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バナーのキャッチコピー、思わずクリックさせる味付けとは

バナーのキャッチコピー

クリックしたくなるバナーには、不思議な輝きがある。

ポータルサイトの多くの情報の中にあっても、なぜかスッと目に飛び込んできて、気づいたら人差し指が反応している。

もちろん、デザインの力は大きいが、限られたスペースで表現されるコピーの威力はもっと大きい。
心を惹きつけるすぐれたキャッチコピーには、どのような魅力があるかをご紹介しよう。

それは著名なコピーライターが書いた、叙情的なものではなく、我々の心の根っこに響く直球勝負の短文だ。

WEBサイトに表示された瞬間に、ターゲットの心を捉えなければいけないバナーのキャッチコピーは、球種で言うならストレート、それも剛速球がいい。

1.バナーのキャッチコピー:基本編

当たり前のことながら、意外にポイントが押さえられていないバナーは世の中に多いものだ。もしかして?と心配な方はここからチェックしてほしい。

1-1.その先で、どんな情報が得られるかを伝える

基本的に「人はクリックしたがらない」「文章は読んでくれない」と思った方がよい。

実際にアクセス解析をしてみると、HOMEページの端っこにずらっと並べられたバナーはほとんどがクリックされていないはずだ。

では、どうすればよいのか?それは、街を歩く人の足を止めて、いかに自分の店の中へ呼び込むかに似ている。

暑い夏の日ならば「つめたいビール冷えてます!」という看板があって初めて、「ここは冷えたビールが飲めるんだな」と気づいてもらえる。

最初からその店に行こうと決めているお客さんなら、「冷たいビールがあるだろう」と想像してくれるだろうが、ビールのことが頭の中にない状態なら気づきもしない。

「私は先を急いでいるのだ」という人に対して、「こんなお得なことが待っていますよ」と足を止めさせるのがバナーの役割である。

だから、クリックした先にどんな内容が待っているのか。それをしっかりとイメージさせてあげることは、バナーコピーの基本的な使命である。

用途・ターゲットを明確にするキャッチコピー

1-2.それが、ユーザーの知りたい内容であること

分かりやすいコピーが書かれていたとしても、それがユーザーにとって興味ある内容でなければ、これもクリックするには至らない。

お酒がまったく飲めない人は「ビール冷えてます」と言われても、「そうですか」で終わってしまう。

有効にチャンスを掴むためには、あなたがクリックしてほしい人は誰なのかを明確に想像すること。しかも、ターゲットが今知りたい情報であること。

「商品一覧」というコピーがあっても、購入を検討している人以外は押してくれない。

たとえば、この春に大学を卒業し一人暮らしを始める女性に、新しいソファを買ってほしいなら、どんなアプローチができるだろう。

コンパクトで座りごこち重視のソファ特集

「商品一覧」よりもはマシだが、まだまだ足りない。

NY一人暮らし女性に学ぶ、ソファのコーディネート
姿勢美人のためのソファ選び

関心のある人には、効くコピーになってきた。
大切なことは、一人暮らしをはじめる女性がこれからの生活に夢を描けるようなコピーでなければならない。

ちなみに、ユーザー視点になっているかをチェックするには、キャッチコピーの前に主語をつけてみると分かりやすい。

  • 「山田家具店の」商品一覧
  • 「山田家具店がお薦めする」コンパクトで座りごこち重視のソファ特集
  • 「ユーザーが」NY一人暮らし女性に学ぶ、ソファのコーディネート
  • 「ユーザーが姿勢美人になる」ためのソファ選び

コンテンツを見てほしいユーザーを特定し、その人たちの目線で欲しい情報を提供する。これはキャッチコピーだけに限らず、コンテンツ制作自体に関わってくる重要なポイントだ。

1-3.コピーは単純明快に。考えさせたらダメ

バナーを見つけて、クリックするまでの時間は一体どのくらいだろうか?コンマ数秒、もしくはそれに満たないほどの瞬間に、次を見るか見ないかを決めているはずだ。

短い時間のなかで「これ見たい」と思ってもらえるためには、抽象的な表現を避ける。専門用語は使わない。すぐに頭の中でイメージできる言葉を選ぼう。

秀逸なキャッチコピーを作るヒケツ

2.バナーのキャッチコピー:アプローチ編

2-1.問いかける。そして、想像させる

たとえば、50代半ばの男性が「もし、あなたの寿命をあと10年伸ばせるとしたら、何をやりたいですか?」と聞かれたら、思わず考えてしまうだろう。さらに「一日5分で、血管年齢を若返らせる方法があります」と続くとどうだろう。

キャッチコピーを質問形のメッセージにすることは効果的だ。なぜなら、人間の脳は問いかけられると答えようとする習性があるから。

人は質問されると、その答えを考えようとして、何かしらの結論を出そうとする。そして、自発的に思いついたことは肯定的にとらえる傾向が強い。

「あと10年寿命が伸びるなら、海外旅行に出かけたい」。そう思ったあなたは、憧れていたローマの街並みや大聖堂の見事な天井画を思い描くことだろう。

ちなみに、想像させるというテクニックはプレゼンテーションでも使われる。有名なキング牧師は「私には夢がある」と演説することで、聴衆のイマジネーションを膨らませるスピーチを行った。

2-2.感情に働きかける(オンラインショップ)

人は何かを買うとき、「感情」で物を買って、その買い物を「論理」で正当化しようとする。

衝動買いであれ、じっくり比較検討する場合であれ、「どうしてもこれが欲しい」という強い欲求があるからこそ買いたくなる。

オンラインショップのバナーを作るなら、ユーザーの感情を忘れてはいけない。

「完売間近!早い者勝ちの旬ウマとうもろこし」
「さくさくタルト生地に、とろ~りキャラメルのコク」

売り切れる前に買わなくては。食べた瞬間のおいしい感動がイメージされる。

バナーのキャッチコピーは、感情を刺激するような言葉で右脳にアピールすることが大切だ。

2-3.親しみやすい言葉で、大切な友人に話しかけるように

最後に、忘れてはいけないのが言葉選び。想定するターゲットがいつも使っている表現やキーワードを選ぼう。

バナーに入れるキャッチコピーは、意味を伝えるという役割と同時に、ターゲットの目にとまるかどうかが重要なポイント。人は日頃から気にしているキーワードに対しては、非常に敏感に反応するものだ。

以下に、ポイントをまとめると

  • ターゲットが使う言葉を選ぶ
  • 専門用語は使わない
  • 誰が見ても分かりやすい、平易な言葉に
  • 漢字が続かないように、漢字、ひらがな、カタカナをバランスよく組み合わせる

さらにCTR(クリックスルーレート)をあげるために

入念にキャッチコピーを作ってバナーを公開しても、それが必ず成功するとは限らない。本当の勝負はこれからだ。

どの程度クリックされたのか、コンバージョンレートはどれほど上がったか。結果が期待値よりも低ければ、すぐに修正を加えなければならない。

その時になって慌てないために、代案を用意しておこう。

想定されるキーワードや表現方法としての代案、デザイン面での代案など、考え方はいくつかあるが、とにかく「クリックしてもらったなんぼ」の世界。1回目のリリースを終えて満足していてはいけない。

もしくは、2案を同時に公開し、GoogleアナリティクスのAB分析を行うのもひとつの方法だ。

大切なのは、サービス精神

バナーに限らないことだが、キャッチコピー作成やライティングにおいて、一番忘れてはいけないのはサービス精神である。ユーザーの視点に立って、いかに快適に分かりやすく、有益な情報を提供するか。

商品を売りたい、アクセス数を伸ばしたいといった、サイト運営側の視点に立っているうちは何も変わらないだろう。これはサイト運営者にまじめに取り組むWEBマスターやコピーライターが陥りやすいポイントでもある。

バナーの中で最も重要なキャッチコピーだからこそ、ユーザーの心にスッと受け入れられるものが必要だろう。

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