コラム(ブランディング)

ブランディング 2024年3月27日

ブランディング手法:会社を成長させる4つの重要なビジネス戦略

ブランディングの進捗をチェックするスタッフ

ブランディングは、企業や製品、サービスが顧客に自社が優位性を保てる理想の市場、姿で認識してもらうために継続して実施する、いわば「売れ続けるしくみ」を作り上げるプロセス。成功するブランディングは、顧客の心をつかみ、ロイヤリティを生み出します。ここでは、ビジネスの成功を支えるブランディングの手法について、4つの主要なものについてお伝えします。


 

差別化戦略

市場での競争が激化し、新しい分野の製品、サービスでさえ、あっという間にコモディティ化してしまう状況に、あなたはどうすれば勝ち残っていけるか、遠い目をしてしまっていないでしょうか・・・。厳しい市場で勝ち残っていくためには、製品、サービスのスペックだけでは足りないということの証でもあります。そこで差別化を図ることで他社との違いを顧客に訴求する手法が選択されます。

差別化戦略とは、競合他社との違いを明確にすること。取り組むための考え方としては、大きく下記の2点が挙げられます。他社が追随できない価格戦略を行うといった手法も「差別化」ではあるのですが、それは「価格戦略」となるため割愛します。


 

競合他社とは異なる切り口で、イメージ戦略を展開

たとえば、口紅を例にあげると、一般的には「きれい」「つやつや」「ぷるぷる」「かわいい」といった見た目を訴求する広告が目立ちます。しかしこれを「社会を楽しくするためのツール」と捉えなおすと、まったく違った訴求になります。この例は、企業広告に近い印象ですが、ほかにも方法はあるでしょう。


 

購買のきっかけになる訴求ポイントをずらす

競合他社も持つスペックで、ほんの皮一枚だけ自社が秀でているからといって、そこを差別化戦略と定めてしてしまうのは間違っています。
良い差別化戦略は、訴求しようとするポイントが競合他社が推していないこと、しかしそのポイントがあるセグメントにおいて、購買のきっかけになることがあることを突き止めたのであれば、競合他社と同等のスペックでも訴求の仕方次第で差別化になり得ます。


 

感情戦略

市場ではスペック比較だけされてしまうようなビジネスライクな判断がなされるだけではありません。というのも、購買の決断を行うのは幸い感情を持った人間だからです。彼らの判断を促すために人間の感情に訴えかける戦略は大きな武器となりえます。

そもそもブランドは顧客の感情と結びついているといえます。エモーショナルなつながりを築くことで、顧客はブランドにロイヤリティを抱くようになります。たとえば製品開発における感動的なストーリーやターゲットユーザーの共感を呼ぶキャンペーンを展開するといった手法が採られます。

全社的にダイバーシティを目指すなかで、コスト高にはなるが、既存の製品を改良することを決断したといった訴求は、マイノリティの目にとまる可能性が高まります。


 

一貫性の確保

ブランディングを推進するうえで、全社をコントロールすることは骨の折れる作業です。しかし、メッセージを受け取る側からすれば、部門によって、伝える人によって訴求が微妙に違って聞こえると、せっかくの強いメッセージも伝わりづらくなってしまいます。

この一貫性を保つうえで大切なことは、社内外に発するすべてのコミュニケーションと行動がブランドのイメージと一致していること。コミュニケーションの一貫性を保つために、ブランドのミッションやバリューを明確にし、それを全社で徹底的に共有することが必要です。

可能性として考えておくべきは、外部に発信するメディアの担当部門が分かれている場合です。コーポレートサイトは広報部門、SNSは営業部門、カタログは企画部門といったように。この場合、部門間で連携がとれていないと、各部門がそれぞれに工夫をこらしたアウトプットをしてしまい、微妙にズレが生じてしまうことがあります。
こういった事態を避けるために、全社でブランドが訴求すべき全体像を共有することはもちろん、コミュニケーションを担当する部門間の連携を強化する施策を進めていくことが必要です。


 

エンゲージメントの促進

顧客をブランドの育成に関わってもらえるようにすることは、非常に重要な取り組みです。B2Cであれ、B2Bであれ、施策次第では顧客をブランド育成に巻き込むことは可能です。
B2Cであれば、ファンミーティングのようなオフ会を主催し、顧客とブランドホルダーがともに製品を楽しむ。たとえば、ヤッホーブルーイングが定期的に主催するファンミーティング、担当者がファンの飲み会に参加する取り組みは広く知られたものです。
B2Bであっても、製品の使用感や顧客の声を取材して発信することで、そのブランドが持つ優位性を顧客を通じて育成することができます。

ヤッホーブルーイング

ほかにも、SNSなどを活用して顧客とのコミュニケーションを促進し、コミュニティを形成するといったことも、顧客の「参加感」を醸成することにつながあり、ロイヤリティが高まります。


 

ブランドは、一朝一夕でならず

いくつかのブランディング手法を組み合わせることで、企業は独自性を強化でき、顧客のロイヤリティを高めることができます。大切なのは、ブランディングが単なるロゴや広告の打ち出しではなく、顧客との深い関係を築くための戦略だということです。
ただ、それらを成功といえる状態にするには、どれぐらいの時間が必要でしょうか。明確な答えはありません。ひとつには、ブランディングはじっくりと取り組むべき戦略であり、ブランドを放棄しない限り途中でやめることはできないということ。ふたつめは、なにが成功かということを判断することなどできないということ。みっつめは、誰もその答えを知らないということです。
とくにコーポレートブランディングにおいては、会社を解散しないかぎり、その企業ブランドは続いていくわけですから、取り組み自体も永遠に続いていくと考えておくべきです。

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執筆:平田 弘幸

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