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求人しているWEB制作会社の社長は、あなたのどこを見ているか

求人しているWEB制作会社の社長は、あなたのどこを見ているか

WEB制作に就くことを夢見て、専門学校に通ったり、独学でスキルを磨くあなた。多くの人は、その夢を実現するためにWEB制作会社に就職することになるのだが、その前に未経験のあなたを採用してくれるWEB制作会社を見つけるという大仕事が待っている。

もし、求人を行っているWEB制作会社の採用担当者が何を求めて採用活動をしているかを知ることができれば、その対策を打てるようになる。

この記事では、採用担当者である筆者や他のWEB制作会社の採用担当(多くは社長)から聞いた真実を明らかにする。その真実に応じた対策を講じることで、あなたは自分の個性に合った良い就職先を最速で見つけられるようになるし、私たちもハッピーになれるはずなのだ。

そしてあなたには、就職したあとのWEB制作業務でも、事務所の先輩たちを実力で追い抜けることを目指してもらいたい。

多くの制作会社は、チームで仕事を進める。あなたは、その一員になれるだろうか

筆者がWEB制作を始めた20年近く前、WEBデザイナーと呼ばれる人たちは、企画からプログラミングまでのすべての作業を一人で請け負っていた。しかし、技術が高度になり専門性が極めて高くなったために、一人のキャパシティですべての業務をこなせなくなってきた。

結果、多くのWEB制作の現場ではプランニング、マーケティング、ライティング、デザイン、コーディング、システムといったセクションができ、各部門の専門スタッフが自分の領域で分業によるプロジェクトを進めている。

つまり、いまWEB制作の現場ではひとつのWEBサイトを作るのに、多くの部門のスタッフがチームの一員として動くことになるわけだ。

チームとして動くということは、スタッフ(=制作している仕様の一端)ととらえることができ、スタッフ間のコミュニケーションの密度だったり、チームの推進力を保つといったことが非常に重要になる。だから、WEB制作会社に入社したあなたに求められるのは、

チームの一員として、能力を発揮できるポテンシャル

なのだ。
面接官は、このポイントをかなり重視している。まず、面接官とスムーズな会話のキャッチボールができているか。そして、「この人とチームを組みたい」と感じさせることができるかどうかだ。

「大丈夫かな。他のスタッフと上手くやっていけるかな?」と不安に思わせるようでは、内定はおぼつかない。

WEB制作業界で必要なものは、コミュニケーション力

私がこの記事で厳しいことを伝えるのには、理由がある。

制作プロダクションに勤めるということは、長時間労働をいとわない覚悟を決めるということでもある。しかし、あなたがもしクライアントとのやりとりをスムーズできず、社内での引き継ぎ事項を明確に伝えることができなかったら、長時間労働は「超長時間労働」になってしまう。

WEB制作に夢見て入社してきても、疲労こんぱいで体調を崩してしまう人さえいる。あなたにはそうなって欲しくないから、コミュニケーション力が最低限必要だと言っているのだ。

さらに、コミュニケーションが上手くできる人は、伸びるのも早い。先輩たちのテクニックを上手く引き出し、自分のものにできる能力ともいえるからだ。

独学で学ぶより、良い指導者に師事するほうが上達は数倍早い。極端な話、良い指導者につかなくても良いテクニックを持っている人にさえつけば、あなたのコミュニケーション力を使って、それを自分のものにできる可能性があるからだ。

もういちど言おう。
これはどんな業界でもあてはまる。あなたが決めた道でハツラツと仕事をするために必要なのは、コミュニケーション力だ。

もしコミュニケーションが下手だったら、人間性で勝負だ

面接を前に、コミュニケーション能力を高めろと言ったところで、かんたんに改善できるものではない。そういう人は、人間性をさらけ出そう。

「こいつ、いいヤツだなぁ」と面接官に感じさせるエピソードを話してみる。その話に感じ入れば、「この人とチームを組みたい」と思ってくれるに違いない。

人間性、人間力が尊重されないような会社はおすすめしない。

筆者の経験では、すべてをビジネスライクに割り切って仕事を進めたがるクライアントはごく少数だ。いい仕事をしても、そこに相手をリスペクトする人間性がなければ、その関係は長続きしない。

クライアント側からすれば、どこまで自分の会社のことを思ってくれているかで「良いベンダー」にもなるし、「その他大勢」にもなってしまう。

そういったことが理解できていない会社は、あなたの人間性も尊重してくれないに決まっているから、内定をもらっても辞退したほうがいいと思う。

スキルは無用だが、学ぶ姿勢の有無がポイント

専門学校の就職課の方から、「学生にどのようなスキルを求められますか」と質問されることがよくある。私は決まってこう答えている。

「当社は、今のスキルで判断しません」

スキルは、仕事で培われる。2年ほどしかない専門学校で学んでも、即戦力などありえない。だいたい、2年で即戦力になってしまわれては、先輩たちの立つ瀬がない。

しかし忘れてはいけないのは、スキルを学ぶ態度、姿勢だ。人がものごとを学ぶ段階は、いくつかに分かれる。

第一段階は、目にしたすべてのものをスポンジが水を吸収するように身に付けてしまう段階。新たなものへの興味が人を駆り立てる段階だ。

もちろんこれは、対象となるものごとが「好き」だということが前提条件だ。専門学校で学んでいて、この段階がいまだないという人はこの仕事に興味がないのかもしれない。

第二段階は、苦しみながらも自分が持っていないものを他から吸収しようとする段階。ある程度スキルも身についたが、一皮むけるには至っていない。

天才でもない限り、内から生まれてくるものは限られているのだから、ふつうの人は多くのものをインプットして初めて、いくらかのアウトプットができるものだ。この努力ができない人は、いつまで経っても使えないままだ。

専門分野に対する考え方がしっかりしているか

たとえばあなたがデザイナー志望だとしよう。格好いいデザインがしたいからとか、暖かいデザインを作りたいから、なんて志望理由は話さないほうがいい。

あなたはクライアントから委託料をもらってデザインをする商業デザイナーになるのであって、決してアーチストになるわけではない。クライアントが望む、どのようなテイストにも対応できるデザイナーになるのだ。

採用担当者があなたに望む答えは、デザインに対する考え方だ。

面接に来て、「自分ワールド」を主張する人がいるが、面接官は心のなかで「それがどうしたの?」と思っている。

「アーチストになりたいのなら、他をあたってくれ」と。もしまだあなたが、こんな世界を形にしたいなどと思っているのなら、即刻その考えは捨てるべきだ。

デザインに対する考え方を面接時に聞かれたのなら、こう答えるべきだ。

自分は未経験で、そんな大それたことを言う資格はないかもしれないが、商業デザインに求められるのは、ユーザーにきちんと伝えたい情報を伝え、起こして欲しい行動を促し、感じて欲しいことをイメージさせることだから、クライアントの意向に寄り添い、ユーザーを導けるようなデザイナーになりたい

と主張すれば、面接官の目はキラキラと輝き始める。この人かもしれないと。

がんばれ

今まで伝えてきたことは、スタッフをみてきて必要と思われることばかりだ。ただすべてを完璧に身に付けている就活生はいない。

あなたもきっとその一人だ。だから、就活を前にあなたに考えて欲しいのは、まだ自分に足りないと感じられる部分をどうやって補うかを考えること。

その真摯な姿勢が感じられれば、面接官はきっとあなたを次のステップに連れて行ってくれるだろう。

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