
採用サイトをリニューアルした。デザインも刷新した。コンテンツも整理した。それなのに、応募数は変わらない。来ても採用につながらない。内定を出しても辞退されてしまう・・・。
そんな状況に直面している採用担当者や経営者の方に、ひとつ問いかけさせてください。
「リニューアルの前に、「なぜ自社を選ぶのか」を言葉にできましたか?」
採用サイトの失敗の多くは、デザインの問題でも、情報量の問題でもありません。その手前にある「採用コンセプトの言語化」が抜け落ちたまま、見た目だけを整えてしまったことにあります。
失敗の原因は、ほぼ共通しています。『採用コンセプトの言語化』が抜け落ちたまま、見た目だけを整えてしまうこと。この記事では、その実態と、実際の改善事例をお伝えします。

執筆した人:平田弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。
本記事で分かること
採用サイトを刷新したのに変わらない。その理由は、ほぼ100%「コンセプトの言語化」です。この記事では、行動経済学の視点と支援事例から、失敗のパターン・確認すべき3点・改善の進め方を具体的に解説します。
1. 「採用サイトをリニューアルすれば解決する」は思い込み
採用に課題を感じた会社が最初にとる行動は、多くの場合「採用サイトのリニューアル」です。
確かに、見た目が古い、スマートフォン対応ができていない、情報が整理されていない——これらはリニューアルで解決できる問題です。しかし、採用サイトを刷新しても、次のような課題は解決しません。
- 応募数は増えたが、採用につながる人材が来ない
- 内定を出しても辞退される
- 入社しても早期離職が続く
- 採用説明会の参加者数は、以前とほぼ変わらない
これらの課題の本質は、サイトの「見た目」ではなく「設計」にあります。より正確には、サイトに何を伝えるかという「本質の設計」、つまり採用コンセプトが定まっていないことにあります。
どれだけデザインを磨いても、伝えるべき本質が曖昧なら、応募者の心は動きません。採用サイトはあくまで「表現の器」。器をいくら美しくしても、本質が訴求できていないのでは意味はないのです。
2. 採用活動は営業と同じ:環境が変われば打ち手も変わる
もうひとつ、リニューアルが失敗に終わる理由があります。それは「一度作ったら終わり」という考え方です。
営業活動を思い浮かべてください。市場環境が変わり、競合が変わり、顧客のニーズが変わったとき、同じ提案書を使い続けるでしょうか。おそらく、状況に合わせて提案内容を見直すはずです。
採用活動も、これとまったく同じなのです。
- 求職者の価値観が変化した
- 競合他社が採用に力を入れ始めた
- 自社の事業フェーズが変わった
- 求める人物像が変わった
これらの変化に合わせて、採用サイトの打ち出し方も変えていく必要があります。にもかかわらず、「リニューアルした安心感」から一度作ったサイトをそのまま使い続けてしまう会社は少なくありません。
採用サイトは制作コストがかかります。そのため、一度リニューアルすると「しばらくはこれでいこう」という心理が働きがちです。しかし、営業が「先期に作った提案書を使い続ける」ことがないように、採用の打ち手も定期的に見直すサイクルを持つことが、長期的に見て大きな差を生みます。
なにも、毎回リニューアルをせよということではありません。本質的な部分(御社の良さ、社風など)は変える必要はなく、必要な部分だけを改修すればいいのです。
採用活動は、作って終わりではなく、継続的に見直し続けるものです。その視点がなければ、どれだけ丁寧にリニューアルしても、いずれ同じ課題に直面することになります。
3. 行動経済学から見る「応募者の意思決定」

では、採用サイトで本当に伝えるべきこととは何でしょうか。それを理解するために、行動経済学の「システム1・システム2」という概念を使って説明します。
システム1:なぜ『なんとなくいい会社』で終わってしまうのか
人間の意思決定には、大きく2つのモードがあります。ひとつは「システム1」と呼ばれる、直感や感情に基づく高速な判断です。
採用サイトで言えば、「なんかいい会社っぽい」「デザインがおしゃれ」「社員が楽しそう」といった第一印象がこれにあたります。大手企業のブランドや、有名なデザイン会社が作ったきらびやかなサイトは、このシステム1に強く働きかけます。
システム2:応募者が『ここしかない』と思う瞬間
もうひとつは「システム2」と呼ばれる、論理や言語に基づく、時間をかけた思考です。
採用の文脈では、「この会社を選ぶ理由が、自分のなかで言葉にできている状態」がこれにあたります。「なぜここで働きたいのか」を自分自身に説明できる状態、と言い換えてもいいかもしれません。
システム1だけに頼ると何が起きるか
システム1だけに訴えかける採用サイトは、短期的には応募を集めることができます。しかし、応募者が選考を進めるにつれて、「なぜここを選んだのか」という自己説得が追いついてこない。
その結果が、内定辞退・早期離職・定着率の低下です。
「なんとなくいい雰囲気だった」で入社した社員は、壁にぶつかったとき、「なぜここで働いているのか」という問いに答えられません。一方、「この会社でなければならない理由」を自分の言葉で持っている社員は、困難があっても踏みとどまれる。
これは、採用の問題に見えて、実は入社後の定着や組織文化にまで連鎖する問題です。採用コストをかけて入社してもらっても、早期に離職されれば、また採用費がかかる。その悪循環を断つためにも、採用の入口から「なぜここか」を明確にしておくことが重要です。
採用の質を上げるには、システム2に働きかけること、すなわち「この会社でなければならない理由」を応募者が自分の言葉で持てるよう、採用サイトが設計されている必要があります。
4. 採用コンセプトの言語化が、採用の質と量を変える

システム2に働きかけるために必要なのが、採用コンセプトの言語化です。
採用コンセプトとは、「なぜ自社で働くのか」「自社で働く意味とは何か」を一貫したメッセージとして言語化したものです。
これは、採用担当者が考えるものではありません。社員一人ひとりの「なぜここで働いているのか」「どんな瞬間にやりがいを感じるか」というリアルな声を丁寧にヒアリングし、そこに共通する価値観や体験を抽出することで生まれます。
社員ヒアリングが起点になる
当社がサポートする際、最初に行うのは必ず社員ヒアリングです。
「会社の強みは何ですか?」と聞いても、出てくるのは表面的な答えばかりです。そうではなく、「入社前と後でギャップがありましたか?」「辞めようと思ったことはありますか? なぜ続けているんですか?」、こういった問いから、その会社の本質的な魅力が浮かび上がってきます。
採用サイトは、その言語化されたコンセプトを表現する「手段のひとつ」にすぎません。コンセプトが明確であれば、採用サイトのライティングも、写真の選び方も、構成も、自然と決まってきます。
よくある「言語化できていない」サインとは
自社の採用コンセプトが言語化できていない場合、採用サイトにはこんなメッセージが並びがちです。
- 「チャレンジできる環境があります」
- 「風通しのいい職場です」
- 「成長できる機会が豊富です」
- 「社員一人ひとりを大切にしています」
これらのフレーズ自体が悪いわけではありません。ただ、どの会社でも書けてしまう言葉は、どの求職者にも刺さらない言葉でもあります。「うちの会社だからこそ」が見えない。
採用コンセプトが言語化されているかどうかの簡単な判断基準は、「その文章を読んで、入社を検討する理由が出てくるか」です。「なんとなくよさそう」で終わるなら、まだコンセプトの言語化が足りていないサインです。
逆に、コンセプトが曖昧なまま進めると、サイトのどこを見ても「なんとなくいい会社」しか伝わらない。そういう採用サイトが量産されています。
採用コンセプトの言語化、どこから始めればいいか分からない。そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。社員ヒアリングから一緒に進めます。
フレイバーズでは、社員ヒアリングから採用コンセプトの言語化、採用サイト制作までを一貫して支援しています。詳しくは採用サイト制作・リニューアルの支援内容をご覧ください。
5. 採用サイトをリニューアルする前に確認すべき3つのこと
採用コンセプトを土台にしたリニューアルを進める前に、確認しておきたいポイントが3つあります。
①「なぜここで働くのか」を社員の言葉で語れるか
実は、経営者や採用担当者でさえ、競合と比べたときの自社の強みを明確に言語化できていないケースは少なくありません。「うちはチームワークがある」「成長できる環境がある」・・・そう言いながら、「他社と何が違うのか」を問われると言葉に詰まる。それが現実です。だからこそ、現場の社員に話を聞くことが重要。複数の社員に「なぜここで働き続けているか」を問いかけ、共通して出てくるキーワードを拾い上げる。そこにこそ、採用コンセプトの種が埋まっています。
②ターゲットとなる求職者像は明確か
「ポテンシャル重視で幅広く採用したい」という方針は理解できますが、「全員に刺さるメッセージは誰にも刺さらない」というのが採用サイト設計の実態です。20代の第二新卒なのか、専門スキルを持つ中途なのか、ターゲットを絞ることで、伝えるべき言葉と構成が変わります。
③リニューアル後の効果測定の仕組みがあるか
採用サイトの改善は、公開してからが本番です。Google AnalyticsやSearch Consoleを継続的に確認することで、次の打ち手が見えてきます。たとえば、採用活動の時期によってアクセスされるページは変わっていきます。春の就活シーズンには企業理念や社風のページに流入が増え、秋以降は職種ごとの業務内容ページが見られるようになる——そういった動きを読むことで、「今この時期に訪れている求職者には、どのメッセージを前面に出すべきか」が自然と見えてきます。データは、採用サイトを育てるための羅針盤です。
この3点が整っていれば、リニューアルの方向性はかなり絞り込めます。逆に言えば、この確認なしにデザインや文章の修正から入ると、また同じ課題に直面する可能性が高くなるでしょう。
6. 事例前半:企業説明会のブースに誰も来なかった会社

ここで、実際の支援事例をご紹介しましょう。
社員120名規模の中堅企業。採用には毎年一定の予算をかけていましたが、なかなか成果が出ていませんでした。採用担当者からの相談は、率直なものでした。
「企業説明会で、ブースに誰も来ない日があるんです。隣ののブースは人が並んでいるのに」
現状の採用サイトを拝見すると、情報は整理されており、写真も丁寧に撮影されていました。ただ、何を伝えたいのかが、読んでも頭に残らない。社員インタビューも掲載されていましたが、「楽しい職場です」「成長できます」という言葉が並んでいるだけでした。
まず社員ヒアリングから始めた
私たちが最初に取り組んだのは、社員へのヒアリングです。現場の社員10名近くにインタビューし、「なぜこの会社に入ったのか」「続けている理由は何か」「どんな仕事に達成感を感じるか」を深掘りしていきました。
そこで見えてきたのは、「人が育つ会社」というキーワードでした。難しい仕事を任せながらも、新卒社員の成長が他社と比べて明らかに早い。大手では一部しか担当できない仕事が、この会社では最初から最後まで携われる。その分、壁にぶつかることも多いはずですが、それでも社員が定着し、着実に力をつけていく。人を育てることへの向き合い方が、他社より数段すぐれている——その体験が、社員たちの語りに繰り返し登場したのです。
コンセプトを言語化し、採用サイトを再設計
「大手ではなく、ここを選ぶ理由」を採用コンセプトとして設定し、採用サイト全体を再設計しました。ファーストビューには「自分の手が届く仕事」というメッセージを据え、それを裏付ける具体的なエピソードを社員の声として掲載。「風通しがいい」「成長できる」といった抽象的な言葉は一切排除し、「入社1年目からどんな仕事に関わったか」「どんな瞬間にやりがいを感じたか」を、社員の生の言葉で語ってもらう構成にしました。
結果は、数ヵ月で明らかになりました。応募数が増えただけでなく、「御社のサイトを読んで、ここしかないと思いました」という応募者が増えてきた。選考での辞退も減り、入社後の定着率も改善しました。
ところが、3年ほど経つと、新たな課題が生まれてきました。採用予定枠は毎年埋まり、応募者のレベルも以前と比べて明らかに上がっている。成果としては申し分ない。しかし、応募者の質が上がった分、比較される相手も変わってきたのです。「応募者が大手企業と迷っているケースが増えてきました」——採用担当者からそんな言葉が出てくるようになりました。
7. 事例後半:課題が変わったとき、サイトも変える
採用の質が上がったことで、比較される競合が変わりました。以前は「この会社か、あの中堅企業か」という比較だったのが、「この会社か、大手か」という比較になってきた。ある意味では嬉しい悲鳴ではあります。しかし、そうも言っていられません。大手と迷い始めた応募者が親や学校の先生に相談すると、「せっかくなら大手に行きなさい」というアドバイスが返ってくる。それが引き金となり、内定辞退が続出するようになっていたのです。
採用担当者の悩みは、むしろ以前より深くなって来ていたのです。
打ち出しの軸を変える判断
ここで私たちがご提案したのは、採用サイトの2回目のリニューアルでの打ち出し方です。
前回のリニューアルで有効だった「人が育つ会社」というコンセプトはそのまま生かしつつ、新しいメッセージを加えました。それが、「大手より大きな仕事ができる」という打ち出しです。
大手に入れば、入社後しばらくは一つの部門の一つの業務しか担当できない。一方、この会社では入社1〜2年目から、プロジェクト全体に関わる機会が与えられる。これまで築いてきた仕組みやナレッジによって各社員が実行すべきことは明確で、チームの連携も取れている。先輩からのフィードバックを受けながら、仕事の全体像を早い段階で理解できる環境がある。
それを求職者の言葉で、具体的に伝える構成に作り直しました。
7.結果:厳しい採用市場でも応募数・質を維持
2回目のリニューアル後、採用の難易度は変わらないまま、応募数・質ともに水準を維持できています。現在の担当者の課題は、「大手より大きな仕事ができる」という採用コンセプトに新たに加わったサブコンセプトを、採用サイトのあらゆる接点でいかに一貫して訴求するか。説明会、先輩社員との懇談会、面接など。それぞれの場面で「大手よりやりがいがある」という実感を応募者に届けていくことが、いまのテーマになっています。
「採用サイトを一度作ったら終わり」ではなく、「課題が変わったら打ち手を変える」・・・。この会社がその姿勢を持てたことが、継続的な採用力の源泉になっています。
8. まとめ:採用サイトのリニューアルは手段、目的は「言語化」
採用サイトのリニューアルがうまくいかない理由は、ほとんどの場合「採用コンセプトの言語化が先行していないこと」と「市場変化に合わせて見直す視点がないこと」の2点に集約されます。
デザインを整えることは重要です。しかし、デザインを整える前に「何を伝えるか」が定まっていなければ、どれだけ美しいサイトを作っても、応募者の心には届きません。
また、採用活動は一度形にしたら終わりではありません。外部環境が変わり、自社の課題が変わったとき、採用の打ち手も変えていく。それが採用力を継続的に維持する唯一の方法です。
今の採用サイトを振り返ったとき、こんな状況に当てはまるなら、見直しのタイミングかもしれません。
- 数年前にリニューアルしたきり、内容をほとんど更新していない
- 社員インタビューはあるが、「どこでも使えそうな言葉」しか載っていない
- 応募はあるが、選考を進めると辞退が多い
- 自社の採用コンセプトを一言で説明できない
採用サイトは、会社の採用力を映す鏡です。サイトの内容に違和感を感じたなら、それは採用コンセプトの言語化から見直すサインです。まずは現状のサイトを「応募を検討している求職者の目線」で読み直してみることから始めてみてください。
フレイバーズの採用サイト支援について、具体的なプロセスや制作事例はこちらのサービスページでご確認いただけます。
フレイバーズへのご相談
フレイバーズでは、採用サイトの「見た目のリニューアル」だけでなく、採用コンセプトの言語化から支援しています。
社員ヒアリングをもとに「なぜここで働くのか」を言葉にし、それを採用サイト・採用パンフレット・採用説明会の資料に一貫して落とし込む。そのプロセスをご一緒することで、「デザインを変えても変わらなかった」という課題から抜け出せます。
「採用サイトのリニューアルを検討しているが、何から始めればいいかわからない」「応募数は増えたのに採用につながらない」。そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。
選ばれる会社になる覚悟。大阪の企業にいま必要な、採用ブランディング

執筆した人:平田弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会・認定コンサルタント(インターナルブランディング)、ブランドマネージャー(1級)。大手電機メーカーで国内外の営業、企画を15年間経験した後、フレイバーズ設立。製造業での知見を活かし、中小企業のブランディングに強み。
本記事で分かること
採用活動において、「らしさをどう伝えるか」は以前にも増して重要になっています。とくに就活の早期化が進むいま、採用サイトや説明会で一度しか会えない学生に、自社の魅力を「一瞬で伝える力」が求められています。本記事では、大阪の企業が持つ強みをどう見せるか、採用ブランディングの考え方と具体的な手法、学生に選ばれる企業になるためのヒントを、事例やエピソードを交えて紹介します。
いまの就活生は、多くを見ない。一期一会の気持ちで相対する必要も。
就活が早期化するなかで、学生たちは数多くの企業を見るように見えて、実際にはほんの一部しか記憶に残していません。大学3年生の秋には、すでに1〜2社の内定を得ている学生も少なくなく、就職活動そのものに「焦り」を感じない人も増えています。
そういった学生が会社説明会に参加するのは、「もっと自分に合う会社があるかもしれない」という感覚からです。つまり、今持っている内定がゴールではなく、比較対象になっているということ。
だからこそ、説明会で出会う一人ひとりに対して、一期一会の覚悟で臨む必要があります。その出会いが、企業にとっても学生にとっても最初で最後になる可能性があるからです。
採用活動とは、数をこなすことではありません。目の前の学生に、自社の魅力や考え方が届くかどうか。その一回ごとの勝負を、きちんと設計し、言葉やコンテンツに落とし込むこと。それが、採用ブランディングの出発点です。
採用ブランディングで「らしさ」を伝えることが、大阪企業の武器になる
就職活動において、学生たちは企業を「条件」だけで選んでいるわけではありません。給与や福利厚生よりも前に、「この会社、なんかいいかも」と感じるかどうか。その直感的な共感や安心感が、エントリーの決め手になることがあるのです。
だからこそ、採用活動において重要なのは、自社の「らしさ」をどう伝えるか。
- どんな人が働いているのか。
- どんな雰囲気の職場なのか。
- 何をたいせつにして、どんな価値観で動いているのか。
そういった情報が、言葉や写真、インタビューやデザインを通じてにじみ出ていく。その一貫した“空気感”が、「この会社なら自分もやっていけそう」と学生に思わせる。それが、採用ブランディングの本質だと私たちは考えています。
会社の魅力がにじみ出るのは、ちょっとした工夫
採用ブランディングというと、大がかりな施策や専門的なノウハウが必要だと思われがちです。けれど実際には、学生の心をつかむのは、ごく身近なリアルな話だったりします。
たとえば、
私たちの会社では上司もイジられます。
入社して間もない若手が、会議中に部長へツッコミを入れたり。それが許される空気があって、むしろ笑いが起きる。この距離の近さや人間くささは、求人票ではなかなか伝わりません。
また、
本町という立地と、早めの退社文化も大きな魅力
17時すぎには仕事が終わって、心斎橋で買い物、堀江でカフェ、難波で映画。仕事も私生活もどちらも大切にできる、そんな働き方のリアルが学生には刺さるのです。
こうした日常のひとコマを、写真やインタビュー、ちょっとした言葉で見せていく。それだけで、「あ、ここ、自分に合いそう」という感覚が生まれます。採用ブランディングとはつまり、無理に盛らず、ありのままの魅力を言葉と設計で伝えることなのです。
「大阪らしさ」が、採用活動の武器に
東京の企業と比べて、大阪の会社はネームバリューや規模で見劣りすると思われがちです。でも、そこにこだわる必要はありません。むしろ今の就活生にとっては、雰囲気や人の良さこそが決め手になることも多いのです。
大阪の企業には、独特の魅力があります。
- 誰とでもすぐに距離が縮まる文化。
- ツッコミや冗談が飛び交う会話。
- 上司と部下の間に上下関係よりも信頼感がある。
こうした雰囲気は、東京の大企業ではなかなか味わえないものです。
さらに、地域とのつながりも大阪企業ならではの強みです。地元のクライアントと10年、15年と付き合い続ける中で生まれる信頼や誇り。そこには、深くてあたたかい仕事があります。
就活生の中には、東京の企業に憧れていたけれど、「この会社の人たち、なんかいいな」と感じて、大阪に残る選択をする人もいます。「会社の人間らしさ」を正しく伝えることは、志望理由そのものを変える力を持っているのです。
採用ブランディングは、結果につながります
私たちはこれまで、大阪を拠点に、さまざまな企業の採用ブランディングを支援してきました。そのなかで感じるのは、「伝え方を変えるだけで、応募者の質も、量も変わる」ということです。
ある企業では、社風や社員の姿が伝わるインタビュー記事を採用サイトに加えただけで、
「説明会に来た時点で会社の雰囲気が分かっていた」
「サイトを見て、ここで働く自分が想像できた」
といった声が増えました。
また別の企業では、「らしさ」を明確に打ち出した採用ページを公開してから、「なんとなく受けた」学生よりも、会社への共感を持った学生のエントリーが増えたのです。
これは偶然ではありません。
採用ブランディングは、オシャレなページを作ることではなく、会社と学生の間に「ちゃんと伝わる接点」をつくること。その接点があるかないかで、結果は確実に変わります。
「伝えたこと」と「実際の姿」が一致するとき、信頼が生まれる
学生たちは、企業の採用サイトをしっかり見ています。そのうえで、会社説明会に参加し、オフィスを訪れ、社員と話しながら、こう思っているのです。
「サイトに書かれていたこと、本当にそうなのかな?」
採用サイトで見た世界と、説明会で感じた空気にズレがなければ、学生の中に信頼が生まれます。逆に、ギャップがあれば、それは“違和感”として残ります。
だからこそ、採用ブランディングで大切なのは、見た目のカッコよさではありません。リアルな魅力を、誤魔化さず、正しく、伝えること。そこにちゃんとした言葉と丁寧な設計があれば、会社は自然と選ばれる存在になります。
採用活動は、もう数で勝負する時代ではありません。大事なのは、「この会社で働きたい」と思ってもらえること。そのために、いまこそ「伝え方を見直すタイミング」です。
「伝え方を変える」ことは、「未来を変える」こと
就活生にとって、最初の出会いは採用サイトであり、そこに書かれた言葉です。
説明会での印象、社員の雰囲気、オフィスの空気感――
それらが採用サイトと“つながって”いるとき、はじめて信頼が生まれ、未来の仲間が動き出します。
会社が持っている「らしさ」や「魅力」を、どう見せていくか。
今の時代、それは採用の成果を左右する真剣な経営判断のひとつです。
フレイバーズは、大阪を拠点に「らしさをカタチにする」採用ブランディングを行っています。
「うちの会社、何をどう伝えたらいいんやろう?」という段階からでも大丈夫です。
まずは一度、お話ししませんか。
採用ブランディング|実績と導入事例を見る
採用サイト 改善のご相談はこちら
とりあえず資料ダウンロードで情報収集
お問い合わせ
採用サイトのコンテンツに深みをあたえる言葉えらび
♫ ソーダ水のなかを、貨物船が通る ♬
古いナンバーですから、このワンフレーズだけで題名が浮かぶ方は、少ないかも知れません。
1974年の荒井由実の名曲「海を見ていた午後」です。
(ご存じない方は一度聴いてからコラムを読んでもらうと、よりわかりやすいでしょう)
学生時代に、この歌詞の魅力を熱く語る後輩がいました。
「短い一節だけど、展開されている風景がふわっとひろがるでしょ?言葉のチョイスが秀逸だと思うんですよ。説明的な描写や、ありがちな比喩に頼らずに。こんな詞が書けたらなぁ」
私は、楽曲の世界観もさることながら、鋭い目の付けどころに驚かされ、感心するばかりでした。
「言葉の伝達力には無限の可能性がある」と、彼はきっと気づいていたんでしょうね。
いまでは自身が、文章の構成や表現を練る仕事に就いたこともあって、とりわけ印象に残っています。
彩りゆたかに伝える言葉のつづり方
報告書や回覧板のように、正確な情報や記録の伝達をねらって言葉をならべるだけなら、淡々と味気ない文章が続いても、まったく問題ありません。
でも、さまざまな言葉の力を知ったり、うまく使えるようになったら、もっとリアルに、いきいきとした心象を伝えられるかも知れません。
「俳句」をテーマに考えてみましょう。
ー 静けさや岩に染み入る蝉のこえ
五月雨をあつめて早し最上川
夏草や兵どもが夢の跡
古池や蛙飛びこむ水の音
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
教科書に定番で掲載される芭蕉や子規の名句です。みなさんも一度はふれたことがあるでしょう。
ひとつずつ味わいながら目を閉じると、作者が居合わせた風景がひろがります。
キャンバスにむかって絵が描けるくらい、鮮明ではありませんか。
季語や文字数といった制約があり、構成の自由度は低いので、擬音や色あいなどのありふれた言いまわしは用いず、みんなにイメージが伝わるように、凝縮された表現をひねる。
実に奥深いですね。
「川柳」の場合はどうでしょう。
ー 役人の子はにぎにぎをよくおぼえ
国民の安心のせる火の車
口よりもマウスがものを言う時代
効率化提案したら仕事増え
ジム通いクルマで行ってマシン漕ぐ
最初の作品は江戸中期、田沼意次が活躍した頃。その他は、最近の世相が題材になっています。
風刺の視点は時空を超えるんですね。一緒にならべても、時代のギャップを感じません。
これらは多くの読み手に「クスッ、ニヤッ、その通り!」といった同様の反応を起こさせます。
心のなかを生々しく表す記述はありませんが、相手にストンと感情が伝わる。
一定の構成ルールを守りながらもどのように言葉を選べば良いか、計算が尽くされた結果でしょう。
読み手の思考や感情に訴えかける
では書き手と読み手のダイナミックなやりとりが成立するために、必要なものは何なのか。
まずは対象とする風景や物事に向けられた、作者の深い洞察力があります。
ユーミンは市井にまぎれて男女の会話に聞き耳をたて、たくさんのラブソングを組み立てたと発言しています。芭蕉も言語化する前提として自然世界の光や香り、音や風など五感を尽くして味わい、記憶にとどめたはずです。川柳もリアルな庶民感覚をつかんでいるからこそ、心に刺さるのです。
さらに、読み手の頭の中を刺激するように言葉を選び、つづることも大切。
「海を見ていた午後」では仮に題名を知らずに聴いていても、曲が進行するにつれ「レストランの窓辺から、海を眺めて思い出をたどる女の子」が自然に浮かんできます。芭蕉の句は「岩に染み入る」や「五月雨をあつめて」の一節がひっかかり、「おやっ、それはどういう様子なのかな」と、考えさせられ、そこから読み手は作者が見た風景を再現しようと頭を働かせるのです。
技巧的な要素もありますが、一流の語彙力がないからとあきらめないでください。
大事なのは、いつも相手がどのように受け取るかを意識して言葉を紡ぐことなのです。
採用サイトにも活かせる言葉のチカラ
メッセージを伝えるために言葉選びにこだわるのは、文化・芸術の分野だけではありません。
私たちが日々携わるWEBコンテンツ制作においても、実は外せないポイントなのです。
たとえば採用サイトのコンテンツもそのひとつで、ライターにとっては腕の見せどころ。
インタビュースタイルの先輩紹介やクロストークで職場の雰囲気を伝える記事は、就活生にとっては興味の尽きないキラーコンテンツといわれます。
「疑似体験」「追体験」できるところが、文芸の世界に通じると私は考えています。
次の4つの表現をくらべてみましょう。
① 近頃は、お客様から信頼していただけるようになりました。
② 最近は、君から買ってるんだと言われるようになったんです。
③ 初めての顧客訪問のときは、とても緊張しました。
④ はじめて訪問するビルの前で、カバンを持つ手に汗を感じました。
みなさんは、どんな印象を持ちましたか。
①と②、③と④は、伝えたいテーマとしては同じです。でも、伝わる情報の豊かさはまったく違います。②や④の描き方ならば日々どんな姿で仕事にのぞんでいるのか、人柄や息づかいまで想像できませんか。就活生が共感し「うん、うん、わかる」と、感情移入しながら読み進んでしまいそうです。
ちょっとした表現の違いでも、インタビューのなかでこうしたフレーズが所々に盛り込まれると、親近感や臨場感はぐっとアップします。
しだいに「この先輩のもとで働いてみたいな」といったイメージをもってくれるかもしれませんね。
読み手がそんな気持ちになりそうなインタビュー記事を、参考にあげておきます。
深みのあるコンテンツに仕上げるには
そんな調子よく進むパターンばかりじゃないと、ムッとする方もいそうなので付け加えます。
たしかに「そのままで記事映えする」ような素敵なコメントに出合ったり、凡庸な言いまわしをリライトするのはとても難しいことです。
でも、成功のコツはすでに書きました。芭蕉やユーミンの洞察力を思い出してください。
語彙力を自在に操る天才でさえも、観察や取材に全身全霊をこめているのです。
対象の強みは何かを見極め、どんな階層にどのようにPRするのか。ゴールを明確に。
ブレないコンセプトで進める取材の場では、奥深いコンテンツに仕上げるキーワードが必ず出てくる。
当社のモットーのひとつは、「心を動かすコンテンツ」。
取材時に着るハッピの背中には「熱取材」の文字。
私たちが目指す姿として、毎日のように語りあう内容を題材に今回はまとめてみました。
「取材のコンセプトはどんなふうに組み立てたらいいの?」
「心を動かすように言葉をつづるって?」
興味を持たれたみなさんは、ぜひ当社にご相談ください。
お待ちしております。
採用サイトで就活生に居場所があることを伝えてあげよう
「このごろは、説明会を開いても参加者が集まらなくて・・・」
もはや恒例のように、相談を持ちかけてくる中堅メーカーのS君、また浮かない顔です。
経営企画の立場から自社サイトのディレクションにもかかわり、採用担当として母集団形成も任される大変さはよくわかります。
S君自身は、採用コンテンツを大幅に再編したいようですが、「コストをかけたぶんだけ、学生は集まるのか」と経営陣に詰め寄られ、稟議もかんたんには通らない。
先日から、就活にのぞむ学生の変化について、企業側の受け止め方を調べていた私は、その内容も参考にして、お助けプランを練ってあげることにしました。
就活生は積極性が足りない!?
私が注目したのは、2025年卒の採用マーケット分析の中で見つけた、こんな結果でした。
キャリタス就活「2025年卒 採用ホームページに関する調査」(PDF)
・就業意識の低い学生が増えた 35.7%
・企業理解不足の学生が増えた 42.5%
・仕事内容について理解不足の学生が増えた 40.7%
1000社以上を対象とした調査で、「そう思う」と回答した企業の割合になります。
「そう思わない」としているのは、いずれも全体の1/3以下です。
採用する側から見たとき、志願者の姿勢に一定の物足りなさを感じている様子がうかがえますね。
少なくとも、みんなが猪突猛進型で激しく競っている雰囲気ではないのでしょう。
就活にのぞむ段階になっても、まだ「自分探し」をしているような、本気モード未満の学生がたくさんいると考えざるを得ない。
「それならこのプランはどうかな。まだ採用ページに載せている会社は少ないと思うけれど」
「たとえば、5つの選択肢があるテーマを3つ設けて、それぞれもっとも自分に適合するものを選んでもらうようにする。ちょっとした自己診断コーナー的な感じだね」
サイトをおとずれた就活生が「もしここに入社するなら居場所はどの部署なのかな」と、思わず想像してしまうようなアイデアをS君に提案したのです。
就活生をその気にさせるひと工夫
実際に導入するなら会社の採用コンセプトを反映させますが、ここはあくまでサンプルなので、仮のチェック項目を並べ、狙いや効果を書いてみます。
Q1.【会社に求める価値観】
A 人や組織を動かしたい。裁量権を活かせるポジションにつきたい。
B 個人のスキル・専門性を極めたい。自分が納得する仕事をしたい。
C 社会貢献度の高い事業や人に喜ばれる仕事に興味がある。
D ワークライフバランスを大事にしたい。仕事と家庭の両立は当然。
E 新規案件へのチャレンジが推奨される風土。発想の自由度が高い環境。
Q2.【人間性・キャラクター】
A 行動力旺盛で責任感が強い。リーダーシップがある。
B 落ち着きがある。一人でも粘り強く努力できる。
C アイデアが豊富。創造性があり洗練された感性を持つ。
D ポジティブ思考で話すより聞き上手。思いやりがある。
E サポート役にやりがいを感じる。ワンチームに憧れる。
Q3.【仕事に活かせそうな適性】
A やるべきことが重なっても段取りよく進められる。
B 初対面でも遠慮せずに話すことができる。
C 自分の考えを論理的に伝えることができる。
D 違う意見を持つ相手でも柔軟に話し合える。
E 成果が数字に表われる仕事に魅力を感じる。
回答の組み合わせは全部で125通りになります。
次にその回答から導かれる結果として、各事業部や業務内容のコンテンツを紹介するのです。
「BーCーA の方は製造部の記事へ」「EーAーE の方は営業部へGO!」
「DーDーB の方は総務部の記事へ」 といった具合。
とくに珍しい回答パターンに対しては、あえて定番部門への誘導をせずに、「あなたのロジックをぜひ面接で伺いたい」としたり。
テーマや選択肢の表現は、各事業部のビジョンや求める人物像などによって、いくらでも作り込むことが可能です。ただ、項目が多すぎると読み手がウンザリしたり、結果の処理も大変になります。意図するのは、適性診断の精度を上げることではないので、質・量とも適度な構成を考えたいですね。
「これは楽しいですね。ボクもやってみよう!」興味津々のS君。
「なにか、自分をあらためて見直すきっかけになりますよね、これ」
そう、そんな風に感じてもらえたら、コンテンツの「つかみ」としての効果はアリだと思うんです。
参加型のトピックがアクセントになる
ともすれば、「知ってほしい」「伝えたい」内容ばかりが目立つ採用サイト。
「あなたはどんな人なのかな。少し教えてくれる?」と、採用する側から促す展開を加えることで、期待できる効果があります。
就活を「自分ごと」として考えるきっかけに
冒頭で、自分軸がはっきりしないままの就活生が、4割近くいるという結果にふれました。採用サイトも、ざっくりと流し読みから始める姿も想像できます。似たような企業サイトが並ぶなか、ふと自分のキャラや適性を問われるトピックに出合ったらどうでしょう。
「おっ、セルフチェックってやつか。ひとつやってみるか」と、これまでにない反応が起きるかも知れません。
適性診断はネットでもたくさん見かけますが、おすすめの職種や業界を伝えるのがメインで、各企業の事業内容とはつながりません。さらに結果を確認するには相応の時間もかかります。
だから、エッセンスだけ拝借すれば良いのです。
「面接の準備段階として企業サイトを訪れてみたら、適性・適職についての認識も刺激され、個性を活かした部門で働く状況までイメージできた!」
就活生が、採用サイトでちょっと前のめりになってくれる。
ユニークな仕掛けだと思いませんか。
自分で選ぶから確信を求めたくなる
限られた選択肢から最適なものを選ぶだけといっても、テーマが会社との関係性や働き方なら、学生は真剣に取り組みますよね。そして、決断ができれば、次はそれが正しかったのか検証したくなる。
判断の根拠や確証を得ようとする人間の行動パターンは、ご存知の方も多いでしょう。
心理学を取り入れたマーケティングの分野でも、よく扱われるお馴染みの題材ですね。
「自分は営業部では?と診断されたけど、職場の現状はどんな感じかな」と、彼らが興味を持ちはじめるのは自然な流れ。
就活生が本気でコンテンツを精読し、情報を把握してくれることは、採用を検討する側にはとてもありがたいこと。ひとつのページを仕込むだけで、面談の前哨戦のような空気が生まれ、採用サイトの先にある会社との距離が近くなったらベストですね。
また、この自己診断は、説明会や面接などリアルな対話の場面でも効果が期待できます。
「君はBーCーAのパターンなんだね。でも希望は営業なのか。そのあたりはどうして?」
「はい、製品の知識は深めたいのですが、それを世の中に広めたいという思いの方が強くて」
お互いに共有する話のネタがあれば、アイスブレイクの役割になったり、就活生の根っこを知るきっかけにもなるはず。
「これならコンテンツにメリハリがついていいですね。さっそく提案してみようかな」
少し気持ちが上向いた様子のS君でしたが、最後に大切な念押しを添えてあげました。
メインを磨いてこそ活きる「つかみ」
今回ご紹介した「つかみ」は、コース料理でいえば前菜にあたります。
次への期待を膨らませるステップであって、大切なのはあくまでメイン。
事業紹介や現場の様子を伝える写真、先輩インタビューやキャリアパスについてのリポートなど、後に続く本題が充実していなければ意味がありません。
まずはメインコンテンツをしっかりと仕上げておくこと。そこは、見失うことのないように。
納得した様子のS君。
みなさんは、いかがでしょうか。
「たしかに、採用サイトはどこもパターン化されている印象がある」
「おっ!と感じてもらうには、どんな工夫がいるんだろう」
このコラムでそんなことを感じた方は、ぜひ当社にお問い合わせください。
ヒントをお伝えできる自信がありますよ。
採用サイトのコンテンツで、変化する若者の志向をつかむ
Aさん「息子が大手志望と言い張って、困ってるんだよ。良いことばかりじゃないと思うんだが」
Bさん「ウチの娘はまだ数人で始めたばかりのスタートアップ企業に参加を決めちゃって」
30年ぶりの同窓会に参加したら、こんな声が聞こえてきました。
Aさんの息子君は関西私学の雄D大、Bさんの娘さんは日本の最難関T大。円満な独り立ちを願う親たちが、そんな話題で盛り上がりました。
帰り道、就活生のゴールは色々なんだなと感じながら、ふと、先日のコラムに登場した採用担当S君のつぶやきを思い出しました。
「志望者が集まらないんですよ。みんな大手に流れるんでしょうね。中小には厳しい状況です・・・」
同窓会で聞いた若者たちの変化、具体的にどんな様子なのでしょうか。
就活世代は会社に何を求める?
社会人デビューに向き合う若年層を対象にした調査では、私たちが経験した就活とは、違った傾向が見えてきます。複数のアンケート結果をひもといて、志向の変化を顕著に感じる項目を抽出し、まとめてみました。
①勤務地 配属・部署 仕事内容 裁量権
②ワークライフバランス 福利厚生 勤務形態
③キャリアパス 成長支援 社風
①については、希望の勤務地が叶うこと、転勤はない(少ない)、入社前に配属先や部署が知りたいなどの希望が見られます。とくに仕事内容は「自分のやりたい職種につけるか」が最大の関心事で、自己実現へのステップという意味でも、働き方の軸としているようです。ルーティンワークに対しても抵抗があり、社歴が浅くても裁量権を得たいという結果も。
②で見られる要望は、「プライベートの時間が確保されていて、残業が少ない」こと。若年層に定着している「タイパ(タイムパフォーマンス)」の概念は、会社を選ぶ際の必須条件。フルフレックス、出社とリモートを組み合わせたハイブリッドワークなど、多様な勤務形態が支持されるのも、そこにつながっています。
③で特徴的なのは、「昇進を(必ずしも)望まない」という意見。就活者の30%近くを占める調査結果もあります。その理由の多くが、重い責任を嫌い、プライベートの時間を確保したいから。また、おもしろいのは「パラレルキャリア」というキーワード。終身雇用や年功序列といった旧来型の組織で勤務を終えるのではなく、副業、転職も含めて経験やスキルをひろげる生き方を一定数の就活生が思い描いているのだとか。忠誠心をもって会社に一生を捧げるなど、遠い昔の話です。
みなさんの印象はいかがでしょう。
「高望みせず堅実で、自分軸がしっかりしている」。
就職活動の中心にいるのはZ世代ですから、メディアなどで流れるイメージと被った方もおられるでしょうか。
もちろん、給与と待遇、知名度や事業規模といった項目は、以前と変わらずニーズがあります。
でも、明らかに上位独占ではありません。給与だけに限定すれば、重要度が下位になっているアンケートも見られたくらいです。
むしろ目に付くのは福利厚生や休日・休暇、仕事内容、社会貢献度や業界における将来性など。企業の個性とライフプランをリンクさせて、接点を見つけようとする姿勢です。
「どんなメンバーと、どういう環境で、どんな仕事を担うか」
表面的に提示される会社のスペックよりも、人生をよりよく生きるための確信を得たい。
それが、就職活動に取り組む彼らの本音なのでしょう。
少子化による採用難で大手の一人勝ち?
母集団の形成に苦労している。
企業側からよく聞かれる嘆きです。「志願者の質より量を重視する」と、昨今は大手でさえ採用枠をなんとか埋めようとする動きが伝えられています。くわえて景気の先行きに不安を感じている就活生も40%を超えることから彼らが大手に流れている傾向も。中小企業の多くがあきらめモードなのもよくわかります。
ですが、「どうせ大手狙いなんでしょ」と、決めつけてしまうのはちょっと待った、です。
大手のスペックには及ばなくても、多様化する若者の志向に応えられる強み、明確なビジョンがあれば、採用の打ち手は確実にあります。大手一辺倒ではなくなり、独自のワークライフバランスを願う若者が増えているのですから。中小にとっては、多彩な人材獲得に向けた発想の転換期なのです。
要は彼らが求める要素と、自社の魅力・強みのマッチングを徹底して追究すること。
自分が求めるものがここにあると、会社とのつながりに特別な価値を見つけて貰うのです。
採用サイト(企業サイト)で活路を見出す
「人が集まらない…」。S君のつぶやき。
ここまで調べてきて、いつものおせっかいモードに入りました。
変化しつつある就活生の志向をしっかり把握すること。
採用サイトを活用すれば志願者を増やすきっかけになるかも、と。
仮に、S君の会社にこんな個性があるなら、構成しだいでエントリー増加が期待できそうです。
・コンパクトな組織・部署を利点として、柔軟な戦略の立案・修正が可能。意思決定も迅速。
・上司と部下の距離が近く、社内の人間関係も親密で風通しが良い。独自の意見も出しやすい。
・1対1の顧客対応があり、信頼関係が築ける。「貴方から買いたい」といった声をもらう。
・認知度にかかわらず、唯一無二の技術がある。大手が一目置くノウハウを持っている。
・知名度は低くても、業界で一定の存在感を維持し、事業を継続してきた長い歴史がある。
・少数精鋭で各個人が重要な役割を担い、評価も明確で、達成感や貢献度を感じやすい。
・ライフプランに影響する転勤はなく、休日や残業もバランス良く運用の透明性も高い。
・研修やスキルアップの計画が実行されており、キャリアパスも会社と相談しながら進められる。
すべてを備えるのは難しいかも知れませんが、大手でなければムリな条件でもないはずです。
私が知るなかで、これらをうまくコンテンツに反映している企業がありますので、紹介しておきます。
就活生の心を動かすために
では多様化する若者の志向と、自社の求める人材をどのように整合すれば良いのでしょうか。
就活生の多くが売り手市場だと認識しており、一方的に情報を詰め込んだサイトを投げても、心をつかめません。Z世代の傾向から見ても、ラブコールが「熱烈」なだけではナンセンス。
採用サイトをラブレターに例えるなら、「あなたの希望は〇〇だよね。ボクと相思相愛になれば、こんなふうに二人で叶えていけるよ」といった構成にしないと、相手には響かない。
ここからは、相思相愛を実現するために、第一歩としておすすめな準備をあげておきます。
自社の魅力を書き出す
A4用紙に箇条書きで、思いつくまま自社の長所(魅力・強み)を書き出します。
少人数の組織なら全員、中規模くらいだと、経営企画や人事担当、営業など各部署から合わせて10人ほどが参加すれば良いでしょう。抽出目標は1人100個。絞り出す努力は必要ですが、あまり考えすぎず、多少被る内容があってもかまいません。とにかく仕上げる。
結果が出たら、メンバーで集まって分析しましょう。思いがけない発見があるものです。
社屋やアクセス、財務や待遇など、目に見えてたり数字に表われるものが出るでしょう。文化・風土、人間関係など、伝える表現は難しいけれど、特徴的な項目も見つかりますね。
カテゴリーに分類してまとめていくと、会社の良いところが立体的に見えてきます。参加者の視点は様々ですから、「こんな良いところがあったんだ」と、新たな発見があること間違いなしです。
みんなで揉んだら、コラム前段にまとめた就活生の志向に照らして、採用プロセスでのアピールポイントをあぶり出してみましょう。
求める人材のペルソナを作る
その結果をもとに、訪れて欲しい志願者を、具体的なキャラクターとして設定します。ブランディングの世界では「ペルソナ」と呼ばれ、ターゲットをより鮮明にして緻密な企画につなげる手法です。採用プロジェクトをテーマとした場合の、あくまでも一例ですが、
・鈴木花子(23歳)
学歴:「〇〇大学 文学部 英米文学科在学中」 卒論:『嵐が丘』のなかに表れる女性表現の特徴
性格:まじめ 頑張り屋 こだわりが強い バイト:書店スタッフとして3年間
資格:英検一級 就職への希望:留学経験もあるので、英語力を活かした仕事に就きたい
と、こんな感じです。実際に運用する場合は、さらに特徴を加えてリアルな人物像に仕立てます。
この「ペルソナ」には期待できる効果がいくつかあります。
まず、プロジェクトに関わるメンバーが、いつもペルソナを意識して担当業務を進めるので、方向性にズレが生じないこと。複数メンバーの協業やミーティングでは、迷走を抑える効果が期待できます。
また、ペルソナの生活や行動・思考に深く思いをはせる習慣を続けていると、新しいアイデアが見つかることも。インターンシップや会社説明会、パンフ、採用サイト、どんな企画にのぞむ場合でも、自分本位にならず、相手の目線に立つところから生まれるものがあります。
さらにペルソナには、合わせ鏡でうつしたときのように、「影」が連なっています。
たった1人に忠実に向き合う。目の前にいる人に話しかけるように。
馴れないあいだは、絞り込みすぎているように感じるかもしれませんが、実はその人の背後には近い個性をもった集団があり、メッセージを受け取る準備を整えて待っています。誰にでも通用するような語りかけは、メッセージをぼんやりさせてしまう八方美人になっていくだけになり、結局誰にも届かなくなります。
「たった一人を振り向かせれば、100万人に届く」
大阪のマーケター、坂本啓一さんの名著です。
状況はとらえようで変わる
いかがでしたか。採用難に打ち勝つ展開が少しは見えてきたでしょうか。
自社のサイトづくりに孤軍奮闘しているS君も、私のアドバイスを聞いてうなずきながら戻って行きました。
採用難、少子化、売り手市場、景気下降…周囲から聞こえるネガティブな言葉で、柔軟な思考が阻害されがちです。事業展開では、市場の動向を色々な角度から分析して活かすように、採用活動も少し視点を変えてみるだけで、活路はあるのだと思っていただけたでしょうか。
「就活生の志向の変化はわかるけど、採用サイトとのマッチングはどうしたら…」
「ペルソナが採用活動に反映されるって、具体的にはどんな感じ?」
そんな思いがわいてきた方は、ぜひ当社にお問い合わせください。
いつでもお待ちしております。
採用サイトのコンテンツ、早期離職を防ぐために
「突然、辞めたいですと言われて、ショックだったんですよ」
中堅メーカー企業の採用担当をしているS君が、ため息まじりに話しかけてきました。自分が採用にかかわった社員で、入社してまだ1年だそう。おとなしくまじめなタイプで、これといった前兆もなかったようです。
「Z世代だから、あっさりしてるんでしょうね」と、あきらめの表情。
あいづちを打ちかけましたが、「ダメもとでもう一度よく話をしてみたら」と、アドバイスしました。ふだん、採用活動について悩んでいる姿を目にしていたので、何か解決のヒントをつかんで欲しいと思ったからです。
離職希望の彼が言うには
「仕事がおもしろくなくて、ずっとコレをやるのかな…と」
「キャリアパスやスキルアップがイメージできず、変化のない毎日に気持ちが萎えました」
淡々と語られたのは、こんな理由だったとか。
S君は、会社のキャリアパスやスキルアップを説明し、他にも仕事はあるからと再考を求めましたが、彼の心には響かなかったようです。「石の上にも三年」と慰留を切り出したら、「三年で何か分かりますかね」と、あっけなく切り返されて言葉に詰まったと。
「この会社は、こんなもんか」。いったん期待外れの思いになると、修復は難しかったりするものです。
結果から見えてきたこと
これが世にいう「ミスマッチ」なのかと、落胆する背中を見ながらも、二人で原因と対策を話しました。
会社として、ここまで採用と教育にかけたコストは膨大です。去りゆく者への損切りは仕方ないとして、次なる糧にしようとの強い思いがわいてきます。新人らしからぬ捨て台詞は、率直すぎて耳に痛かったのですが、気を取り直して改善の方向性を探ります。
振り返ってみると、入社後のケア不足も含め、たくさんの改善すべきポイントがあがります。そこから、いま最優先にすべきアクションは何なのか、絞り込んでいきます。
①仕事内容について、具体的で詳細な情報を伝えられていたか。(インターンシップ・説明会など)
②キャリアパスやスキルアップについて、就活生の理解は充分だったか。(面接・内定後など)
③採用サイトやパンフレットについても、上記二点について不備はなかったか。
いずれも就活生なら関心を抱く重要なテーマですが、入社前後で納得させるタイミングを逸していたようです。
とくに「仕事内容」については、最も知りたい項目ながら情報は不足しがちで、かつ入社後のギャップを生む原因になるとの調査結果もあります。
【企業の採用サイトに関する調査結果】求職者の視点から見た「採用サイト」の重要性と課題
インターンシップや会社説明会は限られた時間の情報共有ですが、採用サイトやパンフは志望から内定まで制限なく、いつでも就活生が参考にできるアイテムです。いま、ここにしっかりとした情報を掲示しないわけにはいきません。
採用サイトで伝える「仕事内容」
まずは「仕事内容を伝える」ことに焦点をあて、S君がディレクションしたという採用サイトもチェックしながら、改善の施策を伝えていきました。
組織と仕事をわかりやすく伝える
よくあるのは、各事業と部門・部署に担当業務を紹介して終了、というもの。
ある程度は詳細な内容が必要ですが、中堅企業でも項目を細かくすると相当な文章量になります。そもそも業界に精通している就活生は少なく、「文字離れ」の傾向もありますから、熟読には至らないことも。
そんな場合には、会社の事業と、流通・市場などの経済環境を、フロー図にまとめるのも一案。就活生が自身の志望傾向から、やりがいを感じるセクションの存在を探す地図の役割を果たします。会社規模にかかわらず踏襲できる手法なので、一例をあげておきます。
また、こうした図をもとに、事業・業務の内容や、実際に働いている社員の声にリンクさせるのもひとつのやり方ですね。
仕事にむきあう臨場感を伝える
新入社員や先輩社員の声、クロストークをメインに活用します。インタビュー記事は就活生が何度も目を通してしまう「キラーコンテンツ」。でも、ワンパターンの一問一答では何も伝わりません。仕事ぶりや個性が際立つような質問を投げかけ、その存在感が社風を物語るイメージを醸し出すように回答を再構成するのがコツです。
就活生に、「この人、自分とキャラが似てるな」と思わせるレベルに仕上がれば最高です。
「仕事内容」という観点では、成功や失敗の体験談、感情の揺れも汲み取って構成しましょう。エピソードトークで、上司や顧客とのかかわりも添えれば、さらにリアルなストーリーとなって、読み手の疑似体験につながります。
先輩インタビュー | 採用情報 | スポーツ用品、ファッションアイテムのイモト
クロストークでは、参加メンバーを工夫することで、社風や歴史、経営理念と相通ずる良き伝統を感じさせることができます。社歴や担当業務、階層や年齢が、バラエティ豊かな方が、おもしろくなりそうです。
企業活動を一言で表すときも、「〇〇イズム」「〇〇クオリティ」などのワードが使われますが、現場をよく知る社員の声からそれが読み取れれば、就活生からの信頼も得やすいでしょう。
経験を重ねつつ、成長するプロセスを伝える
「この会社を選べば、成長への追い風になるはず」と、就活生は期待します。給与などの対価以上に、仕事についての達成感や充実感、成長に向けたサポートを重視する傾向もあります。
資格取得への補助、スキルアップ研修や教育制度は、関連する数字を明らかにすると効果的。マトリックスなど図表を活用してわかりやすくすると好印象に。
キャリアパスを知ってもらうために、先輩ストーリーをまとめている企業もありますよ。
「それから、求める人材を伝えるのも大切だね。チェックボックスがついた箇条書きで、こんな人に来てほしいという項目をあげているところもあったな。しっかりしたサイトは、採用コンセプトや人事担当者の考えを明らかにする単独ページを作り込んでいたり…」
すると、「ちょっ、ちょっと待ってください!」と、S君。「頭がいっぱいになってきました…」
私が、勢い込んで一気に話しすぎたのでしょう。少しあわてた表情で、これから人事や経営企画担当と相談するとのこと。離職騒動からうけた傷心は、いつしかどこかに飛んでいったようです。
就活生の傾向や求めるものに目をむける
最初にS君がつぶやいた「Z世代」。すっかり定着しているようですが、私には少し抵抗があります。集団を端的にイメージするには便利ですが、個々の実態をとらえる感性を鈍くしているような気がしてならないのです。
昭和世代と違って、入学してほどなく就職について考えなさいと迫られる大学生。専攻分野の学業に追われながらの就活です。忙しさから社会との接点も少なかったり、自身の個性を世の中に活かすビジョンに至らないまま仕事に就く展開も容易に想像がつきます。
そんななか苦労の末に内定をもらったりすると、いわゆる「楽観バイアス」が働いて、思考停止になっている求職者もいるでしょう。「内定が出たのだから、たぶん自分には合っている、大丈夫」と。
アンケートがすべて正しいとはしませんが、就活生の関心の上位に「仕事内容」があがる事実。
採用サイトから得たい情報も、入社後のギャップを感じる原因も「仕事内容」。
採用する側としては、このテーマを志望者といかに共有するのかが、入社前後のトラブルを避けるポイントになりそうです。
採用サイトを通じて、求職者に仕事内容や成長へのプロセスをリアルに受け止めてもらい、内定辞退や早期離職のリスクを減らしたいとお考えの際は、ぜひ当社にご相談ください。
採用サイトのタイムリーなコンテンツ発信とは
採用担当にとっては、頭の痛い採用難の状況。会社の魅力を理解し、頑張ってくれそうな人にアピールするには、「どんなコンテンツがいいのか」と、採用サイトの企画で悩んでおられることと思います。しかし採用サイトの企画で、いちばん大切なのに忘れやすいのが、「目の前の就活生に語るように企画を練る」こと。求職者対象のアンケートで、企業を知る情報源のトップに8割近くの就活者が挙げているのは、やはり採用サイトです。
キャリタス就活「2025年卒 採用ホームページに関する調査」(PDF)
会社説明会に参加したり、面接にのぞむとき、内定からいよいよ最終決断をする場面でも、傍らにあるのは採用サイトです。見落としはないかと何度もチェックし、行間まで読み込もうとする猛者がいるかもしれません。
改善の観点はいくつもありますから、いろいろと視点を変えて検証する必要があります。
彼らが頼りにする採用サイトは、実は就活の時期によって閲覧の仕方、チェックするコンテンツが変わります。このコラムでは、就活者の活動時期に合わせたコンテンツのあり方についてご紹介していきます。
就活者の思考や行動は、就活時期によって変わる
採用コンテンツは、就活者にとって王道のツール。なのにWEB上には、企業概要や福利厚生と募集要項を添えたくらいの、凡庸な内容にすぎないサイトが多いのも事実です。
採用サイトをリニューアルしたものの、うまく機能しているのだろうかという声も。では、就活者に刺さる、ほんとうのポイントはどこにあるのでしょうか。
マーケティングの世界には「カスタマージャーニー」という言葉があります。
消費者が商品(ブランド)にふれて購入にいたるまでを旅にたとえ、フェーズごとの施策を考えるフレームワークです。
就活者が思考や心情を変化させていく行動は、このフレームワークに乗せることができます。今回は採用カスタマージャーニーを駆使して、採用サイトのコンテンツをブラッシュアップする考え方をご紹介します。
・就職活動のフェーズごとに、就活者の変化する心境に配慮したサイト構成
・就職活動中に、閲覧を重ねても色あせないコンテンツづくりの秘訣
就活初期:企業情報の収集スタート
採用ポータルサイトや就職ガイダンスなどをきっかけに、たくさんのアタック候補にふれる最初の数ヵ月です。企業側は、この時期に就活者たちに自社を印象付け、その後の採用活動を上手く運ぶための大切な時期でもあります。後述する自社の良さをもとにした、採用コンセプトを一貫して訴求し、「この会社がいいな」と感じさせる大きな機会と捉えてください。
この時期に就活者が重視するコンテンツ
・募集要項
・福利厚生
・職種紹介
・会社概要
・事業紹介
自身の適性や志向をもとに、広い範囲で「様子見」をしています。
まずは、「事業内容」「自分に合った職種があるか」といった興味をスタートとして、労働条件や福利厚生などの基本情報を得ることが主な閲覧の目的になります。職種紹介では、在職者のキャリアや資格とともに詳細な内容を伝えます。インターンシップを経験していない候補者も多く集まりますので、「仕事紹介」のような平易な職種紹介コンテンツを準備するのも手です。
事業紹介や企業理念もメリハリのない説明だけでなく、「ならでは」の魅力を強く打ち出します。会社の価値は規模の大小や知名度だけではありません。会社を測る一般的なものさしではとらえきれない「良い点」が必ずあります。それこそが、就活者の心を動かす大切なポイントと心得てください。
たとえば、
・知られていないが業界シェアNo.1
・規模は中堅だが、大手のグループ会社
・社員1人あたりの売上は業界でも高いのに、残業ゼロ
・経済変化に強い(安定性)
・離職率が圧倒的に低い
・転勤・異動がない
・チャレンジ推奨の社風
などなど。
通常業務のなかで、自社の魅力を考えてみる機会は多くありませんが、これを機にグループで集まり、自社の良いところだけを挙げていくと、意外なポイントが見つかったり、全員が納得することがあったり。在職者だからこそ実感するポイントは、就活者にとっても大いに興味がわくものです。
ただし、良くないところは挙げないこと。いつまでも終わらないグチ大会になってしまいますから。
会社にまつわる数字の図表化を工夫したり、デザイン性を図るなどして、「3分でわかる◯◯」といった、わかりやすく印象に残るコンテンツを掲示することも検討しましょう。併せて、採りあげた数字の魅力を伝える際も、内容ごとに就活者に理解できる言葉を選んでおきます。
この時期に大切なのは、再訪を促す「この会社、いいかも」を感じさせること。
就活中期:より深く調査し、応募への決心を固める
会社説明会に参加したり、面接対策を始めるなかで、深い関心を抱き、自身と会社とのつながりを意識する時期です。
就活者が重視するコンテンツ
・採用コンセプト
・求める人物像
・先輩インタビュー
・クロストーク
・職場紹介(写真・動画)
在職者で話し合った自社の魅力から導き出された採用コンセプトと、求める人物像を明確に伝えること。それをわかりやすい言葉に落とし込んだメインのキャッチコピーを各コンテンツに反映させておきます。企業説明会、面接など就活者とリアルで接する場面でも、この採用コンセプトの一貫性は保たなければなりません。
先輩インタビューやクロストークの編集においても、このコンテンツで、採用コンセプトに即して「就活者に何を伝えたいのか」を明確に意図することが大切です。就活者が読み込んでいくうちに、会社の強みや社風をくみとったり、「おなじ経験ができそうだな」と、自身におきかえてくれるように、企画の段階から仕掛けを考えておきます。
就活後期:どの企業に内定受諾を出すか
完全売り手市場のいま、就活者たちは数社から内定を受けるのがふつう。あなたが出した内定通知を受諾してくれるよう、働きかけるアクションが採用活動の成否を分けます。
就活者が重視するコンテンツ
・トップメッセージ
・会社の強み
・平均的な勤務スケジュール
・入社後サポート
・研修・教育制度
・キャリアパス
ミスマッチや内定辞退を防ぐために、採用サイトが果たす役割はなんでしょうか。
それはいま一度、認知や調査の段階で積み上げてきた、会社の強みと唯一無二の個性を再確認してもらい、就活者と採用担当が共有するなかだちをすることです。会社を知ったときから内定を受けるまでを振り返り、「自分はこのポイントが好きだから、面接に力が入ったんだな」とあらためて認知させてあげるのです。
「迷いのある就活者に、確信を持たせてあげる」こと。
複数の内定を受けていれば、世間体や周囲の意見の影響、社会経験のない就活者にとっては、どうしてもより大手で名の通っているところが気になるものです。企画の段階から就活者に魅力を感じてもらえる採用コンセプトで一貫して訴求してきたコンテンツは、競合企業との比較に優位性をもたらします。
結果として、大手を選んだ就活者とは100%の相思相愛にはなり得なかったと考えるべきです。
この段階で考慮すべきことのひとつに、早期離職の対策もあるからです。
自社の良さを気に入ってくれている就活者の後押しをするために、入社後の資料もていねいにまとめておきます。研修や教育の内容はできるだけ詳細に、資格取得のサポートも具体的な数値や実績をあげます。先輩社員の平均的な勤務スケジュールをうまく紹介するのも効果的。採用サイトではまだ多く見かけませんが、経営トップのインタビューで人材重視の姿勢や、独自の強み、今後の方向性を発信するのも、親御さんへの強いメッセージにもなります。
目の前の就活者に、真剣に思いを語るように
企業説明会で、就活者が興味を持った御社のポイントはどこですか?
どんな質問が出ましたか?
あなたの言葉に、集まった就活者はどんな表情をしていましたか?
リアルで接した就活者とのコミュニケーションには、採用サイトのコンテンツ構成のヒントがつまっています。それを採用サイトに反映していくことが、多くの相思相愛候補を集めるポイント。
自社は、どんな人材と縁を結べたらハッピーなのか。
採用活動とは、希望者の心情や迷いに寄り添い、お互いが納得して握手するまで思いをかわすプロジェクトです。まずは足元、自社の良さを振り返り、目の前の就活者たちと密なコミュニケーションを図ることに注力すれば、必ず答えは見つかります。
もし、それでも解決策が見つからなければ、当社にご相談ください。
就活者に刺さる優位性の見つけ方、採用サイトで優位性を一貫して訴求する方法をご提供しています。