コラム(WEB制作のポイント)

WEB制作のポイント 2014年8月10日

入力フォームの改善で、コンバージョンが上がる5つのポイント

入力フォームの改善

お問い合わせをはじめとする、入力フォームのコンバージョンを向上させる改善ポイントがいくつかあります。当社がコンサルティングを実施したなかから、最適化にもっとも効果のあった点(総合的には平均15.9ポイントの改善効果)をいくつかご紹介します。

改めてまとめてみると、すべて「ユーザー・ファーストの視点」を持てるかどうかであり、運営者側の論理を排除すれば、訪問者が離脱せず気持ちよくフォームへの入力を済ませてもらえるようになるのです。

この記事では、今日からでも実施できる改善ポイントを5つにまとめて紹介していきます。

1.「お問い合わせ内容」は、最初の項目に

入力フォームの改善:お問い合わせ内容は入力フォームの最初に配置する

スーパーで買い物かごの中身をただ精算して欲しいだけなのに、いきなり名前を尋ねられても戸惑ってしまいます。「あなたは誰?」と。

でも、同じような作りになっている入力フォームがたくさんあります。製品やサービスを購入しようか迷っているときに、疑問点を解決するために問い合わせフォームに飛んだとたん、「あなたは誰?」と。

入力フォームでは、まず訪問者の言いたいことをきちんと聞くことから始めましょう。

そうすれば、訪問者も冷静に要領よくポイントがまとまった質問にしてくれるはずです。これは、コンサルティングの現場で私たちが良く使う手法のひとつで、まずは先方の言いたいことを聞き出す、思い切り話していただく。そのあとで初めて、私たちの意見を伝えるというように。

自分が言いたいことを受け止めてくれたのだから、次は相手の言うことにもじっくり耳を傾けてくれる、個人情報も我慢して入力してくれる・・・、「返報性の原理」の変形版と言ってもいいかもしれません。最初にしっかり質問内容を書き込むと、それを無駄にしたくないという心理も働きますから、運営者側に必要な項目にもしっかり回答してくれるようになるのです。

2.訪問者のミスを非難せず、受け止める

入力確認をしたとたん「エラー!」「NG!」。商品にせっかく好意を持ち、問い合わせしたのにがっかりした経験はないでしょうか?
たしかに必須項目に入力がなかったり、メールアドレスの書式が間違っていたりする「エラー」ではあるのですが、これは運営者(システム担当者)側の論理であって、訪問者視点によるものではありません。

訪問者のなかにはPCが苦手な人もいるし、疲れていてミスることだってある、何より分かりづらい位置に「個人情報保護に関する同意」へのチェックボックスがあったりするのは、もう相手のミスとは言えないでしょう。避難されるべきは、むしろ運営者側と感じるべきです。

入力フォームの改善:未入力項目は、すぐに知らせてあげましょう

相手の失敗をあげつらうより、ミスを吸収してあげる方がいいに決まっています。たとえば、Googleはスペルミスをしたまま検索しても、

「もしかして : ○○○?」

って聞いてくれるでしょう?あれと同じです。未入力項目があれば、次の項目を入力する前にさりげなく教えてあげる、システムで処理できることはシステムで処理するなど、入力の間違いをなくし、楽にする最適化の方法はいくつもあります。

必須項目の入力がないまま次の入力項目にフォーカスが移ったら、必須項目への入力が抜けていることをすぐ伝える。

訪問者のPC側で動作するJavaScriptというプログラムを仕込めば、抜けがあった場合瞬時に注意喚起することができます。当社が制作した例では、真っ赤なポップアップウィンドウが表示され、「必須項目です」と入力を促しています。これだけで必須項目の抜けを改善することができ、大きな効果が上がります。

メールアドレスの書式に代表される全角半角文字は、プログラム側で変換。

HTMLの制御で、半角しか受け付けないものがありますが、これはやめておいた方が良いでしょう。PCにメールアドレスを辞書登録している(「めーる」「あどれす」などを変換)人にとっては、半角しか受け付けないフォームは迷惑以外の何ものでもないからです。

プログラムで制御できていないからなのでしょうか。顧客候補と唯一のコミュニケーションツールである入力フォームで、面倒さを感じさせてしまうのは、顧客視点に立っていないということができるでしょう。細かなポイントではありますが、こういったことの積み重ねが効果を上げていくのです。

個人情報取り扱いへの同意に対するチェックなどは、枠囲みするなどして強制的に注目させられるように。

入力を終えたあとで、確認ボタンを押したとたんにエラーになることが最も多いのが、この件です。これを回避する方法として、下記を実施してください。

  • 個人情報の掲示、同意チェックをフォームの最初に配置。
  • 他の項目とは異なる体裁で、目を引く工夫を。

3.SSL導入は、個人情報の取り扱いにシビアな訪問者にできるアピールポイント

入力フォームの改善:SSL利用をアピールしよう

個人情報の漏洩に関する事件は、ニュースが必ず大きく取り上げられます。ほぼすべてのフォームは、個人情報を入力してもらうためにあるのですから、このポイントに対する配慮は必要です。

一般には、SSLについて詳しく知っている人は少ないけれど、「何らかの作用があって、自分の個人情報を悪いヤツから守ってくれる」ことを知っている人は多くなってきました。ということは、「このフォームに入力されたお客様の個人情報は○○○社のSSLで暗号化されます」と掲示するだけで、安心感と信頼感は増すわけです。

訪問者の多くは、どこのセキュリティ会社が安心だなどという知識までは持ち合わせていません。どこのSSLサービス提供会社のものであってもいいのです。いまお使いのレンタルサーバーに共用SSLの機能があるのなら、それでも問題はありません。共用SSLだとURLが途中で変わってしまうので・・・と思われる方もおられるかもしれませんが、事前に「URLはこうなりますが、心配はありません」と伝えておけばいいだけの話。要は、入力フォームの作り方に気遣いがあるかないかの問題なのです。
年間数千円でその効果を買えるのなら、安いものだと思いませんか?

4.「修正する(リセット)」ボタンは設置しない

入力フォームの改善:リセットボタンは設置しない

入力フォームの初期画面にある「修正する(リセット)」ボタンを間違ってクリックしてしまうと、せっかく入力した内容がすべて消えてしまいます。
こういったケースを引き起こしやすいのは、「入力内容を確認する」ボタンが左側、「修正する(リセット)」ボタンが右側に配置する作り方をしている場合。WEBサイトでは「次に進む」方向は右側となっていることがほとんどなので、右側にあるボタン=次に進むための手段と捉えることが多いのです。

「やっちまった。もう一度入力し直すか」
と再度トライしてくれる訪問者もいる、などと思わないでください。

そもそも、その「修正する」ボタンは何のためにあるのでしょうか?どう考えても私には必要なものには見えません。不要なもの、ミスを起こすようなものは排除しておくのがコンバージョン率を上げるための鉄則です。

5.フリーのフォームは、使わないのがスマート

ネットにフリーで配布されていたり、レンタルサーバーの機能としてついているフォームは、PHPやCGIがカスタマイズできる人にとっては、費用がかからず最高に思えるかもしれませんが、あくまで「動く」ことだけが主眼になっているのであって、訪問者に対する「おもてなし」の配慮などありません。
ましてや、WEBサイトのフォーマットを組み込まないで稼働させてしまうと、入力フォームに飛んだとたんにダサダサのデザインになっていたりして、せっかくいくつものハードルを越えてたどり着いたリニューアルが台無しになってしまうのです。

入力フォームの改善について、安易に考えないでください。入力フォームは、顧客や顧客候補と接するための唯一の手段なのです。訪問者は、細かなところでこの企業が信用できるかどうかチェックしています。WEBサイトのもっとも大切なところで、手間やコストを惜しんではいけません。入力フォームは自前で作ろうなどと思わず、リニューアルを担当したWEB制作会社にカスタマイズを依頼し、きちんとした最適化をしてもらいましょう。

早く連絡をとりたい人に向けた、FAQへのリンクやショートカットを設ける

ユーザー・ファーストで入力フォームを改善しよう

入力フォームとは直接関係はありませんが、大切なことなのでもうひとつだけ。
WEBサイトの大きな目的のひとつは、顧客や顧客候補とコンタクトをとること。緊急を要する場合や何らかの理由で入力できない、したくないなどの理由があり、電話をはじめとするその他の手段で連絡を取りたい人もいる。こういったリクエストにも対応できるよう、入力フォームの上部に問い合わせ窓口や営業拠点の電話番号を掲示しておきましょう。

FAQ集へのリンクを設けることも検討しましょう。
FAQで課題が解決できれば運営者側の不要な手間を省けるという意味もありますが、顧客や顧客候補の課題を早く解決してあげるために、です。顧客候補リストが作りたいのだから、そんなことをしたら元も子もないじゃないかと言う人がいますが、そんな浅薄な考えで顧客候補リストは集まりません。

WEBサイトは、ユーザー・ファーストの思想で考えること。そうでなければ、そもそも訪問者は集まってきてくれませんから。

WEBサイトの改善について、もう少し詳しく

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執筆:平田 弘幸

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