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最新版「EC-CUBE3」のインストール手順とエラー回避

最新版「EC-CUBE3」のインストール手順とエラー回避

2015年7月1日、オープンソースのネットショップ構築ソフト「EC-CUBE」が大幅なバージョンアップを行い、リリースされた。

EC-CUBEは、日本発のネットショップ構築ソフトで、当社でもネットショップ構築案件に導入している。現在、日本国内で最も普及しているネットショップ構築ソフトではないだろうか。
そのEC-CUBEが内部機構を全面的に刷新し、「EC-CUBE3」としてリリースされたのだ。

最も大きな変更点は、PHPフレームワーク「Symfony Component 2」上に構築され、テンプレートエンジンが「Twig」に変更されたことだ。ただ、このTwig、日本語での情報が少ない点が残念なところだ。

新しい物好きの筆者は、早速EC-CUBE3をダウンロード。インストールに関する情報をググってみたが、つい先日のリリースだけあって、めぼしい情報は皆無だった。ならばと、今回は筆者と同様に「EC-CUBE3」のインストール情報を探す読者に向けて、その手順に絞って紹介する。

インストール後の感想は「非常に簡単・親切」である。
WordPressをインストールしたことのある読者であれば、見慣れた手順に感じるはずだ。

EC-CUBE3のダウンロード

EC-CUBE3のインストールパッケージをダウンロードするには、EC-CUBEのメンバー登録が必要である。
筆者の記憶では、以前はメンバーでなくても、EC-CUBE本体のダウンロードは可能であった気がするが・・・。

EC-CUBE3のファイル構成

キャプチャ画像が、ダウンロードしたEC-CUBE3を解凍した直後のファイルとフォルダーの構成だ。

解凍したファイル群から、稼働環境に必要なものだけをピックアップし、サーバーにアップロードした構成がこれだ。
ただし、このなかで「logs」は当社のテストサイトに必要なログ保存フォルダーなので、無視してほしい。

インストーラーの実行とパーミッション変更

EC-CUBE3のインストールは、本体のパッケージをアップロードしたサイトのTOPページをブラウザで開くことで開始される。
EC-CUBE3の解凍直後のファイルのなかに「eccube_install.sh」というシェルがあるので、WEBサーバーにターミナルで入れる環境であれば、ターミナル上で「eccube_install.sh」を起動すればインストールできるかもしれない。ただ、今回はその手順にはトライしていない。

ここで1つ注意すべきポイントがある。
インストーラーを実行するには、「/app/log」ディレクトリだけ、インストーラーの起動までにディレクトリのパーミッション(権限)を変更(777)しておく必要があるということだ。

以下が、インストーラーが開いたところだ。

「次へ進む」をクリックすると、他にもパーミッションを変更する必要があるフォルダーを指摘してくれるので、その内容を参照しながらパーミッションを変更すればよい。

以下が、パーミッションの変更(777)を要するディレクトリだ。

パーミッション設定がすべて完了すれば、以下のようなメッセージが表示される。

「次へ進む」をクリックすると、サイトの基本的な情報を入力するページが表示される。

サイトの情報を入力し、「次へ進む」をクリックするとデータベースの情報を入力するページが表示される。
EC-CUBE3を稼働させるためのデータベースと、データベースエンジンに接続するためのユーザー名/パスワードも、事前に準備しておく必要がある。

指示に従って、データベースの情報を入力。「次へ進む」をクリックすると、データベースの初期化のページが表示される。新規インストールなので「データベースの初期化を行わない」はチェックしないでおく。
引き続き「次へ進む」をクリックする。

しばらくすると、インストール完了だ。

ほとんど迷うことなく、インストールはすんなり完了した。
最後に、「html/install.php」ファイルを削除しておけば、インストール作業はすべて完了だ。

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最新版「EC-CUBE3」のインストール手順とエラー回避、後半は

「管理画面をのぞいてみよう」へ

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管理画面をのぞいてみよう

インストールの途中で、入力したIDとパスワードを使い、管理画面にログインしてみた。
第一印象は、非常にすっきりした管理画面に変更されている。

以下が管理画面のホーム。

以下が商品登録画面。今までのバージョンではごちゃごちゃしていた商品登録画面が、非常にスッキリしている。

デフォルトのショップを見てみよう

以下がPCサイトのTOPページ。デフォルトのテーマ(テンプレート)だが、洗練された印象になっている。
デフォルトのテーマから、カスタマイズしてしまうことも以前より容易になっているかもしれない。

デフォルトのテーマは、レスポンシブWEBデザインにも対応している。ブラウザの幅を狭めた状態が、このキャプチャ画像だ。

ネットショップでは、ターゲットが女性だったり若年層であったりすればするほど、スマホ率は高い傾向にある。おおよそ日本のスマホ化率約60%と、ほぼ同じくらいの比率が標準的だ。
この傾向をみれば、PCサイトから先行してデザインするのではなく、スマホサイトから手を付けるべきなのではないかと感じてしまうほどだ。

そういった意味で、EC-CUBE3を利用すれば、自動的にレスポンシブWEBデザイン化されたネットショップができあがってしまうのだから、スマホ率の高いネットショップオーナーにとって、これ以上にありがたいことはないはずだ。

EC-CUBE3の普及とプラグインの更なる充実に期待

今回は、急ぎ足でインストール手順と注意事項のみを紹介したが、内部構造についてもレビューを進めたいと考えている。

最新版「EC-CUBE3」では、内部機構を完全に見直したことで、プラグイン拡張性が向上したと謳われている。
リリース直後なので、しばらくは様々な問題が露呈するかもしれないが、さらなる機能の充実と、サードベンダーによるプラグインの開発が進めば、使いやすい「日本発、日本のネットショップ基盤」となりそうな予感がする。

多くの人の手によって「EC-CUBE3」が拡張されることに大いに期待しながら、今後の動向を見守りたい。

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