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就活は履歴書で差がつく。面接につなげる志望動機とは

就活は履歴書で差がつく。面接につなぐ履歴書の書き方

就活において一番初めの関門ともいえるのが履歴書の作成だ。兎にも角にも書類選考を通過しなければ面接官と会って自分をアピールすることも、会社の雰囲気を肌に感じることでより深く企業について知ることもできない。

ふと考えてみるとこの状況何かと似ている。

気になっている人がいる、できれば付き合ってみたい。でもまだ相手のことをよく知らないし、自分を知ってもらっていないから告白するにはまだ早い。

つまり、誰かに一目惚れしたときと就職を夢見る企業に履歴書を送る前の気持ちが似ているのだ。

就職と恋愛の相似はさまざまなところで取り上げられている。デートや告白の部分が面接、就職し勤務することが実際のお付き合い。だとすると、デート以前、お誘いの部分は履歴書というラブレターからはじまるのだ。
そこで、面接という名のデートへつなげるための履歴書の書き方について紹介する。

新卒は手書き、転職ならパソコンがベスト

新卒は手書き、転職ならパソコンがベスト

はじめに、履歴書選びや手書きで書くのかパソコンで作成するのかを悩まずに済ませる方法を紹介しておこう。
新卒なおかつ志望する企業が大手の場合、多くは指定のエントリーシートがある。
これが履歴書に代わるので、何も気にせず指示にしたがって記入すれば問題ない。
転職や中小企業を志望している場合は、自前の履歴書を準備することになる。この場合もよほど変わった履歴書を見つけてこない限り、問題ないだろう。

しかし、パソコンの普及率が高くなった近年の就活生を悩ませる大きな種がある。手書きで書くべきか、パソコンで作成するべきか、という悩みである。
まったく気にしない企業も多いだろうが、採用担当者などがSNSを通して、「パソコンはありえない」、「今どき手書きはありえない」というような発言を残すことがあるから面倒だ。就活生はそれらの発言に振り回されて悩んでしまう。

新卒は手書き、転職ならパソコンで

ただ、ずっと悩んでいても仕方がない。そこで、ひとつの指針を提示したい。
あなたが新卒だとすれば手書き。転職活動中の場合は、パソコンで作成、と考えておこう。

なぜなら採用担当者としては、新卒は職歴がないため少しでも多くの判断材料が欲しい。そうなると手書きの文字も判断材料にならないとは言い切れないはずだ。手書きの文字からも人柄はイメージできる。
一方、転職の場合は職歴という判断材料も増え、なおかつパソコンのスキルを見ることもできる。

正確なデータがあるわけではないので100%正解とはいえない。しかし大切なのは、どのツールを使うかで悩むより、履歴書の志望動機を書くことに集中すべきということだ。

また、字が下手であっても自分の中で最上級の丁寧さで書けば必ず伝わる。
どうしてもパソコンでというあなたにひとつアドバイスするならば、誤字脱字を特に注意するということだ。

自己PRや志望動機だけを書き直せば使い回せると短絡的に考えるのはもってのほかである。気がつかないうちに年齢があがっていたり、提出日を以前のままにしていたりする。
こうなるとラクしていることがまるわかりである。手書き以上に誤字脱字がないか細部まで何度も見直してほしい。

1.担当者をうならせる志望動機を書くには、「とにかく調べる」

担当者をうならせる志望動機を書く

恋愛における「気になる人」に置き換えても明らかだが、どれだけ素晴らしいルックスとスキルを持っていても、自分にまったく関心のない人に対して人は興味を抱かない。それは企業も同じこと。
そうなると履歴書を書く際に一番力を注ぐべきは、志望動機。

そこで志望動機を書く際に、心がけるべきポイントを2つ紹介する。
1つは、相手のことは、調べられるだけ調べあげること。そしてもう1つは、自分のことは、見栄を張らずに正直に書くことだ。

まず1つ目「相手のことを調べられるだけ調べること」についてだが、この場合の相手はもちろん志望の会社のことである。会社について知ったきっかけや気になったきっかけはさまざまだろう。興味のある業種だった、給料が高い、立地が素晴らしい、社内の風通しが良さそう、等々。

しかし、人でいうと見た目が好きになったきっかけであっても、それだけを伝えてデートにこぎつけようとするのは無謀というもの。会社の場合であってもそれは同じだ。たとえ給料が魅力的でも、それだけで応募するのは無意味で、アプローチの仕方も「高給に惹かれたので応募しました」とはさすがに言えないだろう。

そこで、まずは調べられるだけ会社について調べる。今は、大小かかわらず会社は自社のWEBサイトを持っている。さらにブログを持っていれば社内の雰囲気を知ることができるかもしれない。
調べる際のポイントは、その会社が大事にしていること、自分自身が大事にしていること、この共通点を見つけること。
なぜなら、それがそのまま志望動機に使えるからだ。

先ほどの給料がきっかけの例でいうと「結果をきっちり出せば、それに必ず応える、という貴社の方針に共感し、・・・」と書き換えられるかもしれない。

ストーカーと思われるほどに調べる

また、ストーカーと思われるほどに調べると、恋愛の場合は気持ち悪がられるかもしないが、会社の場合はむしろ好感を抱いてくれる。好きな点、共感できる点をなるべくたくさん見つけるために、事前の下調べは可能な限り時間をかけたいところである。

何より企業は、他社ではなく何故自社を志望しているのか、それを知りたがっている。自分たちの会社ならではの魅力や独自の強みを挙げてほしいのだから。

共感ポイントを挙げるうえで注意をひとつ。もしあなたが以下の3つに共感したとしても、これらは書かないほうがいい。

  • 他社でも掲げているような抽象的なこと
  • 研修制度、教育制度
  • ボランティアなどの事業外の活動

研修制度に魅力を感じたとしても、それをそのまま書いてしまうと受け身に感じてしまう。会社は学校ではない。仮に書いたとしても、自らも貪欲に学んでいく意思があることを加えておきたい。
事業外のボランティアも確かに立派な行いではあるが、限られた文字数の中で持ちだすべきことではないだろう。

2.志望動機に自分らしさをいれる

志望動機に自分らしさをいれる

続いて2つ目「自分のことは、見栄を張らずに正直に書く」については、就活本などのテンプレートに頼らず自分の言葉で正直に書くということだ。

どこかで聞いたことのある言葉を並べたところで、あなたの想いは伝わらない。文章には自分らしさ、人柄があらわれる。
加えて、あなたができること以上のことを書くのもオススメしない。

ただ、これについては例外もある。
例えば相手がスノーボードが好き、けれどあなたはやったことがない。そんな場合、自分もスノボーします、と手紙に書くことはギリギリありだろう。なぜなら、もしデートにこぎつけられたら、その日までに経験しておけば、全くの嘘ではなくなるのだから。

会社の場合でいうと募集要項の必要な経験の欄において、必須ではなく歓迎なのであれば、面接日までに1度以上経験する、もしくは可能な限り勉強するという前提であれば、そのことにふれるのもありということだ。
そうは言っても、具体的に書きすぎるとあとで自分の首を絞めかねない。特に、その部分を見込まれて雇ってもらった場合は、迷惑をかけるだけでなく問題になる可能性もある。
入社までに嘘を本当に変えられる、もしくは熱意として買ってもらえるぐらいの意識と努力は当然必要だ。

ただし筆者の考えとしてはあくまで、誇張も嘘もなく正直に書くことである。
人によっては、付き合えたら、就職できればまずはOKという考え方の人もいると思うが、最終の目的は何なのだろうか。就職なのだろうか、それとも仲のいい関係をずっと続けて、共に成長することなのだろうか。
働き始めれば一日のほとんどを会社で過ごすことになる。飾られたあなたではなく、ありのままのあなたでいる方が働きやすいに違いない。

面接までにできる履歴書以外の就活対策

面接までにできる履歴書以外の就活対策

先ほど志望動機の項目で伝えた、会社について調べること以外にも面接までにできる就活対策はある。
新卒の場合、OB・OG訪問は必ずといってもいいほどやっておいて損はない就職活動だ。
もちろん新卒でなくとも参加できる合同説明会や個別の会社説明会もあるので、転職の場合はそれらを活用して志望する企業の社員と接点をもってほしい。

恋愛にたとえるならば、コンビニの店員に一目惚れしたのなら足繁く通って顔を覚えてもらい、業務の邪魔にならない程度、一言二言会話する行動にあたるだろうか。
恋愛と違って企業の場合は、実際の採用担当の方に会えるとは限らないが、インターネットや紙の情報以上の生の声を聞くことで、モチベーションをあげることにもつながる。

また、これらの活動を情報収集であるインプットだけではなくアウトプットにも活用してほしい。つまり志望動機に活かすのである。
しかし、単にOB・OG訪問や説明会に参加したときに抱いた感想を書いても仕方がない。

「感じが良かった」だけで終わることなく、もう一歩踏み込んで具体的に書きたいところだ。どんなところに、なぜ共感し、自分のどんな部分がそれに活かせるのか。積極的に就活をしたことをアピールするだけなら書かないほうがましである。

余談ではあるが、心配症な方にひとつアドバイス。志望先の社員と会える機会を得たのなら、さりげなく履歴書は手描きの方がいいのか、パソコンの方がいいのか聞いてみるのもいいだろう。

志望動機に本気で取り組めば、面接に行ける

志望動機に本気で取り組めば、面接に行ける

就活において履歴書は最初で最大の難関と言っても過言ではない。
書類選考をパスできなければ会ってももらえないのだ。
つまり、意中の人とお茶することも叶わないのである。

だからまず、履歴書に全力で取り組むべきなのだ。中でも履歴書の志望動機の欄は、重要である。
なぜ他ではなく自分でないといけないのか、それを響くように伝えることこそが肝心だ。

相手のことを可能な限り調べ、共感できるポイントを見つけ、無理に飾らず自分の言葉で正直に伝えることを意識して取り組もう。
職歴のない新卒者にとっては、志望動機が一番のアピールポイントになる。OB・ OG訪問や会社説明会に参加して積極的に企業の情報を集め、可能な限り時間と情熱をかけてほしい。
志望企業と結ばれるために努力を惜しまなければ、必ず次のステップにつなげられる。

求人しているWEB制作会社の社長は、あなたのどこを見ているか

求人しているWEB制作会社の社長は、あなたのどこを見ているか

WEB制作に就くことを夢見て、専門学校に通ったり、独学でスキルを磨くあなた。多くの人は、その夢を実現するためにWEB制作会社に就職することになるのだが、その前に未経験のあなたを採用してくれるWEB制作会社を見つけるという大仕事が待っている。

もし、求人を行っているWEB制作会社の採用担当者が何を求めて採用活動をしているかを知ることができれば、その対策を打てるようになる。

この記事では、採用担当者である筆者や他のWEB制作会社の採用担当(多くは社長)から聞いた真実を明らかにする。その真実に応じた対策を講じることで、あなたは自分の個性に合った良い就職先を最速で見つけられるようになるし、私たちもハッピーになれるはずなのだ。

そしてあなたには、就職したあとのWEB制作業務でも、事務所の先輩たちを実力で追い抜けることを目指してもらいたい。

多くの制作会社は、チームで仕事を進める。あなたは、その一員になれるだろうか

チームの一員として機能できるか

筆者がWEB制作を始めた20年近く前、WEBデザイナーと呼ばれる人たちは、企画からプログラミングまでのすべての作業を一人で請け負っていた。しかし、技術が高度になり専門性が極めて高くなったために、一人のキャパシティですべての業務をこなせなくなってきた。

結果、多くのWEB制作の現場ではプランニング、マーケティング、ライティング、デザイン、コーディング、システムといったセクションができ、各部門の専門スタッフが自分の領域で分業によるプロジェクトを進めている。

つまり、いまWEB制作の現場ではひとつのWEBサイトを作るのに、多くの部門のスタッフがチームの一員として動くことになるわけだ。

チームとして動くということは、スタッフ(=制作している仕様の一端)ととらえることができ、スタッフ間のコミュニケーションの密度だったり、チームの推進力を保つといったことが非常に重要になる。だから、WEB制作会社に入社したあなたに求められるのは、

チームの一員として、能力を発揮できるポテンシャル

なのだ。
面接官は、このポイントをかなり重視している。まず、面接官とスムーズな会話のキャッチボールができているか。そして、「この人とチームを組みたい」と感じさせることができるかどうかだ。

「大丈夫かな。他のスタッフと上手くやっていけるかな?」と不安に思わせるようでは、内定はおぼつかない。

WEB制作業界で必要なものは、コミュニケーション力

コミュニケーションが得意か

私がこの記事で厳しいことを伝えるのには、理由がある。

制作プロダクションに勤めるということは、長時間労働をいとわない覚悟を決めるということでもある。しかし、あなたがもしクライアントとのやりとりをスムーズできず、社内での引き継ぎ事項を明確に伝えることができなかったら、長時間労働は「超長時間労働」になってしまう。

WEB制作に夢見て入社してきても、疲労こんぱいで体調を崩してしまう人さえいる。あなたにはそうなって欲しくないから、コミュニケーション力が最低限必要だと言っているのだ。

さらに、コミュニケーションが上手くできる人は、伸びるのも早い。先輩たちのテクニックを上手く引き出し、自分のものにできる能力ともいえるからだ。

独学で学ぶより、良い指導者に師事するほうが上達は数倍早い。極端な話、良い指導者につかなくても良いテクニックを持っている人にさえつけば、あなたのコミュニケーション力を使って、それを自分のものにできる可能性があるからだ。

もういちど言おう。
これはどんな業界でもあてはまる。あなたが決めた道でハツラツと仕事をするために必要なのは、コミュニケーション力だ。

もしコミュニケーションが下手だったら、人間性で勝負だ

人間力で勝負できるか

面接を前に、コミュニケーション能力を高めろと言ったところで、かんたんに改善できるものではない。そういう人は、人間性をさらけ出そう。

「こいつ、いいヤツだなぁ」と面接官に感じさせるエピソードを話してみる。その話に感じ入れば、「この人とチームを組みたい」と思ってくれるに違いない。

人間性、人間力が尊重されないような会社はおすすめしない。

筆者の経験では、すべてをビジネスライクに割り切って仕事を進めたがるクライアントはごく少数だ。いい仕事をしても、そこに相手をリスペクトする人間性がなければ、その関係は長続きしない。

クライアント側からすれば、どこまで自分の会社のことを思ってくれているかで「良いベンダー」にもなるし、「その他大勢」にもなってしまう。

そういったことが理解できていない会社は、あなたの人間性も尊重してくれないに決まっているから、内定をもらっても辞退したほうがいいと思う。

スキルは無用だが、学ぶ姿勢の有無がポイント

学ぶ姿勢は、的を射たものか

専門学校の就職課の方から、「学生にどのようなスキルを求められますか」と質問されることがよくある。私は決まってこう答えている。

「当社は、今のスキルで判断しません」

スキルは、仕事で培われる。2年ほどしかない専門学校で学んでも、即戦力などありえない。だいたい、2年で即戦力になってしまわれては、先輩たちの立つ瀬がない。

しかし忘れてはいけないのは、スキルを学ぶ態度、姿勢だ。人がものごとを学ぶ段階は、いくつかに分かれる。

第一段階は、目にしたすべてのものをスポンジが水を吸収するように身に付けてしまう段階。新たなものへの興味が人を駆り立てる段階だ。

もちろんこれは、対象となるものごとが「好き」だということが前提条件だ。専門学校で学んでいて、この段階がいまだないという人はこの仕事に興味がないのかもしれない。

第二段階は、苦しみながらも自分が持っていないものを他から吸収しようとする段階。ある程度スキルも身についたが、一皮むけるには至っていない。

天才でもない限り、内から生まれてくるものは限られているのだから、ふつうの人は多くのものをインプットして初めて、いくらかのアウトプットができるものだ。この努力ができない人は、いつまで経っても使えないままだ。

専門分野に対する考え方がしっかりしているか

考え方がきちんとしているか

たとえばあなたがデザイナー志望だとしよう。格好いいデザインがしたいからとか、暖かいデザインを作りたいから、なんて志望理由は話さないほうがいい。

あなたはクライアントから委託料をもらってデザインをする商業デザイナーになるのであって、決してアーチストになるわけではない。クライアントが望む、どのようなテイストにも対応できるデザイナーになるのだ。

採用担当者があなたに望む答えは、デザインに対する考え方だ。

面接に来て、「自分ワールド」を主張する人がいるが、面接官は心のなかで「それがどうしたの?」と思っている。

「アーチストになりたいのなら、他をあたってくれ」と。もしまだあなたが、こんな世界を形にしたいなどと思っているのなら、即刻その考えは捨てるべきだ。

デザインに対する考え方を面接時に聞かれたのなら、こう答えるべきだ。

自分は未経験で、そんな大それたことを言う資格はないかもしれないが、商業デザインに求められるのは、ユーザーにきちんと伝えたい情報を伝え、起こして欲しい行動を促し、感じて欲しいことをイメージさせることだから、クライアントの意向に寄り添い、ユーザーを導けるようなデザイナーになりたい

と主張すれば、面接官の目はキラキラと輝き始める。この人かもしれないと。

がんばれ

今まで伝えてきたことは、スタッフをみてきて必要と思われることばかりだ。ただすべてを完璧に身に付けている就活生はいない。

あなたもきっとその一人だ。だから、就活を前にあなたに考えて欲しいのは、まだ自分に足りないと感じられる部分をどうやって補うかを考えること。

その真摯な姿勢が感じられれば、面接官はきっとあなたを次のステップに連れて行ってくれるだろう。

WEB制作会社の求人に合格し、時給800円のフリーターを脱出する方法

WEB制作会社の求人に合格し、時給800円のフリーターを脱出する方法

「フリーター」は「フリーアルバイター」の省略語で、ニュースでも正しい言葉のように使われている「フリーター」は、「フリーアルバイター」が正しい言葉だ。これから格調高い話をするので、冒頭から堅い話になってしまった。

この造語を作ったシンガーソングライターの長久保徹氏は、
『激動の幕末に脱藩し、夢のために生き続けた坂本龍馬のように「就職」というレールから外れても、つまらない求人に応募することなく、自分の夢を実現するために頑張り続けるための仮の職業』だと説く。

そう、フリーターは輝く可能性に溢れた、最高に夢のある職業なのだ。

でも、やっぱりこんな生活はいやだ!

こんな生活はいやだ!

学校を出てすぐに就職しなかったため、夢を実現するためにレールから外れてわが道を行くフリーター。しかしそんなフリーターでも、時々心が折れそうになることがある。例えばこんなときだ。

  • 飲み屋で給料の話になり、時給を瞬時に計算して月給っぽく話してしまっていたとき。
  • 「パパはサラリーマンなんだよ。おじさんは?」と甥っ子に聞かれ、ごまかそうと「筋肉マン」と答えてしまったとき。
  • 「夢を追いかけ続けるって、カッコイイよな」と励まされ、「普通に就職したい」と言えなくなってしまったとき。

「このままではマズい」という焦りや、「卒業=就職」という世間の感覚とのギャップは、フリーターなら誰もが感じる。
冒頭で紹介したようにフリーターは、あくまで仮の姿。「いい加減この生活を抜け出したい!」そう思った時が、次に進むべきその時だ。

決意だけでは抜け出せない

仮の生活から抜け出すべく、いざ就職活動!と決意を固める。美容室で短めのスッキリした髪型にしてもらった。リクルートスーツをクローゼットから引っ張り出し、しわひとつ残さずアイロンをかけた。履歴書や応募書類を入れるための封筒、きれいに文字が書けるという胡散臭そうなボールペンでさえ猛烈に魅力を感じる。

「準備万端。就活よ!どこからでもかかってこい!」

就活よ、かかってこいと言ったものの

臨戦態勢にしたつもりでも、本気で応募しなければ意味はない。つかの間、妙な達成感を味わい満足はしたものの、特になにも起きないまま、気が付くとまた髪は伸び、スーツはクローゼットの奥深くにしまわれる。そしてまた今日も、店長に怒られるためにバイト先に向かう・・・。このパターンを、10回は繰り返す。

今度こそ!と、ファミレスで応募書類を量産し、手当たり次第に企業に送り続けたところで、熱の感じられない応募書類では一次選考通過もままならない。なぜなら過去の私には、決定的に足りないものがあったのだ。そう、決意だけでは、いつまで経っても甥っ子の前で「筋肉マン」を演じなければならなくなるのだ。

では、採用通知を受け取るのに「足りないもの」とは何だろう。
それは、「具体的な目標を持つ」ことなのだ。「就職する」は、漠然としている。目的地を決め、最短の航路を決める。

灼熱の太陽が縁側に照りつける朝、私は「WEB制作会社に応募し、正社員の座を勝ち取る」という目標を決めた。

WEB制作会社の正社員になるために

WEB制作会社といっても、それぞれ特色がある。得意とする分野、クライアント、雇用形態、社員の数等々、希望の条件によって目指すところは大きく異なる。あなたが応募しようとするWEB制作会社の中から目標をさらに絞り込むために、まず行うべきは、自己分析だ。

1. 自己分析で目標を絞りこむ

自分の現状を整理して、到達すべき「目標」をより明確にしていこう。この作業は頭で考えるだけでなく、必ず紙に書き出しながら行ってほしい。悲しくなるかもしれないが、ゼッタイにやるべきだ。
まず初心に返り、自分が正社員で働きたいと考えた理由を思い出してみよう。そこには必ず切実な理由があるはずだ。シンプルなものはそのまま、複雑なものや感覚的なものはなるべく細分化して、具体的に書き出してみる。

  • 給与が少なく、安心して日々の生活を送ることができない
  • 将来をイメージできず、不安である
  • 大きな仕事を任せてもらえず、モチベーションが上がらない
  • 正社員で働いている同級生に対して劣等感を感じる

では次に、それらを解消するには何が必要なのかを考える。理由ひとつに対して丁寧に具体的な条件を充てていこう。

  • 給与が少なく、安心して生活を送ることができない → 月20万円以上の安定した収入を得る
  • 将来をイメージできず、不安である → キャリア・アップの計画を実行する
  • 大きな仕事を任せてもらえず、モチベーションが上がらない → 入社早々、大きな仕事を任せてもらう
  • 正社員で働いている同級生に対して劣等感を感じる → 正社員雇用

これが仕事に求める最低条件だ。漠然としたイメージは、具体的に書き出すことで解決策を見つけやすくなる。実際は思いつく限り書き出していく。挙げる数が多いほど、あなたのモチベーションはどんどん上がっていく。

2. WEB制作会社が求める、理想の新入社員になりきる

求められる人材になりきる

これは、入社後の話ではなく面接時にそうなれということだ。つまり、演じるということである。こんな新人が入ってきてほしいと企業が考えている理想の人物に、そっくりそのままなりきってやるのだ。ただし、相手は百戦錬磨の面接官。なまじっかな対策では化けの皮が剥がれてしまう。周到に準備しよう。

演じ切るには、やはり役作りだ。ウソをつけと言っているわけではない。採用活動を進めるWEB制作会社が理想と考えている人物のような「雰囲気」を醸し出す。そのためには、彼らが求める人物がどんなものかを具体的にイメージすることがポイントだ。

まずWEB制作会社が求めるであろう理想の新入社員の条件を、具体的に書き出してみよう。自己分析でやった要領で、理想の新人像を作っていく。WEB制作の仕事の特長から考えていくのが近道だ。

WEB制作の仕事の特長とは、

  • 日進月歩で技術やトレンドが変化する
  • 生き馬の目を抜くような業界
  • チームでの仕事が多い

ここで活躍できる人物像を書き足す。ただし、クリエイティブ業界なので、直球を投げていては最終面接まで残れない。少しだけ変化球を投げてみよう。

  • 日進月歩で技術やトレンドが変化する → 新しいものに敏感。毎日の電車で出会う憧れの彼女の服装をメモっている
  • 生き馬の目を抜くような業界 → 商店街のくじ引きで、熱海旅行を当てたことがある。
  • チームでの仕事が多い → 高校時代、ウォーターボーイズに感動し、市民プールで夏休み中猛特訓した

ファッションチェック

このようになる。これがWEB制作の現場で活躍できる人物だ。仕上げは、この人物を演じきる役者になるためのトレーニングだ。とにかく、鏡の前で自己ピーアールしてみよう。自分をどう感じただろうか。

「コイツと仕事したい」

と思えただろうか。
これからあなたは、少し変わった見方のできる好青年を演じるために、毎日繰り返し繰り返し15分間、鏡の前で格闘する。どこで表情を軟らかくし、笑顔をつくり、抑揚をつけると「理想像」に見えるのかを研究する。最初のうちは鏡に映る自分が媚びているように見えて、非常に気持ち悪い。しかしガマンして1週間も続ければ、素人でも面接官にとって「心地よい雰囲気」を作り出せるようになる。何とかなるものだ。私でもできたのだから、保証してもいい。

面接官にとって「心地よい雰囲気」を持つ好青年を自由自在に演じられるようになったあなたに求められるのは、「近い将来化けてくれるかもしれない」実績だ。
先ほどあげた条件のひとつひとつに、応募者であるあなたが「化ける可能性」を感じさせる事実を充てていく。あくまで「可能性」の話で、そうなるかどうかなど問題ではない。

  • 新しいものに敏感。毎日の電車で出会う憧れの彼女の服装をメモっている
    → 走り書きのイラストが描かれたA6ノートを用意し、最新のファッション用語を並べておく。
  • 商店街のくじ引きで、熱海旅行を当てたことがある。
    → 昔行った熱海旅行の家族写真を用意する。両親が泣いていれば最高だ。
  • 高校時代、ウォーターボーイズに感動し、市民プールで夏休み中猛特訓した
    → 友人とバカっぽく笑っている夏休みの写真を用意する。バカっぽくが、キモである。

ウォーターボーイズ

写真やノートを見せつつ、面接官にとって最良の応募者であると確信するあなたは、1週間血のにじむような努力を重ね会得した「好青年」を演じながら、こう伝える。

「WEBが大好きだから応募しました。ですからWEB制作会社は、とてつもない可能性を秘めていると思います。まだ私は詳しいところを知らないけれど、この業界に身をおけるかもしれないと思うと、ワクワクしてきます。自分に足りないところは、毎日少しずつノートにまとめて学んでいます。家族に迷惑をかけたこの3年間に区切りをつけて、成長したなと両親に言わせたい。チームが熱くなれば、チームの誰もが強くなれることをもう一度実践したいんです。」

と。もしかすると、応募者の好青年が発する言葉に涙ぐんでしまう面接官がいるかもしれない。ここまで紹介したテクニックをずるいと感じた方は、甘い。甘すぎる。
実際のビジネスの現場では、誰もが理想の取引業者を演じている。演じるだけで、実践なしではすぐに切られるが、毎日繰り返し演じると不思議なことに演じなくても理想に近づいてくる。そして、お互いをリスペクトできる関係になっていくのだ。