ブランド戦略のフレイバーズ

WEBマーケティングで、50代独身女性の心をつかむ

50代独身女性の心をつかむ

商品購入のターゲット層として、50代独身女性が取り上げられることが多くなっている。

その理由は、ある程度の収入があり、自分のために使えるお金があること。特に現在50歳~56歳(1959年~1965年生まれ)で若い頃にバブル絶頂期を経験して人たちは、他の年代に比べて購入意欲が高いと言われている。

しかし、彼女たちの購買意欲をそそり、心理の奥深くまで切り込んでいこうとするなら、それら理由の背景にあるものをもっと知ることが必要だろう。

ちょうどその年代にあたる筆者が自分の経験も含めながら、50代の独身女性にアプローチするためのマーケティング手法について考える。

1.50代独身女性の購買意欲が高く、消費に対する罪悪感が少ない理由とは

消費によって「ワンランク上」の生活を実現したい、戦後消費社会の申し子
(サントリー次世代研究所調査結果より)

以前、あるTV番組で興味深いインタビューをやっていた。
大型ショッピングセンターの前で、通りがかりの人に質問をする。

「ここで何でも好きな物を買ってあげると言われたら、あなたはいくら使いたいですか?」

数人に質問をしたところ、答えはこうだった。
「100万円くらい」:40代、50代
「1~2万円くらい」:20代の男性

これはいささか極端な例かもしれないが、50代の人たちは購買意欲が高く、華やかなものやブランド志向が強いのは事実だろう。しかし、そんな彼らでも何でも買えば満足かというと、そういう訳ではない。

キーワードは「ワンランクアップできる」こと。女性雑誌でよく見かける「輝く美肌を手に入れる極上洗顔クリーム」とか「暮らし方上手になる雑貨アイテム10選」といった切り口だ。

なぜ、50代独身女性たちはランクアップすることに惹かれるのか?

それは幼少時代(1960年~1970年代初め)に、日本がまだ裕福とはいえなかった時代のなごりを経験しており、それと同時に高度成長が加速していく様子を眺めてきたからだ。

「子供の頃、お風呂屋さんでときどき買ってもらえるフルーツ牛乳が大好きだった(笑)」
「そうそう、あれは最高の贅沢だったよね」
そんなちょっぴり貧乏ネタが、懐かして嬉しい。

そして、親が一生懸命働いてくれたおかげで、どこの家庭でもカラーテレビや全自動洗濯機が買えるようになった。

今日頑張ればきっと明日はもっと良くなる。頑張ればきっと報われる。そんなハッピーな思考がこの世代には今でも根強く存在している。

自己投資につながる価値を見いだせるか。

そんな彼女たちの心に語りかけたいのなら、華やかな雰囲気で盛り上げると同時に、それが自己投資に値する商品であることもしっかりと伝えよう。

この世代には、王道の幸せ像が存在する。安定した会社に勤務し高収入を得て、快適な住まいに暮らし、オシャレにも気を配って「いつまでも若いわね」と言われること。

そのための手段なら、値段ではなく価値で判断する。ある意味、マーケティングしやすい世代と言えるかもしれない。

2.女性の社会的地位は、私たちが上げてきた(男女雇用機会均等法をうけて)

「女性はクリスマスケーキと同じ。25歳をすぎると売れ残りだから」

今では耳を疑うようなフレーズだが、1980年前半くらいまではごく一般的な感覚だった。女性社員といえば、朝は全員の机をふき、お茶くみもするものだった。

しかし、1985年には男女雇用機会均等法が制定され、社会の変化とともに女性が活躍する場が増えだした。「もしかして、結婚だけが幸せの形ではないのかも」と気づき始めたのもこの世代である。

とはいえ、それでも職場での女性の地位はまだまだ低かった。仕事ができる優秀な女性でさえ、女の子扱いされる。

当時、ある大手電機メーカーの海外営業部に所属し、一人で海外出張に出かけるようなキャリアウーマンが言っていた言葉が忘れられない。

「深夜便で帰国してきた場合は、そのまま帰宅していい規定になっているんだけどね。女の子扱いされるのが悔しいから、絶対出社するのよ。他の男性社員は休んでるけどね」。

彼女はその後しばらくして会社を辞め、MBA取得のために渡米した。

女性社員の可能性がまだまだ認められていない時代に、志をもっていた人には共通する意識がある。

男性社員には負けたくない。「女性は視野が狭い、感情で仕事をする」なんて言わせるものか。そんな秘めた思いとともに、人一倍努力してきた女性も多いはずだ。

そんな彼女たちも、今では経験豊富なご意見番。なかには役職が付いている人もいるだろう。現在のポジションに満足しているかどうかは別として、自分が歩んできた道はまあまあ悪くなかったと自負している。

「女性が活躍できる社会を」なんて政治家が言っているのをニヤリとして聞きながら。

平均初婚年齢の変化
2012(平成24)年:夫30.8歳、妻29.2歳
1980(昭和55)年:夫27.8歳、妻25.2歳
厚生労働省大臣官房統計情報部「人口動態統計」より抜粋

結婚観の変化
1984年
「人は結婚するのが当たり前だ」61.9%
「必ずしも結婚する必要はない」34.3%
2008年
「人は結婚するのが当たり前だ」35.0%
「必ずしも結婚する必要はない」59.6%
NHK「現代の家族調査」、1993~2008年までについてはNHK「日本人の意識調査」より厚生労働省政策統括官付政策評価官室作成の資料より抜粋

ランクアップするための「何か」が、カギ

キャリアを積んできた女性なら、余裕ができた今だからやりたいことがあるはずだ。お洒落や美容、習いごと、海外旅行、大学で勉強し直すなどなど。

そんな彼女たちに、どんなふうに語りかけるべきなのかは、だいたい想像がつくだろう。

3.老いの受け止め方も、新たなスタイルで

10代の頃から消費社会の主役を果たしてきた世代
(サントリー次世代研究所調査結果より)

酸いも甘いもを経験し、大抵のことでは動じない彼女たちも、お肌の衰えや健康については気になるお年頃になってきた。

だからこそ、一番うれしい褒め言葉は「年齢よりも、ずっと若く見えますね」。ここで、ポイントとなるのは「ずっと」にある。1~2歳若く見えたとしてもあまり意味がない。

なぜなら、これは40代以上の女性のほぼ全員に言えることだが、自分でも実年齢よりも若く見えると思っているから。

「そうかな~?」と言いたくなる方、そこはそっとしておいてください(笑)。

また、45歳~50代の女性たちは、ずっと脚光を浴びてきた世代でもある。女子大生ブームから始まって、就職すればバブルの真っ只中でアフター5を楽しみ、トレンディードラマ全盛時代に自分のライフスタイルを重ねたり・・・。

もっと言ってしまうと、どこか主役感覚があるのだ。40代、50代を迎えたとしても、アラフォー、アラフィフ、大人世代といった言葉がどこからともなく現れて、「なんだ、歳をとるのも悪くないじゃない」といった感覚だろうか。

個人差はあるものの大ざっぱにまとめてしまうと、楽観主義でハッピーな世代なのだ。

年齢のこと、健康のこと、もしくは親の介護の問題。誰しも歳を重ねるごとに暗い側面が浮き彫りになってくることは避けがたい。

しかし、そういった問題に直面したときも、彼女たちは意外にすっとこなしていくのかもしれない。なんといっても「私が主役」なのだから。

意外と高い、デジタルコミュニケーション力

最後に、WEBマーケティングに力を入れる当社としてお伝えしておきたいのは、この世代のデジタルコミュニケーション力が高い点だ。

電通総研「アラフォー・アラフィフ女性のエイジング意識調査」によると、ネットショッピング活用率が65.5%、ネット口コミチェック率が49.5%という結果が出ている。

上記の内容を参考に、WEBサイトでマーケティング実践されたい方は、ぜひご相談ください。

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