度の情報は掲示するようにしておき、優秀な人材の受け入れ準備をしておこう。

コーポレートサイトの採用情報:エントリーさせる考え方

IR情報の機能と役割

IR情報の機能と役割

IR情報(財務情報)は投資家に向け、自社がいかに魅力的で将来にわたって投資をするに値する企業かを説くためのコンテンツだ。ただ、ウソをつくことは許されないし、ミスをすることも許されない。内部情報をどこまで見せるかは企業の判断に委ねられるし、投資家は開示された情報の範囲内で投資の内容を決断することになる。

高い信頼性が求められると同時に、高いセキュリティが必要なセクションだ。

数年前、超巨大企業が決算情報をCMSに公開予約した。PDFファイルによる情報開示だったが、その出来の悪いCMSはずっと先に公開されるべきPDFファイルを公開領域に保存。なおかつ、これまで開示されてきたファイル名から新たに公開されるファイル名を誰もが予測できるものだった。

当然、めざとくそれに気付いた投資家が公開前にPDFファイルをダウンロードし、投資の参考にしてしまった。この事態を重く見た東京証券取引所は、上場企業各社に事前に情報が漏れない工夫を行うよう通達したのだ。

公平な市場で取引されるべき株は、情報の透明性が求められる。決して一部の人だけが知りうる情報で売買されてはいけないのだ。
開示情報が事前に漏洩しないシステム構築が上場企業のコーポレートサイトに求められる大きな役割のひとつである。

コーポレートサイトのIR情報をセキュアに公開する方法

CMSの導入範囲

CMSの導入範囲

最後にコーポレートサイトでも必須の機能となっているCMSについて、お伝えしよう。

結論から言うと、専任担当者をおかざるを得ないほどWEBサイトの役割が大きな事業でない限り、どのコンテンツも社内で更新できるような、過度な実装を行うべきではない。

必要最小限の機能さえあれば充分だ。担当者は、WEBのシステムで遊んでいる暇があるのなら、他にやるべきことがあるだろう。

さらにいえば、すべての更新を社内で行い、WEB制作会社、コンサルティング会社ともコミュニケーションがなくなることは避けなければいけない。日進月歩の業界で、外部からの情報が得られない事態は避けるべきなのだ。コスト削減を行うことは理解するが、そのような考え方では結局コスト以上のものを失うことになってしまうだろう。

スピード、多くの情報のなかから自社に合った戦術を選ぶ必要があるいま、人の頭を借りることは、何よりも大切な戦略でもあるのだ。

SEOの基本:CTRを上げ、見込み客を10倍に増やすコツ

SEOの基本:CTR(クリック率)を上げ、見込み客を10倍に増やすコツ

あなたは、上位表示された結果、Googleのリストに並ぶライバルサイトをおしのけて、あなたのWEBサイトが検索ユーザーにみごとクリックされることまで考慮してクリック率(CTR=click through rate)を上げることを考慮してMETA要素を仕込んでいるだろうか。

検索結果に表示されるリストにクリックする意欲がなくなることがある。検索順位1位、2位のタイトルやdescriptionに魅力を感じないのだ。おそらくこれらのWEBページは、検索ユーザーから胡散臭く感じられたり、信頼性に欠けるので極端にCTR(クリック率)は低いだろう。

SEOは、あくまで上位表示させることを意味するのだが、それではWEBサイトを運営する意味はない。SEOによって上位表示させ、クリック率(=CTR、クリックスルーレート:click through rate)を上げてこそビジネスの可能性は格段に上昇する。さらに、CVR(コンバージョンレート:conversion rate)まで上げられれば、あなたのビジネスは順風満帆だ。

この記事は、上位表示されたあなたの記事のCTR(クリック率)を現状の数倍上げることを目的としたものだ。しかしその一方、上位表示させることに苦心してきたあなたの固定観念を崩してしまうかもしれない。ただ、CTR(クリック率)を上げられるようになれば、あなたのビジネスが確実に加速し始めることも事実。

この記事では、コピーライティングを重視する当社ならではのメソッドを実例をまじえながら紹介していく。ぜひあなたも、クリック率を上げるコツを身に付けて、ビジネスをコントロールできるようになってほしい。

CTR(クリック率)とは

CTR(クリック率)とは

CTR(クリック率)は、リスティング広告や表示された検索結果がクリックされた回数を、リスティング広告や検索結果が表示された回数で割ったものだ。この値が高ければ、検索ユーザーはリスティング広告や検索結果に良く反応していることになる。
だから広告主はクリック率の高い広告を望み、WEBサイト運営者は検索結果ができるだけ多くクリックされることを期待するのだ。

リスティング広告ではない、通常のコンテンツの掲載順位とCTR(クリック率)の関係を標準値以上に改善しようというのが、この記事の主旨だ。そのためには、掲載順位による平均的なCTR(クリック率)を知っておかなければいけない。

現在、検索結果にはwikipediaや価格コム、Googleマップなどの常連も表示されてくるので、一概に標準的なCTR(クリック率)を提示するのは難しいが、とにかく、ごく一般的な検索結果(表示された結果がすべて、あなたと同様のコンテンツを扱うライバルサイトだった場合)における標準的なクリック率をまず認識しておこう。

自然検索の標準的なCTR(クリック率)

海外のマーケティング会社が発表する指標を参考に、自然検索の標準的なクリック率をチェックしておこう。
ただ、各社それぞれに独自の思想で効果測定しているために、順位によって大きく異なっており、あくまで参考値と考えていただきたい。

ここに、昨年公開された2社の指標を示しておいた。1位の数字が大きく異なっているが、筆者の感覚的には英・NetBooster社のデータの方が正しいのではないかと感じている。注目すべきは、3位までの結果をわずか10%前後の検索ユーザーしかクリックしないという事実だ。

順位 1位 2位 3位 4位 5位
CAPHYON SRL(米 2014年10月1日) 31.24% 14.04% 9.85% 6.97% 5.50%
NetBooster(英 2014年9月) 19.35% 15.09% 11.45% 8.68% 7.21%

※5位までの数値を加算すると60%前後になるが、そう考えてしまうと、データを読み間違える。あくまで5位までクリックする検索ユーザーは5~6%と読むべきだ。

たとえあなたのWEBページが5位前後にしか表示されなくても、たとえば1位のCTR(クリック率)を超えていれば、あなたの打った施策は成功しているということだ。逆に1位になっていても、5~6%しかCTR(クリック率)が取れていなければ、何らかの対策を施さねばならないということでもある。

WEBページのCTR(クリック率)を知り、対策を立てる

Search Console の検索アナリティクス

掲載順位による、おおよそのCTR(クリック率)が分かったところで、あなたのWEBページが標準値をクリアしているかを確認しておく必要がある。
あなたのWEBページのクリック率を知るためには、Search Console(旧・ウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」を利用しよう。

Search Console(旧・ウェブマスターツール)にログインしたら、メニューの真ん中にある「検索アナリティクス」を選択する。デフォルトではWEBサイト全体のパフォーマンス(クリック数)が表示されているので、チェックボックスを「CTR(クリック率)」と「掲載順位」に付け替えよう。すると、表示内容が入れ替わり、当社サイト全体のCTR(クリック率)と掲載順位が表示された。

この中から、注力しているSEOキーワードに絞って結果を分析しよう。
「クエリ」の項目にある「フィルタなし」をクリック。「クエリをフィルタ」を選択し、表示された入力ボックスに「質問」と入力して「フィルタ」をクリック。

すると、キーワード「質問」を含む検索クエリのCTR(クリック率)と掲載順位のグラフが表示された。
読者に注目してほしいのは、グラフの下部にある「クエリ」のリストだ。

「質問」でフィルタリングした画面

現在は「表示回数」順にリストアップされている。クエリ「質問の仕方」なら510回、「質問 仕方」は107回となっており、掲載順位はそれぞれ「1.1位」「9.3位」で、CTR(クリック率)が30.2%、2.8%であることが分かる。

タイトル、descriptionで1位に勝るCTR(クリック率)を得られる

検索結果に表示されるのは、記事の「タイトル」とスニペットのみであり、META要素の「description」である場合がほとんどだ。つまり、掲載順位によるCTR(クリック率)が標準値を超えている記事は、検索ユーザーから見て、この2つの要素の引きが強いということだ。

Search Console(旧・ウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」で、検索クエリを「トラックボール」でフィルタリングしてみる。
「トラックボール 肩こり」ではCTR(クリック率)50%、「トラックボール コツ」では50.85%。両方とも平均掲載順位が1.0位、1.5位なので、高いクリック率ではあるが、標準値よりはるかに高い数字をたたき出している。

「トラックボール」でフィルタリング

さらに平均掲載順位の低いクエリをチェックしてみると、「マウス おすすめ トラックボール」は5.4位でありながら、CTR(クリック率)は42.86%。1位の標準値を大きく上回る数字だ。
この数字から何が読み取れるだろうか。

当社の記事のタイトル、スニペットは、こうだ。

「トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと」
… イライラの素にもなったりする。一般的なマウスをトラックボールに替えるだけで、多くのメリットが得られるのだ。 … 軽くするのは難しいと思うのだ。また、マウスで腱鞘炎になる人がいるとも聞くので、こういった可能性がある方にもおすすめだ。

「トラックボール」の検索表示

当社が狙ったキーワードは「トラックボール 利点」であったため、スニペットはGoogleがdescription、本文を混ぜて表示している。しかしタイトル部分は、トラックボールのメリットを探す検索ユーザーにとって魅力ある誘い文句になっている。

「トラックボール」「利点」のSEOキーワードをタイトルの前半に位置させ、続くくだりで「愛用者」が伝えたいと説く。検索ユーザーからすれば、他のどのようなタイトルよりも惹かれるし、記事がユーザー視点から何らかのポイントを教えてくれるのだろうと期待してしまう。

このほかにも、当社の記事で1位ではないのに、標準以上のCTR(クリック率)を記録し続けている、いくつかの記事をご紹介しておこう。

「WordPress 企業サイト」(平均掲載順位2.8位 CTR(クリック率)39%)
初心者が、WordPressで企業サイトを作る全手順

「EC-CUBE3 インストール」(平均掲載順位4.2位 CTR(クリック率)32%)
最新版「EC-CUBE3」のインストール手順とエラー回避

「校正 コツ」(平均掲載順位1.0位 CTR(クリック率)54%)
文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと

別の記事で、具体的に勝てるdescriptionの書き方を紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてほしい。

SEOの基本:勝てるdescriptionの書き方と文字数

CTR(クリック率)の向上は、検索ユーザーの気持ちをくみ取ってこそ

CTR(クリック率)の向上は、検索ユーザーの気持ちをくみ取ってこそ

タイトル、descriptionの工夫で標準値以上のCTR(クリック率)を稼ぎ出せることは、間違いないことで、取り組んだだけ成果を上げられることは、筆者が保証してもいい。

特に重要なタイトルの付け方については、いくつかのテクニックがあり、「たった3つの法則」といったように、数字を盛り込むことや、SEOキーワードを前半に位置させれば、検索ユーザーの目に早く触れさせることにもなり、マウスポインタが近づきやすくなるといったものがある。

ただ、そういったテクニックを踏まえたうえで、筆者がもっとも大切だと確信するのは、

検索ユーザーの気持ちに寄り添うこと

だと感じている。この記事を執筆するにあたり、掲載順位がさほどでもないのにCTR(クリック率)が高い記事を改めてチェックしたが、どの記事も検索ユーザーが知りたがっていそうな文言がちりばめられていて、さもありなんと感じた。逆に、CTR(クリック率)が芳しくない記事は、それなりのものでしかなく、早急に改善が必要だとも感じてしまったほどだ。

あなたも、この記事を参考にタイトルやdescriptionを改善すれば、標準値以上のCTR(クリック率)を得られる。SEOの最後の仕上げとして少し工夫を加えることで、10倍のアクセスを稼ぐことも夢ではない。

検索ユーザーに感心してもらうために内容にこだわったコンテンツと同様、タイトルやdescriptionを見直せば、よりあなたの記事は多くの人に読んでもらえるようになるだろう。

情報分類にはマジメに取り組むな、のココロ

情報分類にはマジメに取り組むな、のココロ

使いやすいWEBサイトとは、訪問者にストレスを感じさせない。ストレスを感じさせないとは、その人が想像した方法で欲しい情報を手に入れられるということだ。だから使いやすいWEBサイトは、訪問者から感想を言われない。WEB担当者からすれば寂しい限りだが、WEBサイトの運営とはそういうものなのだ。

あるクライアントから質問があった。

情報Aをトップページで掲示しておいた方が良いか、下層ページの正式なカテゴリーに掲示した方が良いか。

これは、情報整理、いわゆる「インフォメーションアーキテクチャ」の課題で、非常に奥深いものだ。四角四面に考えれば、情報はあらかじめカテゴライズした場所にきちんと収めておくべきかもしれない。


情報分類とは?

あなたは図書館や書店で自分の探している本がどこにあるか分からず、途方に暮れてしまったことはないだろうか?本は、「図書館学」という学問があるほど厳格にカテゴライズされる要素。たとえば、地震に関するものなら自然科学、マーケティングなら社会科学といった具合だ。書店ではビジネス書、マンガなどと、もう少しユーザーに寄った分類をしているから、図書館に比べればまだ迷うことが少ないが。

自分の探している本がどの分野にカテゴライズされているか知らない限り、図書館や書店でそれを見つけることはできないという事実は、私たちが普段行っているWEBサイトの情報分類について良い反面教師になってくれるということでもある。

社内の論理で分類された情報は使えない

社内の論理で分類された情報は使えない

あるメーカーのWEBサイト、製品情報セクションをのぞいてみよう。
40年近く事業を営んできたメーカー、製品情報のカテゴライズは、これまで育んできた社内システム、つまり事業部別に行われている。製品Bに興味のあるユーザーがこのWEBサイトでお目当ての製品Bを探し当てるためには、このメーカーにどのような事業部が存在するかをまず知る必要がある。もしその努力を怠れば、WEサイトのどのページに製品Bが潜んでいるかは分からないまま競合メーカーのWEBサイトに流れていくしかない。もしくはヘッダー部にある「サイト内検索」でキーワード検索するしかないのだ。さらに、製品Bは世間一般に使われている言葉ではなく、オリジナリティあふれる独自の名称で掲示されていたとしたら。このユーザーは、おそらく一生製品Bのページを閲覧することはできなくなってしまう。

スーパーマーケットを見本にしよう

スーパーマーケットを見本にしよう

情報分類のキモは、「ユーザーにやさしいかどうか」である。社内の事情、独自の製品分類を知らなくても、製品Bのページを一般のユーザーが探し当てることができることが基準なのだ。少々抽象的な言い方になってしまったので、もう少し噛み砕いて言うと、「スーパーマーケットのクロスセル」のように情報分類を行うのだ。クロスセルとは、「ある商品を購入しようとする客に対して、その商品に関連する別の商品を併せて販売しようとすることで、顧客へのプラスアルファ販売を目指す売り方」をいう。

冬場であれば、白菜の棚の横に鍋物のスープが置いてあるような売り方のことだ。今晩は鍋物でもしようかと考えたスーパーの客は、白菜の横に「キムチ鍋の素」や「ゴマ坦々鍋スープ」があると、「そうね、水炊きにしようかと思ってたけど、これもいいわね」と白菜の横に並んでいる、封を開けるだけの鍋スープをつい手にとってしまう。しかもあれこれ考える手間も省けて助かるのである。
もちろん、乾物売り場には「キムチ鍋の素」や「ゴマ坦々鍋スープ」はきちんと分類されて販売されている。スーパーマーケットの野菜売り場の担当者と乾物売り場の担当者が協力しない限りこのクロスセルは成立しない。完全な縦割りで物事を考えていては、顧客満足向上と売り上げ伸張は望めないのだ。

情報分類を柔軟に考えると、ユーザビリティを高められる

情報分類を柔軟に考えると、ユーザビリティを高められる

ご理解いただけただろうか。情報は、正確無比に分類されたしかるべき場所に掲示されるだけが正しいわけではないということだ。WEBサイトの場合は、スーパーマーケットのようなクロスセルも可能だし、その情報が良く閲覧されるのなら、分類されているカテゴリーに掲示されるだけでなく、より早い階層で掲示しておくこともポイントのひとつだ。たとえば、製品にまつわるデータのような情報が何らかの理由で、閲覧回数が他のコンテンツに比べ多い場合、トップページにそのデータを掲示しておくといったケースが考えられる。

もしくは、通称「かものはし」分類といって、製品CをカテゴリAにもカテゴリBにも属させるやり方だ。学術上「かものはし」は哺乳類であるが、卵を産む。くちばしを持つことから考えると鳥なのか、いや爬虫類からの派生だという説もある。このように、どのカテゴリにも属するようで、属さないようで・・・といったものは、人によって捉え方が異なるので、複数のカテゴリに属させてしまおうという考え方である。

そうすることによって、ある人は製品BをカテゴリAで見つけることができ、ある人はカテゴリBで見つける。柔軟にカテゴライズすることで、WEBサイトを訪れるユーザーすべてが満足できるようになるのである。

情報分類は四角四面に考えるな

情報分類にしっかり取り組むと、社会のためになる

情報分類にしっかり取り組むと、社会のためになる

ここで、情報を上手く分類すると、世の中のためになるという例をご紹介しよう。

旧ソビエトの化学者、ドミトリ・メンデレーエフ(1834~1907)は、その頃知られていた65個の元素を原子量、性質などをもとにていねいに小さなカードに書き記して並べ替えたりしながら、特徴を調べていた。彼はそのカードを原子量順に並べていく途中で、7つずつにグルーピングするとこれらの元素の性質が似ていることを発見した。

これが我々が中学生の頃から「水兵リーベ・・・」と暗記した元素の周期律表(1869年)だ。彼はこの周期律表に基づいて、それまで知られていた元素のデータを修正するとともに、未知の元素までその存在を予知してしまったのである。

メンデレーエフは、単に「7つずつ」のアイデアに行き着いただけだ(それだけではないと思う。博士には申し訳ない)。しかし、その情報をどのように取り扱うかによって、どれほど社会の発展のために寄与したか計り知れないほどの発見だったのだ。

WEBサイトの情報分類といえども、多くの訪問者をサポートできるか否かは、あなたのアイデアにかかっているのだ。

情報分類は、WEBサイトの永遠の課題

情報分類は、WEBサイトの永遠の課題

今まで述べてきたように、情報分類は奥深い。ものの見方によって、情報の捉え方が異なるからだ。あなたの運営するWEBサイトにも、よく考えると情報分類の課題があるはずだ。冒頭で紹介したように、四角四面にだけ考えるのではなく、もっと柔軟に考えればあなたの顧客になるかもしれない訪問者は、得たい情報を容易に得ることができ、あなたの会社を好きになってくれるかもしれない。

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

Fetch as Googleで、SEO記事をたった3分で検索結果に表示

Fetch as Googleで、SEO記事をたった3分で検索結果に表示

コンテンツマーケティングを行う際に、知恵を凝らして執筆したSEO記事がGoogleからどのような評価を受けるかをすぐに知りたいと思うのは人情というものだ。

ひと昔前は、データベースにインデックスされるまでに相応の時間がかかっていた。しかし今は、Search Console(旧ウェブマスターツール)の機能のひとつである「Fetch as Google」を使えば、Googleは即座にクローラー(Googlebot)を出動させ、カップラーメンができあがる前にしっかりインデックスしてくれるようになった。

結果に一喜一憂しながらも、あなたはウェブマスターの仕事を悠々と楽しむことができる。この記事では「Fetch as Google」の使い方を紹介し、新たに追加した記事を確実にインデックスさせることを目的とする。

即効インデックス化される便利ツール

即効インデックス化される便利ツール

「Fetch as Google」の設計思想は、追加したコンテンツにクローラー(Googlebot)がきちんとアクセスできるかを確認するため、というものだ。
我々はこの「Fetch as Google」を、追加変更したコンテンツを即効でGoogleにインデックスしてもらうことに利用する。1週間で500回までリクエストすることができるので、ごく一般的なWEBサイトを運営しているうえで不都合なことはない。

「Fetch as Google」の画面を開いて気になるのが、聞き馴れない「レンダリング」という言葉。
「レンダリング」とは、SEOコンテンツを構成するパーツ(HTMLファイル、CSSファイル、JPGなどの画像など)をブラウザに表示させること。「Fetch as Google」では、レンダリング機能を使って、Google側からみた表示のされ方をチェックできる。

即効インデックス化される便利ツール

これは、WEBマスター側の意図した表示方法とGoogleとの間に差異がないか確認するためのものだ。もし見え方に違いがあれば、何らかの対策を打つ必要がある。

Search Console ヘルプ

「Fetch as Google」を使ったURL登録の手順

送信するURLは、あなたのサイトのドメイン以下(最後のスラッシュは含まない)だけだ。間違ってブラウザのURLをそのままペーストするとエラーになるので注意しよう。

「Fetch as Google」を使ったURL登録の手順

当社のコンテンツをリクエストする場合には、「https://www.flavours.ac/」 以下のファイル名を入力する。
たとえば、この記事ならば、正式なURLは「https://www.flavours.ac/blog/web-production-tips/fetch-as-google.html」だが、送信するのは「blog/web-production-tips/fetch-as-google.html」のみで良い。

次のオプションは、想定するデバイスを選択するものだ。

  • パソコン (デフォルトで設定されている。スマホ専用サイトなら「モバイル」を選択。レスポンシブWEBデザインなら、このままで大丈夫)
  • モバイル: スマートフォン
  • モバイル: cHTML(日本版のフィーチャーフォン:ガラケーだ)
  • Mobile: XHTML/WML(フィーチャーフォン)

「Fetch as Google」を使ったURL登録の手順

さらにオプションが続く。
先のデバイスをプルダウンメニューで選択したあと、送信ボタンが2つ並んでいるのが見える。「取得」「取得してレンダリング」。
これは、単にURLをGooglebotにアクセス可能かを確認させるだけか、Googlebotは選択したデバイスでの表示まできちんと取得できたかを確認するためのものだ。レンダリングまでさせると結構な時間がかかるので、単に「取得」で良いだろう。

「取得」ボタンをクリックすると、下側のリスト欄にURLのパスが表示され、ステータスでくるくるとアニメーションが回る。それが済めば、「インデックスに送信」ボタンが表示されるので、迷わずにクリックする。筆者は時々この最後のツメを忘れてしまいがちで、インデックスされないのはなぜだろうと右往左往することが時々ある。
読者は筆者を反面教師としてとらえ、最後のツメを忘れないようにしてほしい。

「インデックスに送信」ボタンをクリックすると、ポップアップウィンドウが開き、もうひとつ作業が残っている。
ポップアップウィンドウに表示されているのは、「このURLのみをクロールする」と、「このURLと直接リンクをクロールする」の2つ。
「このURLのみをクロールする」は、追加したいSEOコンテンツだけをインデックスさせたいときに使う。逆に「このURLと直接リンクをクロールする」は、追加したいSEOコンテンツからリンクされているページも同時にリクエストできるものだが、WEBサイトのトップページに使うので、日々の更新では「このURLのみをクロールする」で十分だ。

最後に「送信」ボタンをクリックすれば完了

最後に「送信」ボタンをクリックすれば完了。
送信後に処理のステータスが表示されるので、この意味をざっと紹介しておこう。

「Fetch as Google」処理のステータスの意味

「Fetch as Google」にリクエストを送信した後に表示されるステータスの意味を紹介しておこう。

1. 完了

GooglebotはあなたのWEBサイトに正常にアクセスでき、ページのクロールができたことを意味する。

2. リダイレクトされました

WEBサーバー側でリダイレクトの設定がされている状態。WEBサイト全体として「www」ありで設定しているのに、WordPressの設定画面でURLを「www」なしとしている場合などにもこの表示が出ることがある。
当社のWEBサーバーは、HOMEを「/」のみと設定している。この場合に、「Fetch as Google」から「index.html」を送信した場合にも、このエラーが表示される。HOMEをインデックスさせたい場合には、入力しないで「取得」ボタンをクリックするのが正解だ。

3. 見つかりませんでした

WEBサイト側で、ページが見つからない(404エラー)が表示されている。入力ミスかもしれない。

4. 権限がありません

WEBサーバー側で、閲覧を禁止している(403エラー)の設定を行っていたりして、Googleからのアクセスを拒否しているのかもしれない。

5. DNS で検出されません

送信したURLをGoogleが取得できなかった。ただこのエラーは、Search Consoleを登録した段階で分かるはずのことなので、WEBサーバーに問題が生じている可能性がある。

6. ブロック

robots.txt ファイルによって、クローラーのアクセス制限を行うと発生するエラー。

7. robots.txt にアクセスできません

robots.txt にアクセスできなかった際に出るエラーだが、すべてのWEBサイトに必ずrobots.txt ファイルがあるわけでもない。筆者はこのエラーを見たことがない。もしこのエラーが出たら、robots.txt をアップロードすればよいはずだ。

8. アクセスできません

WEBサーバーが稼動しているかどうかの問題。

9. 一時的にアクセスできません

WEBサーバーのレスポンスが悪かったか、Fetch as Google から大量のリクエストがあった可能性もある。

10. エラー

何らかのエラーが発生し、データの取得ができなかった場合。

「Fetch as Google」処理のステータスの意味

あとはGoogleからあなたのSEO記事がどのように評価されているかチェックするだけだ。SEOコンテンツが確実にインデックスされたかと、その順位を確認する方法をご紹介しよう。

インデックスされたことを確認しよう

SEOコンテンツが「Fetch as Google」を使って、確実にインデックスされたかどうかをチェックするのに便利なのは、SEO順位チェックツール「GRC」だ。GRCを使えば、300位までの順位をチェックすることができる(GRCデフォルトの設定は100位)。
ここでは、GRCの使い方を簡単にご紹介しておく。詳しくは開発元の「有限会社シェルウェア」のWEBサイトで確認してほしい。

施策を打ったSEOキーワードをあらかじめ登録されているWEBサイトのカテゴリに登録する。あとは、そのリスト行にマウスポインタをあて、「選択項目の順位再チェック(T)」をクリックするのみ。数秒で、運命の結果が表示される。GRCではGoogle、YAHOO!(Googleのデータベースを使っているので、結果はほぼ同じ)、BINGでの順位チェックを行える。
ただし、PC版のチェックのみなので、モバイル検索での順位が気になるのであれば、別のツールを使うべきだ(GRCにはモバイル版もある)。

検索順位チェックツール「GRC」

検索順位チェックツール「GRC」

※Windows版のみ。制限はあるが、無料版でも十分な機能が使えるので、SEOの効果をチェックしたいなら、導入しておこう。

SEO順位に一喜一憂するだけでなく、修正を加えて高みを目指そう

SEO順位に一喜一憂するだけでなく、修正を加えて高みを目指そう

GRCや対策キーワードで目視確認した結果が、あなたが満足するものでなかったとしても肩を落とすだけではいけない。次のことをふまえながら、修正を検討しておこう。

  • 1週間ほどは順位変動があるので、様子を見守る。
  • 3ヵ月ほどして、グッと順位が上がることもあるため、焦らない。
  • 他のSEO記事を追加していくと、WEBサイト全体として順位があがる

これらのことを考慮しても順位が上がらない場合には、SEOコンテンツに何らかの問題があるはずだ。競合する記事の内容と見比べ、検索ユーザーからみて「読みたい記事」となっているかを確認しよう。もしあなたの仕込んだSEOコンテンツが他と比べて見劣りしてしまうなら、真摯にそれを受け止め、加筆修正しよう。

この繰り返しを粘り強く継続すれば、あなたのWEBサイトはきっと上位を獲得できるようになる。