コラム(WEB制作のポイント)
WEB制作のポイント 2015年4月15日
女性誌のキャッチコピーから学ぶ、心をつかむ5つの術
大げさすぎる表現が好まれる
春の
神アイテム着回し
LOOKBOOK
ViVi 5月号
「神」だけではダメなのだ。「神アイテム」となって初めて意味がある。
コンビニの棚で封されて置かれているViViの誌面を、どうにかして覗きたいと思ってしまわせる名文句だ。
考えてみてほしい。
神のようなゴールデンアイテムとは、どういうものか。何が紹介されているのかワクワクしてこないだろうか。ひょっとしたら自分が見たこともないアイテムだったらどうしよう。ライバルがそれを知り、あなたが知らないままだとしたら。これほど恐ろしい事態は存在しない。
しかも定番の「着まわし」までくっついているのだから、財布の中身を気にしながらも、レジに向かうしか仕方ないではないか。
今こそ!
運命のパンツに
出合う!
oggi 3月号
神アイテムと同様、大げさすぎる表現だが、気になって仕方ない。運命のパンツとは、どれほどのものなのか。
その具体的なシルエットを目にしないまま、寝床につくことなど考えられない。
いまや雑誌は、凋落の一途をたどる。
過激なキャッチコピーで読者を開拓し、その興味を引き続けなければいけないのだ。多少表現が大げさでも、過剰なおまけを付けてでも売ってしまうのだ。
単行本の書籍名も内容にそぐわないものも多く、厳しい批判を聞くことが多くなった。しかし女性誌は身軽なのだ。どうにかしてこの難局を打破したいと勢い込んで買うものではない。だからこそ、
「んなわけないじゃん!」
と、キャッチコピーに軽いツッコミを入れながらも手にする読者が多いのだ。いや、そのほうが世の中オモシロイのだから。
現実的でシッカリ者向けの特集も人気
極めよう!!私らしい
「大人ベーシック」
GINGER 2月号
格差社会を反映しているのか、基本アイテムをきちんとそろえ、アクセントになるアイテムを加えることで毎日の着回しにバリエーションを加えようという特集も定番だ。
そこに「私らしさ」が付加されれば、最強ではないか。
特集の内容は、香里奈や菜々緒、宮田聡子といったファッションモデルたちの基本服を紹介し、敏腕スタイリストも加わり、脱マンネリを解説してくれるというもの。そのためには、やはり基本を押さえておかないと、ということだろう。
分かってはいるつもりでも、気になってしまうのが人の常。企画勝負に持ち込むためのキャッチコピーというべきか。
30歳
「いいものを
少しずつ」
BAILA 7月号
普遍的で、長く使える質の良いモノを持て!とは、おしゃれな人がよく口にすることだ。
当然、良いものだからベーシックなアイテムでも、それなりに高い。だから少しずつでいいのだ。
もうあなたは、量のバリエーションでカバーしてきた20代ではなくなったのだから、そろそろ大人の落ち着いた着こなしの準備もしようぜと、やんわり提案している。
躊躇しながら買った質の良い2万円の白シャツは、ユニクロで売られている、どの白シャツよりも心地よい。たとえ10倍近い価格差があったとしても。
安いものを多くそろえられる現代のアンチテーゼまで、女性誌のキャッチコピーは説いているのだ。
長く着られるおしゃれの
「定番」選びました!
リンネ 3月号
「定番」は女性誌のキャッチコピーに「定番」のキーワードだ。30年前にはこのような言葉を一般人が知る由もなく、店舗を運営していたり、商品を卸す会社のスタッフのみが使う業界用語だった。
こなれた「定番」を説くのではなく、ここでは括弧「○○○」が女性誌のキャッチコピーに多く活用されていることに注目したい。
このパラグラフで紹介している3つのキャッチコピーすべてに括弧が使われている。強調したい言葉、ダジャレ、新しい言いまわしは漏れなく括弧書きとされるのが女性誌風なのだ。
女性の欲求を満たすキャッチコピーの見本
今回紹介した女性誌のキャッチコピー黄金パターンは、注意して中吊り広告をチェックすると、車両に一つは見つけられるものばかりだ。それほど、パターンは固定化されつつある。キーワードや言い回しに変化が見られるものの、本質は変わらない。
あなたも、女性の願望「キレイになりたい、オシャレしたい、やせたい」を満たすキャッチコピーを書かなければ!となったときには、女性誌のキャッチコピーを見本として活用してほしい。