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スマホ対応は急務か?上場企業コーポレートサイトのスマホ対応率調査結果

スマホ対応は急務か?上場企業コーポレートサイトのスマホ対応率調査結果

コーポレートサイトをスマホ対応するべきか、否か?WEBサイト担当者の方々にとって、最もホッとな話題と言ってよいかもしれない。

当社のクライアントのなかでも、リニューアルするならついでに対応しておこう、という流れが多いようだが、実際にはどうなのか?調査第一弾として、日経平均225採用銘柄一覧より無作為に113社を抽出し、対応状況を調べてみた。

スマホ対応が47.8%、そのうちレスポンシブデザインは48%

調査を実施したのは、2015年10月30日。あいうえお順に並んでいる日経平均225社を一つ飛ばしで抽出し、コーポレートサイトのHOMEページを閲覧して確認した。
結果は以下の表のとおり(○が採用、×が不採用)。113社中、54社がスマホ対応していた。レスポンシブ対応はそのうち26社だった。

日経採用銘柄企業のスマホ対応調査

上記の全データをご提供しています。
ご希望の方は、お問い合わせフォームで「日経採用企業スマホ調査希望」とご入力のうえ、ご請求ください。

この結果をどう捉えるか。調査対象となった企業は、日本を代表する大手企業ばかり。業界を牽引する立場として公的な意味でも、実施に踏み切った企業も少なくないだろう。ただ、アクセスが少ない中小企業ならまだ必要ないかというと、そうとも言えない。要は、自社サイトの訪問者がどんな環境からアクセスしているか、アクセスしてほしいかで考慮するべきだろう。
ご参考までに、スマホ対応を検討するときに考慮すべき視点を、以下にご紹介する。

BtoCはほぼ必須。BtoBでも、コンテンツ別に使用環境を想定する

一般消費者がメインターゲットであるなら、スマホ対応に迷う必要はない。総務省の平成26年度版情報白書によると、スマートフォンの国内普及率は個人保有だけでも5割を超えている。実際にビジネスユーザーも加えるとかなりの数になるであろうし、その割合は今後も増えていくと想像できる。

また、BtoBをメインとするコーポレートサイトでも、採用情報に関しては圧倒的にスマホからの閲覧が多いはず。最近では、社内ミーティングの際にも、個々にスマホを覗きながらという光景もめずらしくない。コーポレートサイトであっても、どのコンテンツに重きをおくかによって、慎重に検討するべきだろう。

SEO対策から考えるとスマホ対応は○。ただし、メインターゲットも考慮すべき

一方、SEO対策として考えたときにどうなのか。Googleは、今年の4 月 21 日から「WEBサイトがモバイルフレンドリーかどうかをランキング要素として使用し始める」と発表した。その結果、PCでの検索順位に大きな変化は見られないが、スマホで検索した時には順位に差が出るようになってきたのだ。試しに、スマホで何かを検索すると、上位に表示されるWEBサイトはすべて「スマホ対応」と書かれている。メインターゲットがスマホで閲覧する確率が高いなら、迷っている場合ではない。

では、スマホ専用サイトか、レスポンシブWEBデザインか

スマホ対応するとして、スマホ専用のサイトを別に作るか、レスポンシブWEBデザイン(一つのファイルで管理し、閲覧環境によってデザインを変化させる)か。

それぞれにメリットデメリットはあるが、運営上のメリットを考えるとレスポンシブに軍配が上がる。逆に、スマホでの操作性を追求したいなら、スマホ専用サイトにするか、レスポンシブであってもスマホでの見え方を優先したデザイン(スマホファーストなデザイン)を採用するべきだろう。

レスポンシブWEBデザインが、担当者の心をとらえる理由

WEB戦略の一つとして、スマホ対応は注視していくべき

すぐに導入するかどうかは別として、スマホ対応は間違いなく優先順位が高いといえる。WEB担当者としてやりたいことは数多くあるだろうが、限られた予算のなかで、今どこに力を注ぐべきかを検討するべきだ。そのためには、広報や人事、営業といった企業全体の動きのなかで、WEBサイトが果たすべき役割を3年先まで見越して計画を立て、その中で戦略的に選択していくことをお薦めする。

デザインが飽きてきたからWEBサイトをリニューアルするというのは、もう過去のこと。実益につながるメディアとして考え、その中でのスマホ戦略と捉えるべきだろう。

サイト運営で迷ってはいけない、2つの大切なこと

サイト運営で迷ってはいけない、3つの大切なこと

この記事を読んでいるあなたは、きまじめな日本人だ。
きまじめな人ほど、しっかりプランニングしてから行動すべきと考える。少し前に読んだビジネス書にも、「プランニングはしっかりと行うべし」と書いてあった。

しかしサイト運営に関して言えば、そんなことをしていたら逆にリスクを背負うことになりかねない。ビジネスを失ってしまうかもしれない。

なぜならネットの常識は日々変化しているわけで、動かない期間があるがゆえに、その変化の兆しにさえ気付けなくなる可能性があるからだ。サイトを運営するうえで大切なポイントは、動き続け、修正し続けることなのだ。

サイト運営を慎重に進めるための社内調整も、問題あり

「もっとブランドを強化したい」

あるクライアントから相談を受けた。
そのブランドは市場からある程度認知されている。しかし競合が多い業界であり、ブランドを差別化するのは容易ではない。

高級時計

法規制のもと、品質に大きな差がある訳ではないため、業界ではブランディングを強化する、いわゆる「イメージ戦略」花盛りなのだ。
実際の当社クライアントの業界とは少し異なるのだが、たとえば「高級時計」の業界を思い浮かべて欲しい。オメガ、ブライトリング、ロレックス、IWC・・・・。華々しい存在感のブランドがひしめき合っているなか、百万円以上する商品を買ってもらうためには、顧客をイメージで魅了してしまう必要がある。

多くの競合企業が存在する業界であればあるほど、「動きながら考える」方法はビジネスにおいて重要な考え方であるはずなのに、クライアントは巨大企業の関連会社ということもあり、体質的に「じっくり考えてから行動する」タイプ。ブランディングを行うために、まずそのコンセプトワークを見直しつつ、方針を定める。そのための社内調整に相当な時間がかかってしまうことは明白だった。

もちろん、クライアントの意向を無視することはできない。
しかし、本当にクライアントを想うのであれば、それよりも大切なのは競合他社の動向である。

可能なアクションからスタートし、より良いサイト運営に貢献

より良いサイト運営

「まずは競合ブランドを調べてみましょう」

私たちが考えていた結論は、競合他社に広げられた差を早く埋めること。ただ、競合サイトを調査していくうちに分かったのは、コンテンツの充実ぶりだ。
高い品質やデザイン性といった基本的な「強み」は言うまでもなく、安心安全、顧客視点、エコロジーなどなど・・・。当社クライアントのサイト運営では、追いつくのに相当なスピードで進めないとますます差は開いてしまいそうな勢いだった。

結果、競合サイトとコンテンツのマトリックスを作成し、歴然とした差をありのまま報告することで、サイト運営に対する危機感を共有することとなる。重苦しいミーティングの雰囲気を打ち破ったのは、やはり「とにかく動こう」という言葉だった。

大上段に振り構えた刀をそのまま鞘に収めることは難しいが、長期化が予想される社内調整を待たずに行動できる部分からコンテンツを追加更新していくことで了解を得、メンバーの意思統一を図ったのである。

サイト運営のキモは、スピードとPDCA

サイト運営のスピードを上げ、競合他社に追いつくために必要なポイントがある。

サイト運営のキモは、スピードとPDCA

質の高いコンテンツを多く追加する

修正することでさらに質を上げ、顧客の満足につなげる

競合他社に遅れをとっている企業は、とにかく必死で走らなければならない。しかし、ただやみくもに走ってもムダが多くなってしまう。これを避けるためには、オウンドメディアである自社サイトで質の高いコンテンツを増やし、ターゲット顧客に有益な情報を提供することだ。

Googleは、検索アルゴリズム「ハミングバード」の導入にあたり、こう宣言した。

検索者の高いニーズに応えられる質の高いコンテンツを持つサイトを優遇する

実はGoogleが生まれたときから、彼らが重視していたのは、コンテンツの質と量だ。2012年の「ハミングバード」導入時に改めてそのポリシーを世界に向けて宣言しただけなのだ。だから現在弱者であるサイトを運営する企業は、このことを肝に銘じながらコンテンツの質と更新スピードをアップさせる必要があるのだ。

修正することでさらに質を上げ、顧客の満足につなげる

質の高いコンテンツを多く追加する

サイトの運営で忘れてはいけないことは、修正し続けることだ。

きまじめな日本人は、初回のリリースに全精力を注ぎ込む。訪問者からの反応は気になるので、少しチェックはするが、その後は「作りっぱ」の状態に陥ってしまう。つまり、初回リリースで疲れ果ててしまうのだ。

これは、サイトを作ることが目的となってしまっていて、ビジネスを営むことの本質を忘れていることに他ならない。
サイトの運営は、ビジネスを営むことと似ている。ビジネスは、アイデアを形にしても、顧客のリクエストに応えながら形を変えなければ、生き残っていけない。

できる営業職のプレゼン資料やトークは、絶えず見直されている。
彼らは顧客の食いつきが良かったポイントを見逃さず、命綱のツールに修正を加えていて、だからこそ優秀な成績を上げられるのである。

サイトの運営においても、コンテンツを見直すためのポイントにあらかじめアタリを付けておき、PDCAサイクルを回すことを考えておくことだ。
直帰率、滞在時間、セッション数、検索キーワード・・・、アクセス解析ツールなどを駆使しながら修正すべきポイントを見つけ、改める。これを数回繰り返せば、おおよそあなたの狙った目標に到達してくるはずだ。

WEBサイトの運営で訪問者に分かりやすく全体設計を行うべしという課題がある。この課題について、解決方法を提示したコラムを執筆しているので、こちらも参考にしてほしい。

情報分類にはマジメに取り組むな、のココロ

サイトの運営においては、セオリー通りが正しいとは限らない

セオリー通りが正しいとは限らない

大上段に構えて「こうあらねばならぬ」と筋を通すことが、いつも正しいとは限らない。
誤解を招くことをおそれずに言おう。考える前に、とにかく走り出せと。

WEBサイトという「更新」が可能な、いや容易に行えるメディアを自社で運営している限り、あなた自身の「変容」が成功への近道なのだ。
サイト運営を、リリースしたら修正が簡単に効かない印刷物のように考えていては、いつまでも低空飛行を続けるしかない。

アメリカの有名な、靴のネット通販会社「ザッポス」をご存じだろうか。
創業者のニック・スウィンマンがザッポスを始めたきっかけは、「ネットで靴が売れるかどうか確かめたかった」からだった。

靴販売に関して素人だった彼が行ったのは、
ネットショップを準備し、近くの靴屋で撮った写真を並べること。
売れたら大急ぎで店で商品を買いに走り、送るということを繰り返していた。

結果、ビジネスになりそうだと判断したので、ベンチャーキャピタルを営んでいた現CEOのトニー・シェイに相談を持ちかけたらしい。紆余曲折はあったものの、その後の彼らのビジネスの大成功は言うまでもない。

「走り出してから考える」は、ビジネスを成功に導くための近道なのだ。